おしえて!牛乳の人!!牛一頭からどれくらいの牛乳が出るんですか? 〜牧場編〜
食べものにまつわる、こどもたちの「なぜ?」「どうして?」。おうちの方もよく聞かれるのではないでしょうか。そこで、こどもたちからのお手紙を片手に、しゃしん絵本作家のキッチンミノルさんに、実際に工場やお店の方に疑問の答えを聞いてきていただきました!写真と動画で、楽しくリポートします。社会科見学に出かけたつもりで、ぜひお子さんといっしょに楽しんでくださいね!
キッチンミノルさんは今回、東京都に住む小学5年生の楓さんから「牛一頭からどれくらいの牛乳が出るの?」というお手紙を持って、北海道別海町に向かいました。
編集部に楓さんからお手紙が届きました。
こんにちは。
ぼくは、牛乳そのものも好きだし、主にチーズなどの乳製品などが好きです。ぼくは一頭の牛からどれぐらい牛乳ができるのか、また、その中からどれぐらいの量が加工されるのか気になりました。
また、乳用牛はどんなえさを食べ、どれくらい食べているのか気になったので教えてください。
工場ではどのように殺菌をしているのか、そして、どのように製品になるのか気になりました。
これからもおいしい牛乳を楽しみにしています。
楓より
さっそく編集部はキッチンさんに連絡です。
![編集部](./../uploads/ic_staff.png)
「キッチンさ〜ん!楓さんからお手紙が届きました。今回は牛乳とチーズです」
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
「どれどれ…うんうん、なるほど、うん、なるほど。素敵な疑問ですね!任せてください!!なぜならこう見えても僕はしゃしん絵本『たいせつなぎゅうにゅう』を出版したことがあるので、酪農のお友達が多いんです。連絡してみますね!」
![編集部](./../uploads/ic_staff.png)
「よろしくお願いします!」
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
「ガッテン承知でぇい!!」
編集注)
『たいせつなぎゅうにゅう』
https://www.amazon.co.jp/たいせつなぎゅうにゅう-コドモエのえほん-キッチンミノル/dp/4592762924
キッチンさんは絵本を撮影した、北海道別海町の町役場に電話しました。
別海町町役場
「キッチンさんこんにちは」
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
「こんにちは!子どもからカクカクシカジカというお手紙が届きました!疑問を解決できる場所を見学させていただけませんでしょうか?」
別海町町役場
「もちろんです!!すぐに来てください。」
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
「ガッテン承知でぇい!!!」
ビュ〜〜〜ンッ〜〜〜!キッチンさんは電話を切るやいなや、風のように去っていきました。
編集注)
別海町
https://betsukai.jp/sightseeing/
別海町観光協会
https://betsukai-kanko.jp
東京から一日一便の飛行機に乗って中標津空港へ。そこから車で約30分かけて、人よりも牛の方が多い町、別海町に向かいます。
車で走っていると、道路の左右に牛うしウシ!牛が牧草地でのんびり過ごしている風景が広がります。
「牛横断注意」の看板も!!
テンションが上がりますね。今回取材させていただく別海町酪農研修牧場まで後少し。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
あっ、門脇芳則牧場長!!こんにちは。お待たせしました。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
キッチンさん。こんにちは〜。ようこそいらっしゃいました。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ここに来るまでにたくさん牛がいてテンション上がりました〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
ここは日本一生乳(製品になる前の牛乳)を生産している町なんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
日本一!いい響きですね〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
この町だけで日本の6%の生乳を生産しているんですよ。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
すごいですね。この町だけで!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
はい!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
だけど、なんでここ別海町がそんなに酪農が盛んになったのですか?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
ここ別海町は北海道でも東に位置して、海には寒流の千島海流が流れているので、年間を通して気温が低く、農作物が育たなかったんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
そういえば町を走っていても牧場はあるけど畑が全然なかったかも。農作物が育たなかったら酪農が盛んに?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうなんです。農作物が育たない別海町を、昭和8年に国が酪農に特化した町にしようと決めたんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
国が!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうです。それから昭和31年に世界銀行からお金を借りて重機で土地を開墾したことによって、ここは日本一の酪農の町になっていったんです。
牛乳を出すホルスタイン牛が寒冷な気候が大好きだったことも別海町の気候にあっていたんだね。ホルスタインは気温が20℃を越えると元気がなくなるほどなんだ。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
寒すぎて農作物はできなかったけど、酪農に特化することで……日本一!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう。夏でも30℃を超えることはほとんどなく、冬は時に−25℃にもなるこの別海町が、いまでは農業生産高全国第三位なんですよ。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
すごい!!農作物ができなくても諦めなかった、先人の気合いを感じます。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうなんです。でもここ近年は、高齢化などが原因で酪農家の数が減ってきてしまっています。そこで、ここは新たに酪農家になりたい人が勉強するための牧場になっているんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
だから研修牧場!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうです。
ちょうど午後の仕事が始まったところなので見にいきましょう!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
はい!!ぜひぜひ〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
牛舎の中に入る前に、くつを消毒しましょうね。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
清潔は大事ですもんね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう!清潔第一です!!
