しんどいオカマのお悩み相談 その35.まわりが幼く見えてしんどい?

2018/05/23 UPDATE

しんどいオカマがしんどいお悩みにお答えする、しんどくても頑張るあなたのための人生相談。今回はまわりが幼く見えてしまう女性からのお悩みよ。
オカマって、精神的な幼さとなんて無縁なように見えるでしょう?でも実は、歪んだオカマ業界に浸っていると、だんだん倫理観が失われて幼児化していくものなのよね。オカマという肩書きに騙されちゃダメよ。

【お悩み】
20代の女性で、会社員をしています。ちなみにレズビアンです。
まわりの人間が幼く見えてしまい、友達や恋人を作る意欲がなくなってきていることに悩んでいます。
ノリや会話の内容がある程度合う人たちのいた学生時代は、まだ、まわりに友達になりたいと思う人もいました。
しかし、社会人になり、友達になりたい、この人のことをもっと知りたい、と思える人になかなか出会えなくなりました。

恋愛についても同様で、何年か前までは尊敬できる人がおり、好きになったり付き合ったりしていました。
しかし、今はバーなどに行っても、聞こえてくる会話の内容も理解できませんし、まわりを見渡せばお酒の飲み方もコントロールできない人ばかりで、友達になりたいとすら思いません。

学生のような軽いノリに対する嫌悪感が強いことも原因のひとつかもしれません。
自分がまだ子供で、程度の低い人間であることは重々承知しています。自分のことを棚に上げて、他人を見下しているのだと思います。
それをわかっていてもなお、妥協できないのです。どのように考えれば良いのでしょうか。

「大人っぽい」って何かしらね

確かに、アタシも同世代や年上の子供っぽい人を見ると、まったく尊敬できないと思ってしまうことがあるわね。
仕事でも、自分の感情を優先させて、他人に甘えている人を見ると、つい苛立ってしまうことがあるわ。もちろん、なるべく表に出さないように気をつけてはいるけど。

逆に、うんと年下でも、しっかりと自立している人は尊敬するわね。
たとえば最近だと、大谷翔平くん。
年齢はアタシよりひとまわり以上も下なのだけど、選手としてピッチャーマウンドやバッターボックスに立っている姿はもちろん、しゃべっている姿を見ても、おっぱいがパンパンに張ってくるのよね。
もはや母性のほうが強いのかもしれないけど……。それでも、彼を尊敬していることは確かよ。

あと、アタシもたまにゲイバーに行くことがあるのだけど、相談者のあなたと同様、大抵のゲイバーではその独特のノリが子供っぽいと思ってしまって、全然ついていけないのよね。
店全体では3秒に1回くらい「何なのこのブスー!」「何なのこの女ー!(ただし全員男)」という怒号が飛び交って、その合間には低レベルな下ネタが延々と続くの。
普段からやかましくて下品なオカマたちが、アルコールを摂取することによってさらにやかましく、さらに下品になるのよ。品のよさで言えば、まだ和式便器の佇まいのほうがマシよ。
大学生が慣れないお酒を飲みながらウェイウェイやっているのと、ノリはほとんど変わらないわ。
「アタシはただ、静かに飲んで、静かに語らえる相手がほしくて来たのに」と、ついバーからは足が遠のいてしまうわね。

年齢は関係なく、言動に思慮深さを感じられる人は「大人っぽい」と思えるものよね。ただ、その存在がなかなかまわりにいない。
よくわかるわ。アタシも「ブスだから」という理由を除けば、彼氏ができない理由はそこにあるから。アタシも、あなたと似たようなものだわ。

