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ダンスを始めて3年で独立したダンサー、SHIMIZU MASHの根源には憎しみと悲しみが

2017/08/03 UPDATE

ダンスを始めて3年で独立。ダンサーであり振付師、SHIMIZU MASH。彼はどのようにしてダンサーになったのだろうか?その人生を聞いた。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

PROFILE

SHIMIZU MASH(22)ダンサー

  • 出身:大分県
  • 座右の銘:負けない
  • 好きな食べ物:カレー
  • 嫌いな食べ物:パセリ
  • 得意技:ピアノ、イラスト、バイオリン

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

Interview

―ダンスを始めたのは?

19歳のときですね。そのころMASHは東京の音大に通っていて、ある日ダンスサークルに入っている女の子にダンスイベントに連れて行ってもらったんです。でも、MASHはクラシックで、向こうはヒップホップで音楽のジャンルが違うし、ちゃらいイメージがあってダンスに関していいイメージがなかったんです。でもむりやり連れて行かれて、そこであるチームと出会ったんです。
まずチーム名に「ゲイ」って言葉が入っていて、そのころ自分はカミングアウトしていなかったからバレるかもしれない、ヤバいって思ったんです。そこでまず心揺さぶられて……。
ステージでは男か女かわからないくらい美しい人が踊っていて、全身鳥肌が立ちました。その人がちょっと動くだけでも「うわ」っと感じる何かがあって、自分のこころがえぐり取られるような感じがしたんです。それがきっかけでいろんなダンサーさんをYouTubeで観てダンスを始めようと思ったんです。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―それから3年でダンサーとして独立ですか?

そうですね。でも、最近やっとです。今年の3月に「ICECREAM」というちょっと大きいダンスイベントがあって、そこで自分の作品を出させてもらって、そこからお仕事をいただけるようになりました。それまではバイトと掛け持ちでダンスをしていて、睡眠時間は1〜2時間くらいでした。

―ダンスはどのように覚えたんですか?

初めはYouTubeですね。衝撃を受けたダンサーさんの名前をネットで検索して、見よう見まねで家でコピーしました。そしたら下手なりに自信がついてきて、深夜の駅で踊るようになって。最終的にはそのダンサーさんのレッスンに通いました。自分は凝り性だから、毎日毎日、大学まで辞めてダンスをして、今に至った感じです。

―迷いはなかったですか?

がむしゃらにダンスをしていたら、いつの間にかそうなっていたという感じで迷いはなかったです。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―ダンスの魅力は?

自分自身の人生経験だったりを一番表現できるところですかね。ダンスをしてから自然と自分を表現できるようになり、カミングアウトも自然とできました。20年くらい隠してきたことが一気に弾けた感じです。

―ダンスで表現したいことは?

憎しみとか悲しみとか辛いこととか、どうしても暗いことになります。小さいころから身近な人が亡くなることが多くて、だから子どものころから死について考えていました。それに親が激しく厳しかったり、自分の性について誰にも言えなくて自分の中に閉じこもるようになったりしたこともあって。当時はしゃべったら本当の自分が表に出てきてしまうと思っていたんです。そうした葛藤をダンスで表現したいです。
お仕事をいただけるようになったきっかけのイベントで発表したダンスの題材は、小学生のときに亡くなった兄ちゃんについてでした。棺桶の中の兄ちゃんの顔が頭から離れなくて、どうにか克服しようとして作ったものでした。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―なぜ暗いことを表現するのですか?

こころの中から憎しみとか悲しみとかを抜きたいんだと思います。でも、一生抜けることはないとわかっているけど。それと、どうにか言葉を使わずに伝えたいんだと思います。同じような気持ちがあるけど「自分だけなんで……」と思っている人がたくさんいると思うから、そういう人たちの苦しみも抜きたいと思うから。自分の作品を通して、少しでも感じたり生きる源になったりできたら一番いいですね。まだまだそこまでいけていないから、頑張らなくちゃと思っています。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―幸せな瞬間は?

ダンスをして、それが認められたとき。小学4年から中学3年までいやいややりたくないことをしていたけど、それは親に認められたかったから。今はダンスで誰かに認められたいですね。

―なぜ認められたいんですか?

一番は、とにかく見返してやりたいという気持ちが溢れんばかりにあるから。自分をいじめていた人や、親。怒りや憎しみを持った人間にびくびくして生きてきたところがあって、そういう人よりも幸せに人生を送りたいんです。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―恋人は?

いません。好きな人がいても、その人といると自分が飲み込まれそうな気がして恐いんです。たぶん人と付き合えないんですよ。

―憧れの人は?

作らないようにしています。「憧れ」って、その人を乗り越えられないから。同じ人間だから、きっと乗り越えられると自分を信じているんです。ダンスで好きな人はたくさんいますけど。

―目標は?

手首に太陽と月のタトゥーを入れているんですが、これは人前での自分とそうじゃない自分の裏表、そして自分の激しい感情の裏表を表しています。こうした裏表の激しい自分になったのは今までの人生の結果だけど、だからこそダンスをしている自分がいる。今は何に対しても感謝しています。このまま、日本でやれることをすべてやって、そして海外に行きたいです。

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