夫が料理し、妻と娘がおいしく食べるーー犬山紙子さん・劔樹人さん一家の食卓

きのう何作った?

2020.10.19

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著名人の方々に、おうちごはんをテーマにお話を聞くインタビュー連載「きのう何作った?」。今回のゲストは、犬山紙子さんと劔樹人さん。出産前は妻が大黒柱で、家事は夫がメインで担当、と得意領域をきっちり分けていたご夫婦。共働き育児は、メンタルに負担をかけないのが重要と語るおふたりの、リアルな食卓とは?

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お話を伺った人:

犬山紙子さん

日本テレビ系列『スッキリ』コメンテーターやファッション誌の連載を多数抱えるイラストエッセイスト。2017年に出産。最新刊『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社新書)が発売中。


劔樹人さん

ミュージシャン・漫画家。ハロプロおたく生活を描いたエッセイ漫画『あの頃。男子かしまし物語』が松坂桃李さん主演で2021年に映画化予定。

無茶振りリクエストで鍛えられた料理スキル

ーー犬山さんがその日に食べたいものを劔さんにリクエストして作ってもらうことが多いのだとか。どんな料理が多いですか?

劔

子どもが生まれてからは無茶振りも随分減ったんですけど、昔は難しい注文がいっぱいあって、大変でしたね。

犬山

「タッカンマリ出来る?」とか「カッペリーニ作って欲しい!」とか、海外のごはんを求めがちだったよね(笑)。張り切って冷凍トリュフを買って、自分でダメにしちゃったこともあった。

劔

僕が食べたことも聞いたこともない、オシャレなメニューのリクエストが多くて、味の正解が分からないんですよ。

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無理難題に頭を抱えることもあったそうです

犬山

私、料理ができないから、それぞれのメニューの難易度がまったくわからなかったんですよ……。「夫のおいしい料理が食べられるなんて幸せ!」って気持ちで、空気を読まずにどんどんリクエストしちゃってました。

劔

でも、僕はどうやら料理のセンスがあったみたいで、やっているうちに、なんとなく出来るようになったんですよね。作る側としても、食べたいものを食べてもらいたいし、リクエストをもらったほうが楽です。

犬山

この間も、お店で食べた甘じょっぱいアジア風の焼きそばがおいしかったので「これ家で食べたい!」とリクエスト。本当に、そのまま再現してくれたんです。魔法使いみたい。

劔

「この味付けはオイスターソースだな」とか「スパイスかな?」とか、だんだん味付けもわかってくるようになりました。

料理はクックパッドで複数のレシピを比較してアレンジ

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「劔ちゃんのごはん、本当においしい!」と取材中もべた褒めの犬山さんと、照れる劔さん

ーー劔さんはもともとは家事が苦手だったと聞いていますが、料理はどうやって学んだんですか?

劔

クックパッドで学びました。妻から具体的なリクエストがあるから、メニュー名で検索することが多いですね。ひとつのレシピからそのまま作ることはあまりなくて、複数のレシピを比較してアレンジします。

犬山

元のレシピをかなりアレンジしているみたいなのに、ハズレたことがなくて。本当に、毎回おいしいごはんを作ってくれるんですよ。

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トマトを入れてつけ麺風にアレンジした、ある日のごはん

劔

あんまり、料理で失敗することないんですよね。「少し甘みを足したいな」と思ったら、ジュースやジャムを入れちゃうこともあります。「酸味が欲しいときはりんごジャムかな」とか、なんとなくの感覚で。改善点は、次に活かして。

ーー味付けに迷ったときはコレ!という調味料はありますか?

劔

めんつゆ、白だし、みりん、お酒を使えばなんとかなるんですよ。おかしなことにはならない。あとはにんにくでなんとかします。迷ったら、なんでも卵とじにしてしまいます。

犬山

劔ちゃんの卵とじは最高! とろとろ半熟でウマい!

劔

七味をかければ、だいたいおいしくなるもんね。

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かぼちゃの肉巻きも卵とじに

カット野菜とパックごはんをフル活用

ーー犬山・劔家の冷蔵庫のスタメン食材は何ですか?

劔

僕、食材管理が苦手なんです。玉ねぎ半分使って残しておくと、絶対腐らせちゃう。基本的には、まるっと使い切るようにしています。

ーー確かに、半分だけラップしておいても忘れがちです。冷蔵庫の中身を把握するの、難しいですよね。

劔

忙しいときは、パックに入ってるカット野菜をよく使ってますね。お味噌汁に入れて、メイン料理にも。コンビニでも売ってますし、何にでも使えるので便利。一品一品の具材がかぶっても、まったく気にしません。

犬山

我が家は、ルール皆無だよね。野菜がたくさん食べられたら、それでOK。最近子どもが野菜を嫌がるようになってきたんですけど、「今日は野菜が足りないな」というときは、劔ちゃんがパパッと具沢山のお味噌汁を作ってくれるんです。

