料理の楽しさを教えてくれたのは、
義理の両親と夫の幼馴染だった

となりのおうちの「1週間ごはん」 #1

2020.03.23

家族が喜ぶ定番料理を作った日、コンビニのおかずとお味噌汁ですませた日、時間をかけてことこと食材を煮込んだ日、外食でパーッと楽しんだ日……1週間のなかには、さまざまなごはんの日があるはずです。気合を入れた料理でなくても、手作りにこだわらなくても、家族の笑顔があればそれでいい。そんな、家庭のリアルな1週間のごはんを覗かせてもらうシリーズが「となりのおうちの『1週間ごはん』」です。第1回に登場するのは、一児の母でラジオパーソナリティの川島葵さん。葵さん、会食の多い夫・テツオ、そして離乳食期の息子さん、3人の食卓にはどのような料理が並ぶのでしょうか。そして葵さんに、料理の楽しさを教えてくれた存在とは。

川島葵さん

ラジオパーソナリティ。愛知県出身。東京の大学に進学した後、東海ラジオ放送に就職し、愛知県に戻る。大学で同級生だったテツオ氏と27歳で結婚。愛知と東京の遠距離婚の後、東京に移住。2019年4月に第一子誕生。フリーランスでラジオパーソナリティを続けながら、子育てをしている。好きな食べ物はチョコ、脂っこい料理。

生協って、なんて便利なんだろう

—− 今回は川島葵さんに、1週間の夕飯の写真を用意してもらいました。

川島葵さんの1週間のごはん

あんまり凝った料理でもないので、ちょっと恥ずかしいんですけど……。

—− いえいえ、いつもどおりのごはんを見せてもらいたいんです。まずは月曜日ですね。


月曜日

自分:昨日作った豆乳鍋、冷凍ブロッコリー、生協の冷凍ほうれん草シュウマイ

こども:豆腐、カブ

テツオ:会食


—− テツオというのは川島さんのパートナーですね。

そうです。テツオは仕事柄、会食が多いんですよ。

—− 葵さんは豆乳鍋と冷凍ブロッコリー、シュウマイ。ブロッコリーはどういう味付けにしてるんですか?

ごまドレッシングをかけています。ほんと、冷凍食品って助かるなあと。ブロッコリーも、シュウマイもレンジでチンするだけです。子どもと二人で食べる晩ごはんのテーマが、「片手で食べられる」なんですよ。子どもに食べさせながら、自分も食べたいので(笑)。

—− あ、だから、わりとどれも一口サイズになっているんですね。

そうなんです。汁物はちょっと難しいですけど、それ以外はブロッコリーもシュウマイも、つまめば食べられる大きさにしてあります。


「ままはいつも、ぼくにごはんをたべさせながらじぶんもつまんでいます。おいしそうです。」


火曜日

自分:しめじと厚揚げのみぞれ煮、十和田バラ焼き、ご飯、味噌汁、りんご、チーズ、チョコ

こども:りんご、じゃがいも

テツオ:会食


しめじと厚揚げのみぞれ煮、十和田バラ焼き、どちらも生協の料理キットを活用して作りました。みぞれ煮はしめじを買ってきて混ぜるだけ。十和田バラ焼きっていうのは、青森のご当地グルメみたいで、こういうのも注文できます。

—− 何を頼むか考えるの、楽しそうですね。生協はいつから使い始めたんですか?

妊娠してからなので、1年ちょっと前くらいからです。こんなに便利だなんて知りませんでした。今は本当に生協に頼りまくり。

あと、この1週間では使いませんでしたが、UberEatsもけっこう使います。おかずを1、2品頼んで、サラダを家で作る、みたいな感じで。


うわさをしていたら、本当に生協さんがいらっしゃいました…!(笑)

—− 外部サービスをうまく活用されていますね。あの、夕飯にチョコというのは?

あ、写真に入ってないけれど、この日食べたんです。チョコ大好きなんですよ。勝手な想像なんですけど、食後にデザートとして食べるより、食事と一緒に食べちゃったほうがカロリーが抑えられるんじゃないかと思って……。

—− 謎の理論(笑)。夕食の一部感を出す、と。

そうしたらセーフなんじゃないかと。何がセーフなのかよくわかりませんが(笑)。

—− お子さんはりんごとじゃがいも。

今は離乳食の初期、中期半々くらいで、この日がりんごデビューでした。


「りにゅうしょくにちょうせんちゅうです。」


水曜日

大人:カレーライス、味噌汁、きゅうりの浅漬け、うめぼし、デザート

こども:母乳


—− 水曜日は具沢山カレー。カレーと梅干しという組み合わせ、おもしろいですね。

梅干しは、冷蔵庫にあったのでついでに(笑)。

—− 福神漬じゃないけどいいか、と(笑)。この日はテツオさんも一緒に食べたんですか?

