農産物直売所と庭で野菜を調達。郊外の小さな一軒家で、母と子は楽しく暮らす

となりのおうちの「1週間ごはん」#8

2021.05.14

普通の家庭のリアルな1週間のごはんを紹介するシリーズ「となりのおうちの1週間ごはん」。今回のご家庭は、まきこさん、はやとくん、まどかちゃんの3人家族です。住んでいるのは、梅やチューリップなど季節の花が咲く庭を備えた、ロフト付きの平屋。4年前、昔から住んでいた大きな家を、まきこさんの希望を叶えてコンパクトに建て替えたそうです。犬や猫、爬虫類、魚たちなどの生き物と、にぎやかに暮らしています。「道の駅」や「農産物直売所」で買った新鮮な野菜で作るごはんは、お子さんには時々「不評」なこともあると言いますが、とってもおいしそう。取材した日も、食卓には楽しそうな声があふれていました。(取材は3月末におこないました)

まきこさん、はやとくん、まどかちゃん、いわいちゃん(犬)、よるちゃん(猫)

まきこさん、はやとくん、まどかちゃん、いわいちゃん(犬)、よるちゃん(猫)

インフラ系の会社に勤める、お酒と辛いものが好きな母・まきこさん、料理ができるしっかりものの兄・はやとくん、甘くてふわふわしたものが好きなまどかちゃん、の3人家族。はやとくんとまどかちゃんはとても仲良し。いわいちゃんは元保護犬で、とても人懐こく穏やかな性格。(よるちゃんはインタビュー時は布団に潜って出てきてくれませんでしたが、家族写真の時に出てきてくれました。)

大好評なときと、不評なときの差が激しい

山端家の1週間ごはん

——では用意していただいたメモをもとに、月曜日の夕食からうかがっていきます。


月曜日

ワンタン麺、ほうれん草のおひたし、冷奴


まきこ この日は、子どもたちのラーメン食べたいというリクエストに応えつつ、私が食べたかったワンタンを組み合わせて、ワンタン麺にしました。まどか、おぼえてる? ママだけ辛い味にして、ワンタン麺作った日のこと。

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まどか うん、おいしかった。

まきこ まどかはラーメン屋さんに行くのが好きなんですけど、お店はしょっちゅう行けないので、家で作ろうと思いまして。ワンタンの中身は、鶏ひき肉と豆腐と新玉ねぎ……いや、長ねぎだったかな。

——何らかのねぎが入っているわけですね(笑)。ラーメン部分は?

まきこ 即席麺です。マルちゃん正麺だったと思います。まどかは味噌味が好きなんだよね。

まどか 味噌も醤油も好き〜。

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おうちには、まきこさんの好きな本がたくさん

——この日はメモに「人生を呪いながら出社」と書かれていましたが、何かあったのでしょうか……?

まきこ もともとテレワーク予定だったのが、出社しなきゃいけなくなって。しかも行ったら行ったで忙しくて、わりと遅く帰るはめになりました。

——うう、それはつらい。


火曜日

春巻き(大好評)、鮭とほうれん草のクリームスープ(不評)、甘夏


まきこ この日は前から残業するとわかっていたので、シッターさんを頼んでおいたんです。で、前日の夜に夕飯を用意しておいて、キッチンで写真を撮りました。

——なるほど。この写真は食卓に並ぶ前、ということですね。春巻きは大好評だったと。

まきこ 子どもたちのために8本揚げておいたら、ほとんど残ってませんでした。一方、鮭とほうれん草のクリームスープはたくさん残ってました。私はおいしいと思ったけど、不評でしたね。ねえ、このときの鮭とほうれん草のクリームスープ、何が嫌だった?

まどか なんか、味が嫌だった〜。鮭はおいしかった。

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まきこ クリームスープにしたのがダメだったかな。

はやと そう、クリームスープがなんかあんまり。

——クリームスープの味、苦手なの? 子どもは好きな味かと思ったのに。

はやと・まどか えへへへ。

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まきこ 何が好評で何が不評か、もうだいたいわかるんですけど、たまに「これは絶対食べないだろうな」と予想したものに対して「これ好き!」と反応することもあるので、一応、試しにいろいろな味を出しておくようにしているんです。口に合わなければ、ひとくち食べて終わりにしていいよ、というルールにしてます。

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インタビュー中もくつろぐいわいちゃん

庭で育てている青菜や薬味を採ってきて食べる


水曜日

ちらし寿司(マグロ漬け、鮭はらす、オータムポエム)、なめこ汁、桜餅、いちご大福


まきこ この日はひな祭りのごはんですね。テレワークだったので、昼のうちに近所の魚屋さんにマグロと鮭ハラスを買いに行きました。はまぐりを買おうかと思ったけれど、高かったし、子どもたちがそんなに好きじゃないので、なめこ汁にしました。改めて見てみたら、ちらし寿司しかひな祭り要素がない(笑)。でも、実家から届いた桜餅といちご大福が、お祭り感を出してくれているかも。

——オータムポエムってなんですか?

