しんどいオカマのお悩み相談 その43.「デート代は男が払う」風潮がしんどい?

2018/09/26 UPDATE

しんどいオカマがしんどいお悩みにお答えする、しんどくても頑張るあなたのための人生相談。今回はデート代を男性が払う風潮に疑問の声をあげる男性からのお悩みよ。
昔、飲み会に1,000円しか持ってこなかった女がいて、結局アタシが彼女の分を全額払ってやったんだけど、そのことは今でも心の底から恨んでるわね。

【お悩み】
25歳の男性で、システムエンジニアです。
どうして世の中には「デートでは男がお金を出さなければならない」という風潮があるのでしょうか?
今は独り身ですが、元カノと付き合っているときに、ご飯代やデート代を出すのはいつも僕でした。
僕も彼女も大して稼ぎは変わらないのに、不平等なのではないかと思います。
同僚に聞いても「それが当たり前」というような返事しか返って来ず、納得がいきません。

できれば割り勘にしたいと思っているのですが、僕が間違っているのでしょうか?

常々奢られたいと思っているような人間と付き合うんじゃないわよ

んもう、しょうがないわねえ。だったらオカマのアタシが奢ってあげるわよ。なんでも食べたいものを言ってごらんなさいよ、ほら。
ということで、今回のお悩みは解決ね。いやぁ、よかった、よかった。オカマを恋人にすれば万事解決。

……さて、そんな世迷い言はさておき。
男性がデート代を全額支払うべきか否か。これはネット上でも定期的に話題にのぼって、議論を巻き起こす問題よね。
男女平等を謳う今の世の中ならどう考えても割り勘以外の選択肢はないはずだけど、どうやら現実は一筋縄ではいかないようね。

奢ってもらいたい女性側の一部意見として、「女性はデートのために化粧やファッションにお金と時間をかけているのだから、デート代は男性が出すべき」というものがあるわね。
この主張、果たして正当性はあるのかしら?
たしかに女性は身だしなみにお金がかかるわ。化粧もファッションも、髪型だってすべてが消耗品ともいえるから、とにかくお金がかかってしかたがないのよ。
オカマのアタシですら、自室にある化粧品とサプリメントの山、美容院の領収書、新品の電動ひげそりの箱を見ながら、「ああんもう、なんでオンナって生きてるだけでこんなにお金がかかるのかしら!」と嘆いてしまうほどだもの。

ただ、世の中には化粧をしたり、ファッションに莫大なお金をつぎ込んだりしている男性も少なからずいるからね。
もしデートにやってきた男性が、おしゃれなパーマをかけて、洋服は全身ディオールで、乗ってきた車がランボルギーニだった場合、彼女たちは男性にデート代を奢ってあげるのかしら?
きっと答えはNOだわ。むしろ「お金があるなら奢ってくれてもいいよね」なんて考えが浮かぶのではないかしら。
結局、「女性は身だしなみにお金がかかるから、男性が支払いをするのは当然」という主張は、ただ単に「自分がお金を払いたくない」という考えを、体のいい言葉で正当化しようとしたものでしかないということよね。
もちろんすべての女性がそういった考え方を持っているわけじゃないけど、「自分だけは絶対に、なんとしてでも損をしたくない」という卑しい考え方を持つ人は男女問わず一定数いるものよ。
相手とあくまで平等でありたいと願うのなら、そんな性根を持った人間とは付き合わないこと。そういった人間を見抜く目を養うことが大切なのではないかしら。

愛しているなら、奢りたいと思って当然よ

「奢ってもらいたい」と思う気持ちは卑しいものだけど、「奢ってあげたい」と思う気持ちは尊いものだと個人的には思うわ。
相談者のあなたは、「デートはできれば割り勘にしたい」と思っているようだけど、もしかすると、あなたは元カノのことを心の底から愛していなかったのかもしれないわね。
だって、もし本当に愛しているならば、彼女には負担をかけたくない、なるべく楽しく快適に過ごしてほしいと思うのは当然でしょう。
そうすると、「奢ってあげたい」という気持ちは自然と湧き出てくるものなんじゃないかしら。
アタシだってそうよ。笑顔のかわいい体育会イケメンノンケがいれば、彼に降りかかる火の粉はアタシが全部かぶってあげたくなっちゃう。
そうすると、自然と財布の口が開いているものなのよね。
だから、あなたの彼女に対する愛情は、その程度のものだったのかもしれないわよ。

ただ、それは彼女も同じことよね。
あなたに対して少しでも負担をかけたくないと思う愛情があるのなら、彼女の中にもあなたに「奢ってあげたい」と思う気持ちがあって当然なのよ。
お互いに「相手の負担をなるべく減らしたい」と思っている状態が、恋人同士の本来あるべき姿なんじゃないかしら。
その前提があった上で、折衷案として割り勘にしてもいいし、収入によってどちらが多く払うか、もしくは全額払うかを決めればいいとアタシは思うわ。

どちらかが我慢し続ける関係なんて、いつか破綻するに決まっているのよ。
世間の風潮を気にして付き合わなければならない恋人よりも、お互いに愛情があって、経済的なことも含めてなんでも本音で話し合える恋人を作りましょう。
そうすれば、奢る奢らないなんて気にしなくてもよくなるわ。

そんな古臭い風潮なんてクソ食らえだわ

「男性が支払いをしなければならない風潮」って、男性も女性もお互いにバカにしあっているような、差別的で現代にそぐわない風潮よね。
「"男のほうが"収入が圧倒的に上であろう」「"男として"格好がつかない」というような、偏った性差の認識にとらわれた古臭い考え方だわ。
男女の間でなにが平等でなにが公正なのかを言い切ることは難しいけど、男性も女性も、お互いが幸福でいられるためのバランス感覚を忘れないよう生きていきたいものよね。

さて、このコーナーでは、読者の方からのお悩み相談を随時募集しているわ。
恋愛でも学業でも仕事でも、あなたがどんなことで悩み、どんな風に解決したいのか、できるだけ詳しく簡潔に教えてくれると助かるわ。
送り先は、アタシのツイッターアカウント(@BS_dim)のDMか、メールフォーム(okama.onayami@gmail.com)まで。
【お悩み相談内容】と【年齢、性別、職業など簡単な自己紹介】を忘れずにね。いただいた相談内容、個人情報はこのコーナー以外では利用しないし、長期的に保管することもしないから安心して。
また、このコーナーに関するご意見やご感想もお待ちしているわ。とっても励みになるから、気軽に送ってもらえると嬉しいわ。よろしく。

投稿者名

BSディム

夜な夜なネオン街をねり歩くアラサーのオカマ。
昼間は真面目な係長だが、退勤から3駅で夜の帳をドレスに変える。
中学2年生で周囲にカミングアウトし、以後オカマとしての人生を歩む中堅オカマである。
Twitter:https://twitter.com/BS_dim Blog:http://aiokama.hatenablog.com