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育児 × 介護 = “戦略的”二世帯同居!への道 Step3:Y氏との出会いそして

2018/03/19 UPDATE

2児の母親として育児に奮闘する姿がTwitterで多くの女性から共感を集める「よく眠りたまに色々考える主婦」さん。甘木サカヱさんと名を改めて、ライターとしてアイスムにご登場くださいました!

旦那さまのご両親と二世帯同居されている甘木さんですが、その生活は協議の上、さまざまな紆余曲折を経て始まったのだとか。
紆余曲折の末、ついに義父様の同居承認をとりつけた甘木さん夫妻でしたが……

予算と二世帯と私

同居に積極的な義母と前向きに考え出した私、渋りつつも義母からの説得を受け入れた義父と特に何も考えていなさそうな旦那。何とか家族全員の合意ができ、ようやく具体的に動き出した我が家の三世代同居計画。
家探しにあたり、まず決めるべきはエリアです。エリアを選ぶにあたっての必須条件は二つありました。
第一に義父母が現在住んでいるマンションへ気軽に通える距離であること。これは長年暮らした場所に義父母の友人や趣味のサークルがあり、環境の変化があってもそれらに気軽に足を向けることができるのが重要だと考えたからです。
第二に、旦那の通勤が困難でないこと。幸いにも旦那は電車通勤ではなかったので、特に駅の近くにこだわりはありませんでした。家族で話し合い、地価が高い駅のそばよりも、家族の人数を考えるとより広い敷地がある方がよかろうということになりました。結果として、かなり広い地域が家探しの対象となりました。

エリアを絞った次はどんなタイプの家を買うのかを決めなければなりません。新築か、中古住宅か。新築にしても建売か、土地と工務店を探して一から設計する注文建築か。
これについては悩ましい点が多々ありました。まず、同居する家族は幼い息子を含め5人。また更に子供が増える予定もありました。新築の建売住宅は、大抵が夫婦と子ども2人程度を想定した間取り。売れるターゲットを考えると至極当然ではありますが、我が家には手狭すぎます。
そんなわけで、二世帯で暮らす家庭は注文建築で家を建てるのが王道なのですが、注文建築を選ぶにあたり私には一抹の不安がありました。
それは、義父母と私たち家族の経済観念の違い。
堅い職業で共働きだった義父母は、私たち若夫婦からするとかなりゆとりのある暮らしぶり。暮らしているマンションの設備も、キッチンや風呂場はまだ十分に使えるうちに「古くなってきたから」という理由で改修したり、日々の買い物でも、少しでも安いスーパーを探す私とは違い、義母は手近な高級スーパーが行きつけで、食材の値段はほとんど見ずに買っていたり。義父母に言わせると、「私たちも若いころは貧しかったわよ」ということなのですが、残念ながら私たち夫婦の未来には義父母ほどの収入増はとても見込めません。不景気が憎い。
そんなわけで、もし義父母の意見をすべて取り入れて注文住宅を建てるということになれば、ふくれあがったオプションによって、予算が振り切れてしまうことは容易に想像できました。
幸い、義父母は若夫婦(旦那はほぼ空気なので主に私)の意見を聞かずに突っ走るようなことはないのですが、いちいち予算を理由に義父母の提案を却下するようなことが続けば、双方にフラストレーションが溜まり、最悪の場合、義父母が「じゃあ私たちがお金出すから!」という事態になることも考えられます。
二世帯住宅の場合、親世帯が費用を余分に負担することはよくあるケースのようですが、私たち若夫婦はそうしたくはありませんでした。発生する費用は折半、それで払えないような家は買いたくありません。
親に甘えたくないというと立派に聞こえますが、お金を出してもらえば、当然それだけの力関係が発生します。
余分にお金を出してもらい、義父母の希望を強く反映させた家は、私たち夫婦にとっては肩身の狭いものになるのではないかという不安がありました。
経済的にはなるべく対等でいたい。その上で、注文建築で義父母の満足のいくような家を建てるには、私たち夫婦には残念ながら経済力が足りませんでした。
残る選択肢は、中古の一戸建て。
私自身は、最初から中古物件を第一候補として考えていました。わずか数年でも人が住めば、建物の値段は新築と比べてぐっと下がります。二世帯が住めるような大きな家は多くないでしょうが、候補地域は広いし、根気よく探せば、状態の良い大型の一戸建てが見つかるのではないかと楽観的に考えていました。
そして義父母にも、経済的に対等でいたいという(親にしては可愛くないであろう)主張は最低限にとどめ、注文建築は予算的に厳しいこと、同じ予算なら中古物件の方が広い敷地の家を買えてお得である、などの説得をし、わりあいすんなりと、大型の中古一戸建てを探す方向に同意を取り付けたのでした。
ちなみに旦那にも同じように私の意見を述べ、「そうだね」の同意の四文字を取り付けました。四文字。