まきこ 品種名はアスパラ菜、というらしいんですけど、見た目が菜の花に似ている野菜です。菜の花って、アブラナ科の野菜のつぼみや若葉のところを摘み取ったものなんですよね。オータムポエムは、その「菜の花」部分だけのような野菜で、苦味がなく食べやすいんです。それを、裏の家庭菜園で息子が育ててくれてるんですよ。

——へええ! すごい。オータムポエム以外も育ててるんですか?

はやと うん、えっと、ほうれん草とか小松菜とかにんにくとかねぎとか。

——食べられるくらいまで育ってる?

はやと うん、食べられるよ。ママ、オータムポエムとってきていい?

まきこ うん、見せてあげなよ。

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野菜を採りにいくはやとくん

はやと はい、これ。小松菜の上の方と、ねぎ。オータムポエムは昨日食べちゃったからなかった。

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——少しだけ青ねぎが欲しいとき、ある……! 家で青菜や薬味がとれるの、いいですねえ。


木曜日

白ごはん、サバの照り焼き、春菊のオイル蒸し、山芋のグラタン(豆腐、せり)、冬瓜とねぎのごまスープ


はやと・まどか これ、おいしかった!!!

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この日のランチはカレー。おいしそうな香りが漂っていました

——わあ、写真見て盛り上がってる。何がおいしかったの?

はやと グラタン。

まきこ 納豆のたれで豆腐に味付けして、その上にすりおろした大和芋をのせて、チーズをちょっとかけて焼くんです。大和芋は粘りが強く、焼くと固まるんですよね。豆腐部分にせりを入れるのですが、まどかは食べられないので、端に配置してせりのない部分を作ってます。あとは、ふるさと納税の返礼品で手に入れたサバの照り焼きと、冬瓜とねぎのごまスープ。

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——あと、春菊のオイル蒸しですね。

まきこ 私、青菜が大好きで、買い物に行くとものすごい量を買っちゃうんですよ。春菊と菜の花2種類、それと子どもたちも食べる小松菜、ほうれん草で、5束くらい買います。しかも、うちがよく行く産直だと一束が大きくて、ギュッと入っている。買うときは勢いで思わずたくさん買うけれど、家に帰ると「これ食べきれるかな……」と我に返ります(笑)。毎日オイル蒸しにしたり、昼ごはんとして会社に持っていったりして食べています。

——青菜、毎食食べたいですよね。あのー、「産直」ってなんですか?

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まきこ なんと、産直をご存じないとは(笑)。農産物直売所は田舎によくある、JAが運営している地域の農作物や畜産物を扱うスーパーみたいなお店です。うちの買い物は、基本的に道の駅と産直で成り立っています。このあたりは埼玉県だけれど、千葉県、茨城県、栃木県にも近いので、それぞれの産直に行くとその地域の食材が手に入るんです。野菜だけでなく、埼玉県幸手の合鴨や茨城県のローズポークなどお肉も売ってます。

——旬の野菜が潤沢な環境なんですね!

冷凍餃子にチャーハン。計画外の残業デーは夕飯をなんとかしてもらう


金曜日

はやと・まどか→味の素の冷凍ギョーザ、ごはん


金曜日

まきこ→セブン-イレブンの麻婆豆腐焼きそば、岩下の新生姜


まきこ この日は、出社したら計画外に残業しなきゃいけなくなった日ですね。かなり遅くなりそうとわかった時点で、二人に「とにかく生き延びて」と伝えてなんとかしてもらいました。普段は娘が学童に行くのでお迎えが必要なんですけど、この日はたまたまゲームがしたいとかで、二人で家にいたんですよね。それがよかった。息子が冷凍餃子を焼いて、写真も撮ってくれました。

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キッチンに立つのも慣れた様子のはやとくん

——すごい!!

まきこ はやとはけっこう舌が敏感で、自分で料理を作りたがるんですよ。夏休みなんかは、「冷蔵庫にある材料で適当に作って」というと、チャレンジしてくれたりします。dancyuのチャーハン特集の冊子を参考にして、レタスと卵のチャーハンを作ったり。

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——基本のチャーハンだ。

まきこ 最近は味の素の餃子が好きみたいで、そればっかり食べてます。だから無くなる前にストックを買って、3、4袋が冷凍庫に入っているようにしてますね。

私はセブンで麻婆豆腐焼きそばを買って、紅生姜が好きなので岩下の新生姜も買って、チューハイを飲みながら食べました。まあ、明日は土曜日だしゆっくりしようと。テレビを見ながら、子どもたちとじゃがりこやチーズケーキも食べましたね。


土曜日

ピェンロー鍋、ブロッコリーの炊き込みごはん、菜の花オイル蒸し、蕪菜の炒めもの、トマトキムチ、あん肝ソテー


まきこ 土日は基本的に家にいるので、食べたいものをいろいろ作るようにしてます。だから品数が多いですね。

——ピェンロー鍋が入っているのは、BRUNOのホットプレートでしょうか?

