保育園はあなたの味方!子育てを共有しよう!

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」 #25

FAMILY
2022.03.24

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卒園、卒業の季節になりましたね。娘は2歳児クラスから保育園に入園しましたが、いよいよ今月で卒園。あっという間の4年間でした。「卒園記念動画係」になった私は、娘のために渾身の動画を作成しましたが、その最中、子どもたちの写真を見ては「大きくなったなぁ」と涙。保育園で過ごした日々は、娘にとっても私にとっても、思い出深いものばかりです。

そこで今回は、娘の卒園にあたって改めて感じた「保育園と子育て」のお話。春から保育園に入園するご家庭、現在保育園に登園しているご家庭に、ぜひお届けしたいテーマです。

保育園=働くママの味方

小学校に入学するまでの子どもは、どのコミュニティに入るか選択肢がいくつかあります。その代表的なものが、「保育園」と「幼稚園」ですね。

両者は、日本が「福祉」や「教育」を向上・充実させていく過程で、そもそも別の目的としてスタートしました。

・保育園:厚生労働省の管轄で児童福祉法に基づく児童福祉施設
→「仕事や病気療養などで保育ができない時間、親の代わりとなって子どもを保育する」という福祉的な意味で生まれた。

・幼稚園:文部科学省の管轄で教育基本法に基づく教育施設
→就学前の子どもたちが、集団生活のルールや生活習慣を学ぶ教育機関として生まれた。

つまり保育園は福祉的な意味合いが強く、幼稚園は教育の意味合いが強いと言えます。

福祉充実や学力向上が見えてきた近年になって、「保育園の目的は託児、幼稚園の目的は教育」と明確に分けられることは減ってきましたし、2018年の改定では、保育園も幼稚園や認定こども園と同じく教育施設に位置づけられました。更に、保育園に通った子どもと幼稚園に通った子どもに大きな差が出ないように「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」などが、保育所保育指針や幼稚園教育要領などに共通の目標として施行されています。

とはいえ、現在も保育園は「福祉」です。「親が働く」ということの意味合いには多様性が出てきましたが、「福祉」というところに変わりはありません。つまり国が「仕事や病気療養などで子育ての時間が持てない親御さんに代わって、その間子育てを一緒にしますよ〜」というもの。

ですから保育園は、子どもにとっては「第二の生活の場」であり、親にとっては「一緒に子育てをしてくれる場」になります。


ちょっと真面目な話をしましたが、何が言いたいかというと、

「保育園は、ママの味方です!」

ということです。

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弱音や悩みこそ、保育園に伝えよう!

実は以前、保育士さん100名ほどに講演した時のこと。ある保育士さんから言われた言葉が、とても印象に残りました。

「毎日の連絡帳で『こんなことを書くと怒られる』と思って、本当のことを書いてくれない保護者がいらっしゃるんですよね。でも、私たちは誰よりも保護者の味方なんです。どうすれば、この気持ちが伝わるでしょう?」

保育園では、毎日保護者と保育士との間で連絡帳のやりとりがあり、

・何時に寝て、何時に起きたか
・ごはんは何を食べたか
・何をして過ごしたか
・体調に変化はないか

などを簡単に記載します。本来の目的は、より良い子育てをするために、保護者と保育士が子どもの日々の様子を共有することなのですが、仕事などで忙しい日が続き、「自分が納得できない子育て」が続くと、つい事実とは異なる内容を書いてしまう保護者が少なくないそうです。

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その気持ち、めちゃくちゃわかるわぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!

私も仕事続きでクタクタになり、外食が数日続いたときなどは、「また『外食』って書くのイヤだなぁ…」と一瞬、躊躇してしまいます。

ですが!ですが!違うのです!
安心してください!保育士さんは、保護者の味方なのです!

外食が続いたからといって、保育士さんが保護者を責めることは、本来ありえません。大変な思いをしている保護者の気持ちに寄り添い、どうすれば子どもにとってより良い子育てができるかを「一緒に考えてくれる」のが保育士さんなのです。

私は現役の保育士として働いているわけではありませんが、保育士に求められる「子育て支援」についてはしっかりと学びました。「保育士は、保護者の気持ちに寄り添い、より良い子育てができるように共に考える」という内容は毎年違った形で保育士試験にも登場しますし、テキストや問題集にも繰り返し出てくるほど、保育士に求められる大切な「根幹」なのです。

実際、私も仕事が忙しくて娘との時間が持てなかったり、手抜き料理ばかりが続いたりした時、そのことを正直に書くと、保育士さんからは

「ママも忙しくて大変ですね。体調は大丈夫ですか?せりちゃんは保育園でしっかり給食を食べてますから、安心してください。忙しい時は無理しなくても、納豆ごはんとブロッコリーでも大丈夫ですよ!」

「ママの帰りを待っていて、せりちゃんは寝不足とのこと。承知しました。日中はせりちゃんの様子を見ながら、無理のないように遊ばせました。」

など、思わず涙するようなコメントを何度もいただきました。

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仕事を持つ親としては、自分が理想とする子育てができないとき、胸が苦しくなりますよね。私も罪悪感を覚えて、胸が痛くなったことが何度もあります。自分がそのことを一番よくわかっているからこそ、自分だけで対処し、保育園に対しては当たり障りのないことを書いて提出したくなります。

でも、逆なのです。そんな時こそ、その気持ちを保育園に伝えてみてください!だって、保育園はそんな働く保護者の味方ですから。きっと、保育士さんは気持ちに寄り添い、どうすれば良いか、一緒に考えてくださると思います。


保護者の話を聴き、
保護者の気持ちに寄り添い、
保護者と一緒に子育てをして、
子どもの成長の喜びを保護者とともに分かち合う。
それが、保育士です。(参考:保育所保育指針)

このことは、保育士受験時にもしっかり学びましたし、今、保護者の立場としても実感しています。


私は娘を4年間保育園に通わせましたが、はっきり言えることは、
「娘は、私たち夫婦と保育園で育てました」ということです。それほど、保育園無くして子育ては語れません。私がバリバリ仕事をできたのも、そんな中娘が伸び伸び育ったことも、全ては保育園の助けがあったからこそ。

4月から保育園へ入園するご家庭、進級するご家庭の皆さま。
子育てで楽しい時も、しんどい時も、ぜひその気持ちを保育園と共有してみてくださいね。
きっと、働きながらの子育てが、もっともっと楽しくなると思います。

働くママ、応援しています!

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