当時小学5年生のケシミニャン…淡い初恋の行く末【後編】

2019/07/16 UPDATE

ハイサイ!ケシミニャンです!

今回は初恋の話の続きです(前回のお話はこちら 当時小学5年生のケシミニャン…淡い初恋の行く末【前編】)!
よろしくお願いします!

おしゃれになりたくて

出かける直前。

洗面台の、母の香水が目に入ったケシミニャン。

もっと「おしゃれになりたい」という乙女心から…
生まれて初めて、香水をつけてみる。

ケシミニャンは香水の加減が全く分からず、5プッシュ以上、全身に香水を吹きかけた。

小学生なので、香水の使い方がよく分かっていなかったのだ…。

自分の体が良い香りに包まれ、ちょっと大人の女になった気分のケシミニャン。


そして…。
時間が経ったら、香水をつけ直さなくてはいけないのかも?と思って…

香水瓶をそのまま、自分のトートバッグに入れた。

香水瓶の重みで、いびつな形に変形したトートバッグ…。


そして、ケシミニャンは小学生のくせに香水の匂いをプンプンとさせながら…
ショッピングモールに出かけたのである。

謎の自信

ショッピングモールに到着。

待ち合わせ場所に向かう最中…
やたら、他人からの視線を感じた。

恐らく、小学生なのに香水臭いし…
香水瓶でいびつに変形したトートバッグを、みんな「変だな」と思って、ジロジロ見ていたのだろう。



しかし、ケシミニャンは…


ケシミ「(おっ…今日は、なんか、視線を感じるな…。ケシミニャンがかわいいから、みんなジロジロ見てるんだっ…)」

ケシミ「(ドヤッ)」

何故か、本気でそう思っていたのである。
思春期の思いこみとは、残酷である。

そんな、自信満々のケシミニャン。


ケシミ「みんな!お待たせ!」

みんな「…!」


みんなのケシミニャンを見る目が、いつもと少し違うような気がした…。

香水の香りをプンプンさせているケシミニャンに、びっくりしたのだろう。
しかし、みんな面と向かって「臭い」とは言えるワケがなく…。

ケシミニャンは、みんなのその表情を見て…


ケシミ「(今日のケシミニャンがおしゃれでカワイイから、釘付けになってるんだ…!)」


なんて、思っていた。

思春期の思いこみとは、本当に、本当に、残酷である。

鈴木君と

ショッピングモール内の雑貨屋や文具店など、みんなで当てもなく回った。

そして、女子たちでお手洗いに行ったとき…。


アヤちゃん「ケシミ!お昼ごはん食べ終わったら、ウチらだけでテキトーにどっか行くから…その間に、鈴木君とプリ撮っちゃいなね!」


キ、キターーーーー!!!!!!!!!!


ついに、この瞬間がやってきた…。

お、男の子と…
しかも、大好きな鈴木君と、プリクラを撮るチャンス…。

どんな風に誘ったらいいのか、頭のなかでいろいろな妄想をするケシミニャン。

恥ずかしいけど…

ニヤニヤが止まらない…。

そして、ここで何故か、再びバッグから香水瓶を取り出し、シュシュ!とつけた…。


その後、みんなでフードコートにてお昼ごはんを注文。

モグモグ食べていると…


アヤちゃん「あっ!!!!鈴木君とケシミ、チョット私たち用事思い出したから、二人で待ってて!!!二人は着いてこなくて大丈夫だから!!!二人でどこ行ってもいいカラネ!!!ジャアネ!!!!(棒読み)」


アヤちゃん…

芝居、ド下手かよ…。


かなり不自然に去っていくアヤちゃんたちに対し、鈴木君も「?」という顔をしていた。


二人でハンバーガーをモグモグ食べながら、少し沈黙が続いた…。
学校では鈴木君と楽しくおしゃべりできるケシミニャンだったけど、この時は少し緊張していた…。

そして…


ケシミ「あっ、あのさ、鈴木君…プリクラって…知ってる…?」


知ってるに決まってるだろ。

緊張のあまり、訳の分からないことを口走ってしまうケシミニャン…。


鈴木君「知ってるけど(笑)」

ケシミ「あっ、あのさ、鈴木君が嫌じゃなければなんだけど…。その、私、プリクラ集めてて…。一緒に…」

鈴木君「おー。撮るかー(笑)」



鈴木君は拍子抜けするくらい、あっさりOKしてくれた。
恐らく、鈴木君にとって、ケシミニャンと二人でプリクラを撮るということに、なんの深い意味もなかったからなのだろう。

