シンプルだけど子供に大人気!懐かしい給食の味「おさくらごはん」を家で再現

コラム・アラカルト

2021.06.04

私が住む静岡県には、「おさくらごはん」という郷土料理がある。
分類としては郷土料理になるのだろうが、小学校の給食によく出ていたメニューで、“ご当地給食メニュー”といったところだ。

静岡県のご当地給食メニュー「おさくらごはん」

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おさくらごはんはしょうゆと酒で炊き込んだごはんで、具は入っていない。とてもシンプルだが、ほんのりしょうゆの味がしておいしい。
給食に出るたび「おかわりじゃんけん」が開催されていたメニューで、シンプルだけど人気があるという立ち位置は揚げパンに似ている。

私もおさくらごはんが大好きだったが、おかわりじゃんけんには参加しなかった。
母が給食の納入元である地元のパン屋で働いていて、その日の余剰分をもらって帰ってきてくれるからだ。
昼の給食におさくらごはんが出たら、夜も家でおさくらごはんが食べられる。
当時小学生だった私にとって、「おさくらごはんざんまい」が叶うその日は夢のような一日だった。

今思い返してみれば、昼夜連続でよく飽きずに食べていたなぁと思う。おさくらごはんを家で作る文化がなかったので、給食でしか食べられない特別感があったのかもしれない。大人になった今も好きだったという記憶がずっと残っている。

「金魚めし」「大あん巻き」…いろんな地域のご当地給食メニューは楽しい!

ほかの地域にも、おさくらごはんのようなご当地給食メニューがたくさんあるのではないか。
知人に聞いて回ったところ、目からうろこのメニューが続々と挙がってきた。

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まずはじめに、名前のインパクトがすごい岐阜県の「金魚めし」。
にんじんの生産が盛んな岐阜県各務原市に伝わる郷土料理で、にんじんがたくさん入った炊き込みごはんのことを指す。炊き込んだにんじんが金魚のように見えることからこの名前がついたそう。魚は一切入っていないのに、名前に引っ張られて磯の香りがしてきた…。
話を聞いた知人によると、金魚めしが給食に出た日は「先生〜!金魚入ってないやん〜!」と言う男子が必ずいたそう。小学校ならではのエピソードだ。

そして土産物としてはよく見るが、まさか給食にも出るのかと驚いたのが愛知県の「大あん巻き」。
大あん巻きは愛知県知立市の名物で、どらやき生地であんこを巻いた和菓子。
私も以前愛知を訪れた際に食べたことがあるが、一人で食べるにはボリューミーで、家族で分けて食べた記憶がある。

その大あん巻きがまるまる1本、給食に出ていたとのこと。
しかも大あん巻きとカツカレーが同時に出た日もあったらしく、食べ切るのが大変だった記憶が今も鮮明に残っているそうだ。
大あん巻きが給食に出るなんて羨ましい!と思ったが、たしかにカツカレーとは別の日に出してほしい…。

鳥取県は「スタミナ納豆」。
「とにかくおいしくて、給食で出るのが楽しみだった」というスタミナ納豆だが、普通の納豆となにが違うのか。調べたところ、学校給食に携わる栄養士が、納豆が苦手な子どもたちでも納豆をおいしく食べられるようにと考案したメニューだそう。納豆に炒めた鶏ミンチ肉やにんにく、生姜などが入っている。
想像しただけでおいしそう!子どもはもちろん、大人もとりこになりそうだ。
苦手を通り越して好物になるのでは…?私なら白米20杯はいける。

福岡県の「がめ煮」。
初めて聞いた料理名だったが、がめ煮とは筑前煮のこと。
博多弁で「いろんな材料を混ぜる」ことを「がめくり込んで煮る」といい、そこからがめ煮という名前がついたと言われている。
鶏肉、里いも、れんこん、ごぼうなどさまざまな具材が入っていて、栄養も満点。

ほかにも神奈川県の「シウマイ」、長野県の「りんごやぶどう」、三重県の「津餃子」、大分県の「団子汁」など、静岡県民の私には新鮮すぎるご当地給食メニューがたくさん出てきた。
話を聞くだけでその土地の給食の光景が思い浮かんできて、とても楽しかった。

おさくらごはんを自宅で再現

久しぶりにおさくらごはんが食べたくなった。懐かしの味を自宅で再現しよう!

必要な材料は、

  • しょうゆ
  • 料理酒

の4つのみ。

家に常備してある材料でパッと取り掛かれるのも魅力。
スーパーめんどくさがりの私は、作りたいレシピを発見しても「あの材料が家にないからあきらめよう…」ということが多々あるが、おさくらごはんならその心配も一切なし。

作り方もとても簡単。

1. 米を研ぐ。
2. しょうゆ、料理酒を米1合につき大さじ1杯ずつ入れる。
3. 水を通常量入れ、炊飯器で炊く。

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たった3ステップ!これで完了!

そして炊き上がりはこんな感じ。

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自分が台所に立つようになって、おさくらごはんは特別な材料も包丁もいらないお手軽料理だったことに気づく。
これで子どもが喜んで食べてくれるのならば、これほどいい炊き込みごはんはほかにない。

当時の光景が蘇り、懐かしい気持ちに

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おさくらごはんは具を入れないので、見た目はとにかくシンプル。しょうゆの香りがほのかに香る。ところどころおこげができているのが、ちょっとうれしい。

あ〜これこれ!口の中にふんわり広がるしょうゆ味!
この主張しすぎない感じがいいんだよなぁ。

久しぶりに食べたおさくらごはんは、小学生の頃に食べた思い出の味と変わらないやさしい味だった。
わかめごはんや五目ごはんのような派手さはないが、つい一口、二口と次々に箸が動いてしまう。
簡単なおかずも作ったが、結局ほとんどおさくらごはん単体でたいらげてしまった。ついでにおかわりもした。

懐かしい味に、当時の給食の光景、家で母がよそってくれた幸せな晩ごはんの光景が蘇った。
自分も家で子どもにふるまってあげたい。

鈴木さくら

1988年静岡県生まれ・静岡県在住のライター。1児の母で育児奮闘中。地方のおもしろい人、もの、ことを地方在住者ならではの視点で発信。食べることが大好き。

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イラスト:奥千晴