食べるだけで、1日がこんなにも違う!?元気が出る簡単朝ごはん!

六車奈々の子育てコラム「あいことばは、まあいっか」 #17

FAMILY
2021.06.23

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「朝ごはん、毎日食べていますか?」

私が講演をするとき、必ず聞く質問です。

アイスム読者の皆さまはいかがでしょう?朝ごはん、毎日食べていますか?

「朝ごはんが大事って、なんとなく分かってはいるけど……」
「朝はどうしても時間がなくて……」

食べた方が良いことはわかっているけれど、つい朝ごはんを抜いてしまうという方、案外多いのではないでしょうか。そこで私の講演では、なぜ朝ごはんを食べた方が良いのか、その理由をしっかりお伝えします。すると講演後のアンケートでは、

「朝ごはんがこんなに大切だとは思わなかった。」
「明日からツナおにぎり食べます!」

など、大きな反響をいただきます。

さぁ、朝ごはんを食べることは一体、どんな理由で大切なのでしょう?

朝ごはんを食べよう!理由1・体内時計のリセット

朝ごはんが必要な最大の理由は、体内時計のリセットです。以前のコラム「え?こんなことで!?心も体も元気になる、朝の過ごし方!!」でもお伝えしましたが、日本人の体内時計は、1日24時間10分。ところが私たちが住んでいる地球は、1日24時間。人間が自分の体内時計で毎日を過ごすと、1日10分ずつずれ、いずれ昼夜が逆転してしまいます。

そこで私たちは毎朝、地球の時計と自分の時計を合わせる必要があります。それが体内時計のリセットと言われるもので、リセットには二つのスイッチがあります。

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1. 朝日を浴びる
朝日に含まれるブルーライトが目に入ると、脳の時計(中枢時計)がリセットされる

2. 朝ごはんを食べる
昨晩からの長い絶食後、体に食事が入ることで、脳以外の全身の時計(末梢時計)がリセットされる

つまり朝日を浴びてから1時間以内に朝ごはんを食べることによって、脳と全身に「朝が来た」と伝わり、地球の時計に合わせて1日をスタートさせることができるのです。これこそが、1日を元気に過ごす魔法。

では、朝ごはんを食べないとどうなるでしょう?全身の時計は、朝が来たことを知らないまま時計を刻んでしまうため、朝日を浴びてリセットした脳の時計との間で、体内時差ボケが起きてしまいます。この体内時差ボケは、
「やる気が出ない」「イライラする」「寝たのに、すっきりしない」
という不定愁訴だけでなく、生活習慣病にもつながるといわれています。

朝ごはんを食べよう!理由2・体温を上げて、ベストパフォーマンス!

人間のパフォーマンスは、体温に由来します。体温が上がっている時が活動モード、下がっている状態は休息モードです。

日中、体温をしっかりと上昇させるためには、朝ごはんが大切。朝ごはんを食べると胃腸が動き始め、体温が上がります。体温が上がれば力を発揮できるだけでなく、体がスムーズに動くのでケガ防止にもなります。

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私は日本成人病予防協会認定講師として、『バナナうんちで元気な子!~生活リズムを整えよう~』で、色々な小学校をまわって講演をしていますが、(詳しくはこちら)その講演で小学生の子供たちに見せているのがこちらです。

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出典:鈴木正成『実践的スポーツ栄養学』文光堂(2006)

このグラフは、朝ごはんを食べた人(オレンジ)と食べなかった人(緑)の体温の上がり方。起床時はどちらも36度ありませんが、朝ごはんを食べた人は働く頃にはしっかり体温が上がり、良いパフォーマンスができる体になっています。一方、朝ごはんを食べなかった人は、仕事の時間になっても体温が上がりきっていません。そもそも体が活動モードになっていない状態では、どんなに気力で乗り切ろうとしても、存分に力を発揮することは難しいですよね。

更に、朝ごはんを食べた子供と食べていない子供のテストの結果です。

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出典:文部科学省「平成29年度全国学力・学習状況調査」

朝ごはんを食べた子供の方が、点数が良いのが分かります。
遊びも、仕事も、勉強も、力を発揮するためには、しっかりと朝ごはんを食べることが大切。1日が大きく変わりますよ。

朝ごはんを食べよう!理由3・ダイエット&栄養補給

朝ごはんを抜くと、一見ダイエットになりそうな気がしませんか?ですが、実はその真逆です。そのメカニズムを明らかにしたのが、こちらの研究結果。

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提供:名古屋大学大学院生命農学研究科 小田裕昭准教授
(研究成果は2018年10月31日付/米国の科学雑誌「PLOS ONE」電子版に掲載)

56匹のラットを人に当てはめて

  • 午前8時に朝ごはんを食べる(水色)
  • 朝食を抜いて午後12時にごはんを食べる(オレンジ)

という2グループに分け、同量の高脂肪食を14日間与える実験で、結果は、ご覧の通り。

朝食抜きのラットの方が体脂肪も体重もより増加したのです。

朝ごはんを食べないラットは、肝臓の時計のリセットが遅れ、「体内時差ボケ」が起きていました。肝臓が働く時間が短くなったことで、

  • エネルギー消費そのものが減少
  • 脂肪の代謝量が減少

していました。さらに活動するはずの時間に体温が上がりきらないことも判明。これらが体重増加へとつながったのでした。

こうした研究からも、朝ごはんを食べることは、美と健康の基本ということが分かります。

また成長期の子供にとっては、1日2食で栄養バランスよく必要量を摂取するのは困難です。大人よりも新陳代謝が盛んな子供は、3食に加えておやつで栄養補給が理想。そのためにも、朝ごはんは欠かすことのできない大切な一食なのです。

ということで…朝ごはんを食べよう!

さて、朝ごはん。何を食べるのが良いでしょう?
私のおすすめは、和朝食。和食は栄養バランスも良く、老若男女問わずおすすめです。

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六車奈々オリジナル雑穀米(玄米・ハトムギ玄麦粒・黒米)、味噌汁(凍み豆腐・白菜・エリンギ・にんじん・玉ねぎ・油揚げ)、焼き魚(銀ダラの西京焼き)、卵焼き、小鉢(オクラとしらすのサラダ)、塩辛、いちご、朝ゴマトマト

ですが忙しい朝は、そこまで手を掛ける時間が取れませんよね。
私もこのような食事を作るのは、休みの日だけ。

そこで、時間がない日常の朝ごはん。
以前もお伝えしましたが、「炭水化物+たんぱく質」の食事が体内時計のリセット効果が高いことがわかっています。たとえば『納豆ごはん』『トーストと茹で卵』でOK。これで体内時計はしっかりとリセットされます。

さらに時間がない時のおすすめは、冷凍おにぎり。我が家は一度に5合炊きをして、残った分はおにぎりにして冷凍しておきます。

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これは娘の大好物、鮭と昆布のおにぎり。鮭は夕食の時に少し多めに焼いたものをほぐしたり、無添加の鮭フレークを使います。おにぎりを食べるときに海苔を巻くと、海苔には食物繊維やミネラル、良質のたんぱく質も含まれていますので、さらに栄養アップ。

もっと時間がない時は、コンビニもうまく利用しましょう。ツナは体内時計のリセット効果が高いことがわかっていますので、ツナおにぎりツナサンドもおすすめですよ。

朝ごはんを食べると1日が変わる!
家族全員が朝ごはんを食べて1日をスタートできるといいですね!

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