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9通目:「『私は普通で個性がない…』は間違い。普通は立派な個性です。」岸明日香さん 新成人応援企画 ~拝啓、ハタチのわたしへ~

2018/07/26 UPDATE

人気ドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~THIRD SEASON」に出演中の岸明日香さん。
2018年6月に所属事務所を移籍。これからはグラビアはもちろん、女優という仕事もどんどんチャレンジしていくと張り切っています。
でも20歳のころはとてもネガティブ思考で、何事にも自信がもてず、いつも下を向いていたと言います。
どうやってポジティブ思考に変えていったのか。27歳の岸明日香さんから20歳の岸明日香さんへ、手紙を綴っていただきました。

みなさん、こんにちは。岸明日香です。
20歳のころの自分へ手紙を書く。すごく難しいですね。当時の私はいろいろなことがあってちょっと不安定になっていて、超ネガティブ思考でしたから。同時に人生の大きな転機が訪れたのも20歳のとき。
今の私が20歳の私に手紙を書くうえで、まずは幼少時代から20歳までを振り返ってみようと思います。

サブちゃんを熱唱し、芸能界に憧れた幼少時代

幼稚園の子がなりたい仕事を聞かれたら……。当時は女の子だと「お花屋さん」「ケーキ屋さん」と答える子が多かったと思います。私の夢は……芸能界に入ること。それも、演歌歌手になりたいと思っていたんです。私の夢を聞いた幼稚園の先生が「なんで?」という顔だったのを今でも覚えています。
当時、私はNHKの歌番組を観るのが大好きで、北島三郎さんに憧れていました。テレビに向かって「サブちゃ~ん」と声援を送りながら、「まつり」「与作」「函館の女」などを一緒に歌っていました。
小学校に入学してからは、テレビに出ている人を観て本当に羨ましく感じるようになりました。中でもモーニング娘。さんが大好きで、テレビの中で歌っている姿を観て「いいな~」と思っていたのを覚えています。

芸能界に憧れをもったきっかけの一つに、ダンスがあったかもしれません。私は3歳から中学1年の終わりごろまでダンスを習っていました。その教室はオールジャンルでダンスを教えてくれていたのですが、私はジャズダンスが好きでしたね。中学1年で将来の夢を書く機会があり、私は「アクトダンサーになりたい!」と書きました。
年齢によって憧れたジャンルは変わりましたが、「芸能界に入りたい」という気持ちだけはぶれなかったですね。

ただ……習っていたダンスは母に「辞めなさい」と言われて、泣く泣く諦めることに。中学でバレーボール部とダンス同好会にも入っていましたが、それも辞めることに。私には凄く頭のいい兄がいて、「あなたも受験勉強を頑張りなさい」と、塾に通わされたんです。もちろん好きなことを辞めるのはとても嫌だったし、反対もしました。でも年齢的にも母を説得することができなかったので、「今は勉強を頑張って、高校を卒業したら夢を実現させよう」と決め、本気で受験勉強に取り組みました。

三者面談で「芸能人になりたい」とカミングアウト

ところで、みなさんは“芸能界への入り方”ってわかりますか?
もしかしたら東京に住んでいれば街で芸能人に会うこともあったり、いろいろな情報が自然に入ってきて、なんとなくでも芸能界への入り方を知ることができたかもしれません。でも私は大阪の田舎の方に住んでいたこともあり、どうやったら芸能人になれるかなんてまったく想像がつきませんでした。
でも幼少時代からの夢は持ち続けていて、高校の三者面談で先生に「卒業後は芸能界に入りたい」と話したんです。
母も先生もしばらくポカーンと放心状態に。そして2人から猛烈に怒られました。母と私はお互い泣きながら大げんか。先生も「今までに同じことを言う生徒もいたけれどみんな失敗している」と必死に諦めさせようとします。