いえ、遅くに帰ってきて、別々に食べました。テツオは夜、白米などの炭水化物を食べないんですよ。だから、カレーもキャベツの千切りを買ってきて、それにかけたりしてました。

ひとりの時は、食べたいものを作って食べる


木曜日

葵:カレーチーズリゾット、トマト、きゅうり

子ども:おかゆ、かぶ


木曜日

テツオ:鶏肉の炒め物、きゅうり、うめぼし、ブロッコリー、納豆、たこわさ、味噌汁


—− 木曜日、葵さんとテツオさんは別々のものを食べてますね。

食べるタイミングも別だったんです。私はもう前日から、とにかくカレーチーズリゾットが食べたくて。これを作るためにカレーを残しておいたといっても過言ではありません。とろけるチーズをかける時、すっごくテンション上がりました。

その後、テツオが帰って来る頃に少し時間があって、もう1品、鶏肉の炒め物を作りました。

—− テツオさんは夜遅くにお米食べないのであれば、リゾット食べられないですもんね。

そうなんです。で、テツオはお酒もつまみも好きなので、たこわさなどを買ってきて、晩酌しながら食べてましたね。


金曜日

葵:クリームシチュー、ご飯、りんご、チーズ、チョコ

子ども:豆腐、かぶ、りんご

テツオ:会食


—− テツオさんはまた会食。

一緒に食べられなくて寂しい気持ちもありますけど、楽ですね。やっぱり自分一人に向けて作るごはんと、誰かに対して作るごはんは違うので。毎日ちゃんと作らなきゃいけないと思うと、おそろしくて震えます(笑)。

—− 一人だと、自分の食べたいもの食べられますしね。このクリームシチューごはんも、すごく「やりたいことをやった」という感じがします。

あはは、シチューの中にどぼんとごはん入れるのって、夢ですよね。洗い物も少なくなりますし。この日は、鶏肉、にんじん、ブロッコリーと丁度いい具材が揃っていたこともあり、クリームシチューにしました。


土曜日

大人:クリームシチュー、アヒージョ、牛プルコギ、鮭、パン、りんご、つまみ、デザート、ご飯、納豆、ワイン、ノンアルコール飲料

子ども:お粥、ほうれん草


—− そして週末がやってきました。

土日は、早めにごはんを食べて、早めに寝ることが多いんです。夕食を、16時くらいから食べ始めることもあります。それで20時には寝ちゃう。

—− 想像したよりも早かった。そして週末らしく、豪華ですね。

クリームシチューは昨日の残り。アヒージョは生協の、オリーブオイルを入れて煮るだけの食材キット。牛プルコギは、セブンイレブンでテツオが買ってきました。テツオは出来合いのものをあまり食べないんですけど、こういうコンビニの新商品を1品だけ買ってきて食べるのは好きみたいです。プルコギ、おいしかったですね。

—− お試しで楽しむ、という気持ちなんでしょうね。写真に食パンがあるけれど、別でご飯と納豆も食べたんですか?

全部食べたあと、一旦食欲が静まったんですけど、その後ごはん炊いちゃって。

—− 締めの白米……!

炊きたてのごはんに納豆かけて食べるのって、おいしいですよね。テツオも「んまぁ〜い!」と『美味しんぼ』の真似をしながら食べてました。


日曜日

大人:和風鍋、牛カルビ、ご飯、つまみ、ウイスキー(テツオ)

子ども:お粥


—− 和風鍋、というざっくりした名前がいいですね。

料理名をつけるほどでもない、醤油系のだしでいろいろ煮た鍋だったんですよね。家にある野菜をわーっと入れて。牛カルビは、コンビニで買ってきたものです。

何でも手作りする義実家。夫婦で台所に立つ姿に憧れた

—− 食べるのが好きなご夫婦だということが伝わってくる1週間ごはんでした。テツオさんも料理をされるんですか?

