罪悪感と油は少なめに。親子でパクパク「のり塩フライドポテト」
元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。
今回のテーマは、「春を感じる食べ物」について。春に食べたい食材や、春の食べ物にまつわる思い出、春だからこそ楽しめるレシピなどをお話します。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる、「のり塩フライドポテト」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。
料理をしたくない時だってある
今年もあっという間に出会いと別れの季節がやってきましたね。みなさん、いかがお過ごしですか?
わが家では、夫がプロ野球のキャンプから帰ってきましたが、実は今年のキャンプ期間は、私の「料理を作りたい気持ち」が夫と一緒にキャンプに行ってしまったようで…。
夫のキャンプ中は、基本私と子どもたちだけなので、カレーライス、オムライス、ハヤシライスといった、子どもが好きで私も作りやすい、どんぶり系のものをメインに作って、あとはサラダとスープ…と本当に毎日手軽にすませていました。
たまに「夕飯、何がいい?」と聞くと、「ポケモンのメザスタのタグがほしいから、ハッピーセット!」と言われて、「よし!じゃあパパもいないし、夜だけどマック食べちゃおうか!」なんていう日もあったりして。
夫が久しぶりに自宅に帰ってきて、今日からはがんばってごはんを作るぞ!とキッチンに立ったんですが、これだけ料理をサボると何から手をつけていいか分からなくなるようで(笑)。「えーっと、何をすればいいんだっけ?」という感じで、キッチンで一瞬手が止まってしまいました。
今はちょっとずつ感覚が戻ってきているところです。シーズン中は夫はすごく体力を使いますし、暑い中や雨の中でも戦わなければいけないので、その体力を作るためにも栄養のある料理を作らなければと、ここからは気持ちを引き締めて、お料理に向き合いたいなと思っています。
あとは、娘の小学校の入学式で何を着ようかと悩んでいます。私の携帯のフォルダの中は、いろいろなジャケットの写真でいっぱいです(笑)。
新生活にワクワクすると同時に、新しい環境に娘がすんなりなじんでくれたらいいなとか、しばらくは気持ち的にも疲れちゃうかなとか、私自身もちょっとドキドキしているような状態です。
春の食べ物と聞いて思い浮かぶ食材
春の食べ物というと、どんな食べ物を思い浮かべますか?野菜なら、たけのこ、新玉ねぎ、新じゃが、春キャベツ、スナップえんどう…お魚でいえばサワラやタイ、あとは桜えびやしらす、あさりでしょうか。
でも実は私、四季の中で春が一番、食欲が湧かないんです。花粉症と戦っている時期なので、頭がぼーっとしたり、鼻が詰まったりしてきて、嗅覚や味覚がいつもより鈍くなってしまって、食に気持ちが向きにくくなります。
あと、子どもの時から桜えびが苦手というのもあって。春の料理って、桜えびがいつも入っている気がするんですよね(笑)。ですので、夏や秋、冬にはこれが食べたい!というのがあるんですけど、「春かあ、春は何を出そうかな…」とちょっと考えてしまいます。
そんな中でも、好きなのは新玉ねぎ。水にさらさなくても甘みを感じることができるので、調理時間の短縮にもなりますし、サラダにも使いやすいですよね。甘くてたくさん食べられます。皮ごと食べられる新じゃがとか、柔らかい春キャベツもおいしいですよね。春キャベツは、生で味わうこともできるので大好きです。
春の思い出の食材は、たけのこ
春の食材で私が一番に思い浮かぶのは、たけのこです。小さい頃、近所のいとこの家に裏庭があって、そこがちょっとした竹林になっていたんですね。
春になると、その竹林にみんなでたけのこを掘りに行っていました。足場の悪い坂道を登って、足で土を踏むんです。すると足の裏にちょっとだけ、トゲっとした感覚がある場所があって「ここにたけのこありそうだ!」と、スコップを深く刺して持ち上げるんですが、これがなかなか難しくて…たけのこの一番下の部分まで届かずに、途中で折っちゃったりするんです。
でも、土の外に出てしまっているものだとおいしくないので、これから出るぞ!という感じのたけのこを見つけ出して、きれいに掘れた時っていうのは、すっごくうれしかったです。
一つ年上と三つ年上のいとこたちと、私の両親と、おじさんとおばさんで、春になると裏庭で過ごしたのがすごくいい思い出として残っています。
でも、子どもの頃は両親がたけのこを使った料理をよく作ってくれていて、私もそれを近くで見ていたんですが、大人になるにつれて”たけのこは水煮で買うもの”という感じになっていました。
