新年をハッピーに!紅しょうが香る大根もち

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #9

FOOD
2020.12.28

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芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。2020年最後のレシピは、旬の大根を使った「大根もち」。紅しょうがが効いた、お好み焼きのような味わいの一品です。カリッ、もちもち、ピリッ、さっぱり。頬張ると、異なる要素が口の中に一気に広がって、ささやかなパーティが始まるよう!


材料(作りやすい量)

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  • 大根…10センチ
  • エビ…4尾
  • (a)干しエビ…大さじ2
  • (a)だしの素…小さじ1/2
  • (a)片栗粉…大さじ3
  • (a)紅しょうが…適量
  • めんつゆ…大さじ2
  • みりん…大さじ2
  • 七味、マヨネーズ、海苔…お好みで

作り方

1. 大根の半分はすりおろして軽く水気をきる。もう半分は千切りにして塩(分量外)をふり、水気をしぼる。
2. エビを細かくたたいて1と(a)の材料を混ぜ、丸く成形する。
3. フライパンにゴマ油(分量外)を引き、2を軽く焼き目がつくまで焼く。
4. 余分な油をふきとり、めんつゆとみりんを加えて絡め焼く。お好みで海苔を巻いたり、七味やマヨネーズを添えたりして完成。

生エビ&干しエビ入りの大根もち

2020年を「今年」と呼べる日もあとわずか。そんな事実に震え上がりつつも、外出頻度の少なさゆえか、春夏秋冬が一周した実感を持てずにいる人もいるかもしれません。

せめて家のなかで、旬の食べ物に触れながら、心豊かに過ごせたら。2021年をハッピーに迎えるために、関さんが選んだレシピは「大根もち」です。

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「白無垢やウエディングドレスしかり、ものごとの始まりには、白いものが良いという考え方があって。おもちも白いので……と思ったんです。大根が入っていて、ヘルシーなところもポイントです。」

レシピごとに、入れる食材やその配合が異なる大根もちですが、関さんのレシピの特徴は、生のむきエビが入っていること。干しエビも入っているので、ダブルでエビを楽しめます。

「大根の汁はそのまま飲んじゃう」

まずは大根をカット。半分は千切りにして、半分はすりおろします。

「皮はむかずに、そのままいっちゃいます!」と関さん。

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「皮と実の間に栄養がつまってるので。カレーに入れるにんじんとかも、皮ごと切って入れてますね。」

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すりおろした時に出る水分は、ぎゅっとしぼります。

「もったいないから、家で作るときはこのまま汁をぐっと飲んじゃうんですけどね(笑)。」

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「大根は部位によって味が異なりますが、どの部分を使うかはお好みで。小さいお子さんがいる場合には、辛みの少ない上の部分がおすすめかもしれません。

あと、大根の切り方も。今回は半分ずつ変えていますが、お好みで、全部千切りにしたり、全部すり下ろしたりしても作れます。」

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多少やわらかめでも、焼けば固まる

エビは殻を取り、背わたを取り除いたあと、細かく刻んでいきます。関さん曰く、背わたをとる工程は「料理しているなぁっていう実感があって、好きな作業です。逆に、材料を切るのとかは、あんまり好きじゃない(笑)。」

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たしかに、背わたをにゅっと取り出す瞬間には爽快感がある……!

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エビをたたき終えたら、大根、干しエビ、紅しょうが、だしの素と混ぜ合わせます。

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まんべんなく混ざったところで片栗粉を投入。水分の具合を確かめながら、入れる量を調整しつつ……

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入れ終えたら、丸く成形していきます。

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「成形するとき、多少やわらかくても、焼けばなんとか固まります。大根の代わりに、にんじんやれんこんで作ってもおいしいんですよ。」

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裏返すときは、フライ返しと菜箸を使うと安心

続いては、焼き上げる工程。フライパンにごま油をたっぷり引き、丸めたタネをひとつずつ、そっとのせていきます。火は中火くらい。

この時点で早速、ごま油の香りが辺り一帯を覆い尽くしてゆき、食べたい気持ちがぐーんと盛り上がってまいりました。

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じゅうーーーーっと、威勢のよい音を立てながら、きつね色に変化してゆく大根もち。

ふたをして、蒸し焼きにすると、内側にも火が通りやすいです。

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裏返すときには、写真のように、フライ返しと菜箸を両方使ってひっくり返すと、崩れにくいのでおすすめ。

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焼き目がついたら、めんつゆとみりんを合わせた調味料で味付け。フライパンの上に余分な油が残っている場合には、クッキングペーパーなどで拭き取ってから、調味料を注ぎ込んでいきます。

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じゅうううっという爽快な音がさらに大音量になってまいりました。……たまらん!

お好み焼きみたいな味わい

焼き上がったら、お好みで、海苔、マヨネーズ、七味を添えて完成です。

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一口サイズで食べやすそうな、かわいらしい大根もち。早速実食してみたいと思います。

(口に入れる)……………おっ!?

大根のしゃりしゃりとした歯ごたえ。むきエビのむちむち感。干しエビの磯の風味。紅しょうがの辛みと酸味。もちもちっとした片栗粉の食感。……要素がいっぱいある!

「カリッ」と「もちっ」が同居していて、後味として残るのはさっぱり感。これは「もち」なのでしょうか。「どんな食べ物ですか?」と聞かれても一言で答えられないような、たくさんの感覚が詰まった味がします。

しいて例えるなら、さっぱり味のお好み焼き……?

「紅しょうがを入れることで、お好み焼き風になるんですよね」と関さん。

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「冷めてもおいしいから、お弁当に入れても!そのときは、片栗粉を少しだけ増やすと崩れにくくなります。」

名古屋のお雑煮は超シンプル

ところでもうすぐお正月。関さんにお雑煮について聞いてみたところ……

「地元・名古屋のお雑煮を作ります。名古屋のお雑煮はとってもシンプルなんですよ。具材は、お餅、かまぼこ、もち菜。もち菜というのは、小松菜に似た、愛知周辺独特の野菜です。1年に1回、お正月の時期にしか見かけなくて……。

あと、私は鶏肉もちょこっと入れるかな。で、仕上げにかつおぶしをバサッと入れる。よく聞かれるんですが、赤味噌は使いません。お出汁とおしょうゆの味わい。」

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みなさんの食べるお雑煮には、どんな特色があるでしょうか。全国津々浦々、ちょっとずつ異なるはず。年末年始はそんなお雑煮を楽しみながら、どうぞ穏やかにお過ごしください。よいお年を!

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取材・文・イラスト:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:鈴木理乃(Smile meal)

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