ごはんと味噌汁、ぬか漬けのシンプルな和食。羽田美智子さんのキレイと健康の秘訣!

EAT-TALK いいトークは食べながら

2020.09.25

日々の「暮らし」を楽しむみなさんに、おいしいごはんを食べながら、リラックスして食にまつわるお話をうかがう「EAT-TALK」。今回のゲストは、女優の羽田美智子さんです。

野菜や果物は「もらうもの」と思っていました(笑)

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「トウモロコシとかぼちゃのスープ、彩りがきれい!」「レモン塩? とってもいい香り。どうやって作るんですか?」

撮影前から、野菜をふんだんに使った料理に興味津々の羽田美智子さん。撮影が始まり、実際に料理を口にしたとたん「わぁ、おいしい!」と、とびきりの笑顔が弾けました。

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「私ね、嘘つけないんです。全部顔に出ちゃう。この味、好きじゃないなと感じると、番組の食レポでも苦し紛れに『まずくは……ないです』とか言っちゃって、昔はよく怒られました(笑)。」

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茨城県南西部の常総市出身。茨城は全国でも屈指の野菜の一大生産地です。

「野菜や果物は買うものじゃなく、もらうものだと思って育ちました。メロンも高級品だとは知らず、『えー、またメロン?』なんて(笑)。でも、大根やネギがたくさん届くと、今がこの野菜が採れる時期なんだとわかる。幼いながらに旬をきちんと感じていたように思います。」

実家は商売をしていましたが、子どもたちには美味しいものをと、お母さんは腕をふるってくれたとか。

「母のロールキャベツは絶品でした。天ぷらを揚げるのも上手。でも、これでもか! っていうぐらい大量に揚げるんです。うちだけじゃ食べきれないから近所や親戚におすそ分けして、そのお返しにと野菜や果物をもらって……。わが家の食卓は物々交換のおかげでいつも豊かでしたね(笑)。」

年齢を重ね、「食べたものが体を作る」と実感

上京し、女優の道へ。一見華やかな世界ですが、スケジュールはタイトで不規則。猛暑や極感の中での撮影もこなさなければなりません。どんなに体調が悪くても、休めば穴を開けてしまうことになるから無理もしなければならない。過酷な仕事です。「20代は若さだけで乗り切れた。でも、30代も半ばをすぎると体調を崩すことが増えてしまって」と羽田さんは振り返ります。

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同世代の俳優仲間も同じで、40歳を前にするころには「集まっては、あれがいいとか、これが効くらしいとか、健康トークに花を咲かせていました」と笑います。

人気がある人ほど忙しさからきちんとした食事がとれず、画面ではかっこいい、美しい人も、実際は体調不良や病気を抱えて苦しんでいる人も少なくないとか。「みんな体を壊して初めて健康のありがたみを知ったように思います。」

そして、羽田さんは気づいたと言います。「どんな高級なサプリメントよりも、結局は質のいい食事と睡眠、そして日々の運動が体調を整えてくれるのだ」と。

中でも食については、意識が大きく変わりました。「若いころは食事は空腹を満たすものだと思っていました。でも、年齢を重ねるうちに、食事は体を作るもの、今日食べたものが未来の私を作っていると実感するようになりました

いい調味料さえ使えば「自分は料理上手」と錯覚できます

食を大切にする羽田さんですが、特別な食材や料理を食べているわけではありません。基本は、ごはんとお味噌汁、自家製のぬか漬け。そうしたシンプルな和食にたどり着いたきっかけに、料理研究家・土井善晴さんの言葉があったと言います。

日本の主婦はシェフのような料理を求められているけれど、そういう特別な料理はシェフに任せればいい。家庭の日々の食卓には、旬の食材を使った一汁一菜を並べればそれで十分ーー。そうした土井先生の考え方にとても共感できたのです

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シンプルな和食、だけど、食材や調味料にはこだわります。

「私、料理には自信がないんです。でも、いい食材や調味料を使えばそれだけで美味しくなる。自分があたかも料理上手になった気になれる。錯覚だけど(笑)。」

最後の晩餐はごはん! と断言するほどお米好きの羽田さんのお気に入りは、茨城県の農家が栽培する無農薬のミルキークイーン米。これを土鍋で炊き上げて。

「コードがごちゃごちゃするのが苦手で、コードレスな環境に整えていったら、ごはんを炊くのは土鍋、お湯を沸かすのは南部鉄瓶になりました。ごはんはふっくらおいしく炊けるし、鉄瓶のお湯で入れたお茶はとてもまろやかだし、いいことづくし」とニッコリ。

マイぬかと手前味噌で若いころより今が元気!