子どもたちにも、できれば私と同じような体験をしてほしいと思いつつも、なかなかさせてあげられなくて。一昨年前に、大きなたけのこをいただいたので、これはチャンス!と思って、子どもたちと一緒にたけのこを茹でるところからやってみました。
私も大人になってからはほぼ初めてだったので、ネットで調べながら調理をしました。茹で上がったたけのこを、子どもたちとむくんですが、これがもう…むいてもむいても終わらなくて、「え、まだむくの!?」っていうくらいゴールが見えなくて、最終的には、親指と人差し指で作れる三角ぐらいまで小さくなってしまったんです(笑)。
可食部が少なかったのか、調理を間違ってしまったのかが、今でも分からないんですが、子どもたちと「食べるとこなくなっちゃうよー」って大笑いしたのは、すごくいい思い出になりました。
それで懲りて、やっぱりたけのこは水煮で買うものだ、となりました(笑)。もちろん、丸のままのたけのこを茹でて、茹でたてのものを使ったほうがおいしいと感じますが、それはお店で味わおうという結論になりました。でも、今年の春はまたがんばって一回ぐらいは、丸のままのたけのこを茹でてみようかななんて思っています。
手軽に味わえる春の味
私はたけのこごはんがすごく好きなので、北のエースというお店にある「筍ごはんHOKUYA」という炊き込みごはんの素をよく使っています。これがすっごくおいしいんです。春の間はいつもストックしています。
そしてもう一つ、春だからこそ味わいたいグルメとしておすすめしたいのは、あさり。みなさん、大あさりって知っていますか?ホタテまではいかないんですけど、貝がそれぐらい大きいんです。
この大きなあさり、旨味とか味わいもちゃんとあさりなんですけども、身がプリプリで大きくて、これをバーベキューのコンロでじっくりと焼いて食べるのが本当にもう贅沢で!あさりから汁が出てきて、そこに専用のたれをかけて食べるんですが本当においしい。
「まるか水産」というお店の大あさりなんですが、うちの子どもたちもそれが大好きで、ネットで取り寄せて食べています。バターと醤油で焼いてももちろんおいしいですし、食べたことがない方は、ぜひ試してみていただけたらなと思います。
旬の食べ物で、体もすこやかに
旬のものを食べるメリットって、味がおいしいとか、値段が安くなっているということもあるんですが、やっぱり、食材がベストの状態で収穫できる時期なので、栄養価がすごく高いんですね。なおかつ、その時期に体が必要としているものが多かったりもするんです。
春の季節は、花粉症などで体がダメージを受けていることもありますし、季節の変わり目ということで風邪をひきやすくなっていたり、新生活で知らず知らずのうちにストレスがかかっている時期でもあると思います。
春が旬の菜の花やキャベツやアスパラガスは、ストレスに強いとされている抗酸化作用が高い食物なんですね。メンタルにもいい影響を与えてくれるとされているので、旬の野菜を意識して食べることで、知らず知らずのうちに体のケアもできていたりします。そうやって考えると、ちょっとありがたみも増して、旬の食事がさらに楽しめそうですよね。
食卓に春らしさを出す時、私はパステルカラーになるように心がけています。例えば卵焼きだと、いつもは麺つゆなどを使って醤油ベースの味にするところを、薄口醤油や白だしで黄色がきれいに出るようにしてみたり。あとは桜でんぶでピンク色を加えたり、スナップえんどうの鮮やかな黄緑で彩るなど、緑や赤の強い色ではなくて、パステルカラーの食材を並べて、春らしさを感じられるようにしています。
食材で春らしさを出すことが難しい時は、器やペーパーナプキンを使ったりもします。また、桜の枝を買ってきて飾るときもあります。無理に食事で春を出そうとしなくても、食卓の周りのもので春を演出するのもおすすめです。
みなさんはどのような形で春を楽しんでいらっしゃいますか?みなさんの春の食事の楽しみ方を教えていただけたらうれしいです。
心ゆくまで食べたい。油控えめで作る「のり塩フライドポテト」
聴くコラムで毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回ご紹介するのは罪悪感少なめな「のり塩フライドポテト」です。私はフライドポテトが大好きなんですけど、やっぱり揚げ物はカロリーも気になりますよね。そこで、最近わが家でハマっている、カロリー控えめなフライドポテトの作り方をご紹介します。
材料
作り方
- 1. じゃがいもを8等分くらいのくし切りにする。新じゃがなら皮がついたままでも!
