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サブカルバンドマン・ショウタの○○を笑うな!! 第5回「便利さを笑うな!」

2018/06/14 UPDATE

世の中はどんどん便利になってきています。そして我々は時々、そんな便利な世の中から逃避するように、“不便だったあの頃”に思いを馳せたりします。昔話をするのは悪いことではありません。でも中にはそれが行き過ぎて、今の便利さを否定する人達がいます。今回は、昔に目を向けすぎるあまり今を否定しにかかる大人達に向けて、ショウタさんが「いやいや、便利なのは悪いことじゃないだろ!」とツッコミを入れてくださいました。

「不便だったあの頃」ってそんなに良かった?

こんにちは、ショウタです。季節は梅雨まっさかりですね。皆様どうお過ごしでしょうか。
僕は相変わらず、よくわからないバンド活動をやっています。先日、僕のバンド・曇ヶ原の新グッズが発売されました。バンド名が入った消しゴムとか、「性欲」と書かれたプラカードとか売ってます。ライブハウスの入り口で変な女を口説いてるバンドマン崩れの人には無料で差し上げますので、是非ライブに来て下さい。

ところで僕は圧倒的な面倒くさがりなので、全てのことにおいて楽な方法を選びます。
有難いことに日々の技術の進歩によって、世の中はどんどん便利になっています。
かつては長い時間と労力を掛けなければできなかったことが、現在ではボタン一発ですぐできるようになったため、僕のような人間でも、スムーズに日々を過ごすことができているわけです。

しかし我々は時折“不便だったあの頃”を思い出し、懐かしがったりします。
僕もそういうことは思いますが、そこから「不便なことで生まれるものもあった」という話になり、更には「今は便利すぎて良くない」という現代批判のようなことまで言い出す人がいるのです。
確かに不便の中から誕生した物事はたくさんあります。しかしそれと便利さを否定することは、また別の話ではないでしょうか。
"過去"を美化するのも結構な話なんですが、だからといって"今"を批判し蔑ろにする行為に対し、僕はどうしても賛同できないのです。

不便と便利なら、僕は便利のほうがいい

同年代の音楽好きな人達と話をすると、どうしても次第に昔の思い出話になってきます。
「中古レコード屋を何軒もハシゴして、探していた音源をやっと見つけた時は腰を抜かすほど嬉しかった」
「雑音だらけのAMラジオで偶然聴いた曲が凄く良くて、次の日すぐCDを買いに行った」
「レンタルショップで借りたCDをカセットにダビングしたけど、聴きすぎてテープがダメになった」
どれも非常に覚えのある話ですし、僕自身似たような体験をしてきました。
音楽好きの間でこのような話題になると、「だから今は音楽に有難味がない、昔は良かった、今はダメ」的な方向に進みがちなのですが、僕が言いたいのはそういうことではなく、むしろその真逆とも言える「便利になった現代社会最高!」ということなのです。
大体考えてもみてください。人力で円盤を入れ替えたり曲の頭出しをしたりなければならないものと、ボタン一発で膨大な数の曲を無限に再生できるものが目の前に2つあるとして、みなさんどちらを選ぶでしょうか?
僕は確実に後者を選びます。

過去の連載で何度も触れてきましたが、僕は埼玉の片田舎で生まれ育ちました。
インターネットも未発達の時代、地方民はサブカルチャー的なものへのアクセス方法が限られており、国道沿いにある中古CDショップや3駅先の変わった品揃えの書店、そして親の隙を盗んで見るテレビの深夜番組が“外界”への数少ない通信手段でした。
高校生になったくらいからアルバイトを始め、行動範囲が広がり、なけなしのバイト代で都内まで足を伸ばし、欲しい本や雑誌、CDなどを血眼になって探すということを繰り返していました。もちろん必ず探しているものが見つかるとは限らないので、何一つ手に入らずしょぼくれながら帰りの電車に揺られたことも多々あります。
もちろんそれはそれでいい思い出です。欲しいCDを探すために歩き回った街を大人になった今歩くと、当時を思い出して感慨深くなります。

でも、「当時やっていたようなことをまたもう一度やってみたいか」と聞かれれば、「もう二度とやりたくはない」と答えるでしょう。

現在はレコード屋を何軒も回らずとも、決まった欲しいCDがあればネットの通販ショップで確実に買えます。雑誌を買わずともSNSでライブの日程が流れてきますし、各TV局の公式サイトで深夜番組が無料配信されているため、わざわざ夜更かししなくても見たい時にいつでも見ることができます。