相手の長所すら知らないで尊敬なんてできないわ

社会人になると、友達になりたいと思える人や、もっと知りたいと思える人が減るのには、理由があるのよ。
それは単純に、相手の人生をじっくりと知るための時間がなくなって、浅い部分でしかその人のことを知りえなくなるから。興味のわくようなことを、他人の中に見つけるための時間がなくなっちゃうのね。
学生時代は、深く知ろうとせずとも、自然とその人の人となりがわかるようになるくらいに、ありあまる時間があったわよね。
みんなが一斉に自由に過ごせる休み時間が定期的にあったし、授業もフランクな雰囲気でのディスカッションが許されていたわ。
まわりの人の中身を嫌でも知ることができたから、その中から、気の合う人や、興味のある人を選べばよかったのよね。
これが社会人になると、そうはいかなくなるのよ。
業務中は仕事以外の話をほとんどできないし、社会人であり、組織人であるという意識があるから、お互いに当たり障りのない会話しかしなくなるのよね。
それでは、友人も恋人も、その候補者すらいないと思えてくるのは当然ね。

それに、大人の社会では、たとえ会社の外であっても、学生時代のようにフランクに自分を出しすぎてしまうと、常識のない「子供っぽい人」として扱われてしまうのよね。
どこまで自分を押し殺し、どこまで自分をさらけ出すかというバランスを取るのは、社会に出るととても難しくなるのよ。
そして、それを難しくさせているのは、他でもない、あなたやアタシがバーにいるウェイウェイした人へ送っている視線なのよね。
確かに彼らの言動は、一見理解しがたいものかもしれない。だけど、彼らも、アタシたちのまだ知らない苦悩や、深い思慮を持っているかもしれないのよね。それをはなから否定しているのはアタシたちなのよ。

だから、アタシたちが人間関係においてできることは、相手を表面的な部分だけで判断しないよう心がけることだと思うの。
たとえばギャルっぽい子。多分、ギャルというのは、相談者のあなたとは対極にある存在だと思うわ。
だけど、そのギャルが自宅の部屋に帰ったあとの行動や、考えていることがあなたに想像がつくかしら?
話してみないとわからないことって、とても多いのよね。
じっくりと誰かと話す機会を意識して作ってみることで、また学生時代のように、尊敬できる相手を見つけられるのではないかと思うわ。

子供っぽさのすべてが悪いことじゃないの

確かに、自己中心的であったり、節度も守れずはしゃぐ人というのは、人の気持ちをおもんぱかることができない子供と同じだし、その中から気の合う人を見つけるのは難しいかもしれないわね。
ただ一方で、子供のように常に好奇心を持っていたり、熱い正義感を持っている人は、過度に他人の目線を気にして傍観者に徹する冷めた人よりも、ずっと尊敬できるものだと思うのよね。
少しでも自分の価値観と合わないと思ったら「子供っぽい」と切り捨てるのではなく、「何を幼いとするか」という部分をしっかりと考えながら、もう少しだけ深く相手を知ろうとしてみてはどうかしら。
そうすることで、きっと愛すべき人たちを見つけ出せるはずだわ。

アタシも、新しいゲイバーを探してみようと思うわ。じっくりと話ができる程度には静かなところをね。

さて、このコーナーでは、読者の方からのお悩み相談を随時募集しているわ。
恋愛でも学業でも仕事でも、あなたがどんなことで悩み、どんな風に解決したいのか、できるだけ詳しく簡潔に教えてくれると助かるわ。
送り先は、アタシのツイッターアカウント(@BS_dim)のDMか、メールフォーム(okama.onayami@gmail.com)まで。
【お悩み相談内容】と【年齢、性別、職業など簡単な自己紹介】を忘れずにね。いただいた相談内容、個人情報はこのコーナー以外では利用しないし、長期的に保管することもしないから安心して。
また、このコーナーに関するご意見やご感想もお待ちしているわ。とっても励みになるから、気軽に送ってもらえると嬉しいわ。よろしく。

投稿者名

BSディム

夜な夜なネオン街をねり歩くアラサーのオカマ。
昼間は真面目な係長だが、退勤から3駅で夜の帳をドレスに変える。
中学2年生で周囲にカミングアウトし、以後オカマとしての人生を歩む中堅オカマである。
Twitter:https://twitter.com/BS_dim Blog:http://aiokama.hatenablog.com