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はるの珍人図鑑 その8 「寸借詐欺した動画配信くん」

2018/12/19 UPDATE

独特の人間観察力とユーモアあふれるツイートで大人気の「は * る」さん。そんなはるさんがこれまでに関わり合った珍しい人たちについて語るコラム「珍人図鑑」、第八回目をお届けします。
今回は寸借詐欺をした人の話。被害に遭ったのは、はるさんのよく行く店の店長さんとのこと。騙されたところから、それを追い詰める展開が始まり、非常にエキサイティングな話となっています。あんまり関係ないですけど「寸借詐欺」って早口言葉みたいですね。「すんしゃくさぎ」って言い辛くないですか?ちょっと言ってみて下さい、すんさくしゃぎ…しゅんしゃく…しゅんさく……はい!どうぞ記事をご覧ください!


こんにちは!
皆さんに欲望はありますか?私はあります。
SNSをやってると絶対に意識してしまう「ネタ探し」もそのひとつだと思います。面白いネタを見せてみんなに褒められたい。誰だって多かれ少なかれそう思ってるはずです。
インスタを始めた友達は、写真を撮るために部屋を片付ける習慣がついたと言ってました。いいことやん。
一方、ツイッターをやってる私は、街の人たちの声につい耳を傾けてしまいがちです。あそこの女子高生はなんか面白いこと言ってないかな?とか、むこうのサラリーマンがいいこと言ってないかな?とか。

まあ、ウケるネタが欲しい!人気者になりたい!なんて欲望は大体かわいいものです。しかし、世の中には物やお金を欲しがるあまり、それを不当に手に入れようとする輩もいます。

今回はそんな欲深いやつの話です。よく行ってるお店の店長さんが、もんのっすごい話をしてくれました。
以下、店長さんが語る衝撃のエピソードです。起・承・転・結としてご覧ください。

【起】 「3万円貸して下さい!!」

どうも。某店長です。今回は僕の身に起こった事件をお話しようと思います。

今から一年くらい前、僕のお店に何度か来てくれた男性がいました。彼はツイッターをやってるとのことで、僕にもお店の宣伝用アカウントがあったので、相互フォローして、ついでにLINE交換もしたんです。
しばらくしてLINEに「今、店の外からあなたのこと見てますよ笑」なんてメッセージが来るようになりました。あれ…ちょっと距離感を間違えてる変な人だったかな…まぁいいや…男同士だから大したことは起きないだろう、と思いました。
するとある日の朝、「3万円貸して下さい」というLINEが届いたんです。

まるで振り込め詐欺のような文面ですが、その時点ではなんとも判断できませんでした。まあ、普通の人はいきつけの店員にこんなお願いをしないでしょう。しかし、彼は距離感をつかめないタイプの人みたいだし、だからかな?そう思いました。

もちろん嘘かもしれないと疑う気持ちもありました。でも、もし本当に財布を落として困ってたら疑われるのもキツくないですか?見知らぬ土地で現金がなくなったら藁にもすがりたくなると思いますし。突っ込むのも気の毒だなと思いました。

だから僕は、迷いながらも指定された口座に3万円を振り込んだんです。

【承】 連絡無視のまま更新されるTwitter

結論から言うと、やっぱり逃げられました。

返す約束をした日になっても僕の口座に入金はなく、LINEも既読にすらならない。電話をしてもコール音が鳴るのみ。やっぱり騙されたんです。
まあ、そうですよね。僕も半信半疑でしたし。でも、すごく落ち込みました。
返ってこない3万円はどうでもいいんです。ただ、僕は彼を信用してお金を貸したわけです。つまり彼は信頼関係を担保にしたわけです。そんな僕との信頼関係を、彼は3万円と引き換えに捨てた。つまり僕は3万円より価値が低い男だと認定された。そう思うと悲しくなりました。

数日の間、毎日電話をかけ続けました。でも出ないんです。

ここで腹が立つことに、なぜかツイッターのほうはブロックされてなくて、普通に更新してるんです。不義理をかましておいてSNSでは平然としてるのが信じられません。
しかも「焼肉を食べた」とか「遊びに行った」とか、お金を使ってる話が多いんです。おかしくないですか?焼肉って一食5千円くらいしますよね。肉焼いてんじゃねーよ。

さらにもうひとつイラっとくるポイントがありました。彼はラーメンレビュー動画の配信者でもあったのです。
「どこぞの有名店に食べに行った」とかいう話を配信したり、時には並んで待ってる間に実況したりしてました。
お前そんな暇あるならバイトして金返せよ。

そこで僕は決意したんです。必ず3万円を、そして僕自身の価値を取り返してやると。

【転】 ついに来た!! 確保の瞬間!!