牛乳は食品なので、なによりもまず清潔なんです!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
はいっ!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
まずはお腹のすいた牛たちにえさを与えます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
いきなり、お手紙の答えですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
はい。見てください。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
えさの主になるのは牧草地で育てている牧草です。
ここの牧場では、クローバーとチモシーという牧草を育てています。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
牧草と一口で言っても、種類があるんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうです。もっと多くの種類を育てる牧場もあります。
うちではこれに、発酵トウモロコシを混ぜています。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
えさは牧場によって違うんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
違います。その牧場がどんな牛乳を出荷したいかで、えさも変わります。
牧草は春と秋に収穫して、ラップに包んで発酵させて一年間食べられるようにして保存します。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
発酵させるんですか?そういえば酸っぱい匂いがする。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうなんです。これを多い牛で一日50kg。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ご、50kg!!!?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
あはは、でもこの草だけでは栄養がかたよってしまうので、配合飼料として乾燥トウモロコシやふすまを与えます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ふすま?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
小麦から小麦粉を作るときに出る、外皮の部分です。お米を精米するときに出るヌカみたいなものです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
なるほど!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
これを、牛一頭で一日15kg。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
えええ〜〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
合わせて65kgも食べるんです!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ろ、65キロ!!!大人一人分ですよ!!!!!ひゃ〜〜〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
それにプラスして、100ℓの水も飲むんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
100ℓ!!!!!!桁が違いすぎて想像できない。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
これが水飲み場
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
ここを牛が鼻で押すと水が出る仕組みです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
おお〜出てる出てる!きれいな水ですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
よくぞ気付いてくれました!!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
あっ、は、はい。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
この水は、日本一位、世界でも第二位の透明度を誇ると言われる摩周湖の伏流水なんです。
酪農には、きれいな水が大量に必要なんです。この水の恵みがあったことも別海町が日本一の酪農の町になった要因の一つでもあるんですよ。
摩周湖の伏流水を牛に飲ませるために別海町の上水道は整備されていて、別海町民も同じ水を飲んでいます。おいしいですよ〜
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
なるほど。そうかぁ、たくさんえさを食べるには、たくさんの水が必要になる。酪農も水が大事なんですね。広い大地と、ホルスタイン牛に合った気候と、豊かな水かぁ。日本一になるには理由があるんですね。そして別海町では牛も人間も同じおいしい水を飲んでいるのかぁ。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そして、牛はたくさんえさを食べるので、たくさんのうんこやおしっこがでます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
うんこ!うんこうんこ〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
え〜と、キ、キッチンさん。落ち着いてくださいね。……糞尿をそのままにしておくと牛が病気になってしまうので掃除も大切なんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
清潔第一!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう!えさを与えたら糞尿の掃除です。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
溝に糞尿を落としているんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
いいところを見つけますね〜
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
エへへへ
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
牛の糞尿は発酵させて肥料にして牧草地にまくんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ここでも発酵!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
発酵させることにより、悪い菌を死滅させることができます。広い牧草地があることで、全てを無駄にしないんです。
掃除が終わったらいよいよ搾乳です。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
よっ、待ってました!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
シーッ!牛舎では大きな声はださないこと。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
す、すみません。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そして、急に動いたりも禁物。牛は繊細な動物なんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
はい、わかりました(小声)
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
搾乳が始まりましたよ。
菌が牛乳に入らないように消毒を二回、そのあとにきれいな布で乳をふいてから搾乳機をつけるんです。見ていてくださいね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
大量のきれいな布は乳をふくためなんですね。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
しっかり消毒して搾乳するんですね。これを一頭一頭。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
はい。研修牧場では、よりきれいで衛生的な牧場を目指しているんです。搾乳手順を明確にして、乳をふく布を毎回変える。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
だからあんなにたくさんの白い布が必要なのか。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうです。うちは独自の高い衛生基準を設けて作業しています。おいしくて安全な、最高品質の牛乳を目指しています。手間はかかりますが…
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ていねいに作業されているのが、見ていてよくわかりました。牛乳パックになっていると想像しにくいですが、これを毎日続けていくのは大変ですね。毎日この作業をすることによって、僕らは毎日牛乳が当たり前のように飲めるんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