- 2. 1のじゃがいもを耐熱容器に入れて水にさらす。
- 3. 水気を切り、じゃがいもを入れた耐熱容器にラップをし、電子レンジでほくほくする固さまで温める。(じゃがいも1個で600W2分くらいが目安)
- 4. キッチンペーパーでじゃがいもの水気を拭きとり、炒め物をする時より少し多めの油で全面がカリッとするまで焼く。
- 5. 青のりと塩をかけて完成!
ちなみに、電子レンジで蒸した後は水分が結構ついているので、一回しっかりとキッチンペーパーで拭いてから焼くと、安全に焼くことができると思います。
このフライドポテトは、外側はカリッとしていて中はほくほくで、でも中まで油が染み込んでいないので罪悪感も少ないです。ハンバーグの付け合わせにもいいですし、もちろんメインで食べてもいいですし、とってもおいしくておすすめなので、ぜひ作ってみてください。
わが家では、味付けカレーパウダーのようなものを使ったり、クレイジーソルトのような味付きの塩を使ったりして、味を変えて楽しんでいます。
堂林家にはこの時期になるとじゃがいもが100個以上届くんです(笑)。ですので、じゃがいもを大量消費しなくちゃいけなくて、ポテトサラダや肉じゃがを作ったりするんですけど、とにかくわが家ではこのフライドポテトの売れ行きがものすごくて。子どもたちがバクバク食べてくれるので、最近は100個のじゃがいもも怖くなくなるくらいおすすめなレシピです。みなさんもぜひ試してみてください。
さいごに
枡田絵理奈の聴くコラム、今回は「春を感じる食べ物」についてお話ししました。みなさん、お楽しみいただけましたでしょうか?
メッセージをいただいているので、ここでご紹介します。
枡田さんへ質問です。子どもの日や七夕など、お子さんと楽しめる行事用レシピなどのレパートリーがあれば、教えていただきたいです。
行事の時は、もちろん華やかな食卓にしてあげたいという気持ちはあるんですけど、料理に時間を取られて、その行事を子どもと楽しめないのはすごく悲しいなと思うので、サッと作れて、でも映えるというのを意識しています。
それから、子どもたちと一緒に作れるということも大事にしていて、お気に入りなのは七色のそうめん。ピンク、水色、黄色、黄緑、白など、最近はいろんなお店から出ていますよね。そうめんは茹でるだけなのに、虹色のおかげで食卓がすごく華やかになるので、特に七夕にはイメージがぴったりだと思ってよく使っています。
あとは、子どもたちと一緒にケーキも作ります。インスタグラムで紹介されていた、100円ショップなどで売っているアルミのケーキ型を使ったこいのぼりケーキ、ご存知ですか?
こいのぼりの形にしたアルミの型にカステラを細かく切って敷きつめて、生クリームを塗って、またカステラを敷きつめて、生クリームを塗って…と繰り返します。いちごを薄くスライスしたものをうろこのようにのせて、目はチョコペンで描いて、こいのぼりケーキを作るんです。これがすごく簡単で作りやすくて、一緒に楽しく作ることができるのでおすすめです。
ほかには、ディズニーランドに行ったときに買った、電車の形をしたお子様セット用の器。普段は隠しているんですけど、特別な日に出して、その器に料理をのせます。ごちそうでも、冷凍食品のナゲットでもいいんですけど、これにのせただけで「うわあ!」っていう声が聞こえてくるので(笑)、行事食の時にはそういう子どもたちのテンションが上がるお皿を使うこともしています。お皿を変えるだけでも料理の印象って変わるかなと思いますので、よかったら参考にしてみてください。
今回のメッセージは、アイスムの公式LINEの方からいただきました。アイスム公式LINEでは、今後も質問やお悩みなどを募集しますので、よかったらぜひご登録ください。
感想やリクエストはアイスムのページにある、感想リクエストを送るから送りいただけます。感想をいただけますと、私もとても励みになります。ぜひ気軽に送ってみてくださるとうれしいです。もちろんのVoicyコメント欄でもOKです。お待ちしています。
それでは、また次回お会いしましょう、枡田絵理奈でした!