私は大人たちの意見に悔しさをこらえきれませんでした。だって子どものころから夢見てきたことを全力で否定されているのですから。もちろん芸能界が狭き門というのはわかっています。でも挑戦する前からこんなに反対しなくても……。同じ狭き門でも、たとえば司法試験に合格しないと就けない弁護士や裁判官になりたいと言ったら、ここまで反対はされないでしょう。兄は医師になるために一生懸命勉強をしていました。高校生の私は、医師になることもとても狭き門だと感じていました。
「何を夢みたいなことを言っているの!!」
「お兄ちゃんも夢みたいなことを言っているじゃない!!なんでお兄ちゃんの夢には反対しないのに私の夢は応援してくれないの!?」

母は私に“普通”に幸せになることを求めていたのだと思います。中学時代にダンスやバレーボールを辞めさせられたのも、普通になってほしいから。
普通に勉強をして、普通に進学して、普通に就職して、普通に結婚して……。
もちろん今は、母が私のことが心配だったからこそ大反対していたことはわかっています。でも高校時代はそこまで理解できなかった――。
「普通って何なの!?」
「芸能界に入りたいというのは、そんなにおかしなこと!?」
私はだんだんと人に自分の夢を話せなくなり、卒業後も大阪で悶々とした日々を過ごしていました。

拝啓、ハタチの私へ

高校時代、お母さんから自分の夢に向かって進むことを完全否定されて、どうしていいかわからずどんどんネガティブ思考になっちゃってましたね。子どものころからテレビに出ることに憧れていたのに、疑心暗鬼になって誰にも相談することができずにいた私。
まだ気づいていないかもしれないけれど、20歳はあなたにとって大きな転機の年になります。

もうすぐ20歳になるというとき、あなたは大阪で友達とショッピング中にスカウトされましたね。でも完全にネガティブモードに陥っていたから、せっかくのチャンスなのにやっぱり信じられないでいるはず。
「ここは東京じゃなくて大阪。スカウトなんかあるわけない」
あなたは突然の出来事に警戒していたと思うけれど、大丈夫。その人を信じて話を聞いてみて。それがデビューのきっかけになるから。

演歌歌手、ダンサー、そしてアイドル……。これまで小さな頃からあなたはテレビの中の芸能界のいろいろな仕事に憧れてきましたね。
そんなあなたは、20歳でグラビアタレントとしてデビューします。きっとビックリするはず。だってあなたは、その大きな胸がずっとコンプレックスだったから。

そのコンプレックス、見方を変えれば大きな個性に

高校時代は男子に胸を見られるのが恥ずかしくて、髪を腰まで伸ばしてシャツの下にさらしを巻いていたよね。いつも猫背で歩いて、体育の時間は胸を隠しながら走っていたはず。コンプレックスだったことが仕事に繋がるのだから、人生っておもしろいなと27歳の私は感じています。今はまだ自分の身体に自信をもてずにいると思うけれど、それをはねのけることができたとき、パッと目の前が明るく広がります。ネガティブな気持ちでいるのもあと少し。

夢にまで見た芸能界デビュー。27歳の私からも「おめでとう!」と伝えたいです。
でもあなたはすぐに気づくはず。デビューはゴールじゃなくて通過点でしかないことに……。
最初は東京に引っ越すお金もなかったから、仕事のたびに大阪から新幹線で東京まで通うことになります。何日か仕事が続くときはホテル住まいに。そのたびに何万円というお金がかかるし、慣れない世界でわからないことだらけだから、あなたはデビュー前よりももっとネガティブ思考に陥ってしまいます。
あなたは学生時代に「普通に進学して、普通に就職して、普通に結婚して……」とお母さんから言われて、それに反発しました。自分の夢を叶えたい、憧れの芸能界に入りたいと、お母さんと何度も大げんかしました。

