料理は脳トレ。でも、こだわりすぎず気楽に――宮本佳林さんの食卓

きのう何作った?

2021.12.13

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アイドルグループJuice=Juiceを卒業し、現在はソロで歌手として活動している宮本佳林さん。「普段の生活には、あまりこだわりを持ちすぎないようにしている」と話す宮本さんに、料理のアレンジを考えるときのコツや、料理への考え方の変化について伺いました。

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お話を伺った人:宮本佳林さん

1998年12月1日生まれ、千葉県出身。2008年にハロプロエッグ(現・ハロプロ研修生)のオーディションに合格。2013年にJuice=Juiceのメンバーとしてメジャーデビュー。2020年末に同グループを卒業し、ソロの歌手として活躍中。2021年12月にソロとしての1stシングル『どうして僕らにはやる気がないのか(2021)/氷点下/規格外のロマンス』を発売。

料理は「方面」だけ決めて作る

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ーー宮本さんは、何年も前からブログに手料理をアップされていましたね。

料理、最近また目覚めたんですよ(笑)。

両親がおいしいって言ってくれるのが嬉しいし、自分の健康も維持できるから、実家にいる時からよく作っていたんです。だけど、一人暮らしを始めて、自分のためだけの料理となったら、なんか面倒になっちゃって。一時は「食べるのはお菓子やカロリーメイトだけ」みたいな生活になっちゃったんです。

ーーそこから、再び料理に目覚めたのはなぜなんでしょう。

体調をめちゃめちゃ崩しちゃって、「これはダメだ!」と思って。自分が料理できるクチだというのはわかっていたので(笑)、やるっきゃない!と奮起して、また始めました。ちょっと間が空いても、自炊をしていると1週間ぐらいで体調がよくなるので、やっぱりごはんは大事なんだなって思います。

ーー一度料理する習慣が途絶えると、立て直すのには気合が必要ではなかったですか?

そうですね。でも、私の場合はレシピを見るより「こうしたらああなるはず!」とイメージして、あるもので作ることが多いですね。食材さえあれば、いけちゃうタイプなんです。

ーー結構、なんとなくで独創的に料理するタイプなんでしょうか。

なんだろう?方面はちゃんと決まってて……。

ーーメニューではなく、「方面」?

例えば、主食が中華系の雑炊であれば、付け合わせも中華の調味料を使って作る。パスタなら、洋風の付け合わせを作る……とか。頭の中で、調味料が「これは和風」「これは万能」と分類されているから、考えるのも大変じゃないです。

冷蔵庫のスタメンは、応用しやすい小松菜とほうれん草

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ーー冷蔵庫のスタメン食材は何ですか?

ベーコンとハム、とろけるチーズ。あ!小松菜と、ほうれん草は絶対います。

ーーほうれん草と小松菜がともにスタメンなのは、ちょっと珍しい気がします。

和洋中、全部いける食材なんですよね。とくにほうれん草は、ベーコンと合わせると「洋」だし、ごま和えやおひたしにすれば「和」、中華系の炒め物にもなる。しかも火が通りやすいから、さっと食べられる。「お二方、ありがとう!」みたいな感じです(笑)。

他には、忘れちゃならないスタメンが岩のりです。岩のりはマジで万能で、ごはんもおいしく食べられるし、雑炊の時に入れるとめっちゃおいしいんですよ。それと、キューピーさんの「野菜もお肉もこれ1本」っていうシリーズの、和風たまねぎドレッシング。

ーー(調べながら)これですか?今、買います!

これです!めっちゃ万能で。「賞味期限が今日までの肉がある、でも焼くと洗い物がつらい……」っていう日に、お肉ともやしとかを茹でて、このドレッシングをバーってかけるんです。それだけで、本当においしいんですよ。

ちょっと値は張りますけど、それだけの価値があるんです。絶対ストックしてますね。

ーーそんなにお好きなんですね!そういえば、宮本家の食卓には、お揚げの登場率も高い印象です。

そうですね。好きだしお手頃価格だし、包んでよし、切って焼くのもよし。お揚げがあるだけで、料理の幅が広がるんですよ。

葉物野菜もですけど、切って焼くもできる、巻くこともできる、煮てもいい……っていう、応用ができる食材がすごく大事なんです。

余り物の組み合わせから、アレンジが広がる

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ーー活用のしやすさが、食材選びの基準の一つになっているんですね。私は、料理のアレンジがなかなか思い浮かばないのがコンプレックスで……宮本さんのような料理のアイディアって、どうやったら湧いてくるんでしょう?

うーん……「余っているものを、どう組み合わせたら一番おいしいかな?」って考えると、料理の幅が広がってくると思っています。

たとえば、ごぼうと牛肉が余っていたら、ごぼうを薄く切って茹でてお肉で巻いて、塩こしょうで焼いて、さっきのドレッシングをかける。それだけで、立派な一品じゃないですか。とりあえず、食材同士をうまく組み合わせるのがコツだなって思います。

失敗してもいいから、やってみて「意外とおいしい!」なのか、「いやー、これは合わなかったなあ!」なのか、勉強していく感じです。

ーーまず、自分で試してみるのが大切なんですね。

あとは、ちょい足しに便利なものを冷凍ストックしておくのも大事。私は、ひき肉を小分けにして冷凍しています。「なんか1個足りないぞ!」ってときに、「これがあればなんとかなる!」って食材を冷凍しておけば、食品ロスも減らしつつ、おいしいものが作れるんですよ。

ーーなるほど。「迷ったらとりあえずこれを作る!」というものはありますか?

卵雑炊かな〜。一番簡単で、余ったものをぶちこんでおけばおいしくなりますからね。あとは、楽だからうどん。もちもち感のある茹でうどんが好きで、賞味期限が近くなったら冷凍しつつ使ってます。

ーーお仕事が忙しい中で、「今日はもう無理だ!疲れた!」って日も……ありますよね?とはいえ外出もしたくない!ってときは、どうしてます?

私、「今日は絶対疲れるだろうな」って日は、事前予想できるんですよ(笑)。そんな日の朝は、炊飯器に鶏もも肉を入れて、大根とかの根菜をちょっと入れて、水と出汁と、醤油、酒、みりん、砂糖を入れて、スイッチを入れておくんです。

そうすると、帰る頃には保温でほろっほろになった、ありえないぐらいおいしい肉が待ってるんですよね。チンするごはんも用意しているので、それと一緒に食べてます。

炊飯器調理って意外と便利で、肉じゃがとかも、普通に作るより早くできるんですよ。しらたきとか好きなものを入れて、炊飯スイッチをオンして家を出るんです。味付けも、ざっくり。醤油・酒・みりんでガーッとやった、ちょっと甘辛い感じが好きです。

多めに作ったら、自作の「冷凍食品」に

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ーー手軽な調味料も活用されているんでしょうか。

そうですね。こだわりすぎず、「パッて料理できるんだし、チューブの薬味でもいいじゃん!」って気持ちになれると、自炊も続くんじゃないかな。自炊が続けば結果的に食費も節約できますし、いいことばかりですね。

ーーたしかに。一人暮らしでも、食品ロスを出さないためのコツってありますか?

賞味期限が近くなったら、どんどん冷凍しちゃいます。あとは、作るときに3人分ぐらいまとめて調理します。チキンライスなら、1食分はその場で食べて、あとはおにぎりにして冷凍するんです。冷凍食品を自分で作る感じですね。

ハンバーグとかも、1個分作るのってほんとめんどくさいんですよ。だから、たくさん作って焼いて冷凍しておく。食品ロスも防ぎつつ、「今日も作らなくていい!」「明日も作らなくていい!」という風にしています。

生活のこだわりは持ちすぎない

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ーーお話を伺っていて、自炊をしつつも、自分が面倒にならない、楽なやり方を模索しているのかなと感じました。

そうですね。普段の生活にこだわりを持って、「これはこうする」と決めすぎないようにしています。

料理もですし、運動やストレッチなどのルーティンをカッチリ決めてしまうと、本当に時間がない疲れて帰った日も、「あれをやらなきゃ、明日うまくいかないかも」って不安になっちゃう。そうなると、精神的にしんどくなってしまうので。

ーー生活にこだわりは持ちすぎず、でも体をまったく気遣わないわけでもなく……というバランスでしょうか。

やっぱり、芸能のお仕事をしていると、どうしても生活が不規則になってしまう部分があるんです。

だからこそ、「常にこうしなきゃ!」ではなくて、「胃の調子が悪いかもと思ったら、脂っこいものは避けて、雑炊とかを食べとこうね〜」程度に。それぐらいの気遣いが、ちょうどいいかなと思ってます。

料理は「脳トレ」

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ーー宮本さん流の、ちょっとヘルシーなおすすめ料理があれば、ぜひ教えてください。

うーん、なんだろう?食材一つ一つは気にしすぎず、他の栄養もとれるように、全体のバランスを見て考えますね。

もし厚揚げを使うなら、いろんな野菜を入れたあんかけをかけるとか。そうすれば、全体のバランスで見たら揚げの油も多くはないし、豆腐のたんぱく質もとれて、お野菜のビタミンもとれるし。「厚揚げは揚げてるから、悪いものだ!」というわけでもないなって。

気にしすぎちゃうのもよくないし、自分が「これはやりすぎだな」って思うようなことをせず、あまり夜遅くに食べすぎないとかだけ気をつければ、大丈夫かなって。以前はカロリー計算もきっちりしてたんですけど、やめました。

ーー色々試した結果、ゆるやかな今のスタイルにたどり着いたんですね。

食べるものを管理していたときよりも、今みたいに適当に「どれだけ洗い物を出さずに料理できるか」とかゲーム感覚で料理している方が、元気も出るし、体の調子もなんかよくなったなという実感があるんです。今は「おいしい」って思えれば、それでいいかなと。

「ダメ」って制限をかけると、逆にストレスと食べたいという気持ちが上回ってしまうので。毎日自分がワクワクするような食事ができると、結果的に無駄に食べちゃうことも減ると思います。

ーーありがとうございます。最後に、宮本さんから見て、歌手の仕事と料理の共通項はありますか?

料理と仕事は、同時並行で物事を考えるところが似てますよね。料理なら、これを熱々のまま食べたいから、最後に仕上げるためには先に副菜を……とか。パフォーマンスも歌って踊る分、並行して考えることは多いので。そこはすごく共通しているし、料理で鍛えられるなあと思います。

料理って、脳トレになるんですよ。失敗しないコツは、味見だと思っています、生で食べるのが危険なものじゃなければ(笑)、焼いたり煮たりする前に一度味見してみるのが好きなんです。それで、何を足し引きしたらいいのかを考える。

そうやって料理をしていると、仕事でもその場で必要なもの、いらないものを臨機応変にパパッ!と考えられるようになるということ、結構あるんです。料理でトレーニングした成果は、仕事にも繋がってるんじゃないかな。

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小沢あや

ピース株式会社 代表取締役。音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」、「フリーランスな私たち」連載中。豊島区公認の池袋愛好家としても活動している。

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取材・編集:小沢あや(ピース)
原稿協力:佐々木優樹
撮影:曽我美芽

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