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ちょっと頼ることで得られる、ゆとりとインスピレーション

コラム・アラカルト

LIFE STYLE
2026.03.26

「今夜は何を食べよう。」

本当ならワクワクする考えのはずなのに、毎日のこととなると少し憂鬱だ。
食べることが大好き。料理もそこまで嫌いじゃない。なのに毎日の料理が憂鬱になる原因は大抵、献立のアイディアが枯渇してしまうところにある。

餃子にしようか。いや、先週作ったところだ。
お味噌汁と焼き魚は?うーん、なんか、もうちょっと派手にいきたい気もする。
ピザとか取っちゃう!?夜にピザは重いかなぁ。

そんな自問自答を繰り返している間に時間はどんどん過ぎていく。おいしいものが食べたい。ヘルシーなものがいい。でも満足感もほしい。毎日の食事でも、いや、だからこそ、ほんの少しの特別感もほしい。「これ!」と決まればあとは手を動かせばいいだけなのに、その「これ!」を決めるのがなかなか難しい。

調理自体が面倒な場合は外食やテイクアウトでもいい。しかし家で作る味にしかない、心をほっと落ち着かせる心地よさも存在する。自炊と外食の中間のような選択肢があれば、毎日の食事はもっと豊かになるのでは。

今回、「自分時間を作る」をテーマに、気になるアウトソーシングサービスをお試しさせてもらえることになった。数あるサービスの中から私が選んだのは「らでぃっしゅぼーや」のおやさい献立セット。献立の提案とそのレシピ、そして必要な食材と一部の調味料が一緒に届く。最初はネットスーパーや、同じ「らでぃっしゅぼーや」での食材の購入を考えていた。でもこの機会に、「買い物に行かなくていい」というメリット以上の、もう少し頼る部分の大きいサービスを利用してみたくて、メニューを決める必要も、レシピを考えたり探したりする必要もないこのセットを選ぶことにした。

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最近よく耳にするミールキットは、野菜のカットも下ごしらえも不要なことが多い。しかしこのおやさい献立セットは、それと比べるとしっかり調理する必要がある。何かにつけて自己流のアレンジを加えたくなり、レシピ通りに作ることが苦手な私も、これならレシピの提案をもらいつつも自由に楽しめそう。

届いた箱を開けると、まだ土がついている新鮮な野菜がたくさん詰められていた。中には自分ではなかなか手に取らないものや見慣れない色の野菜もあり、箱から冷蔵庫へ移すだけでワクワク。

夫が不在のひとりの夜に、何品か試してみることに。3日分で9品というレシピの作りになっていたけれど、初めてのレシピ付き宅配食材を自由に楽しむべく、気になる順に4品選んで半量の1人分ずつ作ることにした。

1日中パソコンの前に座って脳みそをフル回転させていたせいか、シンプルでフレッシュな味で気分転換したかった。そんなわけで選んだのは、八朔とかぶのカルパッチョ、れんこんとにんじんのステーキ、チャイルドリーフ春菊のサラダボール。冷蔵庫に眠っているシードルとも相性がいいはず。これは忙しかった1日を締めくくる最高のディナーになりそうな予感。

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かぶを生で食べるとか、にんじんをただソテーするとか、春菊のサラダに赤紫色の大根を入れるとか。自分でメニューを考えていたら絶対に出てこないであろう食材、調理法が、このシンプルなレシピの中にいっぱいで楽しくなる。野菜は洗って土を落としたあとも、見るからに新鮮。色や張りから栄養たっぷりなことが伝わってくる。

シンプルな味つけが大正解だった。野菜が持つ甘みやコクが存分に感じられて満足度が高い。普段ならそこまで好きになれないにんじんも独特のくさみがなく、口いっぱいに甘さが広がった。れんこんはもちもちで、紅くるり大根と春菊はしゃきしゃき、かぶはほんのり甘く、八朔は酸味と甘みのバランスがちょうどいい。野菜でいっぱいの、カラフルで贅沢でヘルシーな夜ごはん。体の栄養も心の栄養もたっぷりだ。

今回のサービスで得たものは心のゆとり、それから自炊を続けていくためのインスピレーションだった。普段とは違った食材とレシピで料理する刺激。でも、自炊の慣れ親しんだ心地よさもちゃんとある。自分で作ったという手応えが確かにあって、それもまたおいしさに拍車をかける。

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生活する中で出てくる大小さまざまな「どうしよう」。どんなに些細に思えるようなことでも、頭を悩ませる本人にとっては大ごとだ。そんな、小さくても毎日現れる「どうしよう」に寄り添ってくれるサービスがあると心強い。完全に「頼る」か「頼らない」かではなく、苦手な一部分だけ頼ってみる。そんな選択肢は何においても心を軽くしてくれる。

ゆっくりと味わうべく、好きな音楽を流して、楽しみにしていた本を読みながら食べた。シードルはワイングラスでちびちびと。味わい深いこだわりの野菜で体が喜んでいるのがわかる。それを心が喜んでいる。これはまたひとつ、今までは知らなかった自分へのごほうびの形だ。

食べ終わったらゆっくりお風呂に浸かって、久しぶりにペディキュアでも塗ろうか。冬の間はカラーはおろか、つま先のケアさえ怠っていた。春を待つ足先にはフレッシュで明るいカラーがいいかな。今夜は心が軽い。

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