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サブカルバンドマン・ショウタの○○を笑うな!! 第3回「努力する人を笑うな!」

2018/05/16 UPDATE

サブカルバンドマン・ショウタさんが世の中の風潮にモノ申す「○○を笑うな!!」シリーズ第3回!

世の中には、努力して有名になった人を指さしては「あんなのは偽物だ」と貶めようとする連中がいます。今回、ショウタさんがそんな連中に向けて、ご自身のバンドマンとしての活動経験を基に、「人の努力を笑うな!」と反論して下さいました。何かに向けて頑張っている方は必見です。

バンド活動を続けて、気付けばもう三十代

こんにちは、ショウタです。

この連載のタイトルにもあるように、僕は10代の終わりにバンドを始め、サブカルチャーにかぶれながらライブ活動を重ねてきました。
時は流れて現在。十余年の間に起こった全てのブームにことごとく乗りそびれ、結果何者でもない30歳のおじさんとなり、今も目立った活躍のないまま細々とバンド活動を続けています。

目まぐるしく変っていく周囲の状況に比べ、自分自身の変化の無さにゾッとします。それは周りの人達に支えられながら現状維持しているということでもあり、またそれと同時に、めんどくさいことは後回しにする、暇さえあればすぐ寝ちゃうといった僕自身のダメな部分が如実に現れた結果なのでしょう。

界隈に根強く残る、売れ線を批判する風潮

10年以上もバンドをやっていると色々な人に会います。メジャーへの階段を登った人もいれば、ずっと地道にインディーズ活動を続けている人もいます。どう考えても音楽だけで食っている感じではないのに、SNSでやたらと“業界人”を匂わせる投稿を繰り返す、なんだかよくわからない人もいます。
バンドなんていうものは決まった方法論がないので、それぞれが好きな形でやったらいいのですが、どうもこの辺の世界では、いまだにひとつの考え方が根強く残っています。

それは上昇志向への批判です。

お客さんを増やしたり、活動の幅を広げたりすることは良いことなのですが、何故かそういったことを好しとしない考えの方々が少なくありません。
「売れ線に走ってもいいことなんかない」「そもそも音楽で食っていくなんて無理」「だったら自分のやりたいことをやるのが一番」。メジャーシーンに活動の場を移したバンドの話になると、決まってこう言う人が出てきます。

実際、このご時世に音楽一本でやっていくことは並大抵ではありませんし、自分の音楽が爆発的に売れることはまずないと自覚している人もいます。
そういう人達が別の場所に生活の足がかりを作り、基盤を確保した上で自分のやりたい音楽を全力でやる、ということなら話はわかります。実際そうやって良質な音楽を作っている人が僕の周りにもいます。それはとても良いことだと思います。

しかし、その一方で「なんかこの人の言ってることうさんくせえなあ……」と思うような人達に会ってきたこともまた事実です。
どう考えても生活の基盤が確保されているとは思えず、かといって音楽一本で食っているわけでもなさそう。やたらSNSにその界隈の大御所みたいな人とのツーショット写真を載せる割には、実際どういう活動をしているのかよくわからない。そういった正体不明の人々が、バンド周りにはゴロゴロいます。

そしてそういう人達に限って、売れている人を批判しながら「自分のやりたいことをやった方がいいよね説」を大きな声で元気良く主張するのです。

言ってることとやってることが違うじゃねえか

こういった人達は、大ヒットを飛ばすことはなかったものの、後世に圧倒的な影響を与えたアーティストに強く憧れています。
曰く、売れ線を狙ってメジャーシーンに行き、短期間で使い潰されるよりは、売れずとも自分のやりたいことを地道にコツコツと続けていった方が良い。

確かに言っていることは間違ってはいません。
間違ってはいないのですが、日頃の姿を見ていると、どうにも首をひねりたくなることが多すぎるのです。

例えば、日頃メジャーシーンの大きな権威を批判する割には、身近な権威である“その界隈の大先輩”にはやたらとペコペコします。
一匹狼的なポジションを演出する一方で、もはや常連と言っても差し支えない頻度で出演しているライブハウスの打ち上げには欠かさず参加し、顔なじみのバンド仲間とキャッキャはしゃぎます。
ライブ活動を行うものの、新曲を作らなくなって久しく、過去の曲をローテーションで演奏するばかり。自分の演奏が終わったら共演者のステージも見ず、ライブハウスの入り口にたむろしてる変な女相手に売れ線批判の“バンド論”めいたたわ言を一席ぶち、ご満悦。

