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パセリが超・主役のサラダ「タブレ」

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #46

FOOD
2024.03.28

つけあわせとして見かける機会が多いけど、実は主役にもなれる食材・パセリ。「パセリが大好きなんです!」という芸人ボルサリーノ関好江さんが今回教えてくれるのは、中東やフランスなどで食べられているサラダ「タブレ」。スーパーで手に入れやすい食材を使って作る、関さん流アレンジレシピです。

「タブレ」とはじめて出合った時のことや、パセリのアレンジ法とともに、作り方を伺いました。

タブレ


材料(2〜3人前)

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  • パセリ…50g 
  • ミント…5g 
  • 赤玉ねぎ… 1/6 個 (普通の玉ねぎや新玉ねぎでもOK)
  • ミニトマト…6〜8個 
  • きゅうり…1本
  • 雑穀ミックス…50g
  • オリーブオイル…大さじ1.5
  • レモン汁…大さじ2
  • 塩…少々
  • ブラックペッパー…少々
  • クミンパウダー …お好みで

作り方

1. パセリ、ミントを刻む。
  • ミントは手でちぎってもOK!
2. きゅうりは縦に4つに割り、スライス。ミニトマトは 4つに串切りにする。玉ねぎはみじん切りしたら水にさらして水気を絞る。
3. すべての材料とレモン汁、オリーブオイルを混ぜて塩、ブラックペッパー、クミンで味をととのえて冷蔵庫で馴染ませる。

※編集部より:妊娠中など、パセリの大量摂取には注意が必要な場合があります。

堂々とパセリが食べられるサラダ

今回のレシピの元になっているのは、中東やフランスなどで食べられている、オリーブオイルやレモン汁、塩などで味付けしたサラダ。現地では、ブルグル(小麦を細かく砕いたもの)やクスクス(粟みたいな粒々のショートパスタ)を混ぜるのが一般的ですが、今日は日本のスーパーでも手に入りやすい雑穀ミックスを使って作ります。

「このサラダと初めて出合ったのは10年以上前、清水ミチコさんのおうちに行った時でした。『フムス』(ひよこ豆のペースト)と一緒に出てきて。どちらの食べ物も、見るのも食べるのも生まれてはじめてですごく感動したんです。

それで『これは何ですか?』と聞いたら、清水さんは『私が心を込めて、中近東のデリで買ってきて、心を込めてお皿に盛った料理よ』って(笑)。おいしさにびっくりしつつも、堂々と大好きなパセリが食べられる!ってうれしくなりました。」

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もりもりに盛られているパセリ(写真左下)はこれで50g。

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「スーパーのお野菜はグラムの表示がされてないことが多いですよね。だから本当はパセリも『◯束』とか、売られている単位でレシピに書きたいんだけど、出回る時期や店によって個体差があるから。分量を一番正確に伝えられるのは、グラムで書くことなんですよね。ちなみに今日ここに置いてあるパセリは、1束よりも多くて2束より少ないくらいです」と関さん。

きゅうりはへたを切り取ってから真ん中でカット。そのあと縦に4分割します。

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「切り方はお好みで!」

関さん方式で進める場合は、4等分にしたきゅうりを並べて、細かく刻んでいきます。

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ミニトマトも4等分にして、赤玉ねぎもざくざく刻みます。

「赤玉ねぎがない場合には普通の玉ねぎでも大丈夫です。今の季節だったら新玉ねぎを入れてもおいしいと思います!」と関さん。

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パセリは、ボウルにためた水でふり洗いをするなどして、しっかりめに洗い、ざくざく刻みます。

「スーパーに売っているパセリって、1束単位でしか売ってないから、つけあわせに使うだけだとたくさん余っちゃうんですよね。余ったパセリをどう活用しようかと思って、冷凍したりいろいろしてみたんだけど、やっぱりすぐに食べちゃうのがいちばんいいなって思いました。例えば、パン粉に混ぜたりとかして…」

パン粉に…混ぜる?