わかってくれてありがとうございます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
いえいえ、こちらこそありがとうございますです。
ちなみに一頭の牛から牛乳は一日どれくらいしぼれるのですか?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
朝と夕の搾乳でだいたい30kgです。牛乳パック30本分くらいかな。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
すごい!一回で牛乳パック15本分がしぼれるということですね。毎日?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうなんです。相手は動物なので、今日は少なくしておこうとか、増やそうというような調整はできません。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
だから新型コロナの影響で人が飲む量が減ってしまうと…
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
せっかくしぼった牛乳を捨てることになる。だけど牛も牛乳をしぼられないと病気になってしまいます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
こんなに丁寧に大切にしぼった牛乳が捨てられる…
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
だからぜひみなさんにはたくさん牛乳を飲んでもらえるとうれしいです。
そして、もうひとつ大事なこと。牛乳は元々、子牛のためのもの。それを人間が分けてもらっているということです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
分けてもらっている!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうです。当たり前だけど、忘れやすいことなんですが、牛乳は子牛を産まないと出ないんです。人間と同じですよね。同じほ乳類ですから。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
そうか。牛も人間も同じほ乳類!同じ仕組みなんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そうなんです。隣の牛舎に行ってみましょう!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
かわいい〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
二日前に生まれたばかりです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
生まれたばっかり!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
親牛は子牛を産むと牛乳を出すようになりますが、初乳は通常の牛乳よりも濃くて黄色い牛乳なんです。この初乳を子牛に与えると子牛の免疫力が高くなるので、子牛にとっても牛乳は大切なんですね。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
初乳を飲むことで免疫力アップ!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう。
また、生まれてから24ヶ月までは、草を長く切った牧草を与えるようにしているんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
確かに、さっき見せてもらった牧草よりもせんいが長いです。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
牛には四つの胃があるんですが、成長期に消化に時間のかかる長い牧草を与えることで、第一の胃が大きくなるようにしているんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
胃を大きくしている?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう。胃を大きくすることで、その牛はたくさんえさを食べられるようになるんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
一日65kg!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう、たくさん食べればその分たくさんの牛乳を出すようになるんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
なるほど!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そして牛乳を出すようになった牛には、牧草を短く切って消化しやすいえさを与えるようにしていきます。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
消化のいいえさをたくさん食べてたくさんの牛乳を出せるようになる!!
えさの長さまで考えられているんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
それだけじゃないんです。牧草を収穫する時期だって大事なんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
収穫時期?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
牧草は春と秋に収穫するんですが、今日みたいに雨が降ったら収穫しません。なぜだかわかりますか?
左がクローバー、右がチモシー
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
う〜ん。風邪ひいちゃうから?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
ちがいます。雨が降っていると、牧草の栄養が雨に流れてしまうからなんです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
栄養が!溶ける!?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そう、せっかく牧草を収穫しても、それに栄養がなかったら、おいしい牛乳が出ないでしょ。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
量を食べればいいってもんじゃないんですね!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
人間だってバランスのいい食事が健康な体を作るのと一緒ですね。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
おいしい牛乳はバランスの取れた食事からかぁ〜当たり前のことだけど大切なことだなぁ。自分の食事も考えちゃうなぁ〜
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そんな時にはぜひ栄養満点の牛乳を!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
ハイッ!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
晴れていたら、あそこに積んである黒い塊みたいに、牧草をラップで包んで中で発酵させ、長期保存ができるようにしています。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
時々牧場に転がっていてなんだろうなぁと思っていたんですが、牧草をまとめたものだったんですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
そろそろ片付けの時間だからまた牛舎に行ってみましょう!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
片付け!清潔第一!!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
アハハ、そう、そうの通り!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
お湯が熱そうですね。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
70℃のお湯で洗浄します!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
な、70℃!?熱くないんですか?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
普通に、熱いです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
いやいやそんなさらっと。
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
しかも、搾乳後は毎回、先にアルカリ洗剤で洗浄し、その後、酸性洗剤で洗浄しています。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
それはどうしてですか?
