料理はがんばりすぎず、無理なく楽しむ――豊田エリーさんのおうちごはん

きのう何作った?

2022.03.08

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モデルや女優として活躍しながら、11歳の娘さんを育てている豊田エリーさん。日々、インスタグラムに素敵な手料理をアップしている豊田さんですが、料理については「がんばりたい日とがんばれない日の差が大きい」のだそう。そんな彼女に、どんな時でも無理せずに自分らしく料理を楽しむコツについて伺いました。

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お話を伺った人:豊田エリーさん

東京都出身、1989年生まれ。10代の頃にモデルとしてデビューし、女優・ラジオパーソナリティーとしても活躍。2010年、21歳の誕生日に俳優の柳楽優弥さんと結婚し、長女を出産。

父の料理を手伝うのが楽しかった幼少期

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ーー豊田さんのSNSには、いろんな食材が登場します。中にはパースニップのようなめずらしいお野菜も。こういった食材とは、どこで出会うんでしょうか?

パースニップは、たまに行く輸入食品のお店で買っています。イギリス人の父がよく使っていた食材なんです。子どもの頃から、親の料理のお手伝いが大好きでした。特にクリスマスは父が張り切ってディナーを仕込むんです。朝から夕方まで手伝っているのが、私も楽しかった記憶があります。クリスマスのレシピはよく覚えていますね。ローストビーフとグレイビーソース、ヨークシャープディング、ローストしたポテトやニンジン、パースニップ、などなど。

ーー豊田家に伝わる秘伝のお料理みたいなものがあるんですか?

そういうものはないんですが、イギリス家庭料理のレシピ本を参考にしつつ、「お父さんが作ってたのはこうじゃなかったな」「こういう味だったかな?」と記憶を頼りにアレンジしながら作っていますね。

ーー日常的におうちごはんをみんなで楽しむご家庭だったんでしょうか?

両親が共働きだったので、毎日一緒に食べていた記憶はないんです。でも週末やイベントがあるとみんなで揃って食べていました。週末は、必ず父が料理していましたね。

ーー昔から、お父さまが当たり前のようにキッチンに立つ家庭だったんですね。

そうなんです。といっても、いろんなものが作れるわけではなく。シェパーズパイ、チキンソテー、インドカレーの3種類が基本。あとは、クリスマスディナーくらい。少ないメニューのローテーションでした。だから週末になって「今日は何を作ると思う?」とお父さんに聞かれても、答えが3択しかないから、すぐに当たっちゃう(笑)。

ーーなるほど、それも素敵ですね。料理のローテーションを組むと家族の記憶に残りやすい、という効果も。

父が作るのはこの3種類だし、母も祖母も洋食を作ることが多くて、一般的な和食を食べた記憶があまりないんです。そのせいか、今でも和食をパパッと作れる人に憧れています。洋食よりも和食の方が作るのが難しい気がするんですよ。毎回味付けが同じにならないし、足せば足すほどわからなくなってしまって。洋食は逆に、何を入れてもだいたいその味になる気がします。

ーー豊田さん流「洋食にはこれを入れておけば大丈夫」は?

以前、シェパーズパイを作っていた時、味を締めるためのウスターソースがなくて、代わりにたこ焼きソースを入れてみたんです。そうしたら意外と近い味になって。「あ、何入れても大丈夫なんだ」と思いました。

たぶん、洋食は記憶にも強く残っているから、頭の中にある味に近づけやすいんだと思います。「ちょっと赤ワイン足した方がいいな」とか、目分量でもだいたいわかるんです。でも和食だとそうはいかない。和食は難しいですね。

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豊田さんお手製のクリスマスディナー

ラジオ番組をきっかけに、エシカルな消費を意識するように

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ーーお子さんが11歳になられたそうですね。毎日お弁当を作っているそうですが、どうのりきっていますか?

前日の夜ごはんからお弁当の具を逆算して作ることが多いです。次の日にお弁当に入れてもおいしく食べられるものを夜ごはんのおかずにしていますね。作り置きが苦手なので、夜作って、朝詰める、の繰り返しですね。

ーーよく作るメニューは?

