pagetop

 > ブスも半ばを過ぎた現役OL37が送る「美女養成講座」 第13回『暇だから依存する。そこに仰々しい理由や悲劇的な事件は何もない。脱・恋愛依存症のススメ』

ブスも半ばを過ぎた現役OL37が送る「美女養成講座」 第13回『暇だから依存する。そこに仰々しい理由や悲劇的な事件は何もない。脱・恋愛依存症のススメ』

2019/03/29 UPDATE

恋愛依存症だった頃、「依存する人は暇だから依存症になる。全て暇が悪い」と友人に言われ、激高して衝動的にSNSをブロックした。
この世の終わりみたいに絶望的な悲しみと憎しみをズタボロの両手に抱えて、溢れたぶんは目のふちから塩辛い水となってこぼれ落ち、ひび割れた唇からは全く可愛げのない咆吼だか嗚咽だかが吐き出される、この哀れな生き物が、感情が、暇から生まれただなんて。私の苦痛は、もっと大げさで仰々しい事件であるはずなのに。彼は私のことを何も分かっちゃいない。
そう思って、私は彼をブロックした。

思えば、ひどいことをした。

実際、就職活動が始まり、社会人になって、目まぐるしく過ぎ去る日々を無我夢中で泳ぐ今となっては、たしかに恋愛依存症は発症していない。
つまり、彼の言うとおりになった。

例えば就職活動では、企業の求める人物像に現実の自分を重ね合わせ、はみ出た部分や足りない部分を少しずつ矯正してゆく。
就職活動は自分探しの旅だとか、全てはマッチングの問題だとか言うけれど、その姿勢を100%貫くといつまでも内定が決まらない。少なくとも私のような、平凡で、運もない人間は決まらない。
だから、自分の本当に譲れないものは守って、あとは適当に適切にFIXさせる。面接が行われる、ほんの数時間だけ。
それがオトナってやつだと私は学んだ。

で、そんなことをしていると、私が日夜人格矯正に励み、圧迫面接を蹴散らしている間に恋人がどこで何をしているかなんて、マジでどうでもよくなってくる。
面接は次から次へとふってくる。その数だけESも書かなくてはならないし、その数だけ人格のストックも増やさなくてはならないのだ。

そんななか、

SNSがどれだけのあいだ未読かなんて、誰がこまめに確認できる?
最後にデートした日から何日経ったかなんて、誰が指折り数えていられる?
深夜に狂ったテンションのまま電話をかけて放った余計な一言、余計”だったかもしれない”一言、それが本当に余計だったかどうかを何週間も後悔に後悔を重ねて背負い込むなんて、いったい誰ができるのか。

私には、幸か不幸か無理でした。

シロをクロに変えるたったひとつの失敗

おそらくこれは、結果をどう見るか、という問題で。
「愛した男がどうでもよくなるくらいプライベートを食い潰されてしまった悲劇」なのか、はたまた「考えなくていいことを考えない程度に上手いこと忙しくなれた喜劇」なのか。

私は私に起こったことを、喜劇として受け止めました。
いやもう、ほんとう、なんなら神様からのギフトかな?くらいに。
だって、暇なときは毎日考えなくていいことばかりに苛まれて、文字どおり死んじゃいそうだったから。

昔は、恋人について考えなくていいことなんて無いって思っていたんです。
恋人の好きなこと、嫌なこと、女の子の好み、私がそれに沿った彼女かどうか、今日のスケジュール、明日のスケジュール、一番仲の良い女友達、私が良く思わないだろう男友達のラインナップ。
それらをことごとく把握しておくことは、私と彼の明るい未来のため欠かせないと、信じて疑わなかった。

でも、知らなくていいこと、知ろうとしなくていいこともある。

彼の誠実さや愛を勘ぐりすぎて、逆に関係を壊してしまうことがあるでしょう?

