韓国が恋しくなる「チーズチムタク」――菅野莉央さんのおうちごはん

きのう何作った?

PEOPLE
2022.06.10

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韓国への留学経験がある、女優の菅野莉央さん。外食文化が盛んな韓国では、現地の人たちの「食への情熱」を肌で感じたそう。菅野さんが好きな「チーズチムタク(鶏の甘辛煮)」を調理していただきながら、ご自身の食へのこだわりを伺いました。

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お話を伺った人:菅野莉央さん

1993年生まれ。埼玉県出身。2歳から子役として活動をスタートし、5歳で『校長がかわれば学校が変わる』(TBS系)でドラマ初出演。2002年、8歳で『仄暗い水の底から』で映画デビュー。女優として活動を続けながら法政大学に進学、さらに韓国の延世大学校に留学し、韓国語と英語を習得。2022年6月10日に公開される映画『わたし達はおとな』(加藤拓也監督)に出演。

留学から帰ってもつい食べたくなる韓国料理

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ーー学生時代、韓国に留学経験がある菅野さん。韓国料理は今でもよくご自宅でも作られますか?

そうですね。ナムルが手に入りやすいので、ビビンバはよく食べています。今日ご紹介するチムタク(鶏の甘辛煮)は、あんまり日本の韓国料理屋さんにはないメニューなので、自分で作ることが多いです。特にチーズチムタクは留学中にはまって、友達とよく食べていました。

ーー留学中は、なるべく現地の食文化に触れていこうとしていたんですか?

はい。韓国は外食が多い文化なので、友達といろいろなカフェに行ったり、スンドゥブ屋さんやキンパ屋さんを開拓していました。韓国は日本よりもデリバリーの文化が根付いているんです。漢江(はんがん)という大きな川があるんですけど、そこでピクニックをしてる人が多くて。川沿いでも「ここら辺にいます」と伝えると、デリバリーをちゃんと届けてくれるんですよ。「そんなことあるんだ!」と、とても驚きました。

ーーすごいですね。日本ではなかなか難しそうですよね。

鍋ごとデリバリーしてくれることもあって、びっくりしました。

ーー韓国の食文化に触れて、どんなところに違いやおもしろさを感じましたか?

みなさん、日本人より食に対する熱量がすごいなと感じました。ハードな働き方をしている方が多いからかもしれませんが、食でストレス解消をしている方がとても多い印象です。会社の同僚たちとの飲み会が、頻繁に開催されていたり。毎週金曜日は街の至る所で、みんなワイワイ飲んでいました。

ーー確かに、韓国のドラマの中でも飲み会のシーンが多いですよね。

ですよね。会社のみならず、大学もそうだったんですが、ことあるごとに飲み会があります。「会社の同僚も、みんな家族」というような感覚があるのかもしれません。

菅野さんが夢中になったという簡単「チーズチムタク」レシピをご紹介

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ーー菅野さんが自炊を習慣化したのは、いつ頃からですか?

私は実家で過ごした時間が長くて、母を手伝うことはあったんですけど、家ではあまり料理をしなかったんです。一人暮らしをするようになってから、自炊が増えたと思います。

特に、外出できない期間に韓国料理を自炊することが増えました。以前は年に4回も韓国に行っていたので、寂しいなぁと思って。おうちでできる簡単なメニューを中心に韓国料理を作るようになりました。

今日は撮影のために、調味料なども事前にスタッフさんが計量してくださっていますが…普段は洗い物をいかに出さないかということを気にしているので、調味料は計ったら、そのまま鍋に入れてしまうタイプです(笑)。

ーーコチュジャンや豆板醤といった韓国料理系の調味料も、たくさん揃えているんでしょうか?

