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たらとじゃがいものトマトクリームスープ

耳で楽しむおいしいスープレシピ #36

FOOD
2023.11.09

スープ作家 有賀薫さんの声でお届けする“聴くレシピ”。秋から冬にかけて、旬を迎える食材が豊富な季節、温かいスープが恋しくなってくるのではないでしょうか。今回は、秋のおいしさがギュッと詰まった「たらとじゃがいものトマトクリームスープ」を作ります。トマトがふわっと香り、たらの旨みとつるっとした薄切りじゃがいもが味わえる、牛乳でまろやかに仕上げた一品です。そして、スープ作りで余った玉ねぎで作れる「玉ねぎおひたし」もご紹介します。作り方のポイントなどもお話ししていきますので、ぜひ一緒に作りながら、ラジオのように聴いていただけたら嬉しいです。


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たらとじゃがいものトマトクリームスープ

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材料(2~3人分)

  • 塩たら(甘塩)※…2切れ
  • 玉ねぎ…1/4個
  • にんにく…1片
  • じゃがいも(中ぐらい)…2個
  • サラダ油…大さじ1
  • トマトジュース…100mL
  • 牛乳…100mL
  • 塩…小さじ1/2
  • こしょう…少々
  • (好みで)青ねぎなど

※「真だら(甘口)」などと表示されています。塩味の付いていないたらや、銀だらや鮭など他の魚でもOKです。


作り方

1. 玉ねぎは粗みじん切り、じゃがいもは薄切りにする。にんにくは包丁の腹でつぶしておく。

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  • 玉ねぎは薄切りでもOK。
  • にんにくはみじん切りでもチューブでもOK。芽が出ていたら取り除きます。
  • じゃがいもは皮を剥いて芽を取ります。大きい場合は半分に切ってから薄切りにします。薄く切るのが苦手な方にはスライサーがおすすめです。
2. 鍋に玉ねぎとにんにくを入れ、サラダ油を加えて中火にかけ、色づかないように炒める。

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  • 玉ねぎとにんにくはそのまま使うと味が尖ってしまうので、加熱してから使います。にんにくの良い香りが出てきて、玉ねぎが透き通るまで、火を通しましょう。
3. じゃがいも、水300mL、トマトジュースを加える。全体を軽く混ぜ、ふたをして3分煮る。

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  • 薄切りにしたじゃがいもは、水にさらさないでください。じゃがいものでんぷんが軽いとろみになります。
4. 塩たらを加えて、ふたをして弱めの中火くらいで5〜6分火を通す。

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  • たらの上にスープが被るように、たらを少し中に沈めます。
5. じゃがいもに火が通っているか確認する。牛乳を加えて全体を軽く混ぜ、味を見て、塩とこしょうで味をととのえたら完成!

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  • 牛乳は分離してしまうので、あまり煮立たせないようにします。
  • 今回はたらから塩味があまり出ていなかったので、塩を小さじ1/2加えました。それでも塩味が足りない場合は、味を見ながら少しずつ塩を足してみてください。

玉ねぎおひたし

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材料(2人分)

  • 玉ねぎ…1個(スープの残り3/4個でもOK)
  • 醤油…小さじ2
  • 酢…小さじ1
  • 粗びき黒こしょう…少々

作り方

1. 玉ねぎは繊維に沿って薄切りにする。
2. 玉ねぎを熱湯で1分ほどさっと茹で、ザルに上げ、水気をしっかり切る。
  • ザルに上げた後、水で洗うと旨みが抜けてしまいます。ザルを振って水気を切るか、ペーパーで押さえながら絞ると良いでしょう。
3. 2を入れたボウルに、醤油小さじ2、酢小さじ1を和え、アクセントに粗びき黒こしょうを振ったら完成!