その原因は、知らなくていいことに注意を向けすぎたから。
知らなくていいことを無理に暴こうとしなければ、その間他のことに没頭していられれば、知らなくていいことを知るべき時期はいずれきちんと訪れて、それほどたいしたことじゃなかったって安堵する。

私たちは平穏に焦がれながら、しかし、まるで万事がクロであってほしいかのように、クロである証拠を探す。
クロをシロと見誤って生きていく屈辱を避けるために、あるいは、情緒不安が続くくらいならいっそクロと知って悲しみに暮れるほうがマシだと思って。
しかし、ときには、その行為が結果的にシロをクロにすることすらあるのだ。

疑いようのない悲劇があるとすれば、これこそまったく馬鹿げた悲劇である。

脱・恋愛依存症を目指して

恋愛依存症でない女性はなぜ依存しないのか。

ある人は恋愛依存症でない女性を「他者の都合や気持ちを想像できる女だ」と考察するが、それは違う。
恋愛依存症の人は誰より深く、強く、他者のことを考えている。
問題はむしろ考えすぎる性質で、さらに悪いことには、その代わり彼女たちは自分の人生には一切の興味も無いのだ。

私の精神が以前と比べて安定の兆しを見せたのは、ひとえに恋人以外の物事に関心を向けざるをえなくなったためである。
私は正真正銘の恋愛依存症だったから、自力で意識を外界に分散させられなかった。恋人と私、たったふたりの世界にいつまでも閉じこもって、その殻の内側で起こることだけが私にとっての全てだった。常人は気にも留めないような些末な事柄すら増長させ、あの頃私は、一日に何度も世界の終わりを見た。
そんななかで就職活動や社会人としての日常は、その殻を破って私を外界に連れ出す救世主に他ならなかった。

恋愛依存症でない女性はどんな人間か……
それは、自分のことを自力で考えられる人間です。
誰かのことより、自分の気持ちや、欲しいもの、嫌なこと、人生そのものを。

これを読んでいるあなたに、趣味はありますか?恋人以外に落ち着く誰かは?両親と最後にゆっくり食事をしたのはいつ?最近新しいコスメを買った?今狙っているワンピースは?たぶん、もう少ししたら外も暖かくなって、活動的になれるでしょう。春を待ってどこかへ出かけて、そこで新しい友達をつくるの。旬の野菜がお店に並んだら、デパートでちょっぴり上等なスパイスを見繕って、料理を始めてみてもいい。

そうして自分の人生を生きることは、外界に目を向けることは、べつに不貞でもなんでもない。
後ろめたく思う必要も、怖がる必要も無い。

断言しましょう。
恋愛依存症は、暇が悪い。
世界の中心は、恋人じゃない。
愛を手にするためには、愛を手放す覚悟がいる。

脱・恋愛依存症を目指す全ての女性へ、敬意を込めて。

投稿者名

37

ブスも半ばを過ぎた現役OL。
耽溺するは美容、料理、絵画など。
ハイパーカワイイクリエイターやってます。
Twitter:@37nus

読者アンケートにご協力ください

アイスムをご覧いただきありがとうございます。
より良い記事を今後もご提供させていただくためにも、ぜひアンケートにご協力をお願いいたします。
※個人情報の記入はしないでください。

Q1.ニックネームをご入力ください。
Q2.本記事について
Q3.アイスムの記事を読んで笑顔になった事がありますか?
Q4.アイスムの記事を友達にシェアした事がありますか?
Q5.本記事のご感想や、アイスムで取り上げて欲しいテーマなどありましたらお聞かせください。

送信

この作者の他の記事を見る

すべての記事を見る

さまざまなコンテンツを読んで、試して、参加して、 幸せな気分で毎日たのしく過ごしていきましょう!
さまざまなコンテンツを読んで、試して、参加して、 幸せな気分で毎日たのしく過ごしていきましょう!

アイスムアプリアイスムは日々のなかにある
笑顔のタネを発見するアプリ