でも心のどこかで「自分は“普通”の道を歩むのかな」と思っていたはず。
デビューが決まっても、最初は「自分ではこうしたい」と思っているのにそれをうまく表現できなくて落ち込みます。そのとき、あなたは「私は普通だから。他の子のようにキャラが立っていないから」と自暴自棄になります。
大丈夫。今は“普通”だということがコンプレックスかもしれないけれど、だんだんと“普通”があなたの個性だということに気付くから。個性は人それぞれ違うもの。あなたは“キャラが立った子たち”を羨ましく思っているけれど、その子たちにとっては普通のことをしているだけ。逆にその子たちから見ると、あなただけの個性が見えているはず。
少し時間はかかるけれど、それに気付くことができるタイミングが来るから安心してね。思い切って“普通のプロフェッショナル”を目指すと、気持ちが楽になるかも。
とにかく、最初は本当につらいと思います。何度も「もう辞めよう」と思ったりもします。でも事務所の人たちもあなたと一体となって一生懸命頑張ってくれています。周りの人たちの気持ちを裏切らないためにも、今は大変かもしれないけれど頑張ろう!つらいことがあったら、一人で抱え込むクセはやめて。誰かに話すと楽になれるから。
あなたはいい人に巡り会える運だけは人一倍強く持っています。今後その巡り合わせを当たり前に思わず、ありがとう、ありがとうと感謝し続けてね。

「グラビアはそんなもんやで」。兄の一言が救いに

そうだ!あなたに大切な忠告をしておかないと!グラビアデビューが決まったとき、あなたは「また反対されるから……」とお父さんとお母さんに隠し通そうとします。でもね、すぐにバレるから覚悟しておいて(笑)。
初グラビアは『週刊プレイボーイ』。超メジャーな全国誌の影響力をナメたらあかん!(笑)雑誌が発売になったらすぐにお母さんからすごい剣幕で電話がかかってきます。
「すぐ帰ってきなさい!!!!」と怒鳴られて、しぶしぶ帰ると、ドラマのシチュエーションばりに、あなたが水着で載っている週プレを開きながらちょっと手紙には書けないくらいの言葉で大げんかします。
お互い興奮して引っ込みがつかなくなるけれど、お兄ちゃんが隣の部屋からぼそっと呟いてくれます。
「グラビアはそんなもんやで」
この一言にお母さんは返す言葉がなくなって、けんかは収まります。そしてぎくしゃくしつつも、翌日にはお母さんと普通の会話をできるようになります。
ちなみに、お母さんはこの後もしばらくグラビアの仕事に嫌みを言ってくるけれど、お母さんが好きなテレビ番組に私が出た瞬間にコロッと変わって応援してくれるようになるから。あまりの変わりように「ほんま、ここまで変わる……?」ってビックリすると思うけれど、テレビに出たことで安心したんやと思う。逆に言えば、ずっと心配して目を離さずにいてくれてたんよね。
そして、その間ずっとあなたの仕事に対して一言も口を出さなかったお父さん。何も見てないふりして本当は一番心配して見守ってくれてたんだよ。

21歳で憧れの東京生活がスタート

デビューが決まって大阪と東京を往復する生活を送っているとき、あなたは一つの目標を立てます。
「CMが決まったら上京する!」
27歳の私が振り返ると、それは途方もない目標だったと思う。もしかしたら憧れの芸能界でうまくいかなかったときに、仕事を辞める口実にするつもりやったのかもしれへんね。
なかなか自分を思うように見せることができなくて「もう無理……」と感じることが何度もあります。でも諦めないで。21歳で念願だったCMの仕事が決まります。
今まで自分がこうなりたいと思っても、それを叶える術もわからなくて、すぐネガティブに考えるくせがついていたもんね。でもCMという目標を達成できたことで、「あれ、そんなことあんの?」「私って、運がいいかも」と、考え方が180度変わって物事をプラスに考えられるようになります。今は大変だけれど、必ず見てくれてる人はいます。あと1年頑張ろう!

