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サブカルバンドマン・ショウタの○○を笑うな!!第8回「黒歴史を笑うな」

2018/07/30 UPDATE

サブカルバンドマン・ショウタさんが世の中の風潮にモノ申す「○○を笑うな!!」シリーズ第8回!

今回は思春期に自意識をこじらせたことのある人なら誰しも持っている、と言っても過言ではない“黒歴史”についてです。思い出すだけで恥ずかしくなって記憶の奥底に永遠に封印したくなる黒歴史はありますか?でもちょっと待って下さい。そんな黒歴史があるからこそ今のあなたがいるのではないでしょうか。今回はインターネット歴の長いショウタさんが、ご自身の過去をネタにしながら「黒歴史があってもいいじゃないか」と語って下さいました。

インターネットという黒歴史工業地帯

こんにちは、ショウタです。
前回のコラムでも書きましたが、気がつけばインターネットを始めてから20年近い年月が過ぎました。
まったく時が流れるのは早いものです。

この20年の間、インターネット上で様々な文化や言葉が生まれては消えていきましたが、市民権を得て一般社会に浸透しているものも多数あります。
そのうちの一つが「黒歴史」という言葉です。今ではすっかり馴染みのある言葉となっていますが、これも元々はインターネットスラングでした。
元を辿ればアニメ「∀ガンダム」内で誕生した用語なのですが、現在では「過去にやらかしたイタい行動・言動」など、思い出すだけで顔が曲がっていく、自分としてはなかったことにしたい出来事を指す言葉となっています。

さてこの黒歴史なのですが、インターネットこそがまさに黒歴史生産工場であるという人も多くいると思います。
特にインターネット黎明期とも言える、90年代末期から00年代半ば頃に思春期を過ごしていた方々には身悶えするような黒歴史も多いのではないでしょうか。
当時は様々な企業が多種多様なサービスを模索し、無料で提供していました。
ジオシティーズ、インフォシーク、フリーティケットシアター(ポコポコ飛び出す広告バナー)等に代表される無料ホームページスペース。
また、エンピツ、MEMORIZE、さるさる日記といったレンタル日記を使っている人達もいました。まだ「ブログ」なんて言葉ができる前の話です。
その後、前略プロフィール等のより個人に特化したものや、日本におけるSNSのさきがけと言ってもいいmixi、GREEといったサービスが誕生しました。
これらのサービスの特徴は、専門的な知識がなくとも、手軽で簡単にネット上に情報を発信することができるというものです。
レンタル日記やブログ、SNSの発展によってパソコン及びインターネットへの敷居が非常に下がり、一般的な層へも門戸が開かれたと言っても過言ではないでしょう。

しかし一般的な層も参入しやすくなったということは、逆に言えば不慣れな人知識のない人、もっというとインターネットに不向きな人でもサービスを利用できるようになったということです。
特に10代〜20代前半という、もっとも理性と判断力が欠落している時期の若者に、このようなサービスを与えると、それはもう黒歴史一直線と言ってもいいような、取り返しのつかない事態を招くことがあります。

テキストサイトの黒歴史

ところで皆さんは先程挙げたネットサービスを、一体どの程度利用していたでしょうか。

僕は全部使っていました。それも10代〜20代前半という、もっとも理性と判断力が欠落していた時期に。

まず思い出されるのが、中学生から高校生の頃にかけてやっていたホームページ
当時はテキストサイトというものが流行っていたので、これならおれでもできるぞ!と思い込み、無料ホームページスペースを借りて開設したのです。
テキストサイトというのは本当にざっくりと説明すると、回線的な問題で大きな画像の使用が難しかった時代、小さな挿絵と文章のみでネタやおもしろを表現していたサイトです。
あの頃は大量のテキストサイトが乱立していましたが、中には本当に面白い文章を書く人もおり、まさに混合玉石といった具合でした。

まともな日本語すら怪しかった中学生の僕が作ったテキストサイトは、間違いなく玉石でいうところの「石」の方で、面白い(と自分では思っている)文章を、ところどころでフォントサイズを変え「笑いどころはここですよ!」とご丁寧に提示する、力技というかゴリ押しというか、まあそんな感じのことを書いていました。