ケシミニャンはドキドキしながら、二人でゲーセンコーナーに移動した。

憧れの…

ゲーセンコーナーに着き、行ったりきたりして適当なプリクラの機種を選ぶ。

この時、ケシミニャンは二人でプリクラを撮れることがうれしくて、相当顔がニヤニヤしていた。

プリクラの値段は、1回400円だったと思う。


ケシミ「私がお金出す…」

鈴木君「いいって!半分こな!」



鈴木君が先に、200円入れた。
そのあと、同じようにお金を入れるケシミニャン。
まるで自分たちがカップルみたいだって思って、胸がときめいた。

プリクラの機械のなかに入る二人。
終始、ケシミニャンはニヤニヤしていた。

しかし、そんな風にニヤニヤしている自分を、鈴木君には見られたくなかった。
だって、恥ずかしいから。
だから、途中から本当の気持ちを隠すため、ケシミニャンはクールさを装って無表情になった。


その結果…。

笑顔でピースをして写る鈴木君に対し、直立の無表情でプリクラに写るケシミニャン。


ケシミ「鈴木君…ありがと…」

鈴木君「おー(笑)」



憧れの、異性とのツーショット…!!!

ふと、鈴木君はケシミニャンのことを、どう思っているのだろう?
と、不安になってきた。

でも…。
きっと、嫌な女子とだったら、一緒にプリクラを撮らなかったと思う…。

ケシミニャンと二人でプリクラを撮ってくれたってことは…
鈴木君は、ケシミニャンのことを嫌じゃないんだ…。

そう思えて、すごくうれしかった。

ショックな真実

その後、アヤちゃんたちとゲーセンコーナーで合流し、みんなでゲームをして遊んだ。
男女で分かれて、いろいろなゲームを見て回った。

遠くで、男子たちがバスケのシュートを決めるゲームをしている。
近づいていくと、鈴木君の声が聞こえる。


鈴木君「…今日のケシミだけどさぁ…」


鈴木君がなんと、ケシミニャンの話をしていたのだ…!
ドキッとして、聞き耳を立てるケシミニャン。

ドキドキ…


鈴木君「ケシミ、トイレの芳香剤の匂いしね?」

他の男子「ちょww鈴木、香水だろ、ひでーwwwwwww」

鈴木君は何の悪気もなく、率直な感想を述べたのだろう…。

しかし、この言葉はとてもショックだった。

ケシミニャンの大好きな鈴木君の言った、「トイレの芳香剤」という言葉…。

結構ショックで、ケシミニャンはちょっと、泣きそうになった。
おしゃれに失敗した自分が、すごく、すごく、恥ずかしくなった。

その後のことは、あんまり覚えていない…。

胸の痛い思い出


誰にでも、思い出すと胸が痛くなるような、切ない思い出があると思う。

年末、祖父の葬儀で実家に帰省したとき…。
偶然にも、押し入れで、小学生の時に持っていたプリクラ帳を見つけてしまった…。

懐かしくなって、ページをめくっていたところ…。

後ろのページに、笑顔でピースの鈴木君と、直立で無表情のケシミニャンのプリクラが出てきた。


ケシミ「(うわああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」

このプリクラを見るまで、鈴木君の存在なんて忘れていた。

もしも、あの時…
ケシミニャンが香水をつけすぎたりしなければ…。

鈴木君の「ケシミ、トイレの芳香剤臭いよな」って言葉を聞かなければ…。

もう少し、甘酸っぱい、良い思い出として、鈴木君のことを思い出せたのかな…?


今頃、鈴木君はどこで何をしているのだろうか…。

できれば、トイレの芳香剤臭かったケシミニャンのことは一生思い出さないでほしい。

初恋の記憶さえも黒歴史の、ケシミニャンでした。

投稿者名

ケシミニャン

酒量は年々増えるが年収は一向に増えない、へっぽこゆとりダメ社員。
ニートやひきこもり等も経験したのち、現在はキャリアコンサルタント業や講師業をしています。
大人になっても「自分探し」を続けていたら、職歴が真っ黒になりました。
そんなケシミニャンの恥ずかしいところ、たくさん見て欲しいです…。
Twitter:https://twitter.com/DJ_P0PPY Blog:http://keshimi.hatenablog.jp/