パクチーの香りが食欲をそそる。失敗知らずの「ヘルシーエスニック・チキンサラダ」
元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。
第35回のテーマは「料理の失敗と工夫」について。枡田さんが経験した料理の失敗や、失敗しないために工夫していることなどをお話しています。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる「ヘルシーエスニック・チキンサラダ」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。
春が来て新学期。わが家の近況
この頃はいろいろなところで春を感じられるようになりました。新生活を迎え、バタバタとしている方もいるかと思いますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
わが家では、一番下の娘が幼稚園に入園しました。これでようやく自分一人の時間ができたと思いつつ、あることに気づいてしまったんですよね。
今までは小さな子どもが家にいたので、なかなか家事に手が回らなかったり、片付かないこともあったんですけど、一方で私はこれを言い訳にして家事をサボっていたなと思いまして(笑)。
でも、これからはできるよねっていう環境になるので、少しプレッシャーもあるのですが、たまには自分を甘やかしながらやっていこうかなと思っています。
わが家の近況です。最近息子がお友達を家に連れてきてくれたんです。わが家の兄妹も一緒にみんなで遊んで、カレーライスとかを作って、合宿みたいにすごく楽しく過ごしていたんです。
そのお友達が本当に気が利く、とってもいい子なんですが、「喉が渇いたからお茶をくれませんか?」と言われて、「うちのお茶、ルイボスティーなんだけど大丈夫かな」と思いながらお茶を出したんです。そうしたら、そのお友達がルイボスティーを飲んでちょっと、「ん?」っていう顔をしたんですよね。
あ、やっぱりルイボスティー苦手かなと思って「ジュース飲む?」と聞くと、「大丈夫です」と言ってくれたので、その時は安心したんですけど、30分後くらいに、その子が「ちょっといい?」って話しかけてくれて。
「せっかくお茶を出してもらったんだけど、実はあのお茶、初めて飲む味で。慣れてなくて、お口に合わなかったの。せっかく出してくれて申し訳ないんだけど、お水をいただいてもいいですか?」って言ったんです。
それを聞いて、「ああ、なんて配慮のある伝え方なんだろう」と思いました。誰かのおうちで、初めて口にするものが出てきて口に合わなかった時、それを伝えるのってすごく勇気がいることだと思うんですよね。その中で最大限、彼女なりの配慮をして伝えてくれて。
言葉のチョイスも本当にすばらしいなと思いながら、「私も気づかなくてごめんね」とお水を渡しました。
わが家の子どもたちも、これからお友達のお宅にお邪魔する機会も増えていくと思うんですけど、出してもらったものは、まずは一度口をつけてみる。それで合わなかった時には、「まずい」とか「何これ」じゃなくて、「口に合わなかったです」と伝えようね、と話しました。
お友達が遊びに来てくれたことで、すごく学びがあったなと感じた出来事でした。これからお友達同士の関わりの中でも、きっとたくさんのことを学んでいってくれるんだろうなと思うと、先の成長がとっても楽しみです。
料理の失敗は数しれず。レンジでコロッケをボン!
