メンバーの健康管理のため、手料理を担当ーーBOYS AND MEN・小林豊さんのおうちごはん

きのう何作った?

2021.03.31

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著名人の方々に、おうちごはんをテーマにお話を聞くインタビュー連載「きのう何作った?」。今回のゲストは、東海エリア出身・在住のメンバーで構成されたBOYS AND MENの小林豊さん。パティシエとして働いていた時期もあるという小林さんですが、どんなおうちごはんを作っているのでしょうか。食へのこだわりや、自炊の流儀を探ります。

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お話を伺った人:小林豊さん

1989年滋賀県生まれ。BOYS AND MENのメンバーで、メンバーカラーは黄緑。元パティシエで、東京の製菓店にて3年間修行した経験を持つ。

正解がないお菓子作りに興味を持った小学校時代

ーー小林さんは、今では多くの料理関連レギュラーをお持ちですね。料理の原体験は?

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お母さんが料理好きで、家でお菓子作りもやっていて。それを手伝うようになってからかな?僕も自然と、料理が大好きになりました。

ーーそれでパティシエの道に。

小学生の頃から「パティシエになる!」と言い続けてきたので、僕にとっては必然的でしたね。とはいえ、大人になるにつれて、進路っていろいろ迷うじゃないですか。「子どもが好きだから保育士もいいな」「おじいちゃんおばあちゃん好きだから介護士もいいな」「美容師もいいな」って、迷ったんですよ。

ーーたくさんの選択肢があった中で、もともとの夢だった製菓業界に決めたんですね。

お菓子づくりで何度も失敗したからこそなんです。チョコレートが固まらなかったり、スポンジケーキが膨らまなかったり。「これはしっかりと学ばないといけないな」と思って、パティシエの道を選びました。

ーーいくつくらいの頃から、本格的なお菓子を作っていたんですか?

小学校の時からスポンジケーキなどいろいろ作ってましたよ。下手くそでしたけどね(笑)。

ーーすごいです!地元を出て、東京の製菓店に修行に出たのは、やはり「もっとお菓子作りを極めたい」という気持ちが強くあったからでしょうか。

いや、違うんですよ。僕、実はパティシエを一回挫折しているんです。大阪の専門学校を卒業後、地元・滋賀県のお菓子屋さんに就職したんです。でも、その職場が本当に合わなくて、つらくて……。一方で、「辞めると経歴に傷がついてしまうんじゃないか」と、ぐるぐると考えてしまって、突然体を壊したんです。

ーー大好きなお菓子作りが苦痛になってしまって、つらかったですね。

めっちゃつらかったです。退職してから、半年間くらい自宅に引きこもって、毎日泣いていました。自分が好きなことなのに、できない悔しさがあって。でも、友達のひとりが「うちでバイトしない?」と声をかけてくれて。お好み焼き屋さんでバイトするようになってから、少しずつ外に出るようになったんです。

ーー友人たちの支えがあったんですね。

周りに本当に恵まれていたので、このままずっと一緒だったら、僕はずっと甘えてしまうなと思ったんですよね。それで思い立って「東京でパティシエになろうかな!」と言ったら、みんなが背中を押してくれたので、上京することにしたんです。

ーー小林さんにとって、上京は大きな挑戦だったんですね。

芸能界も同時に目指していたので、都合がつきやすいように、まずはアルバイトとしてパティシエの仕事を始めました。職人は、先輩を見て技術を盗む世界。バイトでもしっかりとまわりに目を向ければ、いつか自分のためになると思っていたんです。

ーー東京のお店では、どんな修行を?

東京都内にある店舗のすべてのお菓子をつくる工場勤務で、運良く200人のうち4人しか任されない、クリームをつくる担当にさせてもらったんです。

ーークリーム、お店の中核ですね!

お菓子って、毎日状態が違うんですよ。僕はモンブランのクリームを作っていたんですけど、温度も硬さも毎日コンディションが違うので、作り方も毎回変えなければならないんです。

ーーまさに、職人技ですね。

最初にクリームを作った時、1時間ちょっとかかったんです。そしたら教えてくれた先輩に「俺は45分で作れるけどね」と言われて。負けん気強い性格なので特訓して、最終的には20分で作れるようになりました(笑)。

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料理のコツは、調理前に工程をすべて想像すること

ーーパティシエの経験をお持ちなので、料理は得意だと思うんですが、普段、料理をする時はどんなマインドなんですか?

