疲れた時は、あったかいミネストローネを――板谷由夏さんの、家族とごはんの話

EAT-TALK いいトークは食べながら #1

2020.03.05

日々の「暮らし」を楽しむみなさんに、おいしいごはんを食べながら、リラックスして食にまつわるお話をうかがう「EAT-TALK」。記念すべき第一回目のゲストは、女優の板谷由夏さんです。

一番好きなごはんは、母の作った「がめ煮」です

目にも鮮やかなお料理を目の前にした瞬間、とびきりの笑顔を見せてくれた板谷さん。まだ少し緊張感の残っていた現場が、一気にあたたかな空気に囲まれました。

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素敵な笑顔の板谷さん…!

おいしいごはんは、それだけでそれを囲む人をしあわせにします。そしておいしいごはんみたいに、周りの人を笑顔にしてくれる板谷さんの魅力。それは板谷さんご自身が、「食」を大切にされているからかもしれません。

明るい日差しの中、おいしいごはんを食べた板谷さんは話します。

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おにぎりをほおばる板谷さん。板谷さんが食べるとごはんがますますおいしそう…

一番好きな食べ物は、うちの母が作った筑前煮、かな。福岡では、「がめ煮」と呼ぶんです。

特にそれが母の一番の得意料理だというわけではないとは思うんですけど、でも「おうちのお母さんのごはん」という感じで大好きです。

私も作りますが、レシピをちゃんと聞いたわけではなくて。でもやっぱり、なんとなく味は似てくるのかな。チビたちは、『ママとばあばの味、すごい一緒!』って言います(笑)

ウーバーイーツ、ないんです(笑)

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「これ菜の花?どうやって作るの?」と興味津々の板谷さん。スタッフもつられてレシピをメモします(笑)

女優業という不規則になりがちなお仕事の中、板谷さんのインスタは、日々のおいしそうなごはんであふれています。だけど、「作りたくない日」もあるのでは?と、聞くと、板谷さんは答えてくれました。

「サボるときもありますよ、もちろん!サボるときもあるけど、でもなるべくおうちであったかいごはんを食べたいな、と思っています

それに、うちは男の子が2人なので、ごはんを待ってくれないんです(笑)前もって今日は外食にしようとか、そういうふうにしないと、なかなか流動的にはいかない。

それだったら冷凍ごはんをあたためて、おうちで食べたほうが早いな、という感じで。」

そう答えてくれる板谷さんは、それでも気負いはなくて、どこまでもナチュラル。「無理をして作ろう」という感じは全くありません。

私も都会に住んでたら、ウーバーイーツとか頼むと思いますよ!でも、ウーバーイーツ、ないんです(笑)」

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ひとつひとつの素材を確認しながら、ゆっくりと食べる板谷さん。作った人や、食材を大切にされているのが伝わってきます。

ミネストローネは、翌日カレーにするとおいしいです

お仕事も、家事も育児も。忙しい日々の中、「今日は疲れたな」とか、「今日は元気を出したいな」という日は、誰しもあります。そんな時に食べるごはんについても、聞いてみました。

「これはね、ミネストローネ。疲れている時にもいいし、子どもたちの野菜不足の解消にもなる。気持ち的にもほっこりするので、一石三鳥、四鳥あると思っています。

おとといも作ったんですが、ナス、ピーマン、パプリカ、セロリ、玉ねぎ、あと分厚いハムをサイコロ状に切ったやつと、トマト缶。もう冷蔵庫の掃除的に、何でも入れちゃいます。何を入れてもおいしいもんね。

最後にチーズを削って、オリーブオイルをたらして、大人はカリカリ胡椒をひく。家族みんな大好きです。

それで、次の日はカレーを入れてカレーにします。すっごくおいしいの。子どもたちもそれに気付いてるから、ミネストローネの次の日は、「ママ、明日はカレー?」と言われる(笑)

子どもたちが小さいときは、カレー分が残っていたのに、最近ル・クルーゼのお鍋にいっぱい作っても、ミネストローネのうちになくなっちゃう。だから、もう1回、カレーのためにつくり直し(笑)」