時間があるときは作ります。ちゃちゃっと作るのが得意なんですよ。例えば「今からパスタ作るけど食べる?」と聞いてくれて、クリームパスタを作ってくれたり。しかもおいしいんです。

—− いいですねえ。

テツオの実家って、お義父さんとお義母さん、どちらもお料理するんです。一緒に台所に立って、おしゃべりしながらすごく楽しそうに食事の用意をしている。こういう夫婦になれたらいいなと憧れます。

しかも、何でも家で作るんですよ。味噌などの調味料も、ヨーグルトも手作り。


テツオさんのご実家から贈られた、離乳食のおかゆを作るための土鍋。「最初のおかゆは土鍋で炊きました!最近は、炊飯器です!(笑)」と、葵さん。

そういう家で育った人と結婚するのって、最初はけっこうプレッシャーだったんです。「こんなのも作れないの?」とか言われちゃうんじゃないか、と。でも、テツオは「実家の環境が当たり前ではない」という考えをちゃんともっていて。

—− すばらしい!

しかも、私が作るのってそんな凝った料理じゃないのに、毎回ちゃんと「おいしい」って言ってくれるんです。で、「何がおいしい?」と聞くと「あったかくておいしい〜」と答えるんですよ(笑)。

—− 味ではなく温度(笑)。あったかいものは心が満たされますよね。

料理上手な夫の幼馴染との、幸せな3人暮らし

—− 結婚されて何年になるんですか?

10年目に入ります。テツオは大学の同級生で、卒業して数年後に結婚しました。最初の3年は愛知と東京で離れて暮らしていて、私が東京に引っ越してそこから4年はふたり暮らし。そのあと、テツオの幼馴染のタカノくんと3人で暮らしていて……。


突然のタカノくん登場に、取材チーム一同動揺。

—− ちょ、ちょっと待ってください。夫の友人と3人暮らしって、成り立つんですか? 

タカノくんも同じ大学で、私とも友達だったんですよ。タカノくんはずっと彼女と同棲していたのですが、振られてしまって。それを機に落語家を目指すことにしたので、無職になったんですよね。で、お金もないし、一緒に住んだらいいんじゃないか、という話になりまして。

—− 怒涛の展開ですね。

タカノくんはものすごく料理上手なんです。しかも無職だから、私達が仕事に行っている間に、手の込んだ料理をつくって待っていてくれるんですよ。野菜で出汁をとったスープとか、何時間も煮込んだほろほろの煮豚とか。常備菜的なものもよく作っていました。クリスマスにはローストチキンを焼いてくれたなあ。

—− それはいいですね!

料理が心の底から好きで、黙々と、実験のようにおいしくなるようレシピを改良していくんですよね。そんなタカノくんの姿から、料理って純粋に楽しいものなんだ、ということを教えてもらいました。あの2年間は本当に良かったなあ。

—− 私もタカノくんと一緒に暮らしてみたくなりました(笑)。

タカノくんはその2年の間に就職し、今は外資系の会社の社長をしています。今年の4月に子どもが生まれてから、「タカノくんがいれば……」と何度も思いましたけど、もうあの日々は戻ってこないんですよね。

生活スタイルによって、食べたい料理は変わる

—− では、葵さんとテツオさんのお二人が好きな料理ってなんですか?

パッと思いついたのは、具だくさんみそ汁かな。全然特別な料理じゃないんですけど、テツオがスープ系のものが好きなんですよ。私も愛知県出身だから、味噌味の料理が好きだし、野菜がいっぱいとれるのがいいなと。

—− と、お話していたら、テツオさんが帰ってきました。こんにちは。お邪魔しています。

テツオ:こんにちは。

葵:てっちゃん、うちでよく食べるものってなんだろう。

テツオ:おかずだと味玉かなあ。

ご飯系だとカレーかな。あと、冬によく作ってくれる鍋もいいですね。

—− 何でも作ってくれるご実家だったとうかがいました。

テツオ:魚も1匹買ってきてさばいてたし、何でも作ってくれたけど、おいしいものはいろいろあるから、実家が正解というわけではないと思っています。また、子どもの頃は、家で食べるごはんがほぼすべてだけど、今は会食などで外で食べることも多い。そうなると、家のごはんは胃をやすめるような、シンプルでやさしいものがいいなと思うんですよ。だから、鍋やスープを作ってくれるのがうれしいです。

—− 生活スタイルによっても、食べたいごはんは変わりますよね。楽しそうな食卓の様子をおすそ分けしていただき、ありがとうございました!

崎谷実穂

札幌生まれ。2012年、ライターとして独立。現在はビジネス、教育関連の記事や書籍のライティングを中心に活動。著書に『ネットの高校、はじめました。新設校「N高」の教育革命』、『Twitter カンバセーション・マーケティング』、共著に『混ぜる教育』。構成協力に『発達障害を生きる』(NHKスペシャル取材班編)など。食に興味があり、ホームパーティ料理を習う連載を担当していたことも。料理をするのも外食するのも好き。
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撮影:村上未知