僕はいつも、工程の順番を一度頭の中で確認します。料理って、難しいイメージあるじゃないですか。レシピを見ても、失敗してしまうこともありますよね。

ーーはい、まさに私も失敗します……。

完成した料理の想像はしていても、工程まではきちんと考えていない場合が多いと思うんです。一旦、すべてのフローを想像して「ここでこれを入れて、こうして、こうして……ってことは、これを先に用意した方がいいかな?」と考えておくと上手くいく。僕、せっかちだから段取り悪いのが嫌いなので(笑)。

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ーーとなると、レシピはレシピ通りにきっちり作るんですか?

いや、全然(笑)。だから、そういう意味だと、僕パティシエに向いていないんです。だって、計量しないで、だいたいの目分量でやっている時があるから(笑)。でも、僕もオリジナルレシピを公開することがあるので、その時は、なるべく誰もが失敗しないようなレシピを心がけています。

ーーオリジナルレシピは、何回も試作されるんですか?

一発で決まるレシピもあれば、何回も試作するものもあります。この間は「納豆キムチーズ鍋」を作ったんです。キムチ鍋のスープを使わずに、自分でスープから。試しに醤油をほんの少し入れてみたんだけど、全然イメージと違っちゃったので、作り直しました。こんなに長いこと料理やっているのに。そんな失敗もありますよ。料理って、不思議ですよね。

東京出張も多いので、冷凍庫には食材がいっぱい

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ーー小林家のスタメン食材はありますか?

移動が多いから、結構冷凍してますね。とくに、手羽先、牛すじ、豚軟骨ソーキを煮込んだスープは絶対ストックしてます。休みの日にぐつぐつ煮込んで、小分けにして、冷凍しておくんですよ。

ーー本格的なスープ!どう使うんですか?

ダイエットの時は、例えば豆腐を入れて食べたり、時間がない時は、そこにインスタントラーメンの麺だけ入れたり。

ーー万能ですね。そのほかも、結構作り置きはしますか?

生のトマトが余っちゃった時は、トマトソースに。この間も、リーダーの水野勝がトマト農家さんのロケ先でトマトを箱ごともらってきたんですよ。「半分あげるから、トマトソース作って」と言われたので、ちゃんと作ってあげました(笑)。

ーーボイメンの中では、「小林さんに食材を預ければなんとかなる!」というポジションなんですね(笑)。

そうですね(笑)。

ーー活動拠点の名古屋ごはんも、ご自宅で作られたりします?

結構、詳しい方かも。昔、雑誌で名古屋メシを開発するコーナーを担当をしていたんですよ。例えば、ひつまぶしとトマトを合わせて、出汁のかわりに豆乳スープを入れて食べるとか。見事な洋風リゾットになるんです。

ーーすごく独創的!そういうアレンジって、どう思いつくんですか?

経験かなぁ。「この食材とこの食材は合うな」という相性は、感覚で大体わかります。ありがたいことに、お母さんが小さな頃からいろいろなものを食べさせてくれたことも大きいです。アボカドやゴーヤも、ブームになる前から食卓に並ぶような家庭でしたし、いろいろな食材に触れる機会が多かった。

ーー思い出の味はありますか?

うーん、小さい頃から釣りに行って、釣れた魚をよくさばいていましたね。

ーー子どもの頃から!?

はい。小学生ぐらいの時には既に。お魚はさばくのが難しいと思われがちだけど、頭を落として、しゃっしゃっしゃっと鱗をとって、内臓を取って切れば、いけます。包丁、4歳の頃には握っていましたね。小学校低学年の時、お母さんが留守の間にひとりでコロッケを揚げて食べたら、「あぶない!」って、めちゃくちゃ怒られた経験もあります(笑)。

ーー小学生が揚げ物!たしかに、親御さんの気持ちはわかります。小林さん、名古屋での推しスーパーはありますか?

ジェイアール名古屋タカシマヤ(即答)。

ーー即答ですね。タカシマヤさん、結構お高いイメージがあるのですが……。

って、思うじゃないですか?デパートの地下は惣菜は高いけれど、野菜はそんなに高くないんですよ!産地もしっかりしているいい野菜だし、パプリカ100円とかズッキーニ100円とかいっぱいあるんです!駅直結なので、試作のための材料を買ったりします。

ーー意外とお手頃なんですね。小林さん、最近オイルに凝っていると伺いましたが、推しオイルは?

オリーブオイルとごま油はだいぶいろいろ試しました。その結果、ごま油に関しては、今は京都にある山田製油のごま油一択です。これもジェイアール名古屋タカシマヤで出会いました。油って、そんなにたくさん使わないじゃないですか。ごま油にしたら高いかもしれないけど、「ちょっと奮発しただけで、抜群に味が上がるんだったらどうですか?」と、提案したいですね。

年下メンバーや後輩の体を気遣って、料理を担当

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ーー以前はよくメンバーの方を自宅に招いて手料理を振る舞うこともあったそうですね。おもてなしの鉄板メニューはありますか?