はい。ただ、今回ご紹介するチムタクは、本当は粉とうがらしと水飴で作るらしいんです。けど、コチュジャンの原材料を見たら水飴が入っていたので、「代用できる!」と思って。今回は、手軽なコチュジャンを使っています。

ーーすごい!ちゃんと原材料を見て、判断されているんですね。あるもので工夫しようという姿勢が、素敵です。

やっぱり、めずらしい調味料は一人だと使いきれなくて。余らせてしまうことが多いので、なるべくあるもので作ろうと心がけています。

ちなみに、本場のチムタクは、「タンミョン」と呼ばれる韓国の春雨を入れることも多いんです。それだけでも結構ボリュームが出ます。トッポギもジャガイモも入っているので、食べ過ぎかなと思って、あえてタンミョンは抜いたレシピにしました。

菅野莉央さんの「チーズチムタク」


材料(2人分)

  • 鶏もも肉…250g
  • じゃがいも…1個
  • にんじん…1/3本
  • 玉ねぎ…1/2個
  • 長ねぎ…適量
  • トッポギ…80g
  • シュレッドチーズ…適量
  • たれ
  • コチュジャン…大さじ2
  • 醤油…大さじ2
  • 酒…大さじ2
  • みりん…大さじ2
  • 砂糖…大さじ2弱
  • ごま油…大さじ2
  • 生姜チューブ…4cmくらい
  • にんにく…1〜2片
  • 水…250cc

作り方

1. お肉は一口大、野菜類は煮えやすいように薄めにカット。
2. フライパンに〈たれ〉の材料をすべて投入して中火にかける。
3. トッポギとシュレッドチーズ以外の具材をすべて投入し、約10分くらい煮込む。
4. トッポギとチーズを加えて、溶けてきたら完成。

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ーー今回ご紹介いただいたチーズチムタクは、どういうところからレシピの着想を得たんでしょう?

韓国の料理研究家の方が登場するYouTubeや、韓国の人気YouTuberのplanDさんのVlogを参考にしました。チムタクの「チム」は、ハングルで「蒸す」という意味。日本でいうと、肉じゃがのようなポジションの料理です。

調理のポイントは野菜を薄く切ること。立体的に切ると煮込む時間が長くなって、辛くなり過ぎてしまうんです。

ーー調理時間短縮も意識されているんですね。普段から、韓国のYouTubeやVlogは字幕なしでご覧になるんですか?

はい。韓国語が耳だけで分かるかどうか、頑張って字幕を出さないようにして観ています。家にいる時は、いつも何かしら韓国のコンテンツに触れていますね。生活の中で楽しみながら語学勉強をしています。

ーー韓国料理はどういう時に召し上がることが多いですか?

ちょっと疲れた時は、辛い韓国料理が食べたいなと思います。私は韓国ドラマが好きでよく観るんですけど、ドラマを見ながらとか。韓国ドラマは食事のシーンが多いので、つい食べたくなっちゃうんです(笑)。

一人暮らしだからこそ、作り置きや冷凍で工夫も

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ーー韓国料理は野菜もたっぷりで、香辛料も入っているので、ヘルシーな印象があります。韓国留学中、菅野さんが「これ、よかった!」と思ったメニューはありますか。

韓国は、やっぱりキムチが本当においしかったです。発酵食品を食べていたら、ちょっと肌質が良くなった気がしました。もともと納豆や豆腐などの発酵食品が好きで、普段の食事に足して、積極的にとっているんです。

ーーおうちで自炊する時は、品数も多めに作りますか?

いや、全然(笑)!品数は、そんなに多くないですね。それこそ洗い物を増やしたくないので、ワンプレートにしたり、ごはんの上におかずを乗せて丼にしたりしています。家にいられる時はほぼ毎日自炊で、作り置きや冷凍をしながら調整しています。一人暮らしだと、パッと簡単にできるメニューを選びがちなんです。時間がかかりすぎると、料理が億劫に感じてしまうので。

ーー冷凍庫には、どんなものを常備していますか?