頼りない・憎めない・担当Y氏現る

そんなわけで、家族が6~7人になっても住める間取りの中古一戸建てを探すべく、義父母と私は大手の不動産屋へ足を踏み入れます。そこで対応してくれたのは、愛想がよく、誠実そうな若手社員Y氏。私たちが購入した現在の家を紹介してくれることになるのも彼ですが、それはこれからずいぶん後の話です。
私たちの要望を熱心な様子で聞き取ったY氏は、「いくつか思い当たるものがあります。こちらはいかがですか?」と何件かの物件情報を自信ありげに持ってきてくれました。
間取り3LDK、駅のすぐ近くの高級住宅、部屋が小さめの4LDK……ざっと目を通しただけでも、私たちの希望を満たすような物件はありません。
ちょっとこれは……とお伝えすると、「あっ、そうでしたね!でもまだ物件たくさんありますので、必ずお探しします!」とのこと。この人大丈夫かな……とやや不安を感じつつ隣の義母を見やると、ニコニコとえびす顔で「良い方に担当してもらって良かったわ!お任せしますので、よろしくお願いします」と全面的に信頼の構え。そう、義母は、仕事が実際に出来るかどうかは関係なく、こういう絵に描いたような誠実な好青年にめっぽう弱いのでした……。「一生懸命で熱心だったから」という理由で訪問販売の野菜を買ってしまうような義母の性格をすっかり忘れていた私。まあ、見つからなければ折を見てほかの不動産会社へ行けばいいか……と半ば諦めの境地で店舗を後にしました。
しかし数日後、早速Y氏から一件目の物件が見つかった旨の連絡が入ります。
しっかり釘を刺しておいたのが功を奏したのか、FAXで送られてきた間取り図は希望通りの十分な広さ。しかもキッチンとお風呂が二つ。そう、中古市場にはなかなか出ないと言われ、購入を半ば諦めていた、二世帯住宅(キッチンやバストイレ、玄関などを二世帯分備えた家)がいきなり現れたのです。

同居が決定してから初めての物件見学。義父母からは、まずは若夫婦で下見して、良さそうな所を見つけてきてと仰せつかっていたので、旦那と二人、わくわくしながら候補地へ向かいました。

謎と未練の二世帯住宅

たどり着いた物件は、決して悪い印象ではありませんでした。経年の割に外観はきれいだし、一階の親世帯用のスペースも大切に使われている様子です。
大いにテンションが上がりつつ、子世帯用の二階へ続く階段を上ります。その時、ふと違和感を覚えました。
階段のスペースが異常に広いのです。踊り場というか、二階へ上りきった場所に、もう一つ部屋を造れそうなほどの不自然なスペース。
Y氏に訳を聞くと、「エレベーターを付けるつもりだったようです」とのこと。
家庭用エレベーター……ブルジョワ……しかしなぜ作らなかったのか……腑に落ちない思いを抱えつつ二階のキッチンを覗いた時、違和感は決定的なものになりました。

綺麗すぎる。

いくらハウスクリーニング業者が清掃をしても、人間が生活していた痕跡を完全に消すことはできないはずです。二階のキッチンは、シンクに水跡の痕跡ひとつなかったのです。いかにもファミリー向けの作りの他の部屋もすべて同じ、使用した形跡がありません。
「……これ、二階、使ってないんじゃないですか?」
主婦の問いかけにY氏がこともなげに「そうみたいですね!売り主の息子さんが使われなかったそうです!」と頷きます。
立派な二世帯住宅の、空っぽの子世帯。なぜそうなってしまったのか。親世帯が息子夫婦に同居を断られたのか。あるいは同居が決まってから若奥さんが逃げたのか。そもそも息子が結婚していないのか。それなのにこんなファミリー向け二世帯住宅を建てたのか。それはちょっと怖くないか。でもこうして売りに出したという事は、もう未練はないのか。
色々と想像してしまう主婦でしたが、物件としては決して悪くありません。ただ一つ、売り主の提示する金額が、築年数や近隣の相場を考えてもかなり割高に感じられました。
価格交渉できないかと聞くと、Y氏は首を横に振りました。
「ここ、売り主さんがあまり売りたくないご様子で、値引きはできないそうです」

親世帯、めちゃくちゃ未練あるじゃん!!
心の中で叫ぶ主婦。きっと旦那も同じことを思ったに違いありません。
「とりあえず検討しますので、引き続き他の物件も探して頂けますか」二人は目配せしつつ、Y氏にそう伝えました。
相場を比較しての割高感。そして何よりも、
(前の住人の未練と無念がたっぷり残る二世帯住宅に住むのは、なんか嫌だ……)という気持ちが、私たちをまだ見ぬ次の物件へと駆り立てます。
私たちの家探しは、まだ始まったばかりです。

第三話 終わり

甘木サカヱ(よく眠りたまに色々考える主婦)

文・甘木サカヱ(よく眠りたまに色々考える主婦)

ワーキングマザー(男児×1、女児×1)をしながら義父母と同居する嫁。ついでにうつ病持ち。
体力と気力と家事能力のない主婦。
浮世の憂さはせめて笑い飛ばす方針で、毎日なんとか乗り切っています。
絵本が大好きで、本棚の重みで床が抜けるのではと危惧する今日この頃。
家の中を片づけるのとスリムな健康体になるのが長年の夢。

Twitter:https://twitter.com/toppinpararin
絵本ブログ:http://www.toppinpararin.com/

つかさちずる

イラスト・つかさちずる

娘との日々をブログ「むすメモ!」に綴ったりLINEスタンプを作ったりしている絵描き。
回転寿司とゲームをこよなく愛するアラサー。
毎週金曜日にブログに四コマを掲載してます~遊びにきてね!

Blog:http://chizuu.hatenadiary.jp/
Twitter:http://twitter.com/chizuuu2
Instagram:https://www.instagram.com/chizuuu2/

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