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家族が食べてくれることが料理のモチベーションーー吉木りささんのおうちごはん

きのう何作った?

PEOPLE
2023.05.15

今回お話を伺ったのは、タレントとして活躍する傍ら、2児の母として家事や育児にも奮闘する吉木りささん。グローバルボーイズグループ・INIの髙塚大夢さんのファンであることも公言していて、料理の合間に推し活も楽しまれているのだとか。お子さんの食育との向き合い方やお気に入りのスーパー、推し活の楽しみ方まで幅広くお話を伺いました。

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お話を伺った人:吉木りささん

1987年生まれ。千葉県出身。タレント、俳優、グラビア、歌手など幅広く活動。2017年に俳優の和田正人さんと結婚。2019年に第1子、2022年に第2子を出産。RKB毎日放送『コモンセンス〜常識を疑え〜』にレギュラー出演中。

子どもが楽しくごはんを食べられる工夫を

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ーー吉木さんは、ブログやInstagramによくお料理を載せていますよね。彩りも豊かで、とてもおいしそうです。

子どもが喜んでくれる料理を作ることは意識していますね。子どもと一緒に作ったことで、盛り付けがしっちゃかめっちゃかになっているものもあるんですけど(笑)。

子どもが結構、食べず嫌いなんです。お肉やお菓子は好きだけど、野菜を全然食べてくれなくて。「どうしたらいいんだろう?」と思って、幼児食のインストラクター資格の講座を受講中です。今は食育を1から学んでいて、野菜の切り方から工夫しなきゃいけないことを知りました。

保育士のてぃ先生から教わったんですが、子どもがごはんを食べなかったとしても、怒っても何も伝わらないので、「いかに楽しく口に運ばせられるかが勝負」なんです。

こどもちゃれんじで紹介されていた、スプーンを口に運ばせるための音楽を率先して歌うようにしたら、少しずつ食べてくれるようになりました。「スプーン列車がったんごっとん〜、お口トンネル入りま〜す」っていう歌で(笑)。

ーー食事を楽しめるように、工夫をされているんですね。

あとはやっぱり、料理の見た目がかわいいと「食べてみようかな」と思ってくれるので、彩りにはこだわっていますね。

意識しているのは、「全部食べなきゃダメ」ではなく、「一口だけ食べてみよう」とハードルを下げること。課題をやさしくしてあげることで、達成感を味わって「これならがんばれる」と思ってもらえるかなと。

ーー子どもが小さい頃って、気分で食べたり食べなかったりすることもありますよね。そういうときは、どう対応してますか?

「今まで好きだったはずのにんじんを急に食べなくなった」みたいなこと、ありますよね。そういうときは、「これまでゴロッとした形で出していたから、しりしりにしてみよう」とか「塩こしょうじゃなくてマヨネーズをつけたら食べてくれるかな?」と考えて、食べ方を工夫しています。外食で食べたメニューを真似してみることもありますし、毎日のように実験していますね。

ーー試行錯誤しながら料理をするなかで、こだわっているところはありますか?

塩と砂糖は良いものを使うようにしています。砂糖は甜菜糖で、塩は天日塩に。お値段はちょっと高くなりますが、調味料は年に数回しか買わないので。調味料が良いと適当に作ってもおいしくなるので、ある意味料理を楽にする方法かもしれないですね。

どんな日でも家族みんなで同じメニューを食べる

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ーー疲れてごはんを作る気力がない日は、どうしていますか?

レトルトのミートソースに、玉ねぎや市販のミートボールを入れたものをパスタに絡めて「どうぞ!」とか。一品しか作れなかったり、子どもを寝かしつけたあとに激辛のラーメンを出前で頼んだりすることも、よくあります。

ただ、食卓では家族みんなで同じものを食べるようにはしています。子どもがカレーを食べていたら、私たちも絶対にカレーを食べる。そうすると「ママがカレーのじゃがいも食べているから、私も食べよう」と思ってくれるので。

ーー食卓の中にチーム感がありますね。とはいえ、どうしてもワンオペで家事や育児をしなきゃいけない場面もあると思います。そのときはどのように乗り切っていますか?