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
アルカリ性の洗剤に強い菌と、酸性の洗剤に強い菌、その両方を洗い流すためです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
洗剤まで使い分けているなんて……
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
最後は、牛が過ごすベットに消毒のために石灰をまいて、もみがらをまいたら午後の仕事はおわりです。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
衛生に気をつけて、牛と人間が協力して牛乳ができていることがよくわかりました。
牛ののんびりしている風景の奥に、こんなにもち密な仕事があるなんて。すごい!!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
この他にも、牛乳を加工する人、運ぶ人などたくさんの人が関わって皆さんの手元に牛乳が届いているんです。ぜひ大切に牛乳を飲んでくださいね。
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
はい、ありがとうございました!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
ほら、窓の外を見て!
![キッチンミノル](./../uploads/ic_kitchen.png)
あっ!
![門脇場長](./../uploads/ic_kadowaki.png)
天然記念物のツルが静かになった牧場にやってきてましたね。
今日しぼった牛乳がどうなるのか。工場見学も楽しいですよ。
コラム)別海町研修牧場 研修生 上野淳さん
左から 上野淳さん 恵さん
研修生になって2年目になります。再来年の4月に卒業予定です。前職は青森県職員で畜産に関連した仕事をしていました。昔から動物が好きで畜産に関わる仕事をしているうちに自分ならこうしたいという思いが強くなって酪農家になろうと思いました。
朝は4時に牛舎に来て牛のベット掃除と搾乳の準備から始まります。それが終わると80頭の搾乳です。そして掃除して6:30頃に一旦、仕事を終わらせて子どもを保育園へ送っていきます。8:30から子牛や育成舎の掃除や水やりなどをして10:30にお昼休憩です。時には12時からえさや牛の病気、経営についての授業があります。15時からまた朝と同じようにベットの掃除と搾乳があります。また他の研修生と交代で夜の見回りをしています。
子牛の世話は楽しいですね。ミルクをやっていると顔を覚えてくれるんです。子牛から育てていた牛が牛乳を出すようになると嬉しいです。実は牛は体調管理が難しいんです。プロの酪農家さんは少しの変化を早めに見つけて対処されるんでしょうが、まだまだ難しいです。
冷たい牛乳をグイッと飲むのが好きですね。牛乳出しコーヒーというのもおいしいですよ。牛乳にコーヒーの粉を入れて1日おいて、フレンチプレスで粉を取って飲むんです。牛たちもがんばって牛乳をだしているし、私たちも自分の子どもに飲ませるつもりでいつもしぼっているのでぜひたくさん飲んでくださいね。
お返事のお手紙
楓くんへ
いつも牛乳を飲んでくれてありがとう。
別海町は、生乳生産日本一の町で、一つの町で全国6%の生乳を生産しています。
牛乳(生乳)は、農家の人が朝早く起きて、大変な思いをしてしぼっているものです。
この牧場の牛は、3種類の牧草と飼料用トウモロコシを発酵させたえさを50kg、トウモロコシなど配合飼料を15kgを毎日食べています。水も一日100ℓを飲みます。
このようにたくさん食べると、1頭の牛から一日30kg、年間10トンの牛乳がしぼれます。
牛乳は飲み物だけじゃなく、バターやチーズになる魔法の液体です。それを運ぶ人、加工する人など、多くの人が関わって出来ています。コロナで外出の機会が減ってしまって、牛乳が余ってしまっているので、楓くんや楓くんのお友達も、この美味しい牛乳をたくさん飲んでください。
牛さんも喜ぶと思います。
有限会社 別海町酪農研修牧場 牧場長より
門脇芳則
「届け!お手紙!キッチンミノルのおうちで社会科見学」では、子どもたちからのお手紙を募集しています!
キッチンミノルさんに行ってもらいたい、食を扱うお店や工場に、お手紙を書いてみませんか?
知りたいこと、前から不思議に思っていたこと、聞いてみたいこと…。どんなことでも大丈夫です!
応募は、アイスム公式LINEよりご連絡をお願いいたします。
LINEトーク画面より「おうちで社会科見学」と送信の上、お子様のお名前(ニックネームなどでも可)と年齢をお送りください。