彼の動画配信をチェックしてると、リアルタイムで町を歩きながら喋ることが多いことに気づきました。しかも「どこにいる」とか「今からどこに行く」とか、居場所を特定できる情報を流してます。追いかける身としてこれはデカいなと思いました。

また、三日と開けず平日昼間に配信したり、夜も配信友達と遊んでたりして、定職についてるわけでもなさそうです。最初の「出張中で財布を落とした」という設定も嘘のようでした。ふざけんな。

怒りを抑えながら配信をチェックすること半月。ビッグチャンスが訪れました。

ある日「自分の住んでる商店街を紹介します」みたいなノリで配信を始めたんです。それがなんと僕のやってる店のすぐ近くでした。リアルタイムなので、彼が今いる場所にもすぐ行けます。今動けばピンポイントで突撃できるのです…!

「近い!あそこだ!」

仕事をいったん抜け出して、自転車に飛び乗り、猛ダッシュで追いかけました。
するとスマホを持ちながら一人で何やら話している彼の後ろ姿が!!見えた!!!

そのまま追いつき、動画配信中の彼の肩を叩きました。

「おい!金返せ!!」
「………」
「金返せよ。なにやってんだよ」
「ごめんなさい。返そうと思ったんですけど、金がなくて逃げてしまいました」
「LINEしても既読にならなかったじゃないか。不誠実だよ」
「すみません。怖くてブロックしてました」
「あのな。メシ食うなとも言わないし、趣味すんなとも言わないけど、誠意見せろよ」
「はい、すみません。ごめんなさい」
「千円ずつでもいいから。返せよ」

どうやら動画配信中に凹られるのは相当なダメージだったようです。無職の彼にとってはかなりのウェイトを占めるものでしょうからね。

その日の夜くらいに彼からLINEがありました。それで「月に二回、少額ずつだけど返していきます」という約束をしました。
最初の事件から約二ヵ月。ようやく戦いは幕を閉じたのです。

【結】あれから一年、例の彼は…

幕を閉じたのです、と言いましたが、実はまだ終わってません。

彼の肩を叩いたのがちょうど一年前くらい。それから月に二回振り込みがあるんですけど、その額がマジで千円ずつなんです。そりゃ「千円でもいい」って言ったのは僕ですけど。少額すぎて返済は遅々として進みません。

さらに彼は、動画配信中に声をかけられたのがよほど悔しかったのか、それとも元々の性根がねじ曲がってるのか、千円返す際に変な小細工を織り交ぜてきます。

ある時は「振り込みました」というメッセージと画面のスクショを送ってきて、実際の入金はなし。決済ボタンを押す直前の画面だったらしいです。取り消しボタンを押したんですね。怒ったら翌週くらいにしぶしぶ入金してきました。

あと「クレジットカードのポイントを現金化して振り込みました」というメッセージも来ました。これも振り込まれてませんでした。そこを突っ込むと「おそらく二週間のうちには手続きされるのではと思います」という回答。しかしクレカポイントの現金化について調べてみたら、そもそも他人名義の口座には振り込めないらしいです。ツッコんだら、また少し遅れて入金がありました。

つい先月は、なぜか950円振り込んできました。これに関しては意味がわからないので「次回は1050円お願いします」とだけ念押ししました。

こんなイラっとする小芝居を三回に一回は挟んでくる感じですが、残額はあと5千円ほど。並の人なら途中で諦めるかもしれません。しかし僕は違います。
小さな悪を見逃すと、それはやがて大きな悪となって返ってくる!だから完済するまで追及の手を緩めないつもりです!!


以上。私のよく行ってるお店の店長さんの話でした。

お世話になった相手に不義理を働いて平然とばっくれる人については、以前も「ばっくれバイト」で書きました。そういう人に限って、相手に悪事がばれても知らん顔したり、追及されても居直って悪びれなかったりします。
SNSが浸透して以降、そういう変な人に遭う機会が一層多くなりました。リアルで人に迷惑をかけておいてSNSで平然としてる人、よくいますよね。私はそういう人に迷惑を掛けられても「下手に揉め事になったらめんどくさいし、許せないけど我慢しよう…」なんて考えてしまいがち。皆さんの中にも泣き寝入りしちゃう人は多いのではないでしょうか。
だからこそ、そういう人にちゃんと立ち向かって、しっかりと落とし前をつけさせる店長さんの姿勢、すごくリスペクトできます。

あとやっぱりお金。お金の貸し借りはとってもデリケートな問題。借りる側は気軽でも、貸す側はちゃんと返ってくるまでなかなか落ち着かないものです。本来は借りない・貸さないことが一番ですが、やむを得ない場合は、人間関係にヒビを入れないように誠実に行動しましょうね!

投稿者名

は * る

独自のユーモア溢れるセンスで数多くのフォロワーを抱える女性ツイッタラー。
実は神経質で几帳面なA型。「世間話をしていたつもりなのに、いきなりシリアスなカミングアウトをされがち」とのこと。
ちょっとシニカルながらも多くの人が親しみを覚える切り口で、なんとなく思っているけど言葉にできないことを呟くツイートが大人気。

Twitter:https://twitter.com/PlasterStar999

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