劔

土井善晴先生の「味噌汁にはなんでも入れたらええんですわ」って言葉を心の支えにしています。

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卵焼きやウインナーなど、なんでも入れたお味噌汁

犬山

最近は劔ちゃんも筋トレを始めて、更に健康志向になったし、おつまみも野菜やタンパク質が多めですね。以前、眞鍋かをりちゃんが「きゅうりに生ハムを巻いてマヨネーズつけて食べるのがおいしい!」と言っていて、真似したらハマっちゃって。よく食べてます。

劔

そういえば最近、米を炊かなくなりましたね。1合でも余ってしまうので。でも、子どもはふりかけごはんを食べたがるから、テーブルマークのパックごはんを常備しています。100gの小盛が2個パックになっているので便利で。

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お弁当を作ることもあるそう

パンケーキが支える育児

ーー「子どもがごはんをなかなか食べてくれない」と悩む親御さんもいます。お子さんが乗り気でないときのごはんは、どうしていますか?

劔

昔は子どものごはんを別で作っていたけど、3歳になると大人と同じものを食べたがるんですよね。こちらが用意した料理を食べてくれないことも多いです。今は、ふりかけごはんに夢中。炭水化物ばっかり食べたがるんです。

犬山

最近は、パンケーキがスタメン入りしました。Francfrancでミニーちゃんのミニパンケーキメーカーを買ったんですよ。用途が限られる調理器具、絶対使わないでしょって思ったんだけど、大活躍でした。

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犬山

子どもがよく食べたがるけど、お店で注文するとだいたい量が多すぎるんですよね。このメーカーで作ると、小さくてミニーちゃんの焼き目がついてるパンケーキがすぐ出来るんです。

劔

150gのパンケーキミックスを使うと、小さいのが4〜5枚分くらいできて、うちの家族3人の朝ごはんにちょうどよくて。余ったら、冷凍保存しています。

犬山

毎朝、保育園に連れて行くまでが戦争なんですよ。イヤイヤが激しいときも「朝ごはん、パンケーキにする?」って言ってあげると、大喜び。朝から、部屋中にパンケーキの香りが広がると、私たちも癒される。「あ、幸せの香りだ」って。助かってます。娘はチョコシロップ、私と劔ちゃんはバターとメープルシロップで食べるのが定番です。

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犬山

本当によく使っているから、娘が大人になったとき「ミニーちゃんのパンケーキメーカー、あったあった!」って、思い出のアイテムになるんだろうなと。ちょっとエモい気分になります。

家事代行サービスを頼りつつ、アレンジで飽きない工夫を

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劔さんに負荷がかかりすぎないようケアする犬山さん

ーー共働き育児ということで、家事が負担にならないように、かなり工夫をされているそうですね。

犬山

はい。私が「料理はまったくしません」は通らないと思っているので、自分の財布から、週2回、家事代行サービスの方におかずの作り置きをお願いしています。以前は家事全般を頼んでいて、この状況下では「家事代行も頼まないほうがいいのかな、どうしよう?」と迷ったんですが、仕事内容を作り置きに変更して、玄関のドアノブにかけてもらうことにしました。雇用も守られるし、私たちも助かるし。

ーー雇用のことまで、気遣いがすごいです。

犬山

毎回同じ方にお願いしているんですけど、本当においしいし、助けられています。さらに劔ちゃんが、ちょい足しアレンジしてくれるんです。子ども向けのハンバーグやカレーにふわふわの卵をのせてくれたり、焼きそばにスープを合わせて汁っぽい感じにしたり、毎回工夫を凝らしてくれます。

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家事代行の方が作ってくれたカレーに、卵をちょい足し

劔

本当に、家事代行の方には助けられています。4月〜6月の間は保育園が休みになって、ずっと子どもの面倒を見ながら仕事していたけど、よく乗り切ったなと思いますよ。

犬山

デリバリーとか家事代行サービスとか、頼れるものはどんどん頼っていこう!って考え。ただ、搾取にならないように、時給などはしっかり交渉します。「この作業量をやるのに、こんな安いとダメでは?」と思うこともあるので、こちらから値段をアップする交渉です。

ーー賃上げする方向に!

犬山

そうですね。どんな人も大変な時に、外部のサービスに助けを求められるよう、助成などの拡充、働く側への真っ当な報酬の見直しなど、もっともっとこの分野は国全体で見直されても欲しいなと思っています。

劔

毎食全部作るのって、結構厳しいと思う。常にごはんのことで頭がいっぱいになってしまうので、離乳食やお弁当を作っていたときは、本当に大変でした。

犬山

家事担当の劔ちゃんの負荷を少しでも減らすために、なんとなく1週間単位でバランスを見ています。忙しい日は「よし!今日は外食にしよう!」って、積極的に声をかけてね。

劔

気遣ってくれてたの?完全に気まぐれだと思ってた(笑)!

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小沢あや

フリーランスのコンテンツプランナー / 編集者。音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」、「フリーランスな私たち」連載中。豊島区公認の池袋愛好家としても活動している。

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取材・文:小沢あや
撮影:飯本貴子