おじさん達はよく「深夜、親が寝静まった後にこっそりテレビをつけて見たいかがわしい番組が最高だった」みたいな話をしますが、今さらそんなことやりたい人なんていません。なんでいい歳してそんなマネをしなければならないのか。勘弁して欲しい。あんな惨めな思いは二度としたくないぞ。

ネットを使っておいて便利さを否定するおかしな人達

様々なことが便利になった背景には、インターネットの進化や普及があります。
結局のところサブカルチャー的なものというのは、従前は都内在住、もしくは都心まですぐ出てくることのできる、そこそこ経済的な資本のある人々によるお遊び、という側面がありました。
そのため地方民や資本に乏しい人間は遠巻きに見ているか、もしくは周回遅れで情報が伝わってくるという形でしか参加できなかったのです。

ところがインターネットの登場によって、地理的な問題や経済的な事情がフラットになりました。ネット回線さえ引いてあれば、どこに住んでいようが様々な情報に簡単にアクセスできるようになったのです。

また、近年目覚ましい進化を遂げているSNSによって、住んでいる場所に関わらず、様々な人と交流ができるようになりました。とりわけ僕のような思春期を郊外都市で過ごし、なかなか都心に出ることのできなかった人間は、その恩恵にあずかる機会が多くあったと思われます。
地元で生活していたらまず会うことのできないような人と出会えるというのは、非常に大きなことでした。その時の出会いが現在に繋がっている部分もあり、インターネットは僕の人生の中の非常に重要な部分を担っていたと思います。
SNSの発展は、どのような人々でも意思表示ができる場を作りました。社会的、経済的に弱い立場の人でも声を上げることができ、そのためかつてであれば見過されていたような問題も、現在になってようやく議論の俎上に載せることができるようになったのです。

昔話をするのは悪いことじゃありません。でも昔を正当化するために、「今は何でもすぐ手に入るからダメ」とか「ものの有難味がなくなった」とか言うのはおかしな話です。
じゃあそういうこと言ってるやつが昔ながらの生活をしているのかというと、そんなことはなく、日用品は平気で通販サイトから購入し、ヒマさえあれば動画視聴サイトでおもしろ映像を見てひと笑い、更にはスマホ片手にうわ言だか寝言だかわからないたわ言を夜な夜なSNSに垂れ流していたりします。
本当に不便な生活を好むなら、新聞に折り込まれた広告を見比べて一番安値のスーパーを探し、自転車に乗って買い出しにいくくらいのことはしてほしいものです。

便利さを享受しているなら、それを否定する権利なんてないはずなのです。
便利、いいじゃないか。便利な今、最高。

あの頃ばかりではなく、今を改めて見直して

僕の基本的な思想に「今が一番良い」というのがあります。それは個人的な出来事もそうですが、社会を取り巻く色々なことに対してもそう思います。
技術が発展したから便利な世の中になり、便利な世の中が生きやすい社会を作り出していく。少なくとも僕は、これまで生きてきた中で、今が一番生きやすいですし、色々なことがやりやすくなっていると思っています。
「あの頃はよかった」と言う人は多くいますが、"あの頃"ばかりでなく、身の回りの今を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

と、このような話を長々としてきたのですが、僕は相変わらず時代に逆行するように、ヒマさえあれば古本屋や中古CD屋を練り歩き、雑誌、漫画、文庫本、CD、レコードといったものを闇雲に買いまくっています。奇っ怪なバンドをやって、珍妙なグッズを作って物販で売っています。
机の上はモノであふれ、生活スペースは圧迫され、床はもはや抜ける寸前。一体僕はどこに向かっているのでしょうか。誰か教えて欲しい。

投稿者名

ショウタ

サラリーマンとバンドマンを兼任する昭和62年生まれ。インターネットと深夜ラジオによって思春期を完全に棒に振り、どうにもパッとしないまま現在に至る。親族の「子供の頃は明るかったのに」という言葉を無視するのが得意。
“日本語によるプログレッシブハードフォーク”を標榜するバンド「曇ヶ原」のバンマス。「怨恨プログレ」「怨念フォーク」とも呼ばれる。パートは歌とベース。
Twitter:https://twitter.com/show1987
曇ヶ原:https://twitter.com/kumorigahara

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