あいことばは、まあいっか

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」#2

2020.04.10

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「まあいっか」

二歳を過ぎ、言葉をどんどん話せるようになった娘が、しょっちゅう口にした言葉。


いや。正しくは、、、
ミスした時や、うまくいかなかった時などに、
「あっちゃ~!!!」
とおでこを叩いて嘆き、その後すぐ笑顔で
「まあいっか!」
と言うのです。

たとえば、
「あ!ゴハン炊くの忘れた!」と私が言うと、
「あっちゃ~! まあいっか!」と娘が言い、

「お顔拭くの忘れてた!」と私が言うと、
「あっちゃ~! まあいっか!」と娘が言う。

娘自身もミスした時、自分で
「あっちゃ~! 」とおでこを叩き、
「まあいっか!」といった具合。


「おいおい、諦めるの早いがな。」
と思いましたが、娘の口癖は、つまりは私の口癖だということ。いやぁ私って、こんなにも「まあいっか!」と言ってるのかしらと驚きでした。
そんな話を、たまたま友人に話したところ、
「『まあいっか』ってイイ言葉よね。前向きじゃない?」との返答。
これには、目から鱗でした。

しかし、なるほど。
言われてみれば、確かにそうかもしれない。
「まあいっか」というのは、要するにミスや思い通りにいかなかったことをクヨクヨと引きずらず、楽観的に捉えているということ。


そうか。
私は、楽観的なのか。
娘の口癖によって自分の口癖を知り、更に『あなたは楽観主義者です』ということまで教えられました(笑)。

そう思って振り返ってみると、私が仕事も子育ても楽しいのは、もしかしたら『まあいっか』で気持ちを切り替えているからかもしれません。


実際のところ、子育てをしていると予定通りになんていきませんよね。
『10 時に家を出よう!』と準備をしていても、家を出る直前に「ママ、うんち~。」。
結果、電車を一本遅らせることになってしまいます。

『今日は押し入れの整理をして、公園に行って、昼寝をしている間に仕事をして、、、』と予定を立てていても、グズグズするわ、昼寝はしないわで、結局 一つしかできなかったなんて日常茶飯事。


こんな時ついイラっとしてしまいますが、よく考えてみれば大したことでは無いんですよね。大抵の場合、
「まあいっか。できなかった分は、今度にしよう。」
で済むことがほとんどなのです。

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足るを知る

とはいえ私も、イライラした時期はありました。
たとえば娘が昼寝を始めると、「今のうちだ!」と急いで仕事をします。仕事は順調に進み、あともう少しでコラムが完成するというときに「ママ〜」の声が。その瞬間、思わず
「はぁ。。。あと 5 分寝てくれたら、コラムが完成したのに」
と溜息をついてしまうのです。

でも、私が望む時間よりも早く目覚めた娘は、何一つ悪くありません。それどころか起きた瞬間、お母さんに「チッ」と言われるほど悲しいことはありませんよね(笑)。
かといって、『あと5分寝てくれたら』と思う私も、やっぱり悪くはないのです。仕事に家事に育児と、多忙な毎日ですもの。予定通りにいかないと、焦る気持ちが生まれるのも当然のこと。
 

では、何が悪いのか?
実は、誰も、何も、悪くなかったのです。


私は今、母であり、妻であり、タレント六車奈々であり、主人の仕事の雑用係。
四足ものワラジを履いていれば、そりゃあ独身の頃のように、サクサク仕事が進まないのは当たり前。独り暮らしの時のように、思い通りに予定が進まないのも当たり前。
なのに、あれもこれも今までと同じようにやろうとしていたから、体も心もイッパイになってしまっていただけだったのです。

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そうか。そりゃ、そうだよな。
これだけのことを一日でこなそうと思うから、イライラしちゃうのか。
子供がいて、仕事があって、こんな幸せな毎日なのに、なんてもったいない過ごし方をしていたのだろう。
これからは、少しずつ、ゆっくりでいいから、楽しみながら進もう!

そう思いました。
人生、楽しいのが一番ですから。

コップ半分の水

また、捉え方も変えてみることにしました。
『できないことに苛立つ』のではなく、『できることを喜ぶ』方が、自分が幸せだということに気づいたからです。

娘が昼寝をしたら、
「よっしゃ!仕事ができる!」と喜び、
娘が起きてきたら、
「よっしゃ!せりちゃんと遊べる!」と喜ぶ。
これまでと状況は何一つ変わらなくても、捉え方一つ変えただけで、とても心がラクになりました。


これは、いわゆる『コップ半分の水』理論。
水がコップに半分入っているのを見たとき、どう思いますか?

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『もう半分しかない』
『まだ半分もある』


コップ半分の水という事実は同じですが、捉え方一つでストレス度合いが大きく変わるのです。

たとえば怪我をしたとき、

『全くツイてない!』と思うのか、
『この程度で済んで良かった!』と思うのか。

自分の捉え方一つで、気持ちが全然違います。

 

特に今は、子供がずっと家にいて働けないママもいれば、子供を在宅させたいのに働きに出なければならないママもいると思います。
我が家の場合は、ずっと保育園を休ませています。ですから在宅ワークは、ほぼできない状態。焦りも出てきます。
でもこの状態は、自分がイライラしたところで何も変わりません。

ならば、お得意の『まあいっか』。
焦ってもイライラしても状況が変わらないのなら、今の状況を楽しまなきゃモッタイナイ!!!ということで、子供が在宅していることを楽しみながら、様子を見て仕事をしています。

あいことばは、まあいっか

そもそも長い人生から見たら、こんなに忙しいのなんて『・』くらい一瞬。
あと5年もすれば、どんなに抱っこしたくても、どんなに一緒に遊びたくても、「友達の方がイイ!」と言われてしまうわけですからね(笑)。
今のうちに思いきり抱っこして、思いきり遊んで、チューチューしまくって、日々成長する娘との時間を楽しまなくてはもったいない!
毎日そう思って、娘との時間を噛み締めているはずなのに、気づけばもう4歳。
あぁぁぁぁ。子供の成長は、なんて早いのだろう。。。


そんなわけで、アイスムさんから連載コラムのタイトルを考えるように言われたとき、これにしようと決めました。


『あいことばは、まあいっか』


『まあいっか』と口にすれば、どうしようもなくイライラしたことが、ちっぽけに思えてくるのです。
『まあいっか』は、自分にも家族にも優しくなれる魔法の言葉。
『まあいっか』は合言葉であり、愛言葉なのです〜!
うまい!座布団一枚!


てなわけで、『あいことばは、まあいっか』。
ボチボチいきましょ。

六車奈々

京都府生まれ。1989年にモデルとしてデビュー。

女優、タレントとして活動しながら、2016年に“六車奈々の『食べる美人塾』”をスタートさせ、女性を対象とした美と健康に関する講演活動を毎月開催。

2019年には国家資格である保育士を取得。1児の母として自ら育児を楽しみながら、育児の楽しさと知識を伝える活動もスタートさせる。

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撮影:馬場伸子(SIGNO)
ヘアメイク:橋本京子
イラスト:奥千晴