自炊料理研究家が本気で試してみた、冷凍野菜の使い道

自炊ラボ #1

2023.01.10

自炊料理家の山口祐加さんによる新連載、「自炊ラボ」が始まります。山口さんが気になる、日々の自炊にあったら嬉しい食品や調理道具を一つ取り上げて、使った様子や感想をお届けする連載です。第一回のテーマは、「冷凍野菜」。「冷凍野菜素人」だという山口さんが使ってみたら、意外な気づきがたくさんあったよう!読むとなんだか励まされる、渾身のレポートです!


第一回のテーマは「冷凍野菜」。カットされた状態で冷凍してある野菜はすぐに使えて、火通りも早くて便利。そんな印象があります。でも、普段あまり使わない人は「なんとなく水っぽい感じがしそう」というイメージも持っているのではないでしょうか。と言うのも、私、全然冷凍野菜使わないんです…。冷凍野菜素人です。

でも自炊料理家と名乗る以上、冷凍野菜についてはぜひ知っておきたいところ。普段は使わないけれど、企画となればやる気満々です。未知の冷凍野菜の世界へ飛び込んでみました。

大きなスーパーへ行き、冷凍野菜のコーナーを眺めてみると、その種類の多さに驚きます。ほうれん草や枝豆、ブロッコリー、オクラなどがあるのは知っていましたが、そのほかにもとろろ、マッシュポテト、アボカドなど、これも冷凍できるの?という野菜の数々。この企画をやらなければこの先もずっと素通りしていたかもしれないところに、こんな世界が広がっていたとは。

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今回はどのスーパーでも定番でありそうなものを中心に、変わり種も含めて9種類の冷凍野菜を購入しました。

2週間ほど冷凍野菜を使ってみて感じた冷凍野菜のメリット・デメリットはこちら。

メリット
・切る手間がなく、料理に対する精神的なハードルが低くなる
・野菜を切らないので、生ゴミが出ない
・袋から取り出してそのまま鍋に入れられる
・使う分だけ取り出して、あとは冷凍すれば腐る心配もなし
・1〜2か月ほどは使える

デメリット
すべてではないが、生野菜に比べて水分が抜けた感じは否めない。ただしそれを補うように、スープにしたり、卵でとじたりすればおいしく食べられる。特にどの冷凍野菜もスープにすればおいしい。

冷凍野菜と生野菜を食べ比べてみた

では具体的に使ってみた事例をご紹介しますね。

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例えば豚汁用の冷凍野菜。こちらには「里いも、大根、にんじん、ねぎ、ごぼう」が入っていて、炒めた豚肉に水と冷凍野菜を入れて煮込み、味噌を溶いたら豚汁の完成です。
この時はたまたま里いも、大根、にんじんがあったので、冷凍野菜豚汁と生野菜から作る豚汁を作り比べてみました。
冷凍野菜を使うと野菜を切らなくていいので、細切れ肉などを使えばまな板と包丁要らずで豚汁ができてしまいます。生野菜と比べて煮込んでいる時間は5分くらいしか変わりませんでしたが、豚汁は切り物が多いので疲れた日に冷凍ストックがあると助かりそうです。

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旨味が足りない時はかつお節をそのまま入れています

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右が冷凍野菜、左が生野菜で作った豚汁。見た目はほとんど変わりません

肝心の味に関しては、私はやはり生野菜から作ったほうが食感があっておいしいと思ったのですが、夫に感想を聞いてみると「どちらか選べと言われたら冷凍野菜。二日目の豚汁みたいに煮込んだ感じが好き」との回答。食の趣味は合うほうだと思っていたので少し驚きましたが、作った側には「がんばって野菜切ったバイアス」がかかっているのかもしれません。

というわけで味の嗜好が似ている私たちでも結論が違ったので、疲れている時・急いでいる時は、冷凍野菜を使うのはありだと思います。

別で買っていた冷凍のれんこんは、別の日のみそ汁に入れてみました。生のれんこんに比べて若干水分が抜けた感じはありますが、食感も残っていておいしかったです。

冷凍れんこんをフライパンで焼くのもやってみましたが、出来立ては食感があっておいしいのですが、10分ほど時間が経つとしぼんでしまったのが残念。煮物やみそ汁に使うのが良さそうです。

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冷凍ブロッコリーは解凍すると食感が抜けてしまっていたので、卵スープに入れておいしくいただきました。

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卵やチーズと一緒にオムレツに入れても緑が鮮やかで味もよくできましたよ。

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冷凍かぼちゃは煮物にすると煮汁が多かったのか、煮崩れてしまいました。私がこういう時にいつも作るのはポタージュ。鶏がらスープと豆乳で伸ばして塩で味を調えると口あたりなめらかで、かぼちゃの甘みが真っ直ぐに感じられるポタージュが完成しました。
かぼちゃは硬くて「切るのが怖い人」が少なからずいる野菜ですが、カットされていて火が通っていれば安心して使えます。これからポタージュを作りたい時は冷凍かぼちゃでいいなと感じました。

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冷凍オクラと冷凍とろろを使って作ったマグロ丼は、すぐできて満足感がばっちり。たんぱく質・野菜・炭水化物が一緒にとれるので忙しい時にぴったりです。おいしかったので後日もう一回作りました。
ちなみに冷凍とろろはレンジ解凍ではなく、流水解凍だったので、パッケージに書いてある解凍方法はよく読んだ方が良いです。

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フランスの冷凍食品メーカー・ピカール(Picard)から出ている「南仏野菜の角切り(ズッキーニ、トマト、素揚げなす、素揚げオニオン、赤、黄パプリカ)」は、スープやオムレツに使える野菜が角切りにしてあってなんとも親切な商品。

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こちらを使ってウインナーと一緒にスープにしましたが、冷凍野菜とは思えないおいしさ。スープを大量に作っておいて、気分を変えたい時はトマト缶を入れてミネストローネにしたり、カレールーを入れて変身させたりすると飽きずに楽しめそうです。

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角切りミックスを炒めてチキンソテーに添えると、まるでビストロで出てくるランチのようになりました。これはいいものを見つけた。

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冷凍揚げなすは今まで買ったなすが余った時に自家製していましたが、冷凍状態で売っているとは。
レンジで解凍し、トマトパスタに入れてみました。揚げなすらしい柔らかでとろける食感がちゃんと残っていて、ボリュームもアップ。みそ汁に入れたり、カレーのトッピングにしたり、解凍してそのままポン酢をかければ副菜に。冷凍庫に常備しておけば、揚げなすの満足感をいつでもちょい足しできる状態は、QOLを上げてくれること間違いなし。

こんな人におすすめ

最後に、冷凍野菜をおすすめしたい人をまとめてみます。

・野菜を切る・調理する時間を省きたい忙しい人
・家族が多く、一度に作る量が多い人
・包丁を使わずに料理したい人
・料理する日とそうでない日が交互にあり、生野菜を使いきれない人
・1人分の料理しか作らない人

冷凍野菜は水っぽい感じという勝手なイメージを持っていましたが、結果的には「今の加工技術はすごい!使えるものはどんどん使おう」と印象が変わりました。

冷凍野菜を使って作る料理も立派な料理です。楽しく自炊を続ける上で、冷凍野菜は頼れる相棒になるはずです。気になったものは、ぜひお近くのスーパーで買ってみてくださいね。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。
Voicyにて「山口祐加の旅と暮らしとごはん」を配信中。

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