離乳食を食べなかった息子、初めての巻き寿司

わが家の笑顔おすそわけ #15「子どもの料理」〜ぼくさんの場合〜

2021.05.28

我が家の長男は、離乳食を一切食べませんでした。なんとか食事をしてもらおうと、時には助産師さんの知恵も借りながらあれこれ努力をしてきたのですが、どうしても食べなかったのです。

「我が家に息子が生まれてくる」と出版社さんに伝わると、「次は幼児食の本を出しましょう!」とか、「息子くん、ぼくさんの離乳食が食べられていいなぁ〜」という声をよくかけられました。

「幼児食の出版は難しそう!でも、そんな日が来たら嬉しいですね!」と返事をして、明るい未来を想像していました。

しかし、現実は想像していたものとはかけ離れまくり!笑えるほどに食べない。10倍粥どころか麦茶すらガン拒否!手作りから市販まで、さまざまな食品を試すものの、唯一口にするのは「ミルク」だけ。

料理研究家の息子が離乳食を一切口にしない…そんなこと、思ってもみませんでした。「おしゃれな豆皿に乗せて写真を撮るんだ!」「レシピを書けたらいいな!」と、意気込んでいた日々よ。使われることのない豆皿とフリーザーパックが、虚しくキッチンに置かれていました。

そんな息子はひたすらミルクを飲んですくすく育ち、1歳半から保育園に通い出しました。

結局息子は離乳食は一切食べずに、いきなり柔らかめのバナナとクリームパンは食べられるようになっていたのですが、それが保育園で毎回出るわけもなく、あまりごはんを食べずに帰ってくる日がほとんどでした。

それでも、少しずついちごやスイカなど、食べられるものは増えていきました。

そんな彼のブームは、保育園から帰宅後に料理番組を見ること。1歳になる前から一緒に見始めたのですが、この頃には映像に合わせて調理のマネをしたり、完成すると拍手をしたりするようになっていました。

そんなに料理が好きなら…と、自分の古い携帯に幼児用の料理アプリをダウンロードして渡してみたところ、びっくりするほどの大ハマり!さまざまな食材を切ったり、焼いたり。特に巻き寿司がお気に入りで、ひたすら米を巻きまくっていました。

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その年の2月。節分の季節がやってきました。夫婦で「これだ!」と思い、息子と恵方巻きを作ってみることを計画。机にす巻きを置き、ごはん、のり、カニカマ…と材料を並べているうちに「見たことがある!」と興奮気味の息子が椅子をよじ登りはじめました。

彼にとっては初めての料理だったので、どうしていいのか分からず、ただソワソワしながら眺めていたのですが、「一緒にくるくるしようか!」と、後ろから手を添えると、パッと顔が明るくなり、料理アプリと同じ手順で巻き寿司を作りはじめました。

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カニカマ、マヨネーズ、かんぴょう、桜でんぶ……初めて見る食材に戸惑いながらも、上手にお米を広げて具材を包み、す巻きでキュッキュ!仕上がりはだいぶゆるめだったけれど、大満足で自ら拍手をする息子。

と、その途端、急に恵方巻きに大きな口でかぶりついたのです。予想していない出来事に夫婦でびっくり、そして後からじんわり感動。離乳食をすっ飛ばしてきたせいで、嚥下はだいぶ遅いけれど、ゆっくり完食してくれたのでした。

これをきっかけに、我が家では「息子が知っている料理を一緒に作る→食べる」の流れを大切にするようにしています。

昨日はお気に入りのパンケーキの動画をながしつつ、ホットプレートで一緒にパンケーキを焼いて食べました。

包丁で怪我をするかもしれない、フライパンで火傷をするかもしれない…という不安から、一緒に料理することを避けていたのが本当にもったいなかったな、と今は思っています。

これからも、一緒においしいものを作り、さまざまな食材の味を知ってもらい、すくすく成長していってほしいものです。

ぼく

めちゃ楽ンま〜なレシピを作るイラスト料理研究家。地元の菓子業界で4年半の修業の後、上京して何故かアニメ会社に就職。映画やアニメの背景を描くアニメーターとして勤務。2013年8月からTwitter上で公開したレシピイラストが話題となり、現在フォロワーが45万人を突破(2022年2月時点)。著書となる「ぼくのレシピ」シリーズがベストセラーに。

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