あとメールマガジンをも発行してました。確か僕のオリジナル本格ミステリー小説を毎週掲載していた記憶があるのですが、ちゃんと完結した記憶もなければ内容自体はっきり思い出せないですし、思い出そうとすると原因不明の頭痛に襲われるので、もうこの話はやめようという判断になりました。
僕の記憶が正しければ、あのサイトは概ね学校の同級生しか見ていなかったはずで、地元の同級生とは現在完全に音信不通となっているため、この過去はなかったことになっています。
15年くらい前にあのサイト見てたよ!という方は、今すぐ忘れてください。メールマガジンの内容も伝えてくれなくて結構です。

mixiの黒歴史

我々アラサー世代の人間が、この手の話をするのに避けて通れないのが、mixi。
僕は17歳の頃にmixiを始めたのですが、まあ当時は理性も判断力もなく、さらに承認欲求のようなものがグツグツに煮詰まっていた時期で、今の8億倍は性格がひん曲がっていました。
そのうえ当時は作家気取りというかなんというか「おれは“文章”だけで“表現”するんだもんね」という謎のこだわりがあり、誰も頼んでないのに毎回毎回鬼のような長文をmixi日記に投稿する、ということをやっていました。

さらにまずいことに当時まだmixiは招待制で、ネット上でも一部の人しか参加しておらず、周囲は僕より年上の人達ばかり。
そんな中で僕が「ねえねえ!みんな聞いて!ボクまだ17歳なのにこんなマニアックな音楽や漫画を知ってるんだよ!」と大きな声で元気よく騒ぐと、周りの大人達が「君は若いのによくそんなのを知ってるね!」とおだててくれるので、また更に図に乗って長文日記を書き散らかすという、もはや手に負えない事態となっていました。

でも、あの頃があるから今がある

しかし、これらの黒歴史があるからこそ今の自分があるわけです。
僕はかつてmixiに恥ずかしい長文日記をブチまいてきたわけですが、日記を読んで面白がってくれた方々と後に知り合い、一緒にバンドをやることになります。
オリジナル曲を演奏するバンドに入ったのはこの時が初めてでした。この経験は僕の音楽人生に大きな影響を及ぼしました。そうして知り合った人の繋がりが繋がりを呼び、今の仕事に就いている自分、今のバンド活動をしている自分があります。

黒歴史という言葉が市民権を得て久しく、その結果多くの人々、特に若者が、できるだけ黒歴史を作るまいと考えながら慎重に行動しています。
しかし逆に言うならば、黒歴史というのは若い頃にしか作ることが許されないもので、若いうちにとんでもない恥をかき散らかしてこそ、わかることや得るものがあるのです。
もちろん恥や失敗でダメージも受けるでしょう。しかし受けたダメージを回復する能力、経験を応用して次の成功に繋げる能力は、若い時の方が圧倒的に高いのです。

黒歴史を回避すべく何もしないのではなく、むしろあれやこれやと色々手を出して積極的に黒歴史を作っていったほうが断然良いのです。そうやってダメージを受けながらやってきたことが、絶対後々に繋がっていきますから。

黒歴史のハードルを下げるな

しかしそれにしても、最近黒歴史のハードル下がりすぎてませんか?
「黒歴史」で検索をかけると、やれ髪の色を明るくしすぎただの、やれ元カレ元カノとのメール内容がイタいだの出てきますけど、そんなもん黒歴史でもなんでもないですからね!ただの一般的な若者の一般的な生活の一部です。

黒歴史っていうのはね、高校時代友達が1人もできず、表向きには「極力人と関わり合いになりたくない」みたいなことを言うけれど、本当はめちゃめちゃ人と関わりたかったから、寂しさのあまりつい2ちゃんねるの大規模OFFに参加し、そこで知り合った人達と夜な夜なMSNメッセンジャーでやり取りをしてたとか、そういうことを言うんですよ!誰の実話かは言いませんけど!

冗談じゃないんだよまったく。思い出そうとするとまず「ウワーッ!ウワッ!ウワッ!」と口から奇声が飛び出し、居ても立ってもいられなくなり、ソワソワと立ち上がったり座ったりを繰り返し、頭痛、めまい、寒気、発熱歯痛、咳くしゃみ鼻づまりに襲われて寝込むのが黒歴史ですからね。そのくらいの致命傷を負ってから黒歴史と言ってほしい。
そしてこれを読んで「そう言えば15年くらい前、しゅんとした高校生とMSNメッセンジャーで会話をしたような……」という記憶が蘇ってきた方、頼むから連絡してこないでください!ほんとお願いします!マジで!(その節は本当にすみませんでした)

投稿者名

ショウタ

サラリーマンとバンドマンを兼任する昭和62年生まれ。インターネットと深夜ラジオによって思春期を完全に棒に振り、どうにもパッとしないまま現在に至る。親族の「子供の頃は明るかったのに」という言葉を無視するのが得意。
“日本語によるプログレッシブハードフォーク”を標榜するバンド「曇ヶ原」のバンマス。「怨恨プログレ」「怨念フォーク」とも呼ばれる。パートは歌とベース。
Twitter:https://twitter.com/show1987
曇ヶ原:https://twitter.com/kumorigahara

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