なんだろう……春巻きかな?ささみとチーズと梅を入れたり、ささみとクリームチーズと明太子を入れたり。

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ーー良いおつまみになりそうなメニューですね。

そうですね(笑)。作っていて楽しいし翌日でもおいしいので、定番です。

ーー豊田さん、日々の献立はどうやって決めていますか?何を作ればいいのかわからなくなること、ないですか?

子どもに食べたいものを聞いても「なんでもいい」と言われるので(笑)、基本的には自分の食べたいものを優先しています。仕事先の近くにおいしいパン屋さんがあれば、それを買って、パンに乗せて食べられる鶏のトマト煮を作ってみるとか。その日にたまたま出会った食材をメインに献立を考えることが多いですね。まとめ買いもほとんどしないので、しょっちゅうスーパーに行っていて、店員さんと顔馴染みになっています。

ーー豊田さんの推しスーパーはありますか?

いちばんよく行くのはライフで、ポイントを貯めまくっています(笑)。ライフってプライベートブランドが充実していて、オーガニック食材コーナーもあるんです。「BIO-RAL(ビオラル)」というシリーズは本当に重宝しています。

(ラインナップを見ながら)「やさしい平飼いたまご」はずっと買っているし、「無塩せき皮なしウインナー」「無塩せき あらびきウインナー」「無塩せき ベーコン」など、発色剤を使っていないシリーズはお弁当にも使えるので一通り買っていますね。そうそう、「有機ホールトマト」の缶もおいしいんですよ。

ーーBIO-RAL、本当に愛用されているんですね。

毎週何かしら買っていますね。今、ライフの「マイカゴ」を持っていて。すっごく楽なんです。買った商品を移し替えずにそのまま帰れるし、ゴミも軽減できるし。

ーーエリーさんはラジオでエシカル系の番組を担当されていますよね(J-WAVE『ETHICAL WAVE』毎週土曜18:00〜18:54)。そういったお仕事も、普段の食材選びに影響を与えていますか?

そうなんです。元々興味はあったんですが、ラジオをきっかけに学び始めてからはさらに意識するようになり、その食材がどう作られたのかまで確認するようになりました。野菜も、農家さんへの応援も込めて、できるだけ生産者の顔が見えるものを選ぶようにしています。

料理をする人の「特権」を楽しむ

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ーー2017年に出演された料理番組では、ご家族の大好物であるシンガポールチキンライスを紹介されていました。

あ、そうですね、最近は作っていませんでした(笑)。シンガポールチキンライスはすごく楽なんです。一つの鍋で作れるから。

ーー工程が楽かどうかも、意識して作られることが多いですか?

私は「がんばりすぎない」ことをテーマにしていて。無理せず、できる範囲でやっていますね。がんばりたい時期と手を抜きたい時期があるんです。

ーー豊田さんは、いつ頃から気負わずに料理できるようになりましたか?

子どもが小学校に入ってからですね。学校を決める時は「これから毎日お弁当か、大変だな……」と心配していたんですけど、いざやってみると、意外とそんなに苦じゃなくて。

料理の匂いや音を一番楽しめるのって、作ってる人じゃないですか。それを特権だと思っているんです。にんにくを炒めている時の香りとか、すっごく好きで。

それから、家事をしている間は映画や海外ドラマを好きなだけ見ていいことにしています。そうするとあっという間に家事が終わっているし、脳内では映画を見ているだけだから、すごく楽なんです。

ーーすごい。逆に手が止まっちゃいそうです。

もちろんジャンルは選びますね。シリアスすぎないホラーとかコメディとか、ポップで気楽に見られる作品を流すことが多いですね。

料理教室でモチベーションアップを

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ーー豊田さんは料理教室にも通われているんですよね。

料理家のサルボ恭子さんの教室でフランス家庭料理を教わっています。家族に食べさせたくなって料理のモチベーションが上がるので、料理教室は大好きですね。

中でも気に入って何年も作り続けているのが、「シュークルート」というキャベツの塩漬け。千切りにしたキャベツを塩漬けにして、1週間くらい寝かせて、発酵させるんです。気軽にできるのにすごくおいしくて。しかもそれを魚のクリーム煮込みに合わせるんですよ。「えっ、クリームと塩漬けのキャベツって合うの?」と思いましたが、食べたら本当においしくて。そのままパンに乗せてもいいし、白ワインにも合うし。

