母乳とオリゴ糖、赤ちゃんの関係から学ぶ!子供も大人も善玉菌を増やそう!

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」 #21

2021.11.04

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本コラムのイラストを描いてくださっているあきばさやかさんが、第二子をご出産されました。本当におめでとうございます!いやぁ、ハッピーなお知らせは本当に嬉しい。あきばさんから送られてきた新生児のかわいい写真に思わず頬が緩み、癒されました。

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生まれたばかりの赤ちゃんを見ると、我が子が生まれた時のことを鮮明に思い出します。この世に誕生した瞬間のこと、そのまますぐに胸の上で抱かせてもらったこと、初めての授乳で獣のような顔をして食らいついてきたこと。まるで昨日のことのようです。

私は子育てを楽しむ中で、人間の発達や体の仕組みについてもっと知りたくなり保育士の資格を取得しましたが、その勉強中、「なんと素晴らしい!」と感動したのが「オッパイ」でした。

生まれてすぐの赤ちゃんは自分ではまだ何もできませんが、ママの乳首が口に入ると懸命に吸いますよね。これは原始反射といって、赤ちゃんの意志とは関係なく、生まれながらに備わっている反射です。自分で食事ができない赤ちゃんにとって、最も大切な反射行動と言えます。

母乳の素晴らしい仕掛け

母乳は「完全食」と言われ、赤ちゃんに必要な栄養素が全て含まれていますが、一 つだけ、消化できないものが主成分に入っているのをご存知ですか?

その成分とは、「オリゴ糖」。オリゴ糖は体内で消化できないので、赤ちゃんにとって栄養面でのメリットはありません。では、どうして栄養にはならないものが主成分として含まれているのでしょう?

赤ちゃんの体内に入ったオリゴ糖は、胃や小腸で消化吸収されずに通過し、大腸に到達。ここで、腸内にいるビフィズス菌のごはんとなります。実は、オリゴ糖は大腸に住んでいるビフィズス菌のための栄養だったのです! 

オリゴ糖でしっかりと栄養を取ったビフィズス菌は、数が増えて元気もりもり。すると、赤ちゃんに嬉しいことが期待できます。

これまで「お母さんのおなかの中」という無菌で安全な環境にいた赤ちゃんは、この世に誕生した瞬間から生涯にわたり、身体の内外が細菌にさらされることになります。未熟な赤ちゃんの腸は病原菌にも感染しやすいのですが、善玉菌であるビフィズス菌が増えることによって、病原菌の増殖を抑えることができます。つまり母乳にオリゴ糖が含まれているのは、未熟な赤ちゃんが丈夫に育つための「母からの贈り物」ともいえる素晴らしい仕掛けだったのです。「なんとよくできているのか!」と、これには本当に感動しました。

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ちなみに今やミルクも非常に優秀なものが多く、「オリゴ糖入り」も販売されています。私は母乳が多く出なかったのでミルクとの混合でしたが、「オリゴ糖入り」を選んで飲ませていました。

ですが、こうして守ってもらえるのも授乳期間だけ。食事をとるようになると、腸内にいる善玉菌に栄養を与えられるのは、自分自身になっていきます。

善玉菌を増やそう!

「21世紀は腸の時代」とも言われていますが、少しずつ腸内細菌の働きがわかってきたことによって、栄養学の考え方そのものが変わってきています。

これまで人間が食べたものは、人間だけの栄養になると考えられていました。しかし実際には、人間が食べたものは「人間」と「腸内細菌」が栄養として吸収しています。腸内細菌は人間が消化吸収できないオリゴ糖や食物繊維を食べ、腸の働きを良くしたりビタミンを作るなどして人間に供給しています。ですから友達や同僚と同じ定食を食べたとしても、それぞれが持っている腸内細菌によって、体内で起きる効果が変わることになるのです。

腸内細菌の中で、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」は、美と健康の味方。善玉菌が多いと、腸がしなやかに動いて心地よいお通じが期待できます。さらに免疫力を高めたり脳内のセロトニン(幸せホルモン)を増やしてくれるので、心の安定にもつながります。

