ロボット掃除機に、手足が生えればいいだけなのに。

わが家の笑顔おすそわけ #1 「時短家電」〜甘木サカヱさんの場合〜

2020.03.05

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時短家電。なんと魅惑の響きだろうか。スイッチ一つで清潔で快適な暮らし。ハイテクでデジタルでIOTでAI。一般人には想像もつかない技術力で忙しい家族をサポートしてくれる強い味方。

時短家電、それは主婦の永遠の憧れ。
四次元ポケットから出てくる夢のひみつ道具。

我が家は現在、二世帯同居の六人家族である。
家族の人数が多い分、当然、洗濯する服も、洗う食器も、掃除機をかける部屋の数も多めだ。私と義母の、主婦二人体制ではあるが、こまめに動くのが苦にならないタイプの義母に比べ、私は根っからぐうたらで、サボれるところは徹底的に手を抜きたい性分。家電の買い替えタイミングが来るたびに、乏しい家計をやりくりして、何とかしてすこしでもラクをするため、時短家電を導入しようと策略を練っている。
しかし、その「ラクで素敵な時短家電生活」、想像よりずっといばらの道だったのだ。

我が家に時短家電のはしりとしてやってきたのは、洗濯乾燥機能付きのドラム式洗濯機だ。10年ほど前のこと、2台ある洗濯機のうち、義父母が主に使うほうが故障した。いい機会だし、私たち子世帯も必要な時に使う事ができるし…ということで、思い切って洗濯乾燥機に買い替えることにした。

家電量販店でしか見た事のなかったドラム式の洗濯乾燥機が、脱衣所にどどーんと設置され、その中でぐるぐると回るバスタオルを見たとき、これでもう梅雨時に洗濯物の干し場所に悩むこともない!これぞ平成の文明開化!洗濯の夜明けぜよ!と大興奮する私。
しかし、そんなバラ色の日々も長くは続かなかった。

我が家で一日に出る洗濯物の量は、ざっと10㎏程度。
一方、新しい洗濯乾燥機の容量は約5kg。
しかも容量いっぱいまで詰め込めば、乾燥には4時間以上かかり、しかも仕上がりはとてもアイロンなしでは着られないくらいにシワシワだったのだ。(※10年ほど前の機種の話で、現在は色々と改善されているはず…)

時間をかけて乾燥しても、一度に洗える洗濯物はほんのわずか。長時間占領していると義母の思ったような時間に洗濯機を使うことができず、嫁姑の仲にも微妙な緊張感が走る。結局、その洗濯乾燥機が壊れて買い替えるまでの7年ほどの間、乾燥機能を使ったのは片手で数えるほどだった。なんのための洗濯乾燥機能だろうか。

念のため補足しておくと決して、機械が悪いわけではない。
少人数の家庭が、夜のうちに洗濯→乾燥まで済ませる、という使い方なら、こんなに便利なものはない。我が家のスタイルにはマッチしていなかった、というだけなのだ。

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我が家の時短家電失敗歴はこれにとどまらない。
お次は時短家電の雄、食器洗浄機だ。

とにかく食後の片付けが大嫌い、可能なら食後は指一本動かしたくない!という怠け心の具現化のような私が、長年の夢をかなえて購入したのは据え置き型の食洗機。しかしここにも新たな問題が発生する。それは、「食洗機を信用しきれない義父母問題」だ。

義父母が食後の片付けをしているところを見ると、せっかく食洗器があるというのに、スポンジに洗剤を付け、食器を手洗いしている。食洗機、使わないのですか?と聞くと、「たまに汚れが落ち切らないところがあるから」と言うのだ。
私はごく大雑把な性格なので、汚れが残るならもう一度食洗器にかければいいや、くらいのスタンスだ。機械だってたまには手落ちもあるだろう。しかも、義父母が食洗機を使った時は、容量いっぱいまで食器を入れたにも関わらず、少量の食器を洗うエコモードを指定していたことが判明した。
そりゃ、汚れ、落ちない。機械、わるくない。人間、わるい。

まあ、別に手洗いしちゃいけない訳でもなし、各自で気のすむようにしたら…と思って眺める私を尻目に、なんと、義母はきれいに洗った食器を食洗器にセットし、食洗器用洗剤を入れ、スイッチを入れたのだ。

いや、手洗いしたらもうそれで終了でいいのでは??
なぜふたたび食洗器にかける??単純にコストが倍では??

頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになる私。
いや、いいんだ。少なくとも私が食器を洗う時はラクになったので。義父母の好きなようにしてくれればいいのだ。ただ、電気代と水道代と洗剤代がもったいない。エコモードなのに全然エコじゃない。

その後、なんと数年間にわたる私のつきたての餅のように粘り強い説明が功を奏したのか、ようやく最近は義父母も最低限の下洗いのみで食洗器を使ってくれるようになった。
時短家電が数年かけやっと、真の時短家電になった瞬間である。

そして我が家の時短家電のニューフェイス、ロボット掃除機。
憧れがつのりやっと導入したものの、当初から、暗雲は立ち込めていた。

主に彼が活躍するはずのリビングダイニングには、大きな食卓テーブルに椅子が6人分、それにソファやテレビなどが所狭しと詰まっている。余白の多いお洒落な家など、二世帯同居家庭には絵にかいた餅である。
不安はあったものの、最近のロボット掃除機は賢いから、ちゃんと障害物を避けてくれるのだ!という評判を信じて導入したが、これがゲロ甘に甘かった。予算をケチらず、最新鋭の機種にすれば違ったのかもしれないが、そこは悲しき貧乏性。数世代前の型落ち品を買ってしまったのだ。

ロボット掃除機くん(自律的に動く機械はつい愛称で呼んでしまう)はけなげにセンサーを働かせ、部屋を右往左往して掃除してくれるのだが、特にリビングの椅子の多さがネックらしかった。わずか1畳程度を10分以上かけて掃除し、「この家のリビングはここまで、か…」と勝手に我が家を超狭小住宅と認定し、お家(充電ドック)に帰ってしまう。かと思えば、椅子の足を複雑に通り抜けた結果、狭いキッチンの通路にはまりこみ、「燃え尽きちまったよ…」とキッチンの棚の下で充電切れになっている。
ロボット掃除機が働くために椅子やテーブルをすべて片付けるか、またはロボットの後ろから人間がついて歩き、逐一障害物をよけてあげるか、の究極の二択がここに爆誕したのである。

「こいつに手足がついて、障害物をよけてくれればいいのに!!」と叫んだ私だが、よく考えたらそれはもはやロボット掃除機ではなく、人型お掃除ロボットだ。いわゆるお手伝いロボットであり、ドラえもんである。家庭用に普及するまでは、少なくともあと20年はかかるのではないだろうか。

大家族にフィットする時短家電を探すのは、なかなか難しい。
しかし私は諦めない。いつか、大量の洗濯物を乾燥、それどころか畳んでタンスに仕舞ってくれて、食後の食器をあっという間にピカピカにしてくれて、狭くて障害物の多い部屋でもテキパキ掃除してくれるお掃除ロボットが実現するその日まで…

甘木サカヱ(よく眠りたまに色々考える主婦)

義父母と同居する二児の母。気力体力ともに常に赤ゲージの、生活力の低い主婦ライター。
絵本好きが高じ、蔵書は約1200冊。
Twitterでは「よく眠りたまに色々考える主婦」の名前でフォロワー約9万3千人(2020年2月現在)。
少しでも家事をラクにこなすため、今日も夢想と試行を繰り返す。

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イラスト:トミムラコタ

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