旬の食材で食の香りを楽しむ「れんこんとパプリカのマリネ」ーー尼神インター 誠子さんのおうちごはん メインビジュアル

旬の食材で食の香りを楽しむ「れんこんとパプリカのマリネ」ーー尼神インター 誠子さんのおうちごはん

きのう何作った?

PEOPLE
2023.12.01

お笑いコンビ「尼神インター」のボケ担当である誠子さん。お笑い芸人として活躍する傍ら、Instagramで料理配信を行ったり「誠子食堂」と題してイベント出店をしたりしています。今回は、料理ができるようになるまでの過程や継続の秘訣、今後の野望について伺いました。

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お話を伺った人:誠子さん

1988年生まれ。兵庫県出身。大阪NSC30期生。「オールザッツ漫才2015FootCutバトル」優勝。2020年、エッセイ『B あなたのおかげで今の私があります』を上梓。

れんこんとパプリカのマリネ


材料(作りやすい量)

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  • れんこん…200g
  • パプリカ…2個
  • 大葉…2〜3枚
  • オリーブオイル…適量
  • 白だし…適量
  • 酢…適量

作り方

1. れんこんは皮をむいて輪切り、パプリカはくし切りにする。
2. オリーブオイルでれんこんとパプリカを炒める。
3. 焼き色がついたら取り出して、白だしと酢(1:1)のマリネ液に漬けて冷蔵庫で10〜20分冷やす。
4. お皿に盛り付け、千切りした大葉をのせて完成。

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料理が苦手なことに劣等感を抱いていた

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ーー誠子さんはもともと料理に苦手意識があったそうですね。お料理を始めたときは、何か心境の変化があったんですか?

昔は料理ができないことに劣等感を抱いていたんですよね。芸人仲間に料理を振る舞ったときに「何これ(笑)!」と言われたことがあって。実際に料理の出来も良くなかったですし、その言葉も芸人特有のいじりみたいな感じなんですけどね(笑)。でも、「私は料理に不向きな人間なんや」と思ったんです。

でも「料理が上手くなりたい」という気持ちはあったので、時間ができたことをきっかけに挑戦してみることにしました。

ーー料理を始めてからは、すぐにハマったんですか?

料理研究家のリュウジさんのレシピでおでんに挑戦したら、私でもおいしく作ることができたんです。「私でも料理ができるんや!」と思えるようになってから、いろんな料理を作るようになりました。

ーー料理のコツはすぐにつかめましたか?

料理が楽しくてのめり込んでいるうちに、徐々にスキルが身につきました。最初はレシピ通りに作っていたんですが、半年くらい経った頃には香りの違いや調味料のさじ加減がわかるようになった気がします。

それに、調味料にこだわると大きな失敗がないと気づけたのもよかったですね。料理に関しては、さらにハマっていく予感がします。

料理継続の一番の秘訣は、まず自分自身が楽しむこと

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ーー誠子さんが、これまで料理を続けてこられた理由は何でしょう?

「どんなに忙しいときも料理をする」というマイルールを課していたんです。しんどいときや忙しいときもあったけど、時短料理を調べることで「料理ってこんなに簡単でよかったんや!」と気づくことができて。「手の込んだものを作らないといけない」という思い込みから解放されました。

インスタに料理の写真をアップし始めたときは「最近料理ばっかり載せて、女の子らしくなったな」と芸人仲間からいじられることもありましたね。「自分のために物事をがんばることの意味がわかってないな〜」と思っていましたが、そういうことがあったからこそ、向上心も芽生えました。

結局、続けてこられた一番の理由は、料理が楽しかったからですね。楽しいからこそ続けたいし、努力したい。好きなことを続けるのは、自分にとって苦じゃなかったです。

ーーまさに、「好きこそものの上手なれ」ですね。

向上心があるからこそ、挫折もするんですよね。上手くいかなくても「これを乗り越えた先に何かあるんだろうな」と思うようにしています。

ーーこれまでどんな失敗がありましたか?

最初は本当に失敗ばかりでしたね。変な味付けになってしまったり、作りすぎてしまったり。野菜を腐らせてしまって、泣く泣く捨てちゃうこともありました。ほかにも、長期保存に向いていない炒め物を数日間冷蔵庫に入れてダメにしちゃうとか…。

たくさん失敗してきた私だからこそ、「料理を始めてみようかな」「料理の失敗が怖い」と思っている人に、自分の経験を伝えたくて発信しています。

かわいいい器は料理のモチベーションにも繋がる

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ーー誠子さんの料理写真を見ていると、見栄えにもこだわりが感じられます。工夫しているポイントはありますか?

