所ジョージに僕はなりたい

わが家の笑顔おすそわけ #3 「ひとり時間」〜5歳さんの場合〜

LIFE STYLE
2020.05.15

ずっと前から自分だけの大人の秘密基地を作りたいと思っていた。
すごくわかりやすくいうと、所ジョージさんの世田谷ベース。
※世田谷ベース=所ジョージさんの趣味やこだわりが詰まった仕事場兼遊び場、秘密基地

僕だけじゃなくて、たぶん多くの人が世田谷ベースに憧れているはずだ。
じゃないと全国のコンビニの雑誌コーナーに、所さんが表紙を飾っている『所ジョージの世田谷ベース』が並んでいることに説明がつかない。

マジであの雑誌はどこにでも並んでいる。そして僕も見かけるとついつい買ってしまう。
雑誌のページをめくりながら、「良いよな〜好きなものに囲まれて生活ができて、そしてそれが仕事になって、僕も所さんになりたいよ〜」などと思っている人もきっと僕だけではなくて、それこそ全国に何万人もいるはずである。

でないと『所ジョージの〜』が創刊号から13年続いていることにも説明がつかない。大人はみんな所さんになりたがっている。しかしみんな所さんにはなれない。世田谷に300坪のガレージを建てて、クラシックカーを並べて、その横で週末に清水圭とBBQすることはできない。できないからこそあの雑誌をコンビニで買って読むのだ。

しかし僕にだってやれることはある。ガレージは無理だとしても、実現可能な大人の秘密基地はきっとあるはずだ。そんなことを想い続けていた。

そしてついに、僕が所さんに近づけるチャンスがやってきた。

春に新居に引っ越して、ずっと憧れていた書斎を手に入れたのだ。
結婚して10年。自分の部屋を手に入れるまでは長い道のりだった。

【書斎】

なんて心地良い言葉の響きなのだろうか。
僕の書斎の広さは6畳。300坪のガレージと比べたらずいぶん狭いが、僕ひとりだけの秘密基地を作るには丁度いい広さだ。この6畳をどう使おうが僕の自由なのだ。自分の部屋に荷物を運び入れながら、この部屋をどう改造しようかと想像してニヤニヤした。やりたいことはいくらでもある。なんたって『所ジョージの世田谷ベース』を何年も愛読していたのだ。自分の中でイメージは出来ている。

まずは壁一面の本棚。これは絶対に譲れない。

部屋づくりで重要なことは、自分の好きなものに囲まれた空間を作ることだ。所さんにとってそれはラジコンであり、GIジョーだった。そして僕にとっては本だ。
2mくらいの高さの本棚を2つ持っていたけれど、とっくの昔に収納しきれなくなっていたので、同じものをもう2つ購入した。これで1500冊収めることができる。
本棚を組み立てて、本やマンガの並び順を考えている時間を僕はしあわせと呼びたい。しあわせなひとりの時間。完成品では意味がない。こうやってひとりで作り上げていくことに意味があるのだ。

そして出来上がった本棚がこちらだ。

この壁を手に入れるまでに10年掛かった。僕は本棚を眺めながらコーヒーを飲んだ。
まさに至福のとき。
「たぶん所ジョージもこんな気持でコーヒーを飲んでいるんだろうな〜」そんなことを思いながら、この部屋を「5歳ベース」と名付けることに決めた。

あんまりにも良い本の壁ができたので、この写真をツイッターに投稿してみたらいろんな反応が送られてきた。

「素敵!!!憧れの部屋です!!」「う、うらやましい」「めちゃくちゃいい時間の使い方」

みんなもいつか自分好みの壁一面の本棚を手に入れてもらいたいな。

そして、ここから僕の部屋づくりははじまった。
いきなりだがこれを見て欲しい。

ブックエンドである。たぶんこの先も自分のブックエンドを人に自慢することはないと思うので、時間を掛けて自慢したい。
まずこのブックエンド、雰囲気めっちゃ良くないですか?ブックエンドに詳しい人ならわかってもらえると思うんですが、これめっちゃ良いブックエンドです。
天然木の無垢材を使っていて、持ってみるとずっしりと重い。無垢材は手触りにぬくもりがあって気持ちが良い。オーク材のナチュラルな色合いが白を基調した部屋によく合う。

何度見ても惚れ惚れする。これは良いブックエンドだな。
ブックエンドを鑑賞しながら、飲むコーヒーは最高においしいな。

僕の部屋のブックエンドなんて誰が見るわけでもない。なんなら僕しかみない。そんな完全に自己満足の部分にお金と時間をかけるのが【5歳ベース流】なのだ。(今作った。)

むしろ本棚とブックエンドを眺めるだけで、こんなにも満たされた気持ちになるのだから、最初にちょっと高くても自分が気に入ったものを買ったほうが、人生トータルで見た時の幸福度指数は絶対に上がるはずだ。気に入ったのでもう1セット買おう。僕がどんどんしあわせになっていく。

こうやってリモートワークの合間を縫って、僕はひとりの時間を楽しんでいる。しかし最近困ったことが起こっている。僕の秘密基地の居心地の良さが家族にバレつつあるのだ。
いま僕が原稿を書いているすぐ後ろでは、ソファに寝転がった嫁がスマホを見ながらめっちゃくつろいでいる。その足元には座布団を敷いて息子たちがマンガを読んでいる。
「あの〜ここは大人の秘密基地なんですが...」

ひとりだけの時間をこの空間で楽しもうと思っていたのだが、なかなか思う通りにはならない。でもまぁ家族が気に入ってくれたみたいなので良かったです。

僕の秘密基地作りは始まったばかりだ。最強の書斎を地道にひとりで作り上げていくぞ。読者の皆さんには、また僕の地味なこだわりの話に付き合ってもらいますからね。よろしくお願いします。

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