予約が取れない広島の名店の味を、お取り寄せで!

こどもと行ける、旅ごはん。 #5 広島

FAMILY
2020.06.22

今回は広島編。普段はなかなか子連れではいけない名店の味が、お取り寄せで楽しめるようになったそう!例えばお誕生日や結婚記念日…、特別な日をこんな「おうちレストラン」でお祝いするのもいいかもしれませんね!


実力派シェフが作るお店の味で、「おうちレストラン」を楽しむ
ーーAKAI

世界遺産、厳島神社のある宮島へ渡る船の乗り場がある宮島口。そこから線路に沿って10分ほど住宅地を歩き、大きくカーブした小道を登ると、涼やかな新緑に囲まれた古民家が。風に揺れる竹林が気持ちよくて、思わず深呼吸したくなります。

img_tabigohan_005-01.jpg

2019年5月にオープンした「AKAI」は、築80年の古民家を再生したレストラン。目立つ看板もない隠れ家的な立地に加え、昼・夜共に完全予約制で10,000円(税抜)のコースのみという潔い営業スタイルです。

…そう聞くと、どうしても敷居の高さを感じてしまいがちですが、靴を脱いで上がった先で迎えてくれたオーナーシェフ赤井さんの柔らかな笑顔に、緊張していた心もすぐにほどけていきます。

img_tabigohan_005-02.jpg

わざわざでも足を運びたいと、常に県内外からの予約でいっぱいのこちらのお店。でもこの状況の中、休業せざるをえない状況になったことをきっかけに(6月より短縮営業で再開)、かねてから「お家で過ごす人たちの食の時間をしあわせな時間にしたい」と準備を進めていた真空冷凍料理の通信販売を始動しました。

img_tabigohan_005-03.jpg
ハヤシソース(税込1,800円・2人前)、クラムチャウダー(税込1,500円・2人前)など。単品のみの販売。購入は店舗HPへ。

でもそのおかげで、通常はコース料理をいただける年齢になるまでの子ども連れはNG(6名以上の貸し切りの場合のみ対応可)というお店の味を、子どもも一緒におうちで楽しむことができるように!

「お店で提供できるものとは全く違うのでもちろん不安もありましたが、素材を活かした料理を届けるという想いは同じだなと気付きました。」と赤井さん。

img_tabigohan_005-04.jpg

完成したネットショップは、商品をアップすると同時に完売してしまうほど。それもそのはずです。国産和牛のバラ肉やスネ肉をオーブン調理し、飴色のタマネギやたっぷりの赤ワインと共に煮込んだハヤシソース(税込1,800円・2人前)、宮島のあさりをふんだんに使ったクラムチャウダー(税込1,500円・2人前)など、素材も手間も惜しまず贅沢に作られた料理の数々は、我が家でも子どもたちを含めたみんなが素直に「おいしい…!」と口をそろえる絶品ばかり。

普段、子連れでは行けない名店の味を自宅で味わえる喜びといったら。

ほろほろ口の中で溶ける柔らかいハヤシソースのお肉は、争奪戦になるほどの人気でした。

img_tabigohan_005-05.jpg

マッシュポテト付きの和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み(税込4,500円・2人前)はペンネを添えて食べるのがおすすめ。

たっぷりのバターを使って仕上げた鶏のレバーペースト(600円・1瓶)はカリッと焼いたバゲットと一緒に。

img_tabigohan_005-06.jpg

また、鶏もも肉のトマト煮込み(1,400円・2人前)は「おかわりないの?」と子どもたちに迫られるほど大好評!今回はパスタソースとして使いましたが、グラタンなどにアレンジもできるようで、アレンジレシピはAKAIのInstagramでも公開されています。