料理において、器はとても大事だと思っています。忙しくて「地味な煮物しか作れなかった」なんてときでも、かわいい食器に盛るだけで華やかになるんですよね。手抜き料理と言われるようなごはんでも器が救ってくれますし、料理のモチベーションにも繋がっています。

ーー器はどこのお店で揃えていますか?

アンティークの器もいくつか持っているんですけど、基本的には1000円以内の器を揃えるようにしています。ナチュラルキッチンや無印良品で、おしゃれな器が気軽に手に入るんですよ。

ーー誠子さんの推しスーパーはありますか?

三軒茶屋にある「フルベジ」というお店はとにかく安いので、よく行きます。フルベジに通うために、最近電動自転車を買いました(笑)。お肉は都立大学の「原田畜産商店」で買うことが多いです。

料理で学んだことはすべてに通じる

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ーー料理を始めたことで生活や仕事に変化はありましたか?

「楽しむことが一番」「シンプルでいいんだ」など、料理で学んだことは、何事にも通じるんですよね。料理を通して、お笑いや生活などすべてのモチベーションが上がったと思います。体調も良くなりましたし、料理はいいことばかりだなと。本当に「料理、ありがとう!」という気持ちでいっぱいですね。

ーー食への向き合い方は変わりましたか?

自分の好きなものを好きなときにいっぱい食べたいので、以前より健康に気を使うようになった気がします。できるだけ体に良いものを取り入れるために、調味料にもこだわっています。

ーー調味料はどんなものを使っていますか?

メーカーにこだわりがあるわけではないですが、きび砂糖を使うようにしています。あとは、「三河白だし」。スーパーで売っているものだったら、ヤマキの白だしがおすすめです。

ーー最近は「誠子食堂」と題してイベント出店をしたり料理を振る舞ったりしていますが、料理に自信が持てるようになったきっかけは何でしたか?

出演させてもらっていた舞台の稽古場に、お弁当を差し入れしたのがきっかけです。バラエティの現場と違ってケータリングがなくて、共演者の若い子たちがよくお腹を空かせていたんです。

最初はコンビニのパンとかを買って差し入れてたんですけど、「ちゃんとしたごはんを食べさせてあげたい」と思って。まだ料理に自信があったわけではないんですけど、恐る恐るお弁当を作って持って行ったら、みんなが「めっちゃおいしい」と言いながら食べてくれたんです。

そのときに「私の料理っておいしいんや!」と感動したんですよね。それまでは自分と向き合うためだけの料理やったんですけど、人を笑顔にする魔法のひとつだと思うようになりました。

料理を楽しむ気持ちを届けたい

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ーー今は自費出版の料理本を制作中だそうですね。

昔からファッション誌が好きで、カジュアルな料理本が作りたいと思っていたんですよね。将来的には出版社からも本を出したいんですけど、「ゼロから自分で作ってみたいな」という気持ちもあって、今回は自費出版で制作することにしました。

ーー減量にも成功されたそうですが、ダイエットを軸にした本にしないのが誠子さんらしくて素敵だなと思いました。

そうそう。ネットニュースにしていただくときも、いつも枕に「20キロ減量の誠子」ってタイトルについてるんですよ(笑)。もちろんダイエットへの関心が高いのはわかりますし、私も健康は気にしているんですけど、「食事や料理が楽しくなくなってしまったら嫌やな」と思っていて。楽しく続けられるような伝え方や、やさしい言葉に置き換えるように心がけています。

ーーほかに、今後料理で実現したい野望はありますか?

音楽イベントやファッション関連の展示会でケータリングの仕事をしてみたいです。ライフスタイルブックも出したいし、キッチングッズも作ってみたいです。

あと、新しくライフスタイルブランドを立ち上げて、料理のモチベーションが上がる「シンデレラエプロン」を製作しています。日常の中で見つけられるときめきや特別な瞬間を伝えられるブランドとして、自分よりも誰かのためにがんばる優しい人に届けたいなと思っています。

ーー料理を通じてどんな想いを届けたいですか?

料理を楽しんでいる気持ちを届けたいです。私に興味を持ってもらって「料理が苦手でもこんなに変われるんや」と思ってもらったり、モチベーションが上がるお手伝いができたりしたらいいなと思っています。

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取材・編集:小沢あや(ピース株式会社)
構成:伊藤美咲
撮影:曽我美芽

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