pagetop

 > はるの珍人図鑑 その18「自分アピールがすんごい人」

はるの珍人図鑑 その18「自分アピールがすんごい人」

2019/05/15 UPDATE

この前美容院に行った時の話をします

こんにちは。はるです。
季節はそろそろ春を通り越して梅雨に差し掛かろうかという頃。
湿気で髪の毛がすぐブワッとなるし、クセ毛の人には最悪の季節と言っても過言ではありません。
突然ですが私、美容院が苦手なんですよ。まずジッとしてるのが苦手。美容師さんとコミュニケーション取るのも苦手。シャンプーだけは気持ちいいからちょっと好きだけど、ドライヤーもブローも時間がかかるから苦手。
苦手づくしなので、いつも無理やりトリミングされてる犬くらい沈んだ顔をして、おとなしく時が過ぎるのを待っています。

さて、先日も髪の毛が伸び放題に伸びてきたので意を決して美容院に行くことにしました。で、なるべく静かにジーッとしていたかったので、美容師さんが疲れているだろう夜に予約したんです。これは私の発見した勝手な法則なんですけど、美容師さんは一日中立って働いているので、後半になるほど疲れて無口になっていく傾向がある気がします。

「今日はいかがしますか?」
「…えっとー…短く」
「サイドは?」
「…おまかせします」
「前髪は?」
「…おまかせします」

と、まったくもって盛り上がりにかけるオーダーをして、置いてあったタブレットで雑誌を読んでいたら、ひとりの男性が来店してとなりに座ったんです。

となりに座った人がすごいドヤ顔自慢をする人でした

盗み聞きしていたわけじゃないんですが、私がまったく美容師さんと喋らないのと、その男性の声が低音でとてもよく通るボイスだったので、内容が全部聞こえてきちゃったんです。その内容がなんだかすごかった。

「僕ね、こないだ海外に行ってきたんですよ。いま手掛けているプロジェクトの下見で、突然決まったんだけど、とりあえず動かなきゃって思ってパッとチケット取って、すぐ飛行機乗っちゃいました」

プロジェクトの内容も細かく話してたんですけど、若干フェイク入れつつ雰囲気が伝わるように書くと「国内の新進気鋭のアーティストたちを集めて海外で現地のお米に絵を描く」みたいな感じです。お米に絵?マジ?インディカ米は細長いから独創的な絵を表現しやすいとか?
そんな感じで彼のトークは続きます。

「やっぱ僕、イベント屋の代表取締役じゃないですか。トップがフットワーク軽くないと、企画としても勢いがないっていうか。アーティストたちを20人ほど連れて行かないといけないんですよ。でもね、一つ問題があったの。なんだと思います?
彼らのスケジュールが完璧に合う日なんて無いことなんですよ。ある程度日程は決めるとして、またグループ分けして何回にも分けて開催しないと。それで、それは俺が毎回付き合うわけにもいかないなって。そんなことしたらほかのクライアントが怒っちゃう。でも僕のプロジェクトの人間なら誰が行ってもいいし、誰でも完璧に彼らの魅力を引き出す自信がある」

なんだこの人。なんかすごいんだろうけど小耳に挟んでるだけでHPどんどん持ってかれる。よくわからないドヤ顔トークを聞き続けるのってめちゃくちゃ体力使いますよね。あとなんでこういう人って話の途中で答えづらい質問をいちいち挟んでくるんだろう。

「でも今回のイベントで一番面白かったのは、まずむこうの国の許可を取らないとなと思って、国土交通省に電話したんですよ。そしたら二つ返事でオッケー出ちゃって笑っちゃった。なんで即答してもらえたと思います?
僕たちのやることには前例がなくてオリジナリティに溢れすぎてるから、それを縛る法律も存在しないって言われちゃったんですよ!
でも逆に僕は、なんで前例がなかったのかって思ったんです。他の奴ら何やってんだよ!って怒りも沸いたけど、だったら余計に俺がやるしかないって決意が固まったわけ」

ここまで意識高い俺SUGEEEEE自慢はなかなかない。まあ、私も美容院嫌いとは言いつつ、いっぱしの女性なので定期的に通ってはいます。となりに座ったお客さんの会話が聞こえてくることもしょっちゅうです。付き合ってる彼氏の惚気話とか、最近パチンコで大勝ちした自慢話とかも耳にします。そういうのは微笑ましいんです。でも美容院でここまでのS級妖怪に遭遇するのは初めてです。彼を担当している美容師さんは途中から相槌もあんまり打ってなかったです。

その辺で私がシャンプー台に入り、髪を洗ってもらって席に戻ったらまだ喋ってました。

「まーこんな偉そうなこと色々並び立ててみたけど、俺はまだ30にもならない若造です、すみませーんって感じですよ」

完璧だ。この自虐風自慢による落とし方。若さと謙虚さとユーモアを同時にアピール。締め方も最高。その辺で私の髪の毛のブローも終わり、店を後にしました。そして家に帰ってからもしみじみ彼のことを思い返してしまいました。

