料理の音を楽しめるかどうかは心の余裕次第

わが家の笑顔おすそわけ #21「料理の音」〜河内瞬さんの場合〜

2021.11.26

料理は主夫である私にとって、一番重要な仕事と言っても過言ではありません。医食同源(日頃から身体に良い食事をして健康を保てば薬は必要ない)という言葉がある通り、家族の健康は日々の料理によって守られていると言えます。

そして料理と主フは切っても切れない関係であり、主フの日々は料理の音と共にあると言えるでしょう。

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さてそれでは、「子ども時代」「サラリーマン時代」「主夫になったばかりの頃」「現在」と、自分にとって「料理の音」がどう変化していったかを書いていきたいと思います。

まずは子ども時代から。

私の父親はよく料理をする人だったので、料理=主婦(母親)というイメージではありませんでした。料理をする音が聞こえてキッチンに行くと、母親が作っていることもあれば父親が作っていることもありました。

これは妻の両親も同様なのですが、友人達に聞くと「料理=母親」というイメージの人が多く、私たち夫婦の両親像は世代的には結構稀有なもののようです。両方ともそういう両親だったからこそ我が家は今、主夫家庭なのかもしれません。

いきなり脱線してしまいましたが、子ども時代の料理の音というと思い出す音が二つあります。「ジュー」という炒める音や揚げる音と、「トントン」という食材を切る音です。

ジューという音が聞こえるたび、「今日の夕食は何?」と聞きに行ったものです。キッチンに行けば、音に加えて美味しそうな匂いも漂っていて食欲を刺激され、よく味見をさせてもらいました。

料理中に「味見をしたい」と言われるのは、料理が楽しみということなので嬉しい反面、忙しい時に言われると素直に喜べないことも多々ありますよね…。毎回、嫌な顔をせず応じてくれた両親には今更ながら感謝です。

もう一つの、食材を切るトントンという音。主夫になって大分経ちますが…いまだに親と同じ速度では切ることができません。というか、そのビジョンがまったく見えないと言った方が良いでしょうか。そのくらい、両親の「トントン音」が早かったのです。

ただ最近は楽しく料理を作ることができており、あと5年くらいしたら親と同じ域に至ることができるかもしれない、とも思うので、ちょっと本気でがんばってみようかと思います。

実を言えば親子関係が良かったとは言い切れない子ども時代でしたので、その頃の私にとって料理の音とは、「親とのコミュニケーションのサイン」だったのかもしれません。

サラリーマン時代は、料理を作るのが親から妻になり、自分も休日などに作るようになりました。

当時の私にとって料理の音とは、「家に帰ってきた」と実感する音でした。仕事が終わって帰る連絡をし、自分が家に着くころに合わせて妻が料理を作ってくれることが多かったので、料理の音=帰宅したと実感してほっとする、という感じでしたね。

仕事で疲れ、さらに空腹の中帰宅するので、料理の音が食欲をダイレクトに刺激し、妻の作る料理がよりおいしく感じられたのだと思います。

妻のおかげで帰宅後温かい料理を食べることができたわけですが、主夫になった今、これがどれだけ大変かを知りました。

一方、私が休日に料理を作ることも多かったので、そういう意味では料理の音=「オフ」だったとも言えます。

料理を作っていると子ども達が寄って来て「味見をしたい」とよく言われたので、子ども時代と立場は変わりましたが、この頃も料理の音が「親子のコミュニケーションのサイン」だったのだと思います。

この頃は料理を作るのは休日くらいで趣味みたいなものだったので、料理を楽しむ余裕もありましたし、子どもの相手をしながら料理を作る余裕もありましたから。

そして主夫になってからは、料理の音を奏でるのが主に私となりました。

主夫になる選択をしたとき、それまでも休日などに料理を作っていた私は、毎日料理を作るのも大したことではないと思っていました。しかしその考えが甘かったと認識するのにかかった時間は、たったの1週間。主夫になってたった7日で、私は主夫になったことを後悔したのでした…。

週末の夕方に趣味で作る料理と、朝昼晩の三食(または朝晩の二食)を毎日作るのとでは、労力も疲労度も何もかもが全然違います。それを身をもって理解したわけです。

ですので主夫になったばかりの頃の私にとって料理の音とは、家族のために料理を作る楽しい音でありながら、どこか聞きたくない音でもありました。何事も不慣れな時期は、楽しむ余裕などないということですね。

主夫7年目の現在、今の私にとって料理の音とは日常の音であり、妻や子ども達が料理を作っている音を聞くとソワソワしてきます。料理を苦痛に感じることもほぼなくなりました。

「ほぼ」としたのはたまに時間に追われながら料理を作ることもあり、この時は料理を楽しむ余裕がないからです。

でも、自分が料理の音を立てていると、何というか安心します。これはいつもと変わらない日常を送っている証拠だからでしょう。

今では料理の音で焼き加減などを計ったりするので、集中できる音でもあります。主夫になった当初、この音を若干苦手に感じていたのが嘘のようです。

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終わりに、気分の上がる料理の音と下がる料理の音の話。

一番好きな音は、やはり肉を焼いたりするときの「ジュー」という音ですね。完成を想像させてくれるので楽しくなります。

次に好きな音は、キャベツなど固めの野菜を切った時の「ザクッ」という音。何というか爽快感があり好きです。

一方で苦手な音は、魚などの身を切るときの音です。あれは何回聞いても慣れないので、基本的に魚を買うときは、切らなくて良いように切り身にしています(笑)。

以上、料理の音についてでした。料理の音を楽しむことができるように、これからも時間に余裕をもって料理を作っていきたいですね。

河内瞬

サラリーマンを10年経験した後、主夫に転身。主夫になって初めて知った家事育児のことをSNSに投稿している。書籍『主婦をサラリーマンにたとえたら想像以上にヤバくなった件』発売中!

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