楽しく、気軽に、好きな料理を作る

わが家の笑顔おすそわけ #4 「食べものの本」〜ぼくさんの場合〜

2020.06.12

はじめまして。料理研究家兼イラストレーターをしているぼくと申します。

ぼく

学生時代は美術教師を目指していたのですが、学費不足のためお菓子屋さんへ就職。5年勤めてお金が貯まった頃にひょんなきっかけからアニメ会社へ転職。仕事の傍、趣味でレシピイラストをTwitterに投稿していたところ、まさかの出版社様にお声をかけていただき、気がついたら料理とイラストを仕事にする人間になっていました。(人生、何があるわからないものです)

子どもの頃から絵も食べることにも興味があり、食に関する漫画やコミックエッセイは山ほど読んできたのですが、その中でも

  • 料理のためになり
  • 絵の勉強にもなり
  • 気軽に読めて面白い

大好きな書籍をご紹介させて下さい。

『しょうゆさしの食いしん本』(芳文社)
『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』(リイド社)
スケラッコ・著

2冊の書籍は、タイトル通り「しょうゆさし」が主人公のコミックエッセイです。その他の登場人物もとてもユニークな風貌で、パートナーのビッグフットくんは大きなモフモフ姿、お母さんはねこ、お父さんはくま、妹さんは白こんにゃくのような見た目で登場します。

登場人物©スケラッコ/リイド社

料理は「ぴっちりした」「おしゃれな」ご飯と言うより、ビールがとてつもなく合う「みんながワイワイ食べたくなるような家ごはん」ばかり。なんなら、しっかりビールを片手にしていることもしばしば。

ビールとしょうゆさしさん©スケラッコ/芳文社

「これが合うかも!」「こんな感じが好き!」「買い忘れがあった!」などの気軽な形で調理を進めていくのですが、本当に楽しみながら美味しいものを作っているんだなぁと感じます。

お麩が切れてた©スケラッコ/芳文社

料理って本当にやることが多いと思うんです。まず野菜を洗うところからはじまり、包丁で切って、調味料をはかって、炒めたり茹でたりして、盛り付ける。忘れちゃいけない洗い物まで終えて、やっと料理が全て終わる。

だから「やらなきゃ!」って気持ちで作ると、本当に疲れてしまうんですよね。(これが1日3回もあるなんてもはや仕事の域なのでは...)だからこそ、楽しく、気軽に、好きなものを作る主人公は本当に素敵だと思います。


そして探究心がすごい!ビッグフットくんが買ってきたものや、街中で購入した食べ物を一度食べ、感動したのちに「これって作れそう!」と材料を購入して自分で作ってしまう。普通なら「また買ってこよう」で済んでしまうのに、こうして自分のレパートリーに入れてしまうのはさすがだなぁと感心します。


時には調理せずに食べ歩きがメインの回も。お好み焼きの回では「目玉焼きを乗せるタイプ」「丸いアイロンなどでプレスするタイプ」など様々な種類が登場するのですが、中でも特に気になったのは「豆天玉」!ざっくり割った天ぷら(おそらくかき揚げ)の上に生地を流して焼くお好み焼きで、この生地の中にはほくっとした金時豆が入っているそう。

食べると天ぷらはふかふか食感、たまに出てくる豆が良いアクセントになっているとのことで、ラストに市販の天ぷら+甘さ控えめの金時豆の煮豆で自作されていました。結構近い味になったと描かれていたので我が家でも早速試してみるつもりです。

豆天玉©スケラッコ/リイド社

それと「天ぷら中華」が個人的にとても興味をそそられました。その名の通り、中華そばに天ぷらがどどん!とのっているのものなのですが、なんとぼくの実家の岐阜県で出会ったそうで。次回の帰省の際には是非とも立ち寄らねば...と今からワクワクしています。

天ぷら中華©スケラッコ/リイド社

絵の話も少しだけ。

スケラッコ先生はもともと漫画家さんでして、漫画・コミックエッセイ共に、独特のタッチと配色センス、自由なコマ割りが素晴らしいんです。

特にぼくが勉強させていただいているのは配色。川がメインの回では主線が濃い青でそれだけでも雰囲気が変わるのですが、色塗りが通常より少し薄めを使っていて、ものすごく清涼感たっぷりな雰囲気に仕上がっています。逆に、冬のおでん回では濃い茶色や黄色がベースとなっていて、重厚感、温かみが感じられるのにくどくない配色になっています。

川がメインの回©スケラッコ/リイド社

冬のおでん回©スケラッコ/リイド社

また、表現がとても豊か。うどんつゆを飲んだ時の「じっわ〜」「しみる〜」はとても暖かく自分がおつゆに浸っているイメージ。おもちの「のびるー」の勢いはとても可愛らしく、枠からはみ出るほどに手が伸びたり。

じっわ〜©スケラッコ/芳文社

のびるー©スケラッコ/芳文社

ぼくもたまにコミックエッセイのお仕事をいただく身なのですが、こんなふうに素敵に描けたら...とよく思います。


長々と語っていますが、本当はまだまだ話したいことばかり。この2冊をきっかけに、我が家ではすき焼きに「お麩」を入れるようになったし、あまり好きではなかった「お粥」が美味しいと思えるようになりました。

そして、夫婦共々めちゃくちゃインドアなのですが、「地方へ赴いて食べ歩きしてみたいね...」なんて話も。是非、皆さまで楽しんでみていただきたい書籍です。そして美味しく楽しい食事ライフが送れますように。

ぼく


ご紹介した本

しょうゆさしの食いしん本

『しょうゆさしの食いしん本』
スケラッコ  著(芳文社)

詳細はこちら

しょうゆさしの食いしん本スペシャル

『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』
スケラッコ  著(リイド社)

詳細はこちら


ぼく

めちゃ楽ンま〜なレシピを作るイラスト料理研究家。地元の菓子業界で4年半の修業の後、上京して何故かアニメ会社に就職。映画やアニメの背景を描くアニメーターとして勤務。2013年8月からTwitter上で公開したレシピイラストが話題となり、現在フォロワーが25万人を突破。著書となる「ぼくのレシピ」シリーズがベストセラーに。

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