ところが善玉菌は年齢を重ねるごとに減少し、その一方で悪玉菌が増加していきます。とはいえ個人差は大きく、70代で善玉菌が多い人もいれば、20代で悪玉菌が多い人もいます。つまり腸内環境は若いうちから意識しておくことが大切。

そこで私が心がけているのが、日々の食生活で善玉菌を増やすこと。冒頭でお話したオリゴ糖のように、人間には消化吸収されないで善玉菌の「ごはん」となり、人間の健康を改善してくれる食品成分を「プレバイオティクス」と言います。

私が意識しているプレバイオティクス

実際に私が意識しているのが、こちらです。

オリゴ糖

我が家では砂糖を使いません。代わりに使っているのが「てん菜糖」。てん菜糖は北海道のてん菜(ビート)から作られるもので、天然のオリゴ糖やミネラルを含みます。日常的に料理で使うことで、努力せずにオリゴ糖を摂取できます。ちなみにオリゴ糖は甘いのに消化吸収されにくいので、ダイエットにもオススメなんですよ。

私のお気に入りはこちら。ホクレン「てんさい糖」。

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娘も大好きな、無糖ヨーグルト&てんさい糖。てんさい糖の食感がたまりません!

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その他、オリゴ糖が含まれる食べ物は、バナナ・玉ねぎ・アスパラ・ごぼう・大豆など。バナナは安価で手軽に食べられるのでオススメです。

ここで注意点。オリゴ糖は急にたくさん摂取すると、体質や体調によって下痢を起こしたりお腹が張ったりすることがあります。まずは少量から始め、様子を見ながら徐々に量を増やすなど調整してくださいね。「バナナうんち」が出れば、善玉菌が元気に働いている証拠です。

食物繊維

我が家では食物繊維も意識しています。よく食べるのはきのこと豆類。意外かもしれませんが、豆類はオリゴ糖を含むだけでなく、食物繊維も豊富なのですよ。

きのこは、以前このコラムでご紹介したように冷凍庫に常備して、味噌汁に入れたりそのまま炒めたり。下ごしらえもラクでどんな料理にも合うので、出番が多いです。また、手間をかけないなら納豆もオススメ。納豆には納豆菌も含まれるので、さらに腸活には嬉しいですね。

赤ちゃんも大人も、腸を大切にすることは元気の味方!手軽にできることを取り入れてみてくださいね。

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六車奈々

京都府生まれ。1989年にモデルとしてデビュー。

女優、タレントとして活動しながら、2016年に“六車奈々の『食べる美人塾』”をスタートさせ、女性を対象とした美と健康に関する講演活動に取り組んでいる。

2019年には国家資格である保育士を取得。1児の母として自ら育児を楽しみながら、育児の楽しさと知識を伝える活動もスタートさせる。

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イラスト:あきばさやか
撮影:馬場伸子(SIGNO)
ヘアメイク:城所とも美

<参考文献>
藤田紘一郎, 新装版 腸内革命, 海竜社, 2018
藤田紘一郎, 免疫力をアップする科学, SBクリエイティブ, 2011
藤田紘一郎, アレルギーの9割は腸で治る!, 大和書房, 2011
辨野義己, 大便通, 幻冬舎, 2012
辨野義己, 腸を整えれば病気にならない, 廣済堂出版, 2016
独立行政法人理化学研究所, RIKEN NEWS No.344, 理化学研究所, 2010
藤田和子, 『現在の免疫系の考え方─自己と非自己の認識システム─』医療保健学研究6号:69-75頁, 研究交流会プロシーディングス, 2015
厚生労働省「e-ヘルスネット|オリゴ糖」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-003.html
(2021年10月4日アクセス)
厚生労働省「e-ヘルスネット|腸内細菌と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
(2021年10月4日アクセス)
Gibson GR, Roberfroid MB. 1995. Dietary modulation of the human colonic microbiota: introducing the concept of prebiotics. 
https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/7782892/
(2021年10月4日アクセス)

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