私は自分を褒めることを大事にしてます。母親は「できて当たり前」と思われがちで、誰からも褒められないじゃないですか。「子ども二人同時にお風呂入れられた、私すごい!」と必ず声に出して言います。「お母さんがんばったと思わない!?」と、子どもにも言いますし(笑)。

料理を食べてくれる人がいることが成長に繋がった

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ーー吉木さんは、料理をするようになったのが20代後半になってからだそうですね。未経験からどうやって料理スキルを取得したのでしょうか?

料理をするようになったのは、夫と付き合うようになってからですね。それまでは実家暮らしだったので、包丁も持ったことがない状態でした。

そんな私の料理の師匠は、クックパッドです(笑)。今はクックパッドのほかにも、クラシルや料理研究家さんのYouTubeなど、ネットにたくさん情報がありますよね。「から揚げのベストな揚げ方」とか「餃子の包み方」とか、とにかくいろんな検索ワードで調べていました。

ーーレシピだけでなく、料理工程やコツまで検索していたんですね。

はい。どんどん試した料理を、夫に振る舞っていました。やっぱり、料理の感想を言ってくれる人がいると、成長する気がします。夫は結構はっきりと感想を言うタイプなんですよね。おいしくないときは「おいしくない」と言いますし、舌が肥えてるので「もうちょっと塩こしょう入れた方がいいかも」「これは出汁が少なかった」と日々指摘されてます(笑)。

人によってはイラッとするかもしれないんですけど、私はわりと「じゃあ次はどうしようかな〜」と工夫するのが好きなタイプなので、夫に食べてもらうことで上達したと思います。

ーーパートナーの和田さんもお料理上手ですよね。

そうですね。普段はそんなに料理してないんですけど、私が疲れているときなどに作ってくれます。火鍋とかチャーハンとか、彼も自分なりにネットで調べているみたいです。

ーー食育のことについても、パートナーとお話されますか?

夫はアスリートなので、「食育は大事」とよく言っていますね。「たんぱく質やビタミンなどの栄養を摂って、体にエネルギーをちゃんと蓄えることで運動もできるようになる。だから幼少期からいろんなものを食べられるようにしたほうが良いね」と。食に興味を持ってもらえるように、子どもと一緒に料理をするようになったのも、夫のアドバイスがきっかけです。

あとは、家庭菜園でにんじんやきゅうり、ローズマリーなどを育てています。子どもと一緒に野菜を切って食べていますね。うまく食べられなかったとしても、経験を共有することが大事だと思っています。

ーー子どもと同じ経験を共有するのは素敵ですね。

これもてぃ先生の受け売りですけど、子どもが苦手な食材をスーパーで一緒に買ってみると良いらしいです。うちの子はトマトが食べられないんですけど、スーパーでトマトを手に取ってカゴに入れることで、愛着が沸くんですよ。

その後は、家でトマトを切ると「トマトってこうやって売られて、こうやって小さくなるんだ」と記憶が作られるので、苦手なイメージを払拭できるんです。それでもまだトマトは食べられないんですけど、そういったチャレンジは日々試しています。

お惣菜も活用しながら、彩りや味のバランスを意識

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ーー吉木さんの推しスーパーはありますか? 

断然、サミットです!調味料やドレッシングが定期的に入れ替わっているので、「この商品、初めて見た!」という発見が月に1回くらいあるんですよね。

お惣菜もおいしくて、特にとんかつがおすすめです。スーパーのとんかつは硬くて油っぽくなってしまいがちですけど、サミットはお肉もしっかりしていておいしいですよ。カツ丼を作りたいけどとんかつを揚げるのが面倒なときは、サミットで買っています。

ーーお惣菜がおいしいスーパーは、強い味方になりますね。

あと、サミットはパンがめちゃくちゃおいしいです!あんパン、塩パン、お惣菜パン、どれも良くて、食パンもしっかりしていて。店員さんも大好きです。みなさん本当に優しいので、すっかりサミット信者です(笑)。