重ね重ね言いますが、「売れることよりも続けていくこと」というやり方が間違っているわけではありません。音楽活動の方法なんて人それぞれですから、誰が何をやっても構わないのです。
しかし、それにしたって、あまりに言ってることとやってることが違うじゃねえか、と突っ込みたくはなります。
果たして、そのいじましい活動が、売れることよりも重要な「やりたいこと」なのでしょうか?もしそうだとしたら、あまりにあんまりです。それを地道にコツコツと続けていった先に、一体何が待っているのでしょうか?少なくとも、その振る舞いが後世に圧倒的な影響を与えることは、まずないでしょう。

また、このような人達は「才能よりも努力が重要」と事あるごとに口走ります。
これも言っていることは正しいのですが、その努力が音楽の方ではなく、変な女を口説く方に向いていることが残念でなりません。

売れている人は売れるための努力をしている

不思議なことに、こういった人達は女を口説く努力をしながら“売れるための努力”を一切評価しません。売れたのなんてまぐれ当たりだ程度にしか思っておらず、今売れている人達に対して「早く馬脚を現さないかなあ」くらいのことまで考えています。

これはとんでもないことです。

これだけははっきり言えるのですが、この世においてまぐれ当たりが大当たりするなんてことはまずありません。
仮に、ある爆発的なヒットがあり、それが運や時代の流れに偶然はまった結果だとします。しかしながら、その人物の過去を紐解いていくと、そこには必ず、創作や表現に対する並々ならぬ情熱や鍛錬、人目を引くための工夫や知恵の痕跡を見ることができます。

その辺を一切無視して、売れたバンドに対して「あれはホンモノじゃない」だの「資本主義に魂を売った」だのといった妄言を、ライブハウスをうろつく変な女相手に吐き続ける。困ったことに、そんな人達が一定数いるのです。本当に勘弁してほしい。

「なんとなくやってたらなんとなく売れた」などと言うことは絶対にありません。
売れるには売れるなりの理由があるのです。

人の頑張りを斜めから見るやり方はもう通用しない

困ったことに、こういう人達はバンド周辺に限らず、いたる所に居ます。会社、学校、サークル、アルバイト先、飲み仲間、ママ友グループ、その他その他……。

あれをしようこれをしようと頑張っている人に対して、いつも斜に構え、薄ら笑いを向け、「まあ自分は現実見えちゃってるんで」的なスタンスを決め込む人、周りにいませんか?

もし身近なところにそういった人物がいたら、相手にしないか、「お前は現実を見据えているんじゃなくて努力から逃避しているだけだ!」と言ってやりましょう。
今は知恵と努力次第で個人がいくらでも活躍できる時代。努力もせずになんだか凄そうなだけの中身のないことをペラペラとしゃべり、人様の頑張りを斜めから見るようなやり方が通用する時代ではないのです。


もっとも僕自身「売れる努力をしてきた」とは口が裂けても言えません。めんどくさいことをすぐ後回しにするし、暇さえあればすぐ寝ちゃうし……。実際、僕のバンド活動も決して華々しいものではありません。でも、そういう自分を正当化するために、売れている人を罵ったり、売れる努力をしている人を嘲るような態度を取りたくはないのです。

持続力に重大な欠陥のある僕が10年以上続けている唯一のことがバンドなわけです。好きでやっていることなら、せめてそのくらいは言い訳なしに、力いっぱいやっていきたいものです。

投稿者名

ショウタ

サラリーマンとバンドマンを兼任する昭和62年生まれ。 インターネットと深夜ラジオによって思春期を完全に棒に振り、どうにもパッとしないまま現在に至る。 親族の「子供の頃は明るかったのに」という言葉を無視するのが得意。
“日本語によるプログレッシブハードフォーク”を標榜するバンド「曇ヶ原」のバンマス。「怨恨プログレ」「怨念フォーク」とも呼ばれる。パートは歌とベース。
Twitter:https://twitter.com/show1987
曇ヶ原:https://twitter.com/kumorigahara

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