育児 × 介護 = “戦略的”二世帯同居!への道 Step21:「同居生活はじまりはじまり!」

2018/12/13 UPDATE

わたくし甘木サカヱ一家と、義父母夫妻のふた家族が、三世代同居を決意してから中古の一戸建てを購入し、同居に至るまでを描いたこのコラム。
同居が決まり家探しに奔走する第一部、新居への引っ越しまでの一年間を綴った第二部を終え、このコラムもいよいよ今回から第三部に突入しました。
これまでは、同居に至るエピソードを時系列に沿って綴ってきましたが、これからの第三部は二世帯同居に発生しがちな問題、育児、生活ペース、お金、介護etc.という様々なテーマに沿って、我が家のドタバタ同居の様子を紹介していく予定です。
第三部もパンチのあるエピソードを取り揃えていきますので、どうぞ引き続きお楽しみくださいませ…!

さて、第三部の一話目は、「朝型の義母、夜型の嫁」についてです。

二世帯同居生活が始まって、1か月ほど経ったある日のこと。私と義母は、ほとほと疲れ果てていました。
ある程度覚悟してはいたものの、義父母の世帯と、息子夫婦である私達の生活ペースが合わないのです。
我が家は間取りは大きいのですが、もともと二世帯住宅というわけではなく、キッチンは共同です。
どうせ一緒に住むんだから、ご飯の支度も助け合えた方が合理的よね、という義母の意見に頷いて完全同居を決めたのですが、始まってみればやっぱり、まるで性格も生活ペースも違う義母と私、主婦二人の行き違いは頻繁に起こりました。

義母はもともと、目覚ましをかけなくても朝五時にはパッチリ目が開き、起きた瞬間から忙しく働き出すという朝型のパワータイプ。
それに比べて同居嫁たる私は、夜はいつまででも起きていられるけれど、朝はめっぽう苦手。予定がなければ昼まででも夕方まででも寝ていられるという超夜型ロングスリーパー。体力気力も一般平均よりはるかに低く、鬱病持ちで疲れやすいという、RPGでいえば常に呪いのかかった状態異常タイプ。
同居前からそれはよくわかっていたので、義母からは、朝食の準備は義母担当、夕食は私が、昼ごはんについてはその都度家にいる人が準備したり各自で買ってきたり、柔軟に対応しよう、と提案され、朝の弱い私には願ってもないことだと、私も同意していました。

ゆっくり寝ていていいわよ、と言われて喜んだのもつかの間、なにせ義母はじっとしていられない性分です。朝、まだ夜の明けきらないうちから、階下では食事の支度やテレビの音、ゴミをまとめたり掃除機をかけたりする生活音が響き、慣れない私はゆっくり眠るどころの話ではありません。

また、旦那は仕事で朝早くに出ていくことが週に何日かあります。子世帯だけで生活していた時は、まだ息子の夜泣きがひどくて私がよく眠れないため、そういう日の朝食は、ご飯だけは炊飯タイマーでセットしておき、勝手に何かあるものを食べて出て行ってもらうようにしていました。
しかし義母は、妻である私が旦那の出勤を見送らないのがどうしても気になるらしく、旦那の出勤が早い日の前日は「明日(旦那)にお弁当作ってあげなさいよ」「私、朝ごはんは作るけど息子のお弁当までは作らないわよ」としきりに私に言うのです。社員食堂があるのだから、出勤が早い日は今まで通りそこでお昼を食べたり、コンビニで買って行ってもらえば…と言ったのですが、まるで聞く耳を持たない義母は何度も何度も同じことを私に繰り返します。

プレッシャーに負けた私は仕方なく旦那の弁当を作るために、ふらふらになりながらも朝方に生活リズムを変えることにしました。
ついでだから朝ごはんのおかずも弁当のおかずと一緒に作りますよ、と義母に提案してみたものの、朝からじっとしていられない義母は、弁当を作る私の作業が終わるのを待ち、終わり次第朝食を作り始めるといいます。
台所が狭いので二人同時には立てず、そわそわしながら弁当作りが終わるのを目の前で待たれるのはなかなかのプレッシャーです。いっそ、私が朝食も担当して、義母はゆっくり寝ていてくれた方がどれだけ気がラクになるかしれないのですが、どうしても性分でじっとしていられないらしいのです。
それならもういっそ、義母に旦那のお弁当も作ってもらえばいいのでは…と何度思ったかしれませんが、そこは同居を始めて間もない、まだ遠慮がちの同居嫁。とてもそんな図々しいことは言い出せず、眠い目をこすりながらゾンビ状態で弁当をつくるのでした。

ちなみに同居歴10年を超えた現在、相変わらず旦那の出勤が早い日は多いのですが、私が早起きして弁当を作ることはほとんどありません。義母には「起きれないので無理です!」と開き直って宣言し(聞き入れてもらえなくともめげずに何度も宣言し、実際、頑として早起きしないことを繰り返すことで少しずつ私の生活リズムに慣れてもらった)、旦那には必要な時には自分で弁当を詰めていけるように冷凍食品を常備し、たまに前日の夜のうちに弁当を詰めて冷蔵庫で冷やしておいたりもします。あとは見かねた義母がたまに旦那の弁当を作ってくれるようになり、今のところは心穏やかな日々です。
それでもまだ義母は、旦那の弁当作りは私の仕事だと思っているようで、いつも「(旦那)のお弁当作ってあげたわよ!」とか「(旦那)が自分でお弁当詰めていったわよ!」などと逐一私に報告してくれます。
それらをすべて「そうですか~ありがたいです~」とほほ笑んで受け流せるようになった現在、私も同居嫁としての貫禄がついてきたのではないか、と思う今日この頃です。

2人の主婦が台所を共有するということは、事前に想像していた以上に大変なことなのだ…そう実感し、義母と私の妥協点を探し続けて、いつの間にか同居生活も10年を超えました。
それでも、同居なんてしなければよかった、と心から後悔したことは今まで一度もありません。
食事作りを分担できる、またどちらかが体調を崩しても(まあ、たいてい具合が悪くなるのは体力のない私の方なのですが)家族の食事の心配をしなくてもいい、というのは、どんなデメリットをも凌駕する、本当にありがたいメリットです。
とはいっても、もちろん軋轢はたっぷり山盛り。これからこのコラムでも、同居嫁の葛藤について、いろいろと綴ってまいります。
どうぞお楽しみに…!

つかさちずる

イラスト・つかさちずる

娘との日々をブログ「むすメモ!」に綴ったりLINEスタンプを作ったりしている絵描き。
回転寿司とゲームをこよなく愛するアラサー。
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