そしてあなたは21歳で東京に引っ越します。中学、高校とテレビやファッション誌を読みながら憧れていた東京での生活。芸能界で人の前に立つ仕事をして、自立した女性になるのが夢だったけれど、田舎町で育った私にはそんなのは遠い夢で、自分に自信がないから友達にもなかなか話せなかったね。今思えば、自分のやりたいことを声に出して伝えることが一番苦手やったかもしれない。
念願の東京生活がスタートしたけれど、とにかく最初は大変です。あなたは「タレントは仕事以外で外に遊びに出ちゃダメ」と過剰に思いこんで、仕事が終わると家に引きこもります。それ、勘違いやから(笑)。たまには息抜きをして、外に出ましょう(笑)。
あと貯金などは引っ越しで全部使っちゃって、しばらくは部屋にカーテンがなくて、冬でもヒーターがない生活を過ごします。この時期は大変だけど「もっと仕事を頑張ろう!」というモチベーションが高まるので乗り切ってな。でも……カーテンだけは買ったほうがいいかも。一応、女の子やしね(笑)。

「女優になる!」と決心する作品との出会い

東京生活が始まってから、あなたはグラビア以外にもドラマや映画にも出演させてもらえるようになります。
初めてのドラマは21歳。最初はたった一言のセリフすらうまく言えなくて何度もNGを出したりもします。「自分には向いてないのかも。」と落ち込むことも何度もあります。
そして24歳で『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』という作品に出会います。共演させていただく方々やスタッフさんの優しさと現場の緊張感に接しながら前向きに頑張ろうという気持ちになり、だんだんと自信をつけていけるから安心してね。
そして『警視庁ゼロ係』はSECOND SEASON、THIRD SEASONと続く、あなたの中でとても大切な作品になります。この手紙を書いているのは、THIRD SEASONを撮影している真っ最中。毎日楽しく頑張っているから、安心して!

岸明日香さんから新成人を迎えた皆さんへ

20歳になって大人の仲間入りをされたみなさん、おめでとうございます。

私自身がそうだったように、20歳のころは「こうしたい!」と思うことがあってもなかなかうまくいかなかったり、逆に自分に自信が持てないから最初の一歩を踏み出せなかったり……。本当にいろいろな壁があると思います。
そんなみなさんに私の座右の銘をお送りできたら。たいしたものではないので、流してもらっても大丈夫ですよ(笑)。

「その時はその時、その時もその時」

私はこの言葉を紙に書いて、部屋に飾っていたんです。

私はすぐネガティブに捉えてしまう性格なので、いつも物事を難しく考えてしまいなかなか一歩を踏み出すことができませんでした。でも時間というのはある意味残酷で、自分が迷ったり悩んだりしていても、決断したり動き出さないといけないときが来てしまうんですよね。それで余計に落ち込んだりしていたけれど、あるときふと気づいたんです。
「できないと思っていたことでも、そのときがきたら頑張ってなんとか対応している」って。

人はいざとなったらきちんと行動するもの。やると決めて一歩を踏み出すのも行動だし、逆に悩んだ上でやらないのも行動だと思います。いろいろ悩んでも、そのときが来たらきちんと決断して行動する。だから、先のことを難しく考えすぎて思いつめても仕方ないと思えるようになり、それから気持ちがずいぶん楽になりました。

あと、いろいろなことで悩んだり落ち込んだりしていると、「前を向こう!」と励ましてくれる人も多いはず。でも、それができたらそもそも深く悩むことはないと思います。
私は自分の経験から、無理に前を向いたそぶりをしても結局は空回りしてしまうことのほうが多いように感じています。
物事がうまくいかなくて落ち込んでも大丈夫!とは言い切れないけれど、人生の中でそういう時期があっても、それは普通のことだから落ち込んでいる自分を否定する必要はないと思います。逆にそういう経験をしたからこそ後で頑張れることも多いはず。

大人になるのは大変なことも多いもの。でもあまり難しく考えすぎず、「その時はその時、その時もその時」でやっていきましょう!

投稿者名

岸明日香

1991年4月11日、大阪府生まれ。グラビアアイドルとして数々の雑誌の表紙を飾り、写真集やDVDも多数発表。また、2012年9月に『走馬灯株式会社』(TBS系)で女優デビュー。現在、『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室~ THIRD SEASON』(テレビ東京/毎週金曜日20:00~)に出演中。
Twitter:@asupons02 Instagram:aspoo02 blog:https://ameblo.jp/asuka-kishi/

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