何食べたいか聞くかな。祭nine.のメンバー野々田奏が「前に食べた煮魚を食べたいです」と言い出したのを覚えています。僕が何気なく作った煮魚、おいしくて、勝手に思い出の味になっていたみたいで(笑)。

ーー何気ない日のごはんを覚えてくれているの、うれしいですね。

僕、メンバーの勇翔と4年ぐらい一緒に住んでいたんですよ。ルームシェア当初、勇翔がコンビニのごはんやスーパーのお惣菜ばかり食べていたんです。当時彼は16歳とかだったかな?このままじゃ先々絶対体壊すと思って。「身体が出来上がっていない若い子にこんな食生活をさせるのはだめだ、俺が作る!」と責任感が芽生えて、作るようになったんです。

ーー愛ですね。

僕が料理と食器洗いを担当して、勇翔が洗濯を担当してくれていました。僕、洗濯は苦手なので(笑)。

ーー毎日作っていると、献立を考えるのも大変だったのは?

思いつかない時は、スーパーで特売になっているものをまず買うのがいいと思います。安いものは、旬のものだったりもするから。先にメニューを決めてからスーパーに行って、「えぇ、こんな高いの!?」となったら、作る気も失せるでしょう?スーパーの特売品を見てから、どうしようかなって考えたり、検索したりしてもいいと思います。

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ーー本来、料理が好きでも、それが義務化しちゃうと、しんどくなってしまうことはないですか?

あー、その時はめっちゃ省略すればいいと思います。インスタントも最高!僕、カレー作らないんですよ。レトルトで十分おいしいから。たまねぎ、じゃがいも、にんじん、牛肉買うと、1000円、2000円いくじゃないですか。レトルトのパックを買って、ちょっといいお肉を焼いて、一緒に食べた方が安いし、おいしい。

ーー自分で手間暇かけて作るものと、ありものと、負担がないようにうまく分けているんですね。

はい。それがいいと思う!

ちょっとした彩りを、大切に

ーー料理のお仕事を引き寄せるために、何か努力していることはありますか?

言葉にすることかな。「料理の仕事がしたいです」って、はっきり言う。料理は家でやるものだから、ひとりで頑張っていても、周囲は分からないじゃないですか。きちんと言葉にすることが大切だと思います。みんなも「おいしい料理を作れるようになりたい」とか、どんどん宣言したらいいと思う。そうしたら多分周りの人も手伝ってくれるでしょ?

ーー確かに料理って閉じられた空間でやっていると、モチベーションを感じにくいですよね。もっと料理が楽しくなるコツをもう少しお伺いしてもいいですか?

やっぱり、盛り付けじゃないかな。パティシエの癖が出ているのかなと思うんですけど、「せっかく作ったのに、なんかいまいちだな」と思う時あるじゃないですか。

ーーありますね……。

それに、なにかをひとつ乗せるだけで、めちゃくちゃおしゃれになったりするんですよね。最近万能だなと思うのが、インゲン豆。お湯で1分ぐらい茹でれば食べられるし、長細いからクロスして置いても、細かく刻んでもいいんだよね。食べられるし、飾りにもなる(笑)。

ーー確かに便利そうですね!

プチトマトも便利。要するに、色なんですよ。赤、黄色、緑のものがあれば、大抵きれいに見える。野菜炒めとかお肉系とか茶色になりがちだけれど、その中に緑をびゃっ!赤をびゃっ!と乗せるだけで全然違うから。

ーー見栄えまで重視するモチベーションが素晴らしいです。

SNSに載せるからね。人に見てほしい時って、やっぱり褒められたいじゃないですか。せっかく作ったんだもん。「あんたが食べている時間より、こっちが作っている時間の方が長いねんぞ!」って思うこと、正直あるので(笑)。

ーーあるあるですね(笑)。

でも、だからと言って「感謝してね」じゃなくて、「え、まじこんなの作ってくれたの?ありがとう!」と言われる努力を自分もしないといけないなと思っています。これからも、日々の料理で少しずつチャレンジしていきたいです!

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小沢あや

ピース株式会社 代表取締役。音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」、「フリーランスな私たち」連載中。豊島区公認の池袋愛好家としても活動している。

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取材・構成:小沢あや
撮影:小原聡太
文:五月女菜穂

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