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はるの珍人図鑑 その1「自分を童顔だと言い張るオッさん」

2018/09/06 UPDATE

独特の人間観察力とユーモアあふれるツイートで大人気の「は * る」さん。このたびアイスムでコラム新連載がスタートとなります!
タイトルは名付けて「珍人図鑑」。
これまでの人生のさまざまな場面で目撃してきた“変わった人たち” “困った人たち”について紹介、分析するという、ちょっとシニカルな内容です。
「いるいる、こういう人」と笑ったり、「自分、こういうところあるかも…」と苦笑いを浮かべたりしながら、楽しくご覧下さい。



こんにちは、はじめまして。

なぜか日々変わった人に出会うことが多く、毎回「意味わかんねえよ」とストレスを溜めがちな私ですが、損するだけではもったいないな?と思い直し、その度に「ネタにしてやれ!」とツイッターでつぶやくことを続けていたら、幸運にもそれを目に留めていただき、このたびアイスムさんで記事を持たせていただくことになりました。

テーマはシンプルに「珍人図鑑」。

こんな変わった人に会いました!
こういうタイプの人っていますよね!
よく考えたらあの人ヤバかったんだな!

そんな彼らのきらめく流星のような生態を後世に伝えていきたいと思います(大袈裟)。

自分を童顔だと言い張るオッさん

これは以前わたしがツイートしたものなんですが、とある会社のパーティーで本当に遭遇したオッさんの話です。

その人は、センター分けの総白髪で、顔がデカいだけの、そこらへんにいるような50歳くらいのオッさん。そのオッさんが、突然堂々と「僕、童顔なんです」と言ったんです。その瞬間の違和感ときたら半端なかったです。

これは先ほどのツイートに続けてつぶやいたものなのですが。

えっ?ええっ?童顔…?
…そう言われてみれば若干顔のパーツが下の方にある感じかも?あとちょっとだけ目がクリってしてる?でも童顔とかそういうレベルではないし、そもそも童顔って20代の人が10代に見られる時などに使う言葉では?
50歳近いオッさんが童顔って何?若く見えてもせいぜい40代前半でしょ?40代前半ってオッさんでしょ?

という縦横無尽のツッコミが頭を駆け巡りました。

しかし、その自称童顔オッさんは、おそらく色んな場所で何回も何回も同じ話をしてきたのでしょうね、続けてスムーズに、

「僕、30代半ばから転職したんですよ。それで新しい環境に身を置いてみてわかったんですけど、仕事相手に若いなって思われると損なんですよ。こいつちゃんと仕事してないんじゃないかとか思われる。だから僕はこの髪の色にして年相応かちょっと上に見られることで、安心して仕事が出来るんです」

と“童顔であるがゆえの苦労の人生”を語り始めたのです。

お、おう…」と思いながら、私は脳内で、その白毛のオッさんを、ゲームのアバターをいじるような感覚で黒髪に染めてみました。しかしそこにいたのは、髪が黒くなっただけのオッさんでした。肌のハリのなさも崩れた体型も充分に年相応の、顔のパーツがちょっと下にあるだけの、単なるオッさん。

そんなオッさんの話のツカミが、女子大生の「あたしー童顔でーこないだも居酒屋で年確されちゃったのーもーマジめんどくさくてー」という使い古された自虐風自慢と同じレベルであることに、心の中で思わず苦笑いしてしまいました。

周りも同じことを感じたのか、「お若く見えますね!」などの同調が返ることもなく、へーそうなんですねーで話題が終結。やや気まずい空気が数分ほど後を引きました。

あの時のことを振り返ると、今でも「お、おう…」という気分になります。

自称童顔のオッさんの心理を分析

あのオッさんはなぜ50近くにもなって“童顔キャラ”で振る舞っていたのか。なぜパーティーの席で「お、おう…」という微妙な空気を作り出してしまったのか。それを分析してみました。

