5歳さん嫁非公認コラム Episode:26「“危なっかしい”が最高!家族でアスレチックへ行った話」

2018/07/27 UPDATE

ちょっと奇抜な奥さまと元気な息子さん達とのユーモラスなエピソードが大人気!ツイッター界随一の恐(愛)妻家 5歳(嫁公認アカウント)さんのコラム!

アスレチックのスリリングな遊具で、生き生きと遊ぶ息子さん達、その姿をハラハラして見つめる奥様、野生にかえって一緒に楽しんじゃう父・5歳さん…自然の中での楽しい家族時間が伝わってくるエピソードです。

第1章 思い出のアスレチックへ!

6月の終わりに、家族でアスレチックへ遊びに行きました。

そのアスレチックは、地元の子供なら一度は絶対に行った事のある、みんなの思い出の場所。林の中に作られていて、僕が小さい頃からあるかなり古い施設です。
6月いっぱいで閉園すると聞いたので、『今までありがとう』の気持ちを込めて、最終日に遊びに行く事にしたのです。

アスレチックに着いてみると、僕と同じ考えの人達がたくさんいたらしく、普段はスカスカの駐車場も午前中ですでに満車。家族連れで大賑わいでした。

受付カウンターは駄菓子屋のような古びた小屋で、エプロンを掛けたおばちゃんとおじちゃんが、列に並ぶお客さん一人ひとりに笑顔で「楽しんできてね」と言いながらチケットを渡していました。


アスレチックの遊具は、僕が小さい頃に来た時とまったく変わっておらず、基本的には丸太と太い縄で作られた、昔ながらのアスレチックという感じです。現代の、安全を考慮された遊具とはかけ離れたもので、親としては、見ていてちょっとスリリングなものもたくさんあります。

急勾配の縄のハシゴ、すごい勢いで滑降するターザン、明らかに高すぎる丸太のジャングルジム、大人でも難しい綱渡りみたいなやつ。『1日100人来たら絶対に3人は怪我するだろうな』と思うくらいに危なそう。
そんな親の心配はつゆ知らず、息子達は猿みたいにホイホイと登ったり、滑ったり、生き生きとした顔で楽しんでいました。

そんな完全に猿化した息子達を見守りながら、「確かにこの危険な感じ、楽しいんだよな~」と、自分が小さかった頃の事をしみじみと思い出しました。現代っ子が遊ぶ遊具は、スリルが足りないと思います。僕が小さい頃は、今ではすっかり見かけなくなった危険遊具が公園に結構ありました。

でかい地球儀みたいな球体が回るやつとか、観覧車の乗る所だけみたいな揺れるやつとか、シーソーとか、色々です。もちろん、その遊具で骨折するヤツとかいたし、怪我をする事もよくあったけど、別にそれは遊具が悪いわけじゃなくて遊び方が間違っていただけで、それでもやっぱり“ちょっと危険な感じ”が楽しかったんですよね。

『子供の頃にちょっと危険な事をさせるのも、大切な教育なのかもしれないな〜』なんて、そんな事を僕は思っていたのですが、嫁はアスレチックで走り回る息子達を追いかけながら「それ気をつけて!」「危ないよ!」「ちょっと待って!」「止まって!ストップ!ストップ!」と叫び続けていました。

これが母親と父親の違いですね。

母親は「危ない!絶対に怪我する!」
父親は「そんくらい大丈夫だろ」

母親は常に最悪を考えて、
父親は常に楽観的。

これが女と男の育児意識の差です。

昔、僕の母が言っていた「子供の命を守るのが母親の使命」という言葉を思い出しました。
息子達が今まで生きてこられたのも、心配性な嫁のお陰なのでしょう。ありがとう。

丸太の遊具で一通り遊び終わった息子達は、吊りロープが張られた池へ移動。
本当は濡れないように渡るっぽいんですが、そこで遊んでいた子供達は全員、池をプールか何かと勘違いしているのか、わざと水の中に落ちて泳いでいます。しかも、その池はどう見ても泥水なんですよ。抗菌滅菌なんて関係ないって感じです。綺麗好きのママが見たら失神すると思うレベル。
でも、ここで遊んでる子供達が、これまたいい顔してるんですよ、無邪気な笑顔で溢れかえっていました。
僕もそこに混ざって泳いだんですけど、さすがに大人で泳いでいるのは僕だけでした。
でも、たまには大人も羽目をはずしたい!泥だらけになりたい!大人も遊ぼうぜ!とみんなに強く訴えたい。

第2章 兄弟の野生、解放

泥水の中で無我夢中で遊んで、息子達の何かが目覚めました。

息子達の中に眠っていた、野生のチカラです。それがすっかり目を覚ましたのです!もう、走りまくっていました。
4歳の次男は甘えん坊で、体力がないのか外に出るとすぐに「おんぶしてぇー」などと言って座り込むんですが、そんないつもの次男はどこに行ったのかと思うほどでした。「うひょっぉおおー!!」と叫びながらターザンのような身のこなし。『別人じゃねーかよ!』と心の中でツッコミを入れました。でも、そんな子供らしい感じをちゃんと見られてよかったです。

長男は、いつもは慎重派なんですけど、泥池にダイブしていました。通常運転なら考えられない行動です。アスレチックパワー、恐るべし。野性解放パワーはすごい。

その日は朝から閉園時間まで遊び倒しました。

じゃあそろそろ帰ろうか、と言うと息子達が声を合わせて

「えぇぇぇー!!もっとあそびたいぃぃ!!」

と言いました。でも、閉園だから仕方ないです。なんとか説得して帰り支度。
帰り道、次男と手を繋ぎながらゆっくり歩いていると

「パパ!またここのアスレチックこよう!」

と言っていました。
よっぽど気に入ったのでしょう。

残念ながら、ここのアスレチックは今日でさよならです。
今までありがとう。


これを読まれている読者の皆さんの近所にも、こういった昔ながらのアスレチックがあるかと思います。
少し危険な遊びをさせると、子供の意外な一面が見られるかもしれません。


いつもと違う場所に行くと、いつもと違う表情に出会える。


まだ見ぬ息子達の顔を見るために、週末はどこへ行こうか?

投稿者名

5歳

34歳。嫁と息子2人。
嫁は可愛くて、恐ろしい。
息子達は可愛いくて、可愛い。
そんな4人家族の半径15mの生活。
嫁が快適に生活出来る事を一番に考えながら今日も僕は働いて、そして書く。
普段僕の話を聞いてくれる人はいないので皆さんが聞いて下さい。よろしくお願いします。
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