お料理の話をする時の板谷さんは、本当に良い顔。おいしそうなミネストローネのレシピを聞いていたら、みんなおなかがすいてきます。板谷さんは、スタッフに、目の前のごはんを「ねえみんなこれ食べて!すっごいおいしいよ!」とすすめてくれます。

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「みんな食べて!」という板谷さん。待ってました!とばかりにみんなでいただきます(笑)

おいしいものを、好きな人たちと食べている時間が一番しあわせ

「基本食いしん坊でのみすけなので、好きな人たち、お友達や実家の家族とごはんを食べたり飲んだりするのは大好きです。お酒も大好きだし。

おいしいものと好きな人たちとごはんを食べたりするのが一番楽しいし、一番しあわせ。自分がつくったものをワイワイみんなが食べてくれるのはうれしいし、『おいしい』って言ってもらえると、すぐ調子に乗っちゃうので、わ―ってたくさん作っちゃう。

みんな東京に住んでるけど、こっちの景色や自然を見にきたいというのもあるから、電車に乗ってきてくれる。お酒飲むから、電車なの(笑)それでみんなでワチャワチャ飲んだりするだけなんだけど。そういうの、しあわせですよね。」

大変だなと思っても、その中で楽しいことを探したい

「みんなでワイワイ楽しく」というのは、ご自身のブランド、「SINME」を立ち上げた原動力にもなっているのかもしれません。

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板谷さんのブランド「SINME」の緑のワンピース。自然を前にした時の板谷さんの笑顔も、とってもステキでした。

「とにかく私は楽しいことが好きなので、大変だなと思っても、その中でも楽しいところを探したい。やったことがないことをやりたい。『楽しそう』と思ったら、すぐにいっちゃうタイプなんです。性格なんでしょうね。

SINMEは、「新しい芽」なんです。女優のお仕事とSINMEのお仕事では、お付き合いする方も全く違ってくる。いつでもどこでも、場所によっては新人だなと思います。

知らない畑に飛び込んだので、もちろん大変だけど、知らなかったことをたくさん知ることができるのはやっぱり楽しいです。

だから、迷うならやったほうがいい気がする。やってみると楽しいってこともたくさんあるから。

日常はいつか、日常じゃなくなっちゃうから

最後に、ご家族で食卓を囲んでいるときに、幸せだなと思う瞬間は?聞くと、板谷さんは少し考えてから、答えてくれました。

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「長男が塾に通いだしたので、夜ご飯をみんなでそろって食べるのが限られてきたんです。だからこそみんなでごはんを食べられるときは、やっぱりうれしいです。

子どもたちが大きくなるにつれて、一緒に食べられる時間はきっと減っていく。寂しいけど、みんなのリズムが変わってくるだろうし、日常だったのがたぶん、日常じゃなくなっちゃう。だからこそ、今のこのふつうに一緒にごはんを食べている時間が貴重なんですよね。」

華やかな活躍の裏には、きっと大変なこともたくさんある。だけどそんな中で、家族と食卓を囲む「今」の時間が大切だと話してくれた板谷さん。ふつうの毎日の、ふつうのごはんの中に、家族のしあわせがある。そんな当たり前のことに、改めて気づかされた気がします。


今回のごはんは・・・

「季節の旬を生かしたお料理を」という板谷さんのリクエストにお応えして、「春のカルパッチョ」と「たけのこおこわと菜の花のごまあえ」を料理家の堀出美沙さんに作っていただきました。

板谷由夏

1975年生まれ。モデルとしての活動を経て、1999年『avec mon mari』で映画デビューし、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。以降、女優として多くの映画・ドラマに出演。近年はキャスターやMCなどマルチに活躍しており、2015年に立ち上げた自身のファッションブランド『SINME』のディレクターも務める。私生活では2児の母でもある。

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取材・文:虫明麻衣
撮影:前康輔
ヘアメイク:結城春香
スタイリスト:古田ひろひこ