ミルキークイーン米の米ぬかが抜群においしく、それを使ったマイぬか床のぬか漬けづくりにも精を出しています。「ぬか自体がすごく美味しいので、洗い流さずつけたまま食べちゃう。」

さらに、手作りの「手前味噌」にも挑戦。発酵が続いているので生きた菌をそのまま摂れるのがうれしいとか。醤油や酢も、昔ながらの製法で丁寧に造られたものを探し出しました。

発酵食品を積極的に摂るようになってから、おなかや肌の調子が改善され、体力にも自信が持てるようになったという羽田さん。「30代のころより、50代を迎えた今の方が元気かも。明らかに体調がいいんです

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日々の食事に気を配る羽田さんですが、「疲れて何もしたくない! という日はもちろんあります」。そんなときはどうするんですか?

「そうめん茹でるだけ、お餅焼くだけ、カップラーメンで済ませちゃうことも。ときどき無性に食べたくなりません?」とちゃめっ気たっぷりに笑い、こう続けます。

「ルールにがんじがらめに縛られると、しんどくなっちゃう。そのへんは、ゆるーく、いい加減がいいかなって。」

いいものは伝えたい、広めたいーー。ウェブショップを始めた理由

羽田さんは今、女優の仕事に加え、ウェブショップの企画・運営を手がけています。その名も「羽田甚商店」。宮大工だった高祖父が切り盛りしていた頃から代々受け継がれている屋号を復活させ、日本各地から羽田さんが見つけ出してきた逸品を扱っています。

アロマミストからスタートしましたが、今では羽田さんイチ押しのお米や調味料、雑貨など、充実のラインナップ。羽田さん自ら作り手のもとを訪ね、それぞれの思いやこだわり、魅力を、自分の言葉で綴っています。

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醤油が生まれる瞬間に立ち会い、木樽から流れ落ちる一滴一滴を心から愛おしく感じて。美味しくて、体も喜んで、そういう素晴らしいものを広く伝えていきたい。その思いに突き動かされてます。」

伝統のあるモノづくりは、後継者不足も大きな問題。いいものは未来に残していきたいという願いも、羽田さんを鼓舞します。

「地球や日本の行く末がふと心配になることがあります。私には子どもはいないけれど、日本が育んできた素晴らしい文化は、これから大人になる子どもたち、さらにその子どもたちの時代まで、ずっとずっと続いてほしい。そう願ってやみません。」

仲間との食事も、一人ごはんも、どちらも幸せ

幸せを感じるごはんの時間は? と聞くと、「気の合う友達と外食するとき、かな」。理由は、「誰も作る手間、片付ける手間がなくて平等に楽しめるから」。自分の家や友達の家での食事も楽しいけど、気を使わなくていい外ごはんは羽田さんにとっては最高に心地いいひととき。「おいしいもの食べて、おしゃべりして、じゃあまたね!って、気楽でいいですよね。」

一方で、自分で作ったものを自分で食べる一人ごはんの時間も愛おしいと言います。

「今日は何食べようかなと考え、買い物し、料理する。段取りを考え、黙々と作ることに集中することで、雑念から解放されて、穏やかな気持ちに満たされる気がします。」

健康も美しさも、そして弾けるような笑顔も。日々の食事が、羽田さんの体と心の礎となっているのです。

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今回のごはんは・・・

羽田さんの出身地である茨城県産の食材を取り入れ、「とうもろこしとかぼちゃの和風ポタージュ」と「れんこんと枝豆、2種類のファラフェル」を料理家の堀出美沙さんに作っていただきました。


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2020年10月9日発売『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』
詳細は→https://tkj.jp/book/?cd=TD007476


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羽田美智子  (はだみちこ)

女優。茨城県出身。1994年公開の映画『RAMPO』のヒロインに抜擢され、第18回日本アカデミー賞新人俳優賞、エランドール賞新人賞を受賞。その後も、数々の映画やドラマ、CMなどで幅広く活躍中。主な出演作として、テレビ朝日『特捜9』シリーズ、テレビ朝日『おかしな刑事』シリーズ、フジテレビ『花嫁のれん』シリーズ、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、東海テレビ『隕石家族』など。女優業の傍ら、オンラインセレクトショップ『羽田甚商店』(https://hadajinshop.co.jp)の店主も務めている。10月9日に、自身4年ぶりとなるエッセイ『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』(宝島社)を発売する。
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取材・文:中津海麻子
撮影:前康輔
ヘアメイク:木下優
スタイリスト:入江未悠