おいしいポイント

  • 魚をぐつぐつ煮すぎると生臭さが出てしまうので、まず野菜だけでスープのベースを作り、最後に魚を加えて煮るのがポイントです。魚の臭みを消してくれる食材を使うのもポイント。玉ねぎやにんにく、しょうが、セロリといった香味野菜、こしょうやローリエといったスパイスは、魚の臭みを消してスープをおいしくしてくれます。
  • たらに含まれている塩分が事前に分からないため、塩加減が難しいかもしれません。「塩たら」の場合は下処理の必要がなく、スープに塩味が出てきます。鍋用などの「生のたら」の場合は塩を表裏に振って5〜10分ほど放っておき、ペーパーなどで水分を拭き取ってから使います。レシピの最後の工程で味を見て、塩味を調節しましょう。
  • 鮭でも同じ手順で作れます。「塩鮭(甘鮭)」は塩分が濃いため、「生鮭」を買ってきて、塩で下処理してから使うことをおすすめします。
  • じゃがいもは、ごろごろっと切るのも良いのですが、実は薄切りもおいしいです。スライスしたじゃがいもの魅力は、短時間で煮えることと、ほくほくではなくつるっとした食感が味わえること。ぜひ一度試してみてほしいです。なお、ごろごろっと大きく切った場合、手順は同じで、煮る時間を長くしましょう。
  • 副菜の「玉ねぎおひたし」は、温かいまま食べてもいいし、冷蔵庫で冷やしてもおいしいです。洋風のスープに合わせて、カリッと焼いたバゲットにのせて食べるのもおすすめ。

使い切りアイテムを活用しよう

トマト系のスープを作る際、生トマトやトマト缶を使うレシピも多いのですが、私は便利なトマトジュースを使うことが多いです。200mLの小さなパックは、常温保存が可能で、一度に使い切れる量。トマト缶よりも酸味が穏やかで、無塩のものは料理に使いやすいので重宝しています。もし残ってしまっても、冷凍が可能ですし、ビールやカクテルに入れて飲むのもおいしいです。同じように、豆乳の小パックも買い置きしておくと、スープにも使えて便利です。使い切りアイテムをストックしておけば、料理の幅も広がると思います。

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魚料理にバリエーションを

「魚を料理に取り入れるのが大変」
「網にくっついたり、焼き加減がわからなかったり、魚を焼くのが難しい」
「食べ盛りの子どもがいて、魚料理だとボリュームが出にくい」

魚料理に関して、さまざまなお悩みをお寄せいただいています。でも、魚は健康に良いので、できれば週に2〜3回くらい食べたいですよね。そこで今回は、魚の調理法についてのご提案です。

今回のレシピでも使った、たらや鮭は、鍋・焼き魚・ムニエルにする方が多いと思いますが、【スープ】に挑戦していただくと、バリエーションが広がるのではないでしょうか。今回のレシピのように、じゃがいもを加えるとなかなかボリュームのあるスープになります。じゃがいも・かぼちゃ・だいこんなど、食べ応えのある根菜と合わせて煮物にしたり、あるいは付け合わせにボリューム感を出したりすると、食べ盛りのお子さんも満足すると思います。

スープ以外では【蒸す】のもおすすめ。我が家でも頻繁に魚を蒸しています。魚に塩を振って蒸すだけなので、焼き魚よりも簡単です。蒸した魚の上に、スライスした玉ねぎや長ねぎをたくさんのせて、ごま油とお醤油をかけて食べるとおいしいです。また、蒸し器にじゃがいもやブロッコリーなども入れて、魚と一緒に蒸すと、メインと付け合わせが同時に完成です!

ところで皆さんは、魚を盛り付ける器、どうされていますか?魚に合うお皿としておすすめなのは、オーバル型。焼き魚も、魚のスープも、楕円形のお皿があると、上下に空白なくピタッと収まると思います。お皿を変えてみるだけでも、「魚をうまく料理できた!」という達成感や自信につながるかもしれません。

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撮影:木村琢也

アイスム座談会