10分湯煎するだけでこんなにも豊かなお家レストランになるなんて。リピーターが多いのにも納得です。

img_tabigohan_005-07.jpg

ちなみにお店は、席はキッチンとフラットになったL字のカウンターにゆったりと8席のみ(しばらくは4席のみでの営業)。

「出来立ての一番良い状態でお料理を提供することを考えて、カウンターのみにしています。」

シンプルで無駄のない空間は、赤井さんの作る料理にも繋がります。料理が始まると一瞬にして眼光が鋭くなり、その食材の一番おいしい状態を見極めながら腕を振るう。赤井さんの言葉を借りると、それはまるで「食材と対話」しているかのようです。

「生産者の方と直接やりとりをして届けてもらっている大切な食材の、自分が感じた輝きを届けたい。だからお客様の口の中に入るその瞬間までを考えて火入れや調理をしています。」魚も肉も野菜も、素材そのものが持つ魅力を最大限に活かした一皿一皿は、命をいただいていることを感じずにはいられない、人間の根源に訴える深い味わいです。

「フレンチとカテゴライズされることも多いけど、僕はフレンチだとは思っていないんです。昆布などの和の素材もソースに取り入れますし、食材はできるだけ広島や近郊で採れるものにこだわっています。」

「街中ではなく、こんな場所でお店を始めたこともあって、自信家だと思われがちですが、自信なんてまったくないんですよ(笑)」と赤井さん。

でも実際に、国内やパリでの修行を経て、2017年に日本最大級の若手料理人コンペティション「REDーU35」でグランプリを獲得した経歴も持つ、全国的に注目される料理人のお一人です。

img_tabigohan_005-08.jpg

レストランは6月から短縮営業で再開しています。

今はまだ子どもが小さいのでお店に伺うことは難しいですが、子どもがコース料理を堪能できる年齢になったら、そして、夫婦二人旅ができる頃になったら…。お料理のラストに、食材と向き合う緊張感から解放されて表情の和らいだ赤井さんが、自ら豆を挽いて珈琲を淹れてくれる時間までゆっくり楽しみたい、と心から思わせてくれる、そんなお店です。

「デザート」に焼き菓子はいかが!ーー焼菓子店粉麦

広島市内から車を走らせること30分。山道を上がった先に焼菓子店「粉麦」はあります。築100年以上の古民家で、家具屋「musica furniture」を営むご主人と共にオーダー家具と焼き菓子のお店をオープンし今年で5年目。国産小麦やきび砂糖など身体にやさしい素材を使って日々丁寧に作る女性店主・松本さんの焼き菓子は、噛めば噛むほど素材の味が感じられる素朴な味わい。

img_tabigohan_005-09.jpg

「毎日食べても飽きのこない、大人も子どもも安心して食べてもらえるおやつ作りを大切にしています。」

外出自粛要請を機に始めた焼き菓子便は、ザクザクとした食感が楽しいクッキーや発酵バターの香りが広がるフィナンシェなど10種類の詰め合わせ。中にはバターや卵不使用の焼き菓子もあるので、アレルギーを持つ子どもたちも喜んで食べられます。

配送の難しい、店頭でしか購入できない焼き菓子もあるので、広島への旅が実現した際にはぜひ足を伸ばして欲しい一軒です。緑豊かな庭のスペースでは購入した焼き菓子と共に宮島の「伊都岐珈琲」の豆を使用した珈琲も味わえますよ。

img_tabigohan_005-10.jpg
焼き菓子便 3,240円(税込・送料別)詳細は店舗Instagramへ。焼き菓子便は6月末で一旦終了しますが、クール便にて対応可能の場合があるので店舗にお問い合わせを。

店舗情報

AKAI
アカイ
広島県廿日市市宮島口4丁目3ー41
070-2662-1329
営業時間(2部制) 12:00〜、19:00〜
定休日 火、水、木、金曜(6月のみ)
Instagram @akai.hiroshima

焼菓子店 粉麦
コナムギ
広島県広島市安佐南区沼田町吉山246-2
営業時間 11:00〜16:00
定休日 月、火曜
Instagram @konamugi

この記事をシェアする
アイスム座談会