一見前向きなのに聞いててウンザリするのは何故か

先ほどの会話の特徴として「相手が自分の話に興味あるかどうか気にせずしゃべる」ってのがあると思うんですが、おそらく彼にとって相手が自分の話を聞いているかどうかはどうでもいいんです。ただ、自分はすごくて偉くて頑張っているということを誰かに聞かせたい。

しかし考えてみると、本当に実力のある人って、自分のすごい話をひけらかしませんよね。本当にすごかったら周りの人も認めてくれてるはずだから。ビートたけしさんがテレビで「私は一流の文化人ですから」なんて言ってるの見たことないでしょう。

彼は自信のなさを隠すために、まず大げさに盛った自分アピールで壁を作り、そしてマシンガントークで自分が出したい情報だけを出すことにより、自分を防御している。つまり傷つかないように盾をかざしながら、それで殴ってくるようなものです。

だからこそ、会話の内容は一見非常にポジティブで活力に溢れたものながら、聞く人にはネガティブな感情を起こしてしまうという不思議なことが起きるのでしょう。

そう考えてみると彼が話の中で出してた疑問「どうして俺がやろうとしている企画を今まで誰もやらなかったのか」というものも、「単に商売として採算が合わないから」「やっても面白くないから」という答えが見えてくるような気がします。なんとなくコケるような気がしてるから弱気になりつつ後に引けないみたいな微妙な状態なのかもしれません。

この手のモンスターと出遭ってしまったら

さてさて、私はこのタイプの人を数年に一度くらいの割合で見かけています。とにかく疲れるんですよね。つまんない話を聞き続けるのも不毛だし、相槌打つとなぜかマウンティングしてくるのも腹立つ。そもそも一方的すぎてコミュニケーションが成り立たないのがマジでキツい。
彼らはただただ「自分はすごい(だから不安にならなくても大丈夫)」ということを他人を通して確認したいだけで、いわゆる承認欲求モンスターというやつでしょう。流行りの言葉で言うとエナジーバンパイアでもあるかも。

こういう人達の話ってだいたい内容に傾向があります。

「自分は仕事ですごいことしてる」
「自分はワルでヤンチャだった」
「自分は物知りで頭がいい」
「自分は異性にモテる」
「自分のペットは世界一可愛い」

…猫ちゃんは可愛い!その他は場合による!

彼らの自慢話攻撃を受けてしまった時は、なるべく早くその場を立ち去る。もしどうしても避けられない場合は、まじめに話を聞いてると余計に疲労がたまるので、むしろ観察モードに入ってみる。
「この人なんでこんな自分の話ばっかりして嬉しそうなのかな?」と客観的に見ることで、その裏にあるコンプレックスを見る。どれくらい話を盛っているかを予測する。決して額面通り真に受けないようにする。

承認されたいという欲求は社会で生きていくうえでの原動力になりますから、それ自体が悪いということは絶対ありません。でも「承認されたい」という気持ちのみを前面に出すとだいたいマイナス方向に働く気がします。
「自分はすごい」と自分で説明することほど格好悪いことはありません。やはり承認というのは、実績を元に積み重ねていき、少しずつ周りの信頼を得ていき、そして誰よりも自分で自分を認めてあげて得ていくのがベストなんです。

本当にすごい人になりたいなら、虚勢やハッタリをやめ、自慢も控えめにして、ただやるべきことを淡々とやって結果を出していきたいものですね。

投稿者名

は * る

独自のユーモア溢れるセンスで数多くのフォロワーを抱える女性ツイッタラー。
実は神経質で几帳面なA型。「世間話をしていたつもりなのに、いきなりシリアスなカミングアウトをされがち」とのこと。
ちょっとシニカルながらも多くの人が親しみを覚える切り口で、なんとなく思っているけど言葉にできないことを呟くツイートが大人気。

Twitter:https://twitter.com/PlasterStar999

読者アンケートにご協力ください

アイスムをご覧いただきありがとうございます。
より良い記事を今後もご提供させていただくためにも、ぜひアンケートにご協力をお願いいたします。
※個人情報の記入はしないでください。

Q1.ニックネームをご入力ください。
Q2.本記事について
Q3.アイスムの記事を読んで笑顔になった事がありますか?
Q4.アイスムの記事を友達にシェアした事がありますか?
Q5.本記事のご感想や、アイスムで取り上げて欲しいテーマなどありましたらお聞かせください。

送信

さまざまなコンテンツを読んで、試して、参加して、 幸せな気分で毎日たのしく過ごしていきましょう!
さまざまなコンテンツを読んで、試して、参加して、 幸せな気分で毎日たのしく過ごしていきましょう!

アイスムアプリアイスムは日々のなかにある
笑顔のタネを発見するアプリ