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人類学者のマルチェッロが“研究室”に2丁目のゲイバーを選んだのは「男らしさ」を知るため

2017/08/10 UPDATE

2丁目の街をしなやかに歩くイタリア人人類学者、マルチェッロ。彼が向かったのは、2丁目の中心にそびえる雑居ビルに入るゲイバーだった。彼はなぜ、ゲイバーで研究をするのだろうか?話を聞いた。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

PROFILE

フランチョーニ・マルチェッロ(27)研究者

  • 出身:イタリア・ベルガモ市
  • 得意技:習得すること
  • 好きな食べ物:ナスの豚味噌炒め
  • 嫌いな食べ物:貝、きのこ
  • 座右の銘:プランAだけじゃなくてプランBも用意する

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

Interview

―マルチェッロさんは何をしている方ですか?

ロンドン大学のSOAS(School of Oriental and African Studies)の博士課程で人類学を学んでいます。博士課程は3年あって、今は2年生で一年間フィールドワークで日本に来ています。簡単に言うと研究者です。

―研究のテーマは?

二丁目に於ける言語と男らしさの関係です。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―フィールドワークは具体的に何をしている?

去年の10月くらいからゲイバーで週1で働いています。働いている人を店子と書いてミセコとゲイバーでは言いますが、ミセコはお酒を作ったりお客様の接待をしたりします。その接待しているときに、話し方のデータを収集します。

―ミセコをしていないときは?

家で論文を読んだり、インタビューをまとめたりしています。

―この研究を始めたきっかけは?

6年前、日本に留学していたときに日本人男性と付き合っていて、ある日レストランで彼がとても不思議な表現をしました。それがとても気になったからです。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―不思議な表現?

自分を「ぼく」や「俺」じゃなくて「あたし」と表現した。それを記憶していて、イタリアに戻ってから何でだろう?とたくさん考えて、インターネットで調べたらそういう研究があると知りました。おもしろい!と感じました。

―この研究の内容は?

どんな科目でも新しいことを知ったり理解することが楽しいんですが…。自分は「男らしさ」というのがあまりわからないから、理解したいと思いました。ゲイバーではオネエ言葉という話し方があって、オネエ言葉は男言葉と女言葉を混ぜて少し大げさに話すのが特徴です。オネエ言葉を使っている人の中には男言葉を使う人が多くて、女言葉のあとに男言葉を使ったり、そのギャップがおもしろいです。理解したいのは、どんな言葉がどのようにして女言葉と男言葉になったのか。会話の中でどのような状況で男言葉や女言葉を選択するか、です。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―フィールドワークをしていて楽しいときは?

お店にいるときは楽しいときもあるけど、辛いときもあるからな……。

―例えば?

本当にお店が混んでいるときは息をしている暇がないくらい忙しいし、急いでドリンクを作ったりしないと文句を言われるので一生懸命でないといけない。だけど、楽しく会話できたときとか、お客さんと一緒にカラオケを歌ったりしているときは本当に楽しいです。

―どんな曲を歌うんですか?

最初は全然知らなくて、何も歌えなかったんですけど、お客さんが好きな曲とかを観察してそれを歌っています。今流行っている欅坂46とか中森明菜とか、globe、山口百恵、松田聖子とかです。一番得意なのは中森明菜の『サザン・ウインド』です。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―日本との出会いは?

お姉さんとテレビを通じてですね。イタリアは80年代からずっと「ドラゴンボール」や「セーラームーン」、「デジモン」など日本のアニメが放送されていて、それで日本ってどんな国なのかな?と思うようになりました。そして中学のとき、お姉さんが日本土産でひらがなを覚える本をくれたんです。もともと語学は好きだったので、それで日本語を勉強し始めて、それから日本文学を好きになりました。一番好きなのは谷崎潤一郎。現代だと桐野夏生です。

―人生で幸せだった瞬間と辛かった瞬間は?

幸せだったのは初めて日本に来たときですね。今考えると、そこから人生が大きく変わったので、幸せな瞬間だったと思います。辛かったのは、基本的にいつもプランAだけじゃなくてプランB、プランCと選択肢を用意するから辛くなることはないんですけど……彼氏と別れる前のうまくいっていない時期ですね。

PHOTO:西田周平PHOTO:西田周平

―これからの夢は?

好きなことを研究し続けること。日本のことやファッションのことを研究できる仕事ができれば幸せです。好きなことがしたいですね!

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TOKYO GRAFFITI

街で見かける「普通の人」の「普通の日常」を写真で切り取る創刊12年目の雑誌「TOKYO GRAFFITI」。
若者、ちびっこ、お年寄りから、セクマイ、ギャルなど、登場するのは一般人ばかり。
まさに街にいる人々のいろんなリアルを写真で切り取るドキュメンタリー・メディアです。
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