みなさんは料理をしていて、失敗した経験はありますか?私は、本当に失敗だらけの毎日です。
まさに、今朝も失敗しました。朝からお弁当用に冷凍のコロッケを揚げたんですが、それを半分に切ったら中がまだ冷たくて、「うわー全然火通ってなかった!けど、もう時間ないからチンしちゃおう」と、そのままレンジでチンしたら、ボン!と破裂…。コロッケの外側以外は、跡形もなくなって、原型をなくしていました(笑)。
レンジでチンする時に、時間を決めて少しづつ温めればいいのに、つい感覚で止めればいいやと思ってタイマーをつけないんですよね。そして、その間に子どもに話しかけられたりして、レンジを忘れてしまって、気づいたら「ボンっ」となるという…。
時間をはかるとか、タイマーを設定するとか、些細な手間をめんどくさがらなければいいのに、そこをサボってしまって、超めんどくさい結果になるのが、私の日々なんです。何度も繰り返しているので、そろそろ反省して学ばないと、と思っています。
あとよくする失敗に、「レンジの中に忘れ物」があります。
同時進行でいろいろな料理を作っている時、「温めておこう」ってレンジでチンして、そのまま忘れて、全然違う用事でレンジを開けた時に「ああ、ここにほうれん草いたか…」とか、そういうことがよくあるんです。
ほかにも、トースターの中に忘れたアンパンマンポテトが「今思い出したの?」っていうような顔をしながら並んでいたりもします(笑)。
一番やらかしてしまったなあと思うのは、魚焼きグリルで肉や魚を焼いたことを忘れてしまった時。
わが家は週に一回くらいしか魚焼きグリルを使わないので、一週間後にグリルの中で悲しい姿になった手羽先やお魚を見つける、みたいなことがあります。しかも網にこびりついちゃって、取りづらいんですよね。特に夏場なんか大変なことになりますし、ほんと気をつけたいです。
「忘れる」を防止する、小さな工夫
最近キッチンの見た目を邪魔しない、ちょっとおしゃれなアルミのボードを買ってきました。そこに毎日、今日の献立を書くようにしています。
そうすると、献立を作る時にも、食材が偏ってないかなとか、味付けや全体のバランスを見直すきっかけにもなりますし、「魚出した、肉出した、サラダ出した」と確認もできるので、出し忘れることもだいぶ減りました。
おしゃれなキッチンで暮らしたいという気持ちもあるので、なるべく生活感を出さないようにとオンラインショップで探したんですけども、これは功を奏しているんじゃないかなと思います。
それから、ごはん。お米を「1合、2合…」と数えながら入れている時に「ママー、音読するからちょっとサイン書いて」って言われて、サインを書いたら、「あれ、何合入れたっけ?」みたいなことがあります(笑)。
袋の中にお米を戻してカウントし直した日はいいんですけど、それをしなかった場合に、お水の量を間違えてお粥みたいになってしまう時もあるんですよね。べちょーっていうごはんが炊き上がってしまって。
そういう時は、もう前向きに捉えて、「これは新しい料理を生み出すチャンスだ!」と思うことにしています。
先日その失敗をした日は、ちょうどダシダのコムタンスープの素があったので、それとお粥みたいになったごはん、そしてこの際だからと、玉ねぎを細かーくみじん切りにして、ニラも入れてみました。結果、すっごくおいしいコムタンクッパができあがって、子どもたちも大喜びで食べてくれて、これはわが家の新しい定番になりました。
ほかにも、お鍋の素などで雑炊を作ったり、そうやって工夫していると、「あ、失敗も悪くないな」というふうに感じられるようになりましたね。
お茶碗を持ってピンポーン!ができるご近所付き合い
ほかにも炊飯器のスイッチを押し忘れる、ということもやらかしたりするんですね、私は。
これはけっこう前の話なんですけど、今はメジャーリーガーになった鈴木誠也くんと畠山愛理ちゃん夫婦が近所に住んでいた時、夜に主人と二人でお茶碗を持って、二人の家にピンポーンって押して、「ここにごはんを一杯ください」ってお願いしに行ったこともあります(笑)。
逆に幼稚園のママ友が朝7時ぐらいに、「お米ちょっと恵んでくれませんか」って空のお弁当箱持ってきてよそったことも。
広島って、そういう近所付き合いが盛んで、お茶碗を持ってごはんを入れてもらうというようなことを、みんなナチュラルにできる環境なんですよね。失敗しちゃったなぁと思いつつも、絆が深まったり楽しい思い出が増えてOKかなって思えたりもして。
失敗した時は、自分を責めるんじゃなくて、ちょっと楽しく捉えられたらいいなと感じたりもしています。
あと、料理の味付けの失敗もたまにやってしまいます。そういう時には、だいたい昆布茶の粉末をかけたらおいしくなります。
