オクラの生姜焼き/オクラとカリカリじゃこの冷奴/オクラのみそ汁

五感をひらくレシピ #19

2021.09.29

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、ネバネバの食感が楽しい「オクラ」です。今回も、食材の新たな魅力に出会えるレシピ三種。ぜひ試してみてくださいね!


夏の終わりから肌寒い雨の日が続き、気がつけばすっかり秋になった。私が作っている畑では、春菊とカブの種を蒔いて秋冬野菜作りが始まった。その畑で「まだもうちょっと頑張れますよ」と実をつけているのが「オクラ」。

夏から秋の始まりにかけてが旬のオクラは、切り口が星形でかわいらしい野菜。味にクセがなく、切ってサラダに入れたり、おかかと和えておひたしにしたりするのが定番だと思う。これらの料理は私もよく作るのだが、もっといろんな料理に使えることを知って欲しい。今回は、いつもとちょっと違うオクラ料理を3品ご紹介したい。

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オクラを育てるのは最初の頃苦労した。5月頃に何度も発芽に失敗し、ようやく芽吹いたあとはすくすくと育ち、今では小さめの木くらい立派な幹をしている。

先日仕事で取材した農家さんが「野菜の花の中で一番きれいだと思う」と言うほど、オクラの花は美しい。ハイビスカスのような形をしていて、できることなら家に飾りたいと思うほどにきれい。

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オクラを育てて一番驚いたのは、実の成り方。ヘタの方から先端にかけて細くなっているから、てっきりししとうのようにぶら下がって実がなるのかと思っていた。ところが細い先端が空に向かって伸びて成長すると知った時は思わず「えっ!」と声を出した。

ほかにも、収穫する時もトゲがあるので気をつけないと痛い思いをするなど、作ってみないとわからないことがたくさんある。

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料理する前にまずオクラを観察してみよう。例えばこのオクラは左が私の畑で育てたもの、右が千葉で農家をしている方が育てたもの。プロの方が立派で緑がはっきりとして美しい。どちらがいいとかではないが、プロはやっぱりすごい!と思う。

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指先でオクラを撫でてみると産毛があるのを感じる。動物の産毛のように、触り心地がいい。
オクラの下処理でよく出てくる「板ずり」をすると、産毛が取れ、仕上がりの色合いがきれいになるが、私はそこまで気にならないので、しなくてもいいなと思っている。

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オクラの一番シンプルな食べ方は「茹でてそのままかじる」だと思う。レシピにもならないただの調理法だけれど、オクラの味がよくわかるし、ねばねばも口いっぱいに感じられる。

茹でた野菜を食卓に出して「味付けはお好みでどうぞ」とすれば、各々が調味に関わることができて大人も子どもも楽しんでいろんな味を試せると思う。手抜きかも?なんて思わないで、「みんなで一緒に料理する」と捉えてぜひやってみてほしい。

オクラの生姜焼き

クックパッドが開発している「たべドリ」というアプリがある。レシピがなくても自分の感覚で料理ができるようになるための料理トレーニングアプリで、数年前から私も携わっている。

たべドリに掲載されている料理を即興で作るライブ配信を行った時に、このオクラの生姜焼きに出会った。オクラで生姜焼き?しかも肉も入れないの?と興味津々で作ったところ、これがまあおいしいこと!たべドリに快く掲載許可をいただいたので、ご紹介したい。

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オクラは大きいものであれば半分に切り、小さいものであればそのまま調理する。

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ガクのところは包丁でくるっと一周して取り除く。この作業、地味で好き。

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生姜は千切りやみじん切りなど、お好みの細かさに切る。中火で熱したフライパンにごま油を引き、生姜を入れる。生姜の香りが立ったら、オクラを入れて2分ほど中火で炒める。オクラに火が通ったら、火を弱めて醤油とみりんを1:1の割合で加えてタレを絡ませる。

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オクラはいい意味で味に主張がないので、甘辛いタレがよく合う。粘り気があることで、食べごたえのある料理になり、白ごはんが食べたくなる味。家で最初に作った時、おいしすぎて倍量作ればよかったと後悔。翌日たっぷり作って食べた。多めに作っておいて、翌日のお弁当に入れるのもおすすめだ。

オクラとカリカリじゃこの冷奴

オクラの最大の特徴は、ねばねばの食感だと思う。この冷奴は、そのオクラのねばねば食感をたっぷり味わうためのレシピ。

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まずはオクラをレンジで1分ほど加熱するか、茹でるかして火を通す。縦四等分に切り、ヘタを落として細かく刻む。この無心でオクラを刻み続ける時間が、作業に集中できる心地よい時間。ちなみにオクラを茹ですぎても、刻んでしまえば気にならないので、茹ですぎた時にもやってみてほしい。

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これだけでもおいしいのだが、アクセントをつけるためにカリカリのじゃこを作ってみたい。
お好きな量のちりめんじゃこにごま油をまとわせ、平たい皿に乗せてふわっとラップをかける。レンジで1分ほど温めるとカリカリになる。

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レンジの中で作る、揚げ物のような感じだ。これとオクラを合わせたものを冷奴に乗せ、醤油やポン酢をお好みの量かけていただく。

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スプーンですくって口に運ぶと、柔らかな絹豆腐、オクラのねばねば、カリカリのじゃこが合わさってとってもおいしい!3種類の食感を組み合わせると、なんてことない冷奴でもおもしろい味わいになる。ねばねばオクラとカリカリじゃこの組み合わせは、そのままごはんにかけたり、そうめんに乗せたり、いろんなアレンジができそうだ。

オクラのみそ汁

オクラのみそ汁は夏の定番。粘り気がお湯に溶けるとさらさらとしたとろみがつき、暑い日にはのどごしが良く感じられるし、寒い日はとろみがある分温度がキープされるので冷めずに食べられるのがいいところ。

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作り方は極めて簡単。鍋にお湯を沸かし、好きなサイズに切ったオクラを入れて茹でる。オクラに火が通ったらかつお節を好きな量入れて、だしをとる(かつお節はそのままいただく)。
あとは味噌を溶き、お好みで薬味を入れる。私はみょうがとオクラの組み合わせが好きなので、このペアを使うことが多い。

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お椀を覗くとオクラの断面がかわいらしい。さらっと食べられて、みょうがの香りが立つ上品なみそ汁になる。オクラが少しだけ余っているなんて時もおすすめしたい使い方だ。

いつも使っている食材の新しい食べ方を発見した時、こんな顔もあったのね!と驚きと嬉しさがある。家の中での時間が多いからこそ、小さな食材の変化に気づき、面白さを見出していきたい。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。

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