味噌豚とかですね。ごはんのおかずになりそうなものをストックしておいたり、ねぎなどの野菜は買ったら切って冷凍しておいたりします。

食材を買いにいく頻度も、ある程度まとめて買い溜めしています。最近、家の近くにあるレストランが、マルシェのように野菜をバラ売りしていることを知ったので、活用しています。スーパーだと大袋で売られていることが多くて、「一人で玉ねぎを三つも消費しきれないな」と思っていたので、助かっています。

ーーちなみに菅野さん、お酒はお好きですか?

はい。何でも好きですね。ワインを飲みたいなと思ったら、パスタ系の献立を考えたり、ビールが飲みたいなと思ったら、チキンを作ったりしています。普段は和食が基本なんですが、飲みたい気分の時は、お酒にあわせて献立を考えているかもしれないです。

ーー韓国のお酒で、チャミスルやマッコリなども飲みますか?

私、ソジュ(韓国焼酎)をそのまま飲むのが苦手で。焼酎をビールで割る「爆弾酒」といういかつい飲み方があるんですけど、それが好きです。韓国留学中に、友達に「これが爆弾酒だよ、飲んでみなよ」って教えてもらって。飲んでみたら、意外と飲めちゃいました(笑)。

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ピノは1日2個まで 「我慢できた自分を褒めます」

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ーーごはんを作る気が起きない時の食事は、どうされていますか?

冷凍ものや惣菜で済ませちゃいますね。もしくは、お味噌汁だけ。お味噌汁と言っても、豆腐や油揚げなど、その時に余っていたものを使ったものです。「無理して作るぐらいなら、いっそ食べなくてもいいかな」と思って、そのまま寝てしまう日もあります。

ーー逆に「今日はいっぱい食べるぞ!」という日はありますか?

あります、あります。韓国の甘辛チキンがすごく好きなので、一緒に韓国に留学していた友達と「そろそろチキン行く?」みたいなノリで、がっつり食べる時がありますね。

私、我慢しすぎるのはストレスに感じてしまうので、割と食べたいものを食べているんです。撮影の前日に炭水化物を控えたり、撮影が続いて食事の偏りが気になる時は朝にきゅうりを食べたり、食物繊維の多いお茶を持参したり。バランスは意識しています。

ーーうまく調整されているんですね。菅野さんの冷蔵庫のスタメン食材は?

絶対あるのは、卵、納豆、豆腐、豆乳。あと、鶏肉とシャケは冷凍して保存しています。

ーーついつい買っちゃうものはありますか?

ピノの24個入りの大箱ですね。バニラ、アーモンド、チョコの3種類の味がありますが、1日2個だけ、組み合わせを変えて食べるようにしています。「ピノを2個で我慢した自分、えらい!」と、自分で褒めるようにしています(笑)。

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梅雨の時期こそ、チヂミを作りたくなる

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ーーおうちで料理をしている瞬間は、菅野さんにとってどんな時間ですか?

素になれる、リラックスできる時間ですね。もともと、ドラマや映画の撮影中もそんなに役を引きずるわけではなくて、現場を出れば「通常モード」になれるんです。でも、疲れて撮影から帰ってきて、好きな韓国ドラマを見ながら、韓国料理を作って、食べていると、仕事モードから自然と切り替えられる気がします。

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ーー今後、挑戦してみたい料理があれば教えてください。

梅雨シーズンはチヂミを食べたいです!韓国では、チヂミは雨の日に食べたくなるものなんですよ。雨が降るザーザーという音と、鉄板でチヂミを焼く音が似ているからだそうです。

日本で食べるチヂミは、ニラなどいろいろ入っている一枚の大きなチヂミを想像すると思うんですけど、韓国では「ズッキーニのチヂミ」など、いろいろな種類があるんですよね。今度、作ってみたいなと思います。

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トップス:¥20,500、パンツ:¥28,000(me ISSEY MIYAKE)/お問い合わせ先:ISSEY MIYAKE INC. 03-5454-1705
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取材・編集:小沢あや(ピース株式会社)
構成:五月女菜穂
撮影:小原聡太
ヘアメイク:木内真奈美(Otie)
スタイリスト:九(Yolken)