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「そうです!」

「細かく刻んだパセリをパン粉に混ぜて、それを衣につけてフライを作るとおいしいんです。あとはソースにして、ささみフライに包んでみたり。意外と何にでも合う気がします。あとは、まだやったことはないけど、かき揚げにするのもいいんじゃないかな。パセリ自体の味が強いから、揚げ物にしてもおいしいと思うんです。」

パセリのアレンジ方法が次から次へと浮かんでいる様子の関さん。

「パセリ、好きなんですよね。キャロットラペを作る時にも、ついついいっぱい入れちゃって、にんじんとパセリ、どっちが主役だかわからなくなっちゃったりします(笑)。」

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材料をボウルに入れて混ぜれば、すぐ完成!

ミントは手でちぎって入れてもOK。

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「手でちぎると、より香りが立つような気がするんですよね(笑)。ちなみにミントが余っちゃった時には、お湯に入れて、ミントティーとして飲んだりしています。レモングラスもそうやって使うことが多いです。」

雑穀ミックスは『サラダクラブ 10種ミックス』(キユーピー)を使いました。

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「ミックスビーンズや、もち麦でもいいかもしれません。ちょっとアクセントになるような食感のものがいいんですよね。ブルグルやクスクスがあればそれでもいいし、枝豆でもいいかも…って、どんどんなんでもよくなってきちゃう(笑)。

お米も意外と合うかもしれません。私はキヌア(アンデス山脈で古くから栽培されてきた、粒々の食用植物)を代わりに使ってみたこともあります。」

大きめのボウルに食材を全部入れたら、まんべんなく混ぜて…

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オリーブオイル、レモン汁、塩。それからお好みでクミンパウダーを適量、散らします。

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「パセリとクミンは、どちらも香りにかなり特徴があるので、好きな人はたまらなく好きだと思うんです。パセリが好きだとクミンも好きってこと、割と多いんじゃないかな。私はどっちも好きです(笑)。

ハーブやスパイスがすごく好きで、和食にちょい足ししたりして楽しんでいます。クミンはきんぴらに入れたり、ポテトサラダに入れたりして、ちょっとしのばせる感じで使うことが多いですね。」

そんなクミンをまんべんなく混ぜこんだら、完成!

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「すりおろしたにんにくを加えてもおいしいですよ!」

気持ちまで色鮮やかになる!

緑、赤、紫。ビタミンカラーのサラダをテーブルにのせたら、空気も一気に華やぎました。

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食べてみると…おお!パセリのざくざくっとした軽快な食感と爽やかな後味が心地いい!

つけあわせで食べていたパセリと同じ食べ物のはずなのに、主役になった途端、別の食べ物のようにも思えてくる不思議。パセリ、君はなんと謎が深い食べ物なんだ。レモンの酸味やふわっと匂い立つクミンのエキゾチックな香りも、このサラダをもりもり食べたくなる気持ちに火をつけてきます。

しかも、なんというのでしょう。色鮮やかなものを食べていると、気持ちまで色鮮やかになる気がします。例えるなら、部屋にお気に入りの生花を飾った時の気持ちに近い。このサラダを冷蔵庫にストックしておいたら、ぐんっと自分を肯定する気持ちが高まりそう…!

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「暴飲暴食した後とかに食べるのにも、よさそうですよね(笑)」と関さん。

ちなみに家でこのサラダを振る舞う時は、パセリが苦手な人が一定数いることを想定し、ポテトサラダなどの定番料理も準備して、選べるようにしておくのだそう。

「パセリやパクチーは、香りに主張がしっかりあって独特だから、だめな人はだめだと思うんですよね。でもこのサラダは、見るからに『パセリが苦手な人は食べないほうがいい』ってわかるルックスだから。口にしてから「入ってるじゃん!」ってなるやつじゃないから、出してもいいと思っています(笑)。」

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食べ物に対する得意・不得意はどうしてもあるものだからこそ、一人ひとりが楽しめるように、料理の出し方を工夫する。複数人が集まる場などで心がけたい考え方だなぁと思いました。

もうまもなく新年度。新しい季節は、楽しいことも不安なことも目白押しになりがちだけど、このフレッシュなサラダをストックしておけば、より楽しく暮らしていけそうな気がします。

パセリを味わうサラダ「タブレ」。ぜひ春のお供に加えてみてほしいです。

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取材・文:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:松井あゆこ(Smile meal)
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