人はなにか問題があった時、その原因を自分自身ではなく、少し遠くのものに見出してしまいがちだそうです。たとえば誰かを怒らせてしまった時、すぐ「自分の失言のせいかな?」などと考えるのではなく「彼の虫の居所が悪かったのかな?」「体調でも悪いのかな?」と思ってしまう。これはどんな状況でも自分の心を守る大切な本能なのかもしれません。

白髪のオッさんにもこの心理が働いていたと推測できます。きっと彼は、「童顔である」という理由づけをしなければならない“何か”を社会の中で感じ続けていたのでしょう。ナメられがちだったり、仕事ができないと思われたりしたのかもしれません。

そして実際、本当にナメられやすい言動をしていたり、仕事が出来ていなかったりした可能性も大いにあると思うんです。

いくら若く見えてもぜんぜんナメられないタイプの人も、仕事がめっちゃ出来るオーラをまとってる人も世の中にはいくらでもいます。

でも彼は、その諸問題を自分の童顔のせいにした。してしまった。そして「若く見えるからこういう扱いをされるんだな」と思ってしまった。

それが悲劇の始まりだったのです。


そういえばオッさんはその時、こうも言ってました。

「髪が全部白毛になるのにも、時間がかかりました。だんだん黒が減って白の比率が多くなってくるのが待ち遠しかったです」

知らんがな。まさに知らんがな。ほんとにほんとにどうでもいいがな。誰が得するんだその情報。と言いたいのをグッとこらえて考えてみると、その白毛への変化はまさに、オッさんの社会人としての苦労を表しているのではないかなという結論になりました。

この髪の毛がすべて白毛になる頃には、自分もこの社会で認められるはずだ。

そんな思いで何年も過ごすうちに、世間に揉まれ、今の社会人としての地位を手に入れたのかもしれません。

それでも童顔キャラは変わらないのね。


…と、長々と分析してしまいました。

自称童顔のオッさんから私たちが学べること

自分を童顔だと言い張るこのオッさん。彼から学べる大切なことがあります。
「自分はこう見られるんです」ということを自分で主張しないほうがいい、ということです。

確かに、以前本当に誰かからそう言われたことがあるかもしれない。芸能人の何とかさんに似てますねと言われたことがあるかもしれない。
でも、そのたった数回の過去のサンプルで、「自分はこうだ」と思い込み、それを押しつけがましく主張するのは危険なことです。私のようなひねくれ者に聞かれて、それを心の中で徹底的にツッコまれる可能性があります。

それよりも、「私ってどんな感じに見えますかね?」と相手に投げてみるほうが、話に広がりも出来てベターだと思うんですね。

年を取ると人生経験が増え、自己分析も進んでいく一方、実際にはそんなことはない思い込みや固定観念もどんどん蓄積されていきます。その誤差があまりに多きすぎると、「痛いオッさん」「痛いオバさん」が爆誕してしまうのです。

いくら経験を積んだとはいえ、実際目の前でコミュニケーションする相手はひとりひとり違います。
自分がどう見えるか。どういう印象を与えるか。それは目の前の相手が判断すること。使い古した過去のサンプルを何度も持ち出さないで、時にはいま目の前にいる相手とまっさらなコミュニケーションをしてみたほうが、いつまでも若く新鮮な心でいられるんじゃないか、私はそう思います。

まあ、だからと言って50歳くらいのオッさんに「私、何歳に見えます?」って聞かれても「50歳くらいに見えます」としか思えないのですが…。

投稿者名

は * る

独自のユーモア溢れるセンスで数多くのフォロワーを抱える女性ツイッタラー。
実は神経質で几帳面なA型。「世間話をしていたつもりなのに、いきなりシリアスなカミングアウトをされがち」とのこと。
ちょっとシニカルながらも多くの人が親しみを覚える切り口で、なんとなく思っているけど言葉にできないことを呟くツイートが大人気。

Twitter:https://twitter.com/PlasterStar999

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