まきこ そうです。土日はだいたいこれを食卓に出しっぱなしにして、朝はホットケーキとソーセージと目玉焼きを焼いて、夜はお好み焼きを焼いて、みたいな感じで使うんです。ピェンロー鍋は、私は白菜をメインに食べて、子どもたちは豚肉と春雨ばかり食べていました。

ブロッコリーの炊き込みごはんは、まどかに大好評で、5杯くらいおかわりしていました。トマトのキムチとあん肝ソテーは私のおつまみ、と思って作ったんですけど、あん肝ソテーが予想外に子どもたちに好評で。

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はやと 「あんきも」って何?

まきこ この、ちょっとしょっぱくて、ねっとりした感じのやつ。

はやと あー、あのうまいやつ!

まどか うん、おいしかったねえ。

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——あん肝が大好評とは……! 本当に、何がウケるかわからないですね。

今食べられなくても、いつか食べるかも。好き嫌いは問題ない


日曜日

ハンバーガー(ミニハンバーグ、目玉焼き、千切りキャベツ、アボカド、チーズソース、トマト、ピーマン、パイナップル、いちご、りんごスライス、イングリッシュマフィン)、フライドポテト、トマトの味噌汁(不評)


まきこ 子どもたちが、ハンバーガーが食べたい、マックが食べたい、と言うので、「じゃあおうちでハンバーガー作ろうか」と用意したごはんです。

——わあ、これは楽しそう。

はやと このときさ、チーズソースが変になっちゃったよね。

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まきこ 全然なめらかじゃない、分離しちゃったチーズソースができました(笑)。この日はこのハンバーガーをやるために、スーパーに行ったんですよ。そうしたら、普段行く産直や道の駅にはないものがいっぱいあるから、みんなでテンション上がってしまって。パイナップルやアボカドなんて、絶対産直に売ってないから。

——輸入が主な作物(笑)。トマトのお味噌汁は不評だったんですか。

まきこ いやーもう子どもたちには全然合わなかったみたいですね。私はおいしかったです。

——まきこさんのおうちでは、食事を大人用と子ども用で分けたりはしないんですね。

まきこ 基本的には、私が食べたいものを作るようにしている、という感じです。まどかは「これは嫌」と言って食べたがらない料理もあるんですけど、はやとが「出していればいつか食べるかもしれないから、出し続けなよ」と言ったことがあって、いったん全部一緒に出すようにしています。

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——なんてしっかりしたお兄ちゃん。さっきも、「これおいしくない」と言ったまどかちゃんに対して、「おいしくない、はあんまりよくない」と諭していたのを聞きました。

まきこ はやとはそういうとき、「ちょっと口に合わない」って言います(笑)。あと、子どもたちはとにかくお米、白いごはんが好きですね。まどかは、特定の有機栽培の農家さんが作った新米を、香りだけで「これ、○○さんとこのごはんでしょ」って当てるんです(笑)。

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取材日は春休み中だったため、ごきげんでマニキュアを塗るまどかちゃん

——お米が好きすぎて特殊能力が……!(笑) このお宅もとてもすてきですね。いろいろ、まきこさんの希望を反映して造ってあるのでしょうか。

まきこ そうですね。ここはもともと実家の近くで、独身時代に祖父母と私で住んでいたんです。で、結婚したタイミングで購入し、離婚する際にローンごと私が引き取る形で所有することになりました。それで、はやとが小学校に入る年に建て替えたんです。この春で丸4年経ちました。

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———和室にハンモックがあるのがいいですね。これはもともとハンモックを吊るそうとして設計してるんですよね?

まきこ はい。ハンモック、いいですよ。めっちゃ活用してます。昼寝などゆっくりするときにも使うし、座ってテレビを見たりもします。ブランコみたいにして子どもたちの遊具として使うことも。すごく快適なんですよね。

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3人で住むのに十分な大きさにしようと思って、前の家よりだいぶ小さく、ロフト付きの平屋に建て替えました。もっと先のことを考えたら、いずれ私が一人で住むことになるわけですし。

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この家で、楽しくおいしく歳を重ねていきたいです。ボーッとしている間にうっかり歳をとっていた、みたいな老後に憧れます。

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崎谷実穂

札幌生まれ。2012年、ライターとして独立。現在はビジネス、教育関連の記事や書籍のライティングを中心に活動。著書に『ネットの高校、はじめました。新設校「N高」の教育革命』、『Twitter カンバセーション・マーケティング』、共著に『混ぜる教育』。構成協力に『発達障害を生きる』(NHKスペシャル取材班編)など。食に興味があり、ホームパーティ料理を習う連載を担当していたことも。料理をするのも外食するのも好き。
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撮影:村上未知

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