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牡蠣と春菊、しめじの味噌汁

耳で楽しむおいしいスープレシピ #39

FOOD
2024.02.05

スープ作家 有賀薫さんの声で“聴くレシピ”をお届けします。ぐっと冷え込む季節に、体が喜ぶごちそうスープはいかがでしょう?今回作るのは「牡蠣と春菊、しめじの味噌汁」。濃厚で栄養豊富な旬の牡蠣と香り高い春菊を使って、満足感たっぷりのお味噌汁に仕上げます。冬のうまみがぎゅっと詰まった、ほっと温まる一品です。ラジオのように聴きながら、ぜひ一緒に作ってみてください!


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牡蠣と春菊、しめじの味噌汁


材料(2~3人分)

  • 牡蠣(加熱用)…1パック
  • 春菊…1/3束
  • しめじ…1/3パック
  • 豆腐…80g
  • (お好みで)ゆず皮など
  • 味噌…大さじ2
  • 昆布…5g

作り方

1. 鍋に水600mLと昆布を入れ、中弱火でじわじわ煮て、だしをとる。煮立ったら昆布を取り出す。

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  • ある程度煮立たせて、昆布の表面にぷつぷつと空気の泡が出てきたら煮すぎないうちに引き揚げましょう。煮出さずに、水に2〜3時間つけておく方法もあります。
  • 昆布のだしがらは、刻んで醤油をかけて食べるとおいしいです。
2. (1の間に)牡蠣はあら塩 大さじ1ほど(分量外)をまぶして混ぜ、ボウルの中で水を2〜3回取り替えながら振り洗いしておく。

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  • 牡蠣が崩れないようにそっと混ぜると、塩に牡蠣の汚れが付いてくれます。
  • 洗う際には「水を動かす」イメージで洗うと、牡蠣が傷みません。
3. 春菊は4cmほどのざく切り、豆腐も4cmほどに切る。しめじはいしづきを取って手でほぐす。

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  • スープの具は大きすぎると食べにくいので、汁と一緒に口に入るサイズに切るのが良いです。
4. 1の鍋にしめじと牡蠣を入れ、中弱火で5〜6分煮る。

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  • 煮る時間は牡蠣の大きさによって変わってきます。火の通り具合が心配な場合は、8〜9分ほどしっかり煮込みましょう。
5. 牡蠣にしっかり火が通るまで煮たら、豆腐を加え、味噌を溶き入れる。

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  • 牡蠣に塩分があるので、味噌は最初少なめに溶き、味を見て後から足すと良いでしょう。
6. 春菊を入れて火を止め、お好みでゆず皮を散らしたら、完成!
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おいしいポイント

  • お椀の中で「お鍋風」に仕上げるため、牡蠣と豆腐と春菊、それぞれの具材がしっかり存在感を出せるよう、少し大きめに切ります。春菊がふんわり香って、牡蠣のうまみもよく感じられます。
  • 牡蠣は、生食用よりも加熱用の方がうまみがしっかり残っていてスープに向いています。

自分好みのだし&味噌を探してみよう!

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2023年11月に『私のおいしい味噌汁』(新星出版社)という本を出版し、味噌汁について深く考える機会となりました。味噌汁は日本人のソウルスープと言ってもいいと思います。でも、意外と他の人がどんな作り方をしているのか、どんなだしや味噌を使っているのか、知らないものですよね。

私がよく使うだしは、昆布と煮干しです。煮干しをメインに、昆布を少し入れるのがお気に入り。煮干しだけの時もあれば、今回のレシピのように牡蠣や魚、肉を入れる時は昆布だけという形で使い分けています。煮干しはポイポイッと入れて煮て、そのまま食べてしまってもいいのでとっても簡単ですよ。もちろん、顆粒だしやだしパックを使う日もあります。だしの味は好みが分かれると思うので、それぞれの好みで選べばいいと思います。

味噌は「選び方が難しい」という声をよく聞きます。味噌は地域性が出やすいですよね。私は関東出身なので、米麹からできる米味噌をメインに使っています。今回使用した味噌は、京都の味噌屋さんの米味噌です。しっかり熟成されていて、野菜にもあうので毎日の味噌汁にぴったりです。九州・四国では麦麹を使った麦味噌。東海地方の赤だしは、濃い色の赤味噌で、豆麹を使った豆味噌です。東北地方の味噌は麹が多めだそうで、エリアによって大きな違いがありますよね。皆さんのご実家でどんな味噌を使っているかを聞いてみると、意外と「今使っているのと違っていた!」なんてこともあるかもしれません。味噌は種類が豊富で、香りも味も全然違うので、好みのものを選べると、自分だけの「おいしい味噌汁」になるはずです。

誰かにとっておいしい味噌汁が、他の人にとっておいしいとは限りません。だしも味噌も少しずつ試しながら「おうちだけの味」ができてくると、それが自分にとっての「正解」なのだと思います。ぜひ自分好みのだしと味噌を探してみてください!

私のおいしい味噌汁

『私のおいしい味噌汁』(新星出版社)

冬の味わい、牡蠣をいろいろな料理で食べてみよう!

今回は牡蠣を入れた、ごちそう味噌汁を作りました。このレシピを思いついたのは、味噌で仕立てる「牡蠣の土手鍋」がきっかけ。土手鍋を作るのは少し大掛かりですが、味噌汁に牡蠣を入れれば簡単に作れるのではと考えました。実際に作ってみたら大成功!貝の味噌汁と言えばあさりやしじみがポピュラーですが、牡蠣はむき身で売られていて、砂抜きの必要もなく、サッと洗うだけで使えるので、実はすごく簡単に味噌汁が作れるんです。冬になると安く買える時もあるので、ぜひ作ってみてください。牡蠣の味噌汁が食卓に並ぶと、存在感とごちそう感が出るので、おかずは軽めでもいいのではないでしょうか。

ちなみにわが家では、牡蠣のクラムチャウダーもよく作ります。クラムチャウダーはあさりで作るのが一般的ですが、私の実家では牡蠣のチャウダーだったんですよね。母がよく作ってくれた、思い出のスープです。牡蠣の他の食べ方としては、そのままフライパンで焼いて、バターをぽとんと落として、こしょうをガリッとひいて食べるのもおいしいです。意外なところでは、牡蠣と野菜をくるくるっと巻いて揚げるだけの春巻きもオススメ。牡蠣がおいしいシーズンに、いろいろな食べ方で味わってみてください!

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撮影:木村琢也

アイスム座談会