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家族でお出かけ!お弁当は、大きいのを分け合う?一人一個?

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」 #39

FAMILY
2023.06.19

過ごしやすい季節になりました。お天気の良い日にはお弁当を持って、どこかへお出かけしたくなりますね。

読者の皆様は、家族で出かけるとき、どんなお弁当にしますか?
大きなお弁当箱に、家族みんなのおかずを詰める派?
それとも、一人ずつお弁当箱に詰める派?
好きなおにぎりやお惣菜を買っていくのも、ワイワイ楽しいですよね!

ひとくちに「お弁当」といっても、そのスタイルはさまざま。
今日は、そんな「お弁当」のお話です。

大きなお弁当箱で作ってくれた母

私が子どもの頃、休日になると、父が家族をさまざまなところに連れて行ってくれました。春はれんげ畑、夏には海水浴、秋には山に行って、冬にはソリ遊び。

走りまわって遊んだ後は、お腹もペコペコ。
「お弁当食べようか!」父の合図でレジャーシートに腰をおろし、お弁当を囲みます。

母が作ってくれるのは、決まって大きなタッパーのお弁当でした。
おかずのタッパーには卵焼き、キャベツ炒め、ウインナーが定番。あとは、その日によってさまざまなおかずが加わります。
おにぎりのタッパーには、海苔を巻いていない裸のおにぎりがズラリ。
「海苔はパリパリの方がおいしいやろ。」と海苔を別に添えて、食べるときに巻くのが母流でした。
最後は、デザートのタッパー。旬のフルーツや一口ゼリーが入っています。
母が作ってくれるお弁当はどれもおいしくて、大好きでした。

ある日のこと。仲良しご家族とれんげ畑へ行ったとき、そのおうちは一人一個のお弁当箱で食べ始めたのです。

「家族全員が、一人一個のお弁当!?」

家族で食べるときは、大きなお弁当箱にわさ〜っと人数分を詰めたものしか知らなかった私は、衝撃でした。そして、すごく羨ましくなりました。

「お母さん。私も一人一個のお弁当箱で食べたい!」
「大きなお弁当箱で、みんなで食べた方がおいしいやん。」

そう言って、母は取り合ってくれませんでした。作る側の都合もあるし、子どもの要望をすべて聞くわけにはいかないので、今となっては理解できますが(笑)。

しかし願いというものは、叶わなければ叶わないほど、その思いが膨らむものです。
いつしか「一人一個のお弁当箱を持って、家族で出かけたい」という、小さな夢が生まれました。

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念願叶って、一人一個のお弁当!

40歳で結婚、41歳で娘を授かり、娘がすくすく育つと、両親がしてくれたように、休みを見つけては家族でお弁当を持って出かけるようになりました。

娘が小さいうちは一人一個のお弁当箱とはいきませんでしたが、保育園に上がるようになると、ようやくそれが叶いました!

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手前が娘のお弁当、奥二つが夫と私のお弁当

念願の、一人一個のお弁当箱を持って、家族でお出かけ!
お昼になり、「お弁当食べようか!」という夫の合図でレジャーシートを敷き、お弁当を囲みます。

「はい。これは、お父さんのお弁当。」
「はい。これは、せりちゃんのお弁当。」

それぞれのお腹のサイズに合わせたお弁当を手渡します。
家族みんなが、自分の分を膝の上に乗せて食べるお弁当。

「おいしいから全部食べちゃった!」
「せりちゃん、えらいね〜!」

私は、何度も憧れたこのシチュエーションに大満足でした!

…ところが、です。

やっぱり、大きなお弁当箱もええやんか〜!

昨年4月、仲良し家族と市民公園へ遊びに行った時のこと。
お昼になってレジャーシートを敷き、お弁当をひろげました。

我が家はこれまで通り、一人一個のお弁当。
一方、お友達は大きなお弁当箱でした。

「はい。取り皿よ。」
母親が手渡し、家族が大きなお弁当箱を囲みます。

「ママ、唐揚げ食べたい!」
「はいどうぞ。」
「トマトも入れて!」
「あら!トマトも食べて、えらいね!」

一つのお弁当箱を通して会話が弾みます。
まるで家族で鍋を囲んでいるような、素敵な光景!
隣を見ると、娘は一人でお弁当箱を抱え、もぐもぐ食べていました。

これを見た瞬間、

「お母さぁ〜ん!やっぱり家族は、大きなお弁当箱の方がいいわぁ〜!!!」

心の中で叫びました。

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いやぁ。離れてみて、初めて気づくことって、あるものですね。
「大きなお弁当箱を、家族みんなでつっつきたい!」
単純な私は、早速ファミリーサイズのお弁当箱を探しました。

今はかわいいファミリー弁当箱があるのですね。大きさも色もデザインもさまざま。迷いに迷って、購入したのがこちら。

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たっぷり入ってふたが取り皿にもなる!しかもカトラリーや保冷剤も入る専用バッグ付き!

購入してから忙しくて時間がありませんでしたが、先日ようやく水族館へ、お弁当を持って出かけることになりました。

数日前からワクワクの私。こんなに大きなお弁当箱に詰めるのは初めてなので、ちょっとドキドキ。前日から、頭の中はお弁当のことばかり考えていました(笑)。

そしてついに…!

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ファミリー弁当!!!完成!!!!!!!!

いやあ、お弁当箱が大きいから、入るわ入るわ!
スペースが余りすぎて、予定にはなかったうずら卵まで詰め込んでしまいました(笑)。

おかず、おにぎり、デザートと、三つに分けたお弁当。
母が作ってくれた、あのお弁当と同じ、家族で分け合うお弁当です!

大きなお弁当箱を持って、いざ出発!

誰よりもワクワクしながら家を出た私ですが、この日はあいにくの雨。
そうです。雨の休日の水族館。つまり、めちゃめちゃ混んでる〜!!!
ということで、お昼になっても飲食スペースが空かず。しかもイルカショーの時刻に合わせると、順番待ちもできず。仕方なく早めにイルカショーエリアに行き、ベンチで食べることになりました。

すると…

ベンチに横並びで座ったものだから、まずお弁当を囲めない。
しかもテーブルがないので、真ん中の人がお弁当を持つ役をするしかない。(→私)
私がひたすらお弁当箱を持ち、その左隣で夫が娘におかずを取り分けるも、夫もスペースがないので取り分けるたびに持っていたおにぎりをバッグに戻さなくてはなりません。ようやくおかずを取って娘に渡そうとするが、遠いので何度もこぼしそうになる。その上、強風でバッグに置いたおにぎりの袋が飛びそうになる。

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「…今日みたいな日は、一人一個のお弁当の方が良かったね。」

みんなで苦笑い。
二人が食べ終えてから私がササッと残りを食べ、てんやわんやのお弁当タイムが終わりました。
まぁ、これも良い思い出。

さぁ!次こそは、広い芝生の上で家族三人、大きなお弁当箱を囲むぞ〜っ!

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イラスト:あきばさやか
撮影:曽我美芽
ヘアメイク:岩川えり

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