ーーたしかに、季節のイベントを実施している店舗もある印象がありますね。吉木さん、普段からお惣菜もうまく活用しつつ、食卓を華やかにされているんですね。

夫がおばあちゃん子で、子どもの頃の食卓に並ぶごはんが茶色ばかりだったから、「自分が家庭を持ったら彩りのある食事がいい」と思っていたみたいなんです。「まじで!?令和の時代にそんなこと言う!?」と思いつつも、彼のそういう正直なところが好きなので、その願いを叶えてあげたいなという想いも込めて、がんばっています(笑)。

今は食卓に二品あれば良いほうですが、サイドメニューは全然がんばってないですね。「市販の玉こんにゃくを出しておこう」とか、「サラダにドレッシングかけておけば大丈夫」、「にんじんかトマトの赤いものがあればいい」とか(笑)。

ただ、和洋折衷を意識して、食卓全体で味がかぶらないようにはしていますね。といっても気軽で、「煮物が醤油ベースだから、副菜は中華にしよう」みたいな。

ーー食べてくれる人がいることが料理のモチベーションになっていますね。ホームパーティーもしますか?

我が家はしょっちゅうパーティーしてます。防音のパーティールームがあるので、そこによく友達を招いているんです。

友達が「和田家用の鍋」をプレゼントしてくれたので、おもてなし料理の鉄板は鍋です。水炊き、おでん、夫特性の火鍋、すき焼きなどを作ります。すき焼きのときは、卵をメレンゲと黄身にしてお肉と一緒に食べるのがこだわり。味がまろやかになるので、おもてなしにもぴったりなんですよ。経済キャスターの瀧口友里奈ちゃんが遊びに来てくれたときも使いました。

ーーおもてなし精神がすごい…!

夫が高知県出身なんですけど、高知にはおもてなし文化があるんですよね。どんどんごはんが出てくるんです。その影響で、我が家も「食べて!飲んで!楽しんで!」という感じになってます(笑)。

推し活で家事時間も楽しく

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ーー吉木さんはINIの髙塚大夢さんのファンであると公言されていますが、家事をしている間に推しの動画を見ることもありますか? 

めちゃくちゃ見ます!子どもを寝かしつけたあとに「今日もがんばった!よし、大夢くん見よう」みたいな。動画を見ているときに夫が帰ってきて「また大夢かよ〜」と言われることも…(笑)。

ーー推しがいる人は、「推しがブログにアップしたものと同じごはんを食べる」なんて話も聞きますが、吉木さんはいかがですか?

ありますね〜。大夢くんが「スタバの新作を飲んだ」とプラメ(INIメンバーからのメールを受け取ることができるプライベートメールサービス)に書いた次の日に、同じものを飲んで「共有できて嬉しい」と喜んでました(笑)。

ーー(笑)。吉木さんは、お仕事と家事育児と推し活を上手く実現していますよね。時間のやりくりはどのようにしてるんですか?

とにかく時短を意識して、お掃除ロボットや全自動の洗濯機に頼ってますね。夫もよく「時間は作るものだから、言い訳するのはよくない」と言っています(笑)。でも、「ゴミが散らかってるけど、今日は勉強の日にする」と妥協する日もありますね。

ーー時間の使い方や取捨選択が上手ですね。

ながら作業がすごく好きなんです。お風呂で洗剤を放置している間に洗濯物を回して、お掃除ロボットのスイッチも押して、推しのラジオも聴いて…と同時進行するのがクセになっていて。

料理中もにんじんを茹でている間にお味噌汁を作りますし、ゲーム感覚でやってますね。それも、自分を褒める材料になってると思います。「ごはんを炊いている間にサラダが作れた!ランクアップ!」みたいな。「普段の料理は30分で済ませる」と決めていて、それ以上時間かかりそうだったら「副菜はお新香でいっか」と潔く諦めて、楽するようにしてますね。

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取材・編集:小沢あや(ピース株式会社)
構成:伊藤美咲
撮影:小原聡太

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