お塩をかけるとしょっぱすぎて角が立ってしまうような時、昆布茶はちょうどいいんですよね。塩味と旨味でだいたいの料理はおいしくなるので、悩んだらとりあえず上からパラパラっとかけると、味がグッとしまるので試してみてください。
ただ、たまに昆布茶でもカバーできない時があって。私自身も「これは…子どもたち食べてくれるかなぁ」と思いながら、その料理を食卓に出すことがあるんですよね。
すると、最近覚えた便利な言葉をわが家の子どもたちは言うんです。
「ママごめん。これは口に合わない」って。
その言葉を言われたら、もう何も言えないですよね(笑)。そうだよねって、一人でその料理を食べたりしています。
とはいえ、「失敗は成功のもと」とも言いますから、これらの失敗の経験をうまく生かして、自分に合った料理の仕方を見つけていけたら素敵だなとも思います。
料理の失敗談や失敗した料理のリカバリー方法など、みなさんのお話もぜひ聞かせてください。
大人味と子ども味で2度おいしい「ヘルシーエスニック・チキンサラダ」
聴くコラムで毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回ご紹介するのは「ヘルシーエスニック・チキンサラダ」です。これは、誰が作っても失敗しないお料理だと思います。
材料
作り方
- 1. もやしはさっと洗い、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600w)で3分チンする。
- 2. 1の粗熱が取れたら、水けをしっかりしぼる。
- 3. サラダチキンをさく。
- 4. 2を3のサラダチキンと混ぜて、冷やしておく。
- 5. 4をお皿に盛り、その上からすし酢、ごま油、スイートチリソースをぐるっと一周ずつ回しかける。
- 6. お好みでパクチーをかけて完成!
本当にあっさりしていてとってもヘルシーですし、エスニックの風味が感じられて、これだけで凝った料理に見えるのでぜひ作ってみてくださいね。
パクチーとスイートチリソースって子どもには難しい組み合わせかなとも思うので、スイートチリソースを入れる前に、子どもたちの分だけを取り分けてあげるといいかもしれません。すし酢とごま油だけでも十分に味がありますよ。
取り分けた後に、大人用として好きなだけパクチーとスイートチリソースを入れてくださいね。スイートチリソース、私は「YOUKI食品」さんのものが好きです。ちょうどいいバランスの甘さと辛さでおいしいんですよね。
これからだんだん暖かくなってきますし、梅雨時や夏場でも食欲をそそる味ですので、ぜひみなさん作ってみていただけたらと思います。
さいごに
枡田絵理奈の聴くコラム、今回は「料理の失敗と工夫」についてお話ししました。
本当に日々失敗していてネタは増えるばかりですので(笑)、また新たな失敗がありましたらご紹介しますね。
ここで、いただいたコメントを少しご紹介します。
こんにちは、毎回アイスムを楽しみにしています。堂林家のエピソードも楽しみにしています。枡田さん、堂林選手は食べ物の好き嫌いはありますか?嫌いなものがあっても、食卓に並べたりすることはありますか?
実はうちの主人は本当に好き嫌いがまったくなくて、何でも食べられる人なんですね。ちなみに私も好き嫌いがない人間でして…ですので、何を出しても食べてくれます。
ただ、外食などでお店に行った時に好んで頼まないものはあります。主人は、わりと分かりやすいものが好きで。例えば洋食屋さんでお子様ランチとかに出てきそうなもの、それから焼肉、お寿司とかですかね。逆に、よく分からないカタカナのもの、例えばアクアパッツァとか、そういったメニューは自分でオーダーして食べることはないですね。
自分が好きなものだけを食べるのは、もちろんOK。でも新しくチャレンジしてみたら、昔はおいしいと思わなかったものが「あれ、おいしいかも」って、年を重ねたことで発見があるかもしれないと私は思っているので、あまり好みでないかも?というメニューも定期的に出すようにはしています。
みなさんはどうですか?家族の好き嫌いが多かったりすると、何を食卓に並べようかなって考えることが大変だったりしますよね。でも、新しい発見があるかもしれませんし、たまには苦手かもしれないメニューを食卓に並べてみるのもアリだと思います。
このように感想をいただけると私もとても励みになりますし、リクエストや質問にもなるべくお応えしたいと思いますので、ぜひ気軽に送ってみてくださいね。
感想やリクエストは、アイスムのページからお送りいただけます。Voicyのコメント欄でもOKです。お待ちしています!
それではまた次回お会いしましょう、枡田絵理奈でした!