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 > 月刊住むひと vol.03 JR京浜東北線 西川口駅 徒歩12分 賃料5.5万円 ロフト付き

月刊住むひと vol.03 JR京浜東北線 西川口駅 徒歩12分 賃料5.5万円 ロフト付き

2018/08/03 UPDATE

この連載はほぼ実在する(ほぼです)ひとつの物件を取り上げて、この部屋に住んでいるひとの人生はどんなだろう、と勝手に妄想していくものです。

北向ハナウタが描く「住むこと」についての漫画とエッセイ、第3話。

交通:JR京浜東北線 西川口駅 徒歩12分
賃料:5.5万円(管理費含む)
築年数:築5年
主要採光面:北
間取り:1R / 11.5㎡
- - -
その他:木造、2階、ロフト付き

ロフト、という謎の選択

一人暮らしを始めるときにまず除いた条件があった。それが「ロフト付き物件」だ。

一人暮らしに漠然とした憧れを持っていた実家の頃からよくネットで「部屋はこう選べ」という類の記事をよく眺めていた。その中でとにかくロフト物件が不評だったからだ。どうやら異常に暑いのだと言う。

そんな折、4月から一人暮らしを始めた友人の部屋へ遊びに行った。小さな冷蔵庫が備えられた、ロフト付きのワンルーム。実際のロフト物件に触れる機会があまりなかったこともあり、はしごをはしゃいでかけのぼり、上から見下ろす形で彼の話を聞いた。

彼いわく、寝るスペースと作業スペースを完全に分断させたかった、とのこと。
机で作業中にそばにベッドがあるとついサボって寝てしまう。なので、「はしごを上らなければ寝られない」という障害があるほうがいいのだそうだ。

へー、とうなずきながら(そのわりに今まで寝てたろう)という言葉を飲みこんだ。待ち合わせの時間になっても彼と連絡がつかず、直接家に押しかけベルを3度鳴らしてようやく起こしたのだ。

ともあれ、ロフト付きを望んで選ぶひともいる、ということに今更ながら気づいた。ロフト付き物件がこの世にこれだけあるのだから考えてみれば当然なのだけど。

ロフト付き物件の魅力ってなんだ

興味が湧いたのでTwitterでロフト付き物件に住んだことがあるひとを募ったところ、出るわ出るわ様々なエピソード。魅力や不便な点を以下にまとめよう。

■ロフト付き物件のデメリット
先にデメリットから。これは上の漫画にも記した通り大きく3つに分けられる。

1.思っている以上に危ない
・はしごにタオルをかけておいたら それに足を滑らせ転落し骨折・一直線にハシゴを滑り落ちた。尾てい骨にヒビが入って、以降ロフトで寝るのをやめた・朝寝ぼけて落下。手の指を折った

まさかの骨折者が3人。エピソードを募ったロフト経験者の4人に1人くらいが落下してる計算になる。
体調の悪いときが輪をかけてツラいらしい。一人暮らし、体調不良、ロフト。役満だ。

2.移動や掃除が面倒
上り下りが手間、という意見も多かった。それはまぁ、引っ越す前からわかることではあると思うのだけど、想像以上に、ということなのだろう。掃除も厄介らしい。掃除機がかけづらいという意見が多数あがった。

移動に関して、インターホンに気づいても玄関へたどり着く前に宅配業者のひとが帰ってしまうというのもロフトあるあるらしい。これ、普通にどうしたらいいんだろう。

3.暑い
そして何より、やはり全員が口を揃えていたのが「暑い。」である。

・6月〜9月頃までは居住スペースとしては使い物にならない・夏場は灼熱地獄 下で寝なきゃ耐えられない・天窓がある所が多く、西日が当たる設計だと地獄・オシャレを気取りたくてエアコンのない天窓のあるロフトで『リリィシュシュのすべて』を観たが、暑過ぎて死にそうになった・エアコンの冷気も届かない・夏は暑くて冬は寒い

夏は暑くて冬は寒い。人工盆地じゃないか。度々現れる"地獄"という言い回しが過酷さを物語っている。

ロフトは、大きく「寝床として使う派」と「物置として使う派」に分けられるらしい。寝床派も夏場ははしごをつたって地獄を離れ、人里まで下りてくる住民が多いようだ。

他にも、"階下で良い感じになった後、布団へ辿り着くためにロフトへ上るときの空気感がヤバい"という貴重な意見も寄せられた。想像するとニヤニヤしてしまう。「じゃあ…」と言いながらはしごを上るのだろうか。なんなんだその時間。

■ロフト付き物件のメリット
デメリットだけ聞くと地獄を現世に体現した施設のようだけど、もちろんメリットもある。ここから挽回させていこう。

1.広く感じる・天井が高いので部屋が広く見える・キャットウォークが設置できます
これは友人の家にお邪魔したときも強く感じた。高さがあると圧迫感がないのだ。土地に限りのある都市部ではかなり優位に働くメリットだろう。

2.物置になる・急な来客時にものを放り込んで隠せる・物が上に置けるので散らかってる場面をすぐ入ってきた人にも見られない
ロフトに住むひとは物を咄嗟に隠したいひとが多いらしい。

3.秘密基地感がある・友達と星を眺めたりオシャレな事が出来る・天窓が最高 寝転がると、月や星がよく見えた・前の住人が天井部分に星の蓄光シールを貼ったままにしていたので寝るときに夜空を見てるようでいい気分だった
天井の高さに起因しているのか、星にまつわるエピソードが集まった。夏場の暑さを助長させた憎っくき天窓も、こういった話を聞くと悪くないなと思わせる。

中でも魅力的だったのが以下のエピソードだ。

”家庭用プラネタリウムを持ち込み星をみたこと 天井が高いので空が近いように感じて良かった プロジェクターで投影して映画を観たときも同じように感じました 寝転びながら映画を観られるし近くて良い”

うわーめっちゃええやんけ…"良さ"やんけ…と思い、今回の漫画にもそのままプラネタリムを登場させた。
・泊まりに来た友人が楽しんでくれた・初めて遊びにきた友人たちが上がってキャッキャしていた・住んだことのある方は多くないようで、憧れがある方も多いのかもしれません
という意見の通り、確かにロフト物件は心が躍る。筆者も友人の部屋でついはしゃいでしまった。"秘密基地"という言葉も多くのひとが口にしていた。

我々はもしやロフト物件が好きなのでは

・ロフトには夢と希望がつまっています

プラスの意見を読んでいると段々と「人生で一度くらいはロフト物件を選んでみてもいいのでは?」という気持ちになってくる。
友人を招いてプロジェクターで鑑賞会をし、星を眺め…オッケーオッケー、もうこの際6月〜9月は地獄を受け入れたろうか。そんな気にもなる、実際相当に暑いのだろうけど。

ちょっと良さがすごい、の雰囲気で収束しそうなので最後は"階下で良い感じになった後の空気感がヤバい"という話をしてくれた方が挙げたロフトのメリットについてのコメントで締めたい。

"階段を上らなければ布団に辿り着かないので無為で意図しないワンナイトが減る"

以上です、ロフトには夢と希望がつまっています。ありがとうございました。

投稿者名

北向ハナウタ

東京を拠点に活動する兼業ライター・イラストレーター。
好きなおでんは大根、好きなサイゼリヤメニューは、たらこソースシシリー風です。

twitter:@1106joe
blog:http://kitamuki.hateblo.jp/

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