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ーーレシピ通り忠実に再現するんですね。

先生に教わったものはきっちりそのまま作ります。「ローリエ2枚」と書いてあったらきっちり2枚。アレンジする勇気はないですね。

あと、「塩で味がだいぶ変わるから、料理に使う塩は統一した方がいい」と恭子先生に教えていただいて。「先生は何の塩を使ってるんですか?」と聞いて、帰り道にカルディに寄って、フランスの「ゲランドの塩」を購入しました。今でも愛用しています。

ーーどんどん教えてもらうんですね。SNSで、台湾料理の投稿も拝見しました。

それも恭子先生の教室で、特別講師として台湾料理の先生がいらしたことがあったんです。その時は三杯鶏(サンベイジー)を教えてもらいました。お酢やお醤油などを全部同じ分量で入れて、鶏を甘辛く煮込むんです。あれもおいしかったなぁ……。白いごはんが永遠に食べられる料理でした。インドカレーを習いに行ったこともあって、それもすっごくおいしかったです。

料理教室にも行きますが、ネットでレシピを探すのも好きで。ネットで検索する際は、味付けは参考にしながらも、食材は冷蔵庫にあるもので作ることが多いですね。

ーーネットでレシピを検索する時、どんなアプリやサイトを使っていますか?

本当に簡単で失敗知らずだと思うのは「クラシル」。レバーパテなんか家で作れると思っていなかったけど、やってみたらめちゃくちゃ簡単で、おいしくて。おすすめです。

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でも、ファストフードもソウルフード

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ーーお料理教室で学んだことを、すぐに食卓に取り入れているのが素敵だと思いました。日々お料理を楽しんでいる豊田さんですが、がんばれない日の「困ったらコレ!」な定番メニューはありますか?

焼きうどん!(即答)

ーーあれ、急に和になりましたね(笑)。

そうですね(笑)。疲れている時はだいたい焼きうどんです。冷凍のうどんを常備していて、白だしで味付けをして、お弁当に入れることもあります。すき焼き丼もよく作りますね。すき焼きのタレで味付けして。それもお弁当によく使っています。

私は料理をがんばりたい日とがんばれない日の差が大きいんですけど、熱が高まっている時にどれだけ楽しむかが大事だと思っていて。そういう時に料理教室に行ったり、新しい知識を仕入れたりして、週末などにゆっくり作るようにしています。2時間くらいかかっても、いざ料理をはじめると意外とリラックスタイムになりますし。

普段はお味噌汁とお肉と野菜炒めとごはんとお漬物でじゅうぶんで、お惣菜や出前にすることもあるし、焼きうどんの日もあるし。やっぱり大事なのは「がんばりすぎない」ことですね。

ーー時にはファストフードの日も?

マック、よく行きます!私の世代の東京育ちの人間にとって、マックはソウルフードなんです。最近、同世代の子たちとよく話すんですよ、「結局、ソウルフードはマックだよね?」って。学生時代は本当によく通っていたので。そういう日も挟みつつ、自分のペースで日々のごはんを楽しみたいです。

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豊田エリーさん舞台出演情報
シス・カンパニー『ザ・ウェルキン』
<東京公演>
7月/Bunkamuraシアターコクーン
<大阪公演>
8月上旬/森ノ宮ピロティホール
詳しくはこちら

小沢あや

ピース株式会社 代表取締役。音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」、「フリーランスな私たち」連載中。豊島区公認の池袋愛好家としても活動している。

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取材:小沢あや(ピース株式会社)
構成:山田宗太朗
